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SDGs対談を実施しました

2022.08.30

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ナカジツでは、SDGs目標の1つである「つくる責任つかう責任」「働きがいも経済成長も」への取り組みとして、建物品質の向上と建築人材の教育や職場環境の改善を目指しています。
そこで、採用~初期教育、現場での経験の場面ごとでどのような教育が必要になるのか、ナカジツの取り組みが専門的な視点からどう映るのか、教育のプロであるものつくり大学教授 三原斉先生と特別対談を実施いたしました

 

1、ナカジツSDGsについて

山口執行役員:
弊社では「不動産のワンストップサービス」をビジネスモデルとして構築しており、リノベーションや注文住宅の提案、分譲住宅・中古再販住宅の企画など、不動産仲介に留まらない事業展開で成長を続けてきました。2020年には「あんしんあんぜんが守られた世の中」のために「SDGs宣言」を行い、その一環で「品質の向上」を軸として社会課題に取り組んでおります。ただ品質を高めることは容易ではなく、現在もさまざまな取り組みによって社員教育や意識改革に努めています。

先日、三原先生のホームページにて「技能者は品質確保の最後の砦として建設生産システムの中で重要な役割を担う」という内容を拝見しました。そこでぜひ優秀な技能者や品質向上について、さまざまな視点からお話を伺いたくお時間を頂戴しました。

加藤課長:
人財開発課で課長を務めております加藤と申します。現在ナカジツでは東海地方を中心に福岡県と千葉県でも営業活動を行っています。今後はより出店が加速していく関東エリアでの採用を強化していきたいということで、愛知県だけではなく東京都内にも採用拠点を置いて活動しております。私は採用と入社後の初期教育を担当しておりますが、毎年建築施工管理や弊社に関心を持っていただける学生さんを見つけるのに苦労しています。三原先生は学生と触れ合う機会が多いと思いますので、最近の学生が何を望み、どのようなキャリアプランを思い描いているのかなどのご意見をお伺いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。

三原先生:
よろしくお願いいたします。

 

2、人財育成と建物品質の相互関係

山口執行役員:
まずは弊社で品質向上のために行っている取り組みについて説明いたします。弊社では品質の向上において、「人財」が最も重要だと考えております。設計や企画、実際の建築作業などもすべて人間がやりますので、人財の教育には力を入れております。もちろん技術力だけでなく、挨拶やマナーなどの意識面でも成長してもらいたいため、技術面と意識面の両軸で施策を実施しています。

三原先生:
どのようなことをされているのですか。

山口執行役員:
現場の技術向上のため、「職人の技術力の向上」「現場監督の検査力の向上」「お客様ファースト」の3点を掲げています。そしてこれら3点を達成するため、弊社ではチェックシートを導入しています。1~2年目の社員にはチェックシートを記入してもらい、その評価をもとに月に2回ほど先輩や上長と面談しています。これによって新人の成長を可視化し、効率的に戦力化することを狙っています。協力会社に対しても勉強会などを実施してマニュアルを浸透させています。

三原先生:
チェックシートと定期面談は良いですね。社員の得意分野や苦手分野も把握できますし、コミュニケーションも図れますね。

山口執行役員:
ほかにも外部企業による工事検査も定期的に実施しており、通常業務を評価していただくことで改善点を見つけます。現場監督向けのコンテストもあり、技能面はもちろん近隣への配慮なども評価対象となっています。参加することでモチベーションが高まり、競争意識を醸成しています。

部署に配属されてからは以上のような取り組みをしていますが、配属前はどのような教育をしていますか。

加藤課長:
入社直後の初期教育では、マナーなどの社会人基礎のほか、ナカジツのビジネスの根幹になっているワンストップサービスの理解と、経営理念の浸透に重きを置いています。主に不動産の座学と建築研修を通して、取引の流れや不動産仲介の仕組み、効率的な現場管理を学んでもらい、社内のサプライチェーンを理解した状態で現場配属となります。部署間でのコミュニケーションの円滑化も重視しており、ワンストップサービスというビジネスモデルや配属後の労働環境においても重要な役割を果たしています。

三原先生:
すでにこれほど積極的に施策を行われており驚きました。コミュニケーションの促進やモチベーションの向上は本当に重要ですので、自己啓発に繋がる良い取り組みをされているなと思います。

 

3、職人不足や女性活躍推進のために私たちができること

山口執行役員:
弊社では若手が多いため、若者の教育には力を入れているのですが、高齢化によって職人が不足している中で、企業としてやるべき取り組みなどはございますか。

三原先生:
独自の訓練学校を作ることをおすすめします。投資が必要になってしまいますが、自社で建築大工職人を生み出すことができる環境を持つというのがナカジツさんの強みになると思います。

山口執行役員:
なるほど、訓練学校ですか。たしかに学校という形で教育することで、今後、幅広い戦力を持ちやすく、長期的にも有用になりそうですね。

三原先生:
あとは職人さんにも独自の資格を取ってもらうというのはどうでしょうか。一級建築大工技能士や一級左官技能士および一級内装仕上げ施工技能士などです。職人さんのモチベーションが向上し、品質保証にもつながると思います。訓練学校を作るなら、そこで一級技能士の資格を取ってもらえれば、その職人さんたちが他の現場でも指示ができるような体制を作れるので、本人としても企業としてもプラスになると思います。

山口執行役員:
資格があるとお客様へのPRにもなり、職人さんの自信もつくので良いかもしれませんね。

職人だけでなく、女性の活躍も推進していきたいと考えておりまして、特に新築の現場監督がなかなか定着しないので、良い手立てなどがございましたら教えていただけますでしょうか。

三原先生:
やはり若い女性が働きやすい現場づくりをすることが大切だと思います。女性が活躍している建築系の企業の取り組みとして、現場のトイレを男女別にし、さらに女子トイレの横にはパウダールームを設置しています。1つだけではなく3つほど。このような環境整備だけでも、女性の働きやすさは変わってきますので。

山口執行役員:
現場だとどうしても男性が多くなるので、たしかに男女別でないと安心できないですね。

三原先生:
あとは職人さんの仕事を社内研修などで体験させるのも良いと思います。女性ですと力仕事や職人さんの細かい作業は難しいですが、そのような仕事の一部でもできると自信につながるので、職人さんと一緒に実際に体験することで、作る楽しみを感じてもらう。自分は作業せずにチェックしてばかりですと退屈ですからね。そういった取り組みをすることで施工管理の喜びや楽しさにつながり、やる気も上がるのではないでしょうか。

日本建設業連合会や全国低層住宅労務安全協議会、日本建築仕上学会等では、それぞれ「けんせつ小町」、「じゅうたく小町」、「女性ネットワークの会」などのグループを作っています。女性が仕事で活躍する上での悩みを解消するため、お互いの体験や意見を話し合い、ダイバーシティの取組みや育児期の働き方等について意見交換ができる場を設けています。

山口執行役員:
普段はやらないようなことを体験できるというのは良い刺激になりそうですね。あとはキャリアをしっかりと可視化できるようにしたいと思いました。どのような規模・工事内容の現場をどれだけ経験したのか、技術者としての経験スキルが明文化されることで自身のキャリア形成に目を向けるきっかけになればいいなと思います。いろいろな選択肢を考えてもらいたいです。そういう意味でも職人さんとの社内研修は有効かもしれません。

 

4、建築人材の採用に向けて

加藤課長:
現在、弊社では若手が非常に活躍しておりまして、20代が70%以上を占めています。ですから今の学生にも期待したいのですが、採用活動では大手のゼネコンやハウスメーカーを希望する学生、勤務地や福利厚生などを重視する方が多いです。より弊社に興味を持ってもらうため、現在の学生がどのような志向で就職活動を進めているのか、ご存じでしたらご教示いただきたいです。

三原先生:
インターンシップで決める学生が多いですね。ものつくり大学ではインターンシップが2年次に必修、4年次にも選択授業となっており、実働40日間、企業に送り出します。長期のインターンシップですので企業さんにはご迷惑をおかけしますが、おかげさまで学生はかなり鍛えられて帰ってきますね。企業側も学生とのマッチングができ、実際にインターンシップ先に就職する学生は非常に多いです。

加藤課長:
40日間ですか。かなり長期間ですね。弊社では短期のインターンシップしか実施していないのですが、学生の意見を聞くとやはり現場を実際に体験したいという思いが強いので、そういった声に応えられるプログラムが必要かなと思いました。

三原先生:
企業にも学生にもメリットが大きいので良いと思います。ただ40日はお互いに大変なので、最初は1週間ほどが最適かなと思います。

山口執行役員:
ありがとうございます。弊社の方針として、中途社員ももちろん必要ですが、会社を作っていくのは新卒や若手ですので、フレッシュな価値観や考え方を持つ新卒や学生と関わると、自分たちのやり方を見つめ直す良いきっかけになりますね。

今回は長い時間お付き合いいただきありがとうございました。採用や教育についてさまざまなお話を聞かせていただき、我々には思い至らない視点や着想を学ぶことができました。ご教授いただいた内容はナカジツの「品質の向上」のための参考にさせていただきますので、今後ともよろしくお願いいたします。


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