蒲郡市は愛知県の南部、渥美湾の北岸に位置しています。昭和29年(1954年)に市制が敷かれました。江戸時代は松平氏4500石の城下町として栄え、東部にある三谷港は漁業と海運業が発達し、吉田藩の年貢米は三谷港から積出されていました。現在でも三谷港は遠洋漁業の基地として、カツオやマグロが多く水揚げされています。明治21年(1888年)に東海道本線の蒲郡駅が設置されます。当時の鉄道唱歌の歌詞に、『海の眺めは蒲郡』とあるほど蒲郡は海岸美に優れた景勝地でした。現在でも「竹島」とその周辺の海岸は東海地方屈指の保養地として多くの人に親しまれています。近年は三河木綿で知られる綿織物工業が発展しており、昭和38年(1963年)には東三河工業整備特別地域に指定されます。また、北部の山麓斜面ではミカンが栽培され、温室栽培地としては全国でも有数の産地です。なお、清田の大クスや八百富神社社叢、大島ナメクジウオ生息地は国の天然記念物に指定されています。また、三谷温泉や形原温泉、西浦温泉、三ヶ根山などが三河湾国定公園の中心をなしています。