碧南市は愛知県の西三河地方南西部を流れる矢作川の河口右岸に位置しています。昭和23年(1948年)に市制が敷かれました。市内の大浜や棚尾は室町時代からの港町として発展し、江戸時代になると江戸へ向かうための廻船基地となり、三州瓦や酒、みりんなどを数多く積み出していました。伝統品である瓦の製造は碧海台地の粘土が原料になっており、現在は従来の黒瓦が減り、赤瓦や釉薬瓦が多く生産されています。農業は専業から兼業に変わってきており、ビニルハウスや温室を使った野菜や花卉の栽培が盛んです。昭和32年(1957年)に衣浦港が重要港湾に指定されたのを契機に、コーンスターチや製糖、飼料などの食品コンビナートの他、ステンレス工場や木材センター、自動車専用埠頭などが次々に設置され、工業港湾として発展します。さらに、衣浦海底トンネルが対岸の半田市と連絡すると、昭和52年(1977年)には衣浦臨港鉄道港線が開通します。そして、市内を名古屋鉄道三河線や国道247号線が走り、藤棚で知られる広藤園や妙福寺の志貴毘沙門天、衣浦温泉があります。