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長期優良住宅のメリットが知りたい!認定基準や申請手順ってどうなってるの?

長期優良住宅のメリットが知りたい!認定基準や申請手順ってどうなってるの?

掲載日:2019.11.27

令和元年5月31日の国土交通省発表に、長期優良住宅の認定実績が100万戸を突破したとありました。さらに、長期優良住宅の認定に必要な住宅性能評価書の交付は3年連続で増加しており、多くの人が長期優良住宅を選択していることがわかります。

しかし実際に長期優良住宅を建てよう(購入しよう)としても、認定基準も、税制も複雑なため「税金の控除があるって聞くけど…具体的にはどういった基準の制度なの?」「申請はいつ行うの?」などなど、いろいろな疑問が出てくるかと思います。

今回は、長期優良住宅の認定を取得するにはどんな基準があって、どういったメリット・デメリットがあるかを解説します。

長期優良住宅について

長期優良住宅とは

まずはこの制度を作った、国土交通省のサイトからの引用で長期優良住宅とは何なのかを紹介します。

(1)制度の概要
 長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置がその構造及び設備に講じられた優良な住宅のことです。長期優良住宅の建築および維持保全の計画を作成して所管行政庁に申請することで、基準に適合する場合には認定を受けることができます。
 新築についての認定制度は平成21年6月4日より、既存の住宅を増築・改築する場合の認定制度は平成28年4月1日より開始しています。

出典: 住宅:長期優良住宅のページ – 国土交通省

良い住宅を手入れしながら長く快適に使うという目的でできた制度なんですね。
先に施行されていた住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)では、「良い住宅」というモヤっとした存在に対して消費者が分かりやすいように評価する基準が作られており、その基準を準用する形で「長期優良住宅」という認定基準が定められました。

優良な住宅を作るとお金が掛かる、資産価値も高まり税額も高くなる…けれど優良な住宅を普及させたい、ということで長期優良住宅は一般の住宅に比べ税金の軽減措置や住宅ローン控除が有利になる制度が設けられているのです。

長期優良住宅のメリットは?デメリットってあるの?

住宅は高額な買い物です。長期優良住宅に認定されていない一般の住宅を購入する場合も、税金の優遇制度は存在します。

長期優良住宅では建築に費用がかかったり、資産価値が上がることで課税される金額が大きくなることから、一般の住宅で設けられた控除額からさらに限度額が上がったり、税額軽減の年数が延びたりなど、税負担の軽減が考慮された内容となっています。

メリット

長期優良住宅のメリットについて、税金面のメリットをご紹介します。住宅の性能面からのメリットは後述の認定基準の章で解説します。

所得税の住宅ローン控除

⇒一般住宅よりも最大182万円控除額が多い。2024年以降はさらに大きな差に。

住宅ローン控除は、還元される金額が大きいため住宅ローンを利用する際はぜひ活用したい制度です。住宅ローンを組んで一定の住宅を購入、新築をした際に所得税(住民税の一部)が入居した年から13年間(2024年以降の入居では一般住宅10年間)にわたって軽減されます。

新築の一般の住宅では控除額が年間21万円(2024年以降14万円)上限のところ長期優良住宅等の認定住宅であれば年間35万円(2024年以降31.5万円)上限と、トータルでは182万円(2024年以降では269.5万円)もの差となります。

詳細は関連記事からご覧ください。

固定資産税の優遇

⇒新築住宅の税優遇が一般住宅よりも2年延長

新築住宅は期間限定で固定資産税・都市計画税が軽減されます。一般の住宅は一戸建てでは3年間、マンション等共同住宅では5年間のところ、認定住宅では一戸建て5年、マンションなど共同住宅では7年間と、2年間長くなります。

詳細は関連記事をご覧ください。

登録免許税の軽減

一般住宅では所有権保存登記に0.15%、所有権移転登記に0.3%かかりますが、長期優良住宅に認定されることで所有権保存登記0.1%、所有権移転登記は一戸建て0.2%、マンションなど共同住宅では0.1%となります。

参照:国税庁(特定の住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ)

投資型減税による所得税控除

ローンを使用せず長期優良住宅を取得する人でも適応されるのが投資型減税です。一般の住宅よりも、長期優良住宅は性能を上げるために費用が掛かることから、相当分とされる10%程度が控除額となります。
長期優良住宅の認定を受けるほか、低炭素住宅の認定を受けても税制の特例措置を受けることができます。

デメリット

メリットばかりに見える長期優良住宅ですが、デメリットといえるものはあるのでしょうか。

建設に時間を要する

一般の住宅を建てるよりも申請や、工期などで時間がかかる場合があります。長期優良住宅を取得するノウハウや経験のある工務店、ハウスメーカーに依頼するとよいでしょう。

申請のコスト

申請には時間と費用がかかります。
認定を受けずとも、性能を兼ね備えた住宅を建築することは可能です。税の控除額や将来売却の際に有利になるというメリットとコストを比較してみて、申請しなくてもいいという考え方もあるかもしれません。

維持保全のコストがかかる

長期優良住宅は建ててからの保全に関しても基準が設けられています。長期優良住宅であり続けるためには、住み始めてからも定期的なメンテナンスに手間と費用がかかることとなります。

長期優良住宅のメリット

長期優良住宅の認定基準は?認定されていない物件は危ない?

長期優良住宅はどのような基準で認定されるのでしょうか。また、認定がされていない住宅は安全ではないということ?そんな疑問にお答えします。

認定基準

長期優良住宅の認定基準は、品確法で定められている住宅性能表示を準用し、一部追加措置があったり、逆に緩和措置がとられています。また、一戸建てと共同住宅では若干内容が異なります。

耐震性

長期優良住宅に必要な耐震性は住宅性能表示の耐震等級の等級2以上が該当します。これは、住宅の現存期間中、極めて稀な頻度で発生する大規模地震(震度6強~震度7とされます)に対して、倒壊、損傷をしないレベルの強度があることを示します。

倒壊せず居住者の生命だけではなく、継続的に利用ができ震災後の生活も守る強度がこの耐震等級2以上(最高は3)となるのです。

メンテナンスのしやすさ

長期間にわたり住宅に住み続けるにはメンテナンスの必要がでてきます。その際、維持管理が容易なよう作られていることも長期優良住宅の条件なのです。
維持管理対策等級(専用配管)にて等級3が必要です。

リフォームしやすい(可変性)

これはマンションなど集合住宅の場合に必要になる基準です。

長いこと住宅に住んでいると、家族構成やライフスタイルが変化します。また、この長期優良住宅の理念として、住宅は建てた個人が住まなくなっても、賃貸や売却を行い他の人間が居住することも想定されています。その際に、その個人個人に合った内装(インフィル)に改装できることが条件の一つとして挙げられているのです。

バリアフリー(高齢者などへの対策)

これはマンションなど集合住宅の場合に必要になる基準です。
高齢になった時に手すりやスロープを付けるなど、バリアフリー化が可能であることが条件としてあげられています。

省エネルギー

断熱性能が確保されていることが基準となります。断熱等性能等級5が必要です。

以上が住宅性能表示制度の基準と関連した部分です。
品確法での定めがなく、長期優良住宅独自の基準は以下の3項目があります。

住戸面積

一戸建ての場合は床面積の合計が75㎡以上。共同住宅では廊下やエントランスなどの共用部分を除き一戸の床面積の合計が55㎡以上となっています。
しかし、地域によって広さが確保できないなどの事情も鑑み各所管行政庁によって基準を定めることが可能とされています。

居住環境への配慮

各自治体などが定めた地区計画、景観計画、条例などに沿ったものであることが定められています。

維持保全計画

長期優良住宅を維持するため、定期的なメンテナンス、必要に応じて点検、補修をすることなどが定められています。

認定を受けていない住宅

長期優良住宅の認定基準をご紹介してきました。では、認定を受けていない住宅はこれらの基準を満たしていないのか、というと必ずしもそうではありません。

第三者機関のチェックを受け、基準をクリアすることで「長期優良住宅」という一定の品質を持つ住宅であることが証明されるわけで、認定を取得していなくても高品質な住宅はあります。しかし、完成時の品質だけが長期優良住宅認定の要件ではないのです。

どういうことかというと、住宅は「出来上がって完了」ではありません。長い年月を経ても安全・快適に暮らせることが重要であり、長期優良住宅では維持保全計画書をもとに30年以上の定期点検や修繕の計画が義務付けされます。点検の間隔は10年以内、地震や台風などの災害があった際は都度点検を実施する必要があります。このような点検や改修記録を残しておくことでその後のメンテナンスにも役立ちますし、もし売却をする場合も「きちんとメンテナンスを行った家」として価値を高めることができます。

個人でこのようなメンテナンス計画を立てるのは難しいものです。長期的な視点からも住宅の質を保つ、それが長期優良認定住宅なのです。

申請の仕方

長期優良住宅の申請はどのようにして行われるのでしょうか。順を追ってみていきましょう。
申請手続きは建築主、または分譲事業者が行います。申請手続きは施工事業者などが代理で行うこともできます。

申請する手順

着工前に申請(長期優良住宅建築等計画等 計画の作成)
住宅を建てる土地の所管行政庁に届け出を行います。この申請は、着工する前に行う必要があります。
登録住宅性能評価機関へ事前審査依頼
所轄行政庁に提出する適合証は、第三者機関である登録住宅性能評価機関へ事前に審査依頼を出し、基準を満たすことで交付されます。
登録住宅性能評価機関は品確法に基づき住宅性能評価の業務を行う機関であり、国土交通大臣への登録が必要です。ここでは技術的審査が行われます。
登録住宅性能評価機関の審査
登録住宅性能評価機関では、全国共通のルールのもと住宅の性能を公平に評価します。
登録住宅性能評価機関から「適合証」受理
登録住宅性能評価機関から「適合証」が発行されます。
所管行政庁へ認定申請(適合証も提出)
所轄行政庁へ必要書類を提出し認定申請を行います。必要書類は各所轄行政庁によって異なる場合がありますので、ホームページや窓口などで確認しましょう。
所管行政庁の審査
所轄行政庁にて審査が行われます。
所管行政庁から認定通知書受理
所轄行政庁から認定通知書が発行されます。

それぞれの機関で審査に要する期間は異なります。それぞれ確認しましょう!

申請するためにかかるコスト

申請にかかる費用は、所轄行政庁によって金額が異なります。
審査内容がそれぞれ異なるためのようです。

愛知県の長期優良住宅申請手続きにかかる費用

愛知県内でも、管轄する市区町村によって費用が異なります。
名古屋市では12,000円、その他の市区町村では17,300円です。(いずれも登録住宅性能評価機関の技術的審査を経る場合)
そもそも、適合しているかどうかは市区町村ではなく民間の第三者機関(登録住宅性能評価機関)が行います。そちらの申請にも費用が必要となり、金額には幅がありますが6万円程度が多いようです。

改正があったり、申請の内容で異なります。最新の情報、手続きの詳細な内容は各市町村のHPで確認しましょう。

参照:名古屋市:長期優良住宅認定制度(事業向け情報)
   長期優良住宅の申請手続き – 愛知県

長期優良住宅もナカジツ

いかがだったでしょうか。税制上でお得な上に、快適に長く住むことのできる長期優良住宅。もしも住宅を手放すことになった際も、きちんとメンテナンスされ、住宅の性能が保証されていれば良い条件で売却できる可能性が高まります。

ナカジツの新築住宅、Asobi-創家(アソビスミカ)では長期優良住宅の4つの性能基準に対し、全て最高等級をクリアしています。
※全ての物件において長期優良住宅を取得している訳ではありません。

長期優良住宅をご検討の際は不動産SHOPナカジツにご相談下さい。

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