西尾市は愛知県の南部、矢作川河口東岸に位置し、西三河南部の中心都市になっています。南部は三河湾に臨み、沖には湾内最大の佐久島が浮かびます。昭和28年(1953年)に市制が敷かれました。江戸時代には西尾藩松平氏6万石の城下町して、また平坂を外港とする港町の要所として栄えます。本町には豪商の店舗が軒を連ね、その繁栄から岡崎、豊橋とともに「三河三都」と呼ばれていました。江戸後期になると三河木綿の生産が広がり、明治時代中期には近代工場によって白木綿の生産が始まります。市の北部には多数の繊維工場が設置されています。また、享保の初期(1720年頃)に江戸の鋳物師によって始められた鋳物業のノウハウは、現在の自動車部品などの生産に受け継がれています。市の北西部の洪積台地には江戸時代に京都の宇治から伝わった茶畑があり、碾茶(抹茶の原料)の生産量は全国一になっています。なお、南部の福地地区は苗木栽培や洋ランの生産で有名であり、神明社の大シイは国の天然記念物に指定されているます。そして、市内には名古屋鉄道西尾線や国道23号線、247号線が通っています。