『省エネ性能表示制度』ってなに?
建物の省エネ性能を買いたい人、借りたい人がわかりやすいように表示する制度だよ。
ショウエネセイノウ?難しそう…
大丈夫!アイコンや具体的な数値で表されるから、物件ごとの比較がしやすいよ。
実は2013年に開始されていたという『建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)』。10年以上の歳月 を経て、より住宅の省エネ化が求められる中、今回の義務化(努力義務)では何が変わったのでしょうか。
■今回の要点■
- 『省エネ性能表示制度』で住宅の性能が分かりやすく!
- 不動産ポータルサイトからもラベル表示でみることができるように
目次
『省エネ性能表示制度』とは、どういう制度?
省エネ性能表示制度とは、簡単に言えば住宅の省エネ性を比較しやすくする制度です。家電は性能にこだわるのに、人生で長く使うことになる“住宅の性能”を知らないでおく手はありません。
性能の違いは光熱費や住環境の快適性、さらには家族の健康に影響します。
そもそも性能表示に関していえば住宅業界にも不親切な点はありました。「高性能!」とか「業界最高レベル!」などとうたっていても具体的な数値は明記されていない、なんてこともありますから、普及したならば住宅の省エネ性能の比較が容易になることでしょう。
具体的に何が行われる?
具体的にお客様が目にすることができるのは「省エネ性能ラベル」と「エネルギー消費性能の評価書」の2点です。
どちらも不動産会社やハウスメーカーが住宅性能評価・表示協会のホームページにて販売・賃貸する建物のデータを入力し、統一のフォーマットのラベル、評価書を発行します。(第三者評価を受ける方法もあります)
簡易的な情報が表記されている家の形の中に数値が表示されたラベルは自社のホームページやSUUMOやアットホームといったポータルサイトに掲載されるので、家探しを始めた際に目にすることになるでしょう。
詳細な情報が記載される評価書は接客時や契約時の説明に使用される想定になっています。
左:ラベル、右:評価書
掲載イメージ
いつから?
2024年4月から、省エネ性能ラベルの表示が努力義務となります。
努力義務ですから、なかなか取り組みが進まない可能性もあります。
対象の建物は(戸建、MS、賃貸も)
新築住宅の売買だけでなく、買取再販住宅や賃貸も対象となります。
ライフステージとしては未だ購入を検討するのは先だと考えている方も、住宅の省エネ性を考える良い機会になるのではないでしょうか。
新築住宅は2024年以降に建築確認申請を行った物件が対象です。
売買物件
分譲一戸建て、分譲マンション、買取再販住宅(不動産業者が買い取った中古住宅を販売すること)が対象となっています。
対象外とされている注文住宅ですが、2021年4月より建築士から建築主(お施主様)への省エネ性能の義務化がされています。そのため対象外となっていますが、性能が確定したらラベル・評価書を発行することが望ましいとされています。
賃貸物件
賃貸住宅のほか、事務所やテナントの賃貸においても適用されます。
詳しく!省エネ性能表示制度の見方は?何がわかる?
ラベルを比較すれば、それぞれの物件の性能を比較できることはわかりますが、それぞれ何を表しているのかを紹介します。
オフィスやビル向けのラベルもありますが、今回は住宅用のラベルのみをご紹介します。
①再エネ設備
再エネ設備の有り無しが表示されます。再エネとは『再生可能エネルギー』のことで、太陽光発電、太陽熱を利用した給湯や、バイオマス発電が該当します。
②エネルギー消費性能とは?
国が定める省エネ基準からどの程度消費エネルギーを削減できているかの指標(BEI)が表されます。再エネ設備のある・なしでも表示が変わります。
③断熱性能とは?
断熱性能とは住宅内の熱(暖かさ、または涼しさ)の逃しにくさを表すUA値と、冷房を使うシーズンに日射から受ける熱の量を評価した数値ηAC値の2点から評価される指標です。7段階あり、2025年には等級4が最低基準となります。
④ZEH水準
ZEH水準を満たす性能であるかが表示されます。
ZEH水準を満たすことで適用される税控除の制度もありますから、ぜひチェックしたい項目です。
⑤目安光熱費
それぞれの住宅の省エネ性能に基づき想定される年間の光熱費の目安をシミュレーションしたものです。居住人数や地域区分の外気温なども考慮されています。
目安とはいえ具体的な金額が分かるため大変助かりますが、任意項目のため記載が無い場合もあります。
⑥ネット・ゼロ・エネルギー(ZEH)
④と似た項目ですが、第三者評価が無ければ表示ができません。ZEH水準の達成に加えて太陽光の売電を行うことでエネルギーの収支が0以下となる場合にチェックマークが表示されます。
⑦第三者評価か否か
BELSという第三者評価を利用しているか、事業者自身が値を入力して出力したラベルなのかが表示されます。
⑧建物名称
評価の対象が分かるよう、建物名称の記載が必須となっています。
『省エネ性能表示制度』を一つの目安に活用しよう
2024年4月に始まる『省エネ性能表示制度』についてご紹介しました。既にあった省エネ表示の制度が、消費者により届きやすくなることを期待します。それにはハウスメーカーだけでなく、仲介する不動産会社や 、賃貸管理事業者など業界を挙げての取り組みが必要となります。
マイホームは、立地、デザイン性、安全性など様々な要素が組み合わさった大きな買い物です。信頼できる専門家に相談し、後悔のない購入をしましょう。
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