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更新日:2025.08.08

不動産購入前にチェック!ハザードマップの見方を徹底解説!

ハザードマップの見方のアイキャッチ

この記事のポイント

    • ハザードマップで洪水・土砂災害・津波などの被害想定と避難情報を確認できる
    • ハザードマップは複数の種類があり、用途に応じて使い分ける必要がある
    • ハザードマップの見方は難しいので、具体的な被害や生活への影響をイメージしながら見る意識が大切

「家を建てる予定の土地、災害リスクは大丈夫なんだろうか?」
「事前にハザードマップを確認しておく必要性はわかっているけど、どこを見ればいいのか……」

近年は住宅購入前に災害リスクを確認するのが常識になりつつあります。災害リスクをはかる指標となるのがハザードマップです。しかしいざハザードマップを開いてみても、情報が多く、どこを見ればいいのか戸惑うことも少なくありません。

この記事では、ハザードマップの基本的な見方や操作方法、種類別の特徴、確認すべきポイントまで丁寧に解説していきます。これを読み終える頃には、土地選びの判断材料としてハザードマップを使いこなせるようになっているでしょう。

ハザードマップとは

まずはハザードマップの基本的な役割について解説します。

災害時に危険な場所や避難先を地図で示したもの

ハザードマップは、地震や洪水、土砂災害などが発生した場合に、どの場所が危険になるのか、どこへ避難すべきかを地図上で示したものです。

種類はいくつかあり、市区町村が地域の特性を踏まえて作るものもあれば、国土地理院など国の機関が提供する全国対応のマップもあります。

ハザードマップでは、浸水の深さや土砂災害の危険度などが色分けされており、ひと目でおおよそのリスクが把握できるようになっています。併せて、避難所の位置や避難経路が示されているものも多く、いざというときの行動につなげやすいよう構成されています。

自治体などで配布される紙版に加え、スマートフォンやパソコンで操作できるデジタル版も多く、用途に応じて使い分けることができます。

防災マップとの違い

似た言葉に「防災マップ」がありますが、役割が異なります。防災マップは、避難所や避難ルート、消火栓の場所など「どう行動するか」をまとめた地図です。一方、ハザードマップは「災害時に想定される被害」を示した地図です。

どちらか一方では不十分であり、両方を確認することで、災害時に必要な備えを具体的にイメージできるようになります。

ハザードマップの種類と確認方法

ハザードマップにはいくつかの種類があります。中でも代表的なのが「重ねるハザードマップ」「わがまちハザードマップ」「NHK全国ハザードマップ」の3つです。いずれも無料で利用でき、インターネットからアクセス可能です。

まずは、基本的なポイントを比較します。

ハザードマップの基本的なポイントの比較
名称 作成母体 操作性 デジタル対応 紙対応 確認できる主な災害項目 利用が向いている人
重ねるハザードマップ 国土地理院(国土交通省) あり なし 洪水、土砂災害、高潮、津波、道路防災など 複数災害のリスクを一括で確認したい人
わがまちハザードマップ 各市区町村 あり あり 洪水、土砂災害、津波など(自治体ごとに異なる) 地域密着の情報を知りたい人
NHK全国ハザードマップ NHK あり なし 洪水、土砂災害、地震など リスクをざっくり把握したい人

それぞれに特徴があり、用途に応じて使い分けるのがポイントです。

「重ねるハザードマップ」の特徴と使い方

(愛知県岡崎市羽根東町周辺)

「重ねるハザードマップ」は、国土地理院が提供するデジタル地図で、複数の災害リスクを地図上に重ねて表示できるのが最大の特徴です。住宅地や周辺エリアが、どんな災害リスクにさらされているかを視覚的に把握できます。

地図の中心や拡大縮小は自由に操作でき、左上の「情報」メニューから災害種別(洪水、土砂災害、津波など)を選択することで、色分けされたリスクエリアが表示されます。また、道路防災情報や指定緊急避難場所も追加で表示できます。

検索窓から住所を入力すれば、目的地をすぐに表示できます。操作もシンプルで、災害ごとの危険範囲を同時に確認できるため、土地の比較検討時には特に役立ちます。

具体的な使い方は、公式の「重ねるハザードマップ」の使い方ページにてご確認ください。

「わがまちハザードマップ」の特徴と使い方

「わがまちハザードマップ」は、各自治体が作成したハザードマップを検索・閲覧できるデジタル地図です。「重ねるハザードマップ」と同様に、国土交通省運営のハザードマップポータルサイトから閲覧できます。地域に特化した情報を確認したいときに有効です。

ポータルサイトでは、都道府県→市区町村と選択することで、対象エリアのPDFマップや関連リンクが表示され、各自治体の専用ページに遷移できます。中には紙ベースのマップのスキャンデータを公開している自治体もあり、スマートフォンではやや見づらいものもあります。

役所の窓口では紙版のハザードマップを配布している場合が多く、直接書き込みながら確認したい方や、大きなサイズで全体を見渡したい方には紙版がおすすめです。

なお、災害種別や掲載内容は自治体によって差があるため、一度内容を確認した上で活用するのが現実的です。

基本的な操作方法は、「わがまちハザードマップ」の使い方ページで確認できます。

NHK全国ハザードマップの特徴と使い方

(愛知県岡崎市羽根東町周辺)

「NHK全国ハザードマップ」は、NHKが提供する地図サービスで、住んでいる場所や気になる地域を指定するだけで、災害リスクの概要をコンパクトに表示してくれます。視覚的にわかりやすく、地震や洪水、土砂災害といった災害種別ごとにリスク評価がまとめられています。パソコン版だけでなく、スマートフォン版もあります。

使い方は簡単で、トップページで確認したいリスクを選択し、検索バーに確認したい市区町村名や住所を入力するだけ。地図と一緒に「この地域は過去に〇〇災害がありました」といった履歴情報や、その場所のリスクがフキダシで表示されます。

前出の2つに比べて機能はシンプルですが、災害リスクを俯瞰するのに向いているといえるでしょう。

より詳しい使い方についてはNHK全国ハザードマップの使い方ページで確認できます。

ハザードマップの見方が難しいと言われる理由

ハザードマップを見慣れていない人にとっては「結局どこを見ればいいのかわからない」と感じることも多いようです。

なぜハザードマップの見方が難しいか、その理由を解説します。

色分けの意味を直感的に判断しにくいから

ハザードマップでは、危険度を色で表現するのが一般的です。たとえば浸水の深さであれば、黄色・オレンジ・赤・紫といったグラデーションで段階的に示されています。

ただ、この色分けがひと目で理解しづらく、濃い色が何を意味しているのか迷うことがあります。

「赤だから危ないのかな?」と感じたとしても、何センチの浸水を示しているのか、どの程度のリスクがあるのかは凡例(図の説明)を見なければ判断できません。

色が強調されているぶん、逆に数字的な意味が読み取りにくくなってしまうこともあります。

マークや凡例が多いから

地図上には避難所、土砂災害警戒区域、津波浸水想定区域など、さまざまな記号や線が使われています。たとえば黒い点線で囲まれた区域は土砂災害の特別警戒区域、青い矢印は津波の到達方向、赤い破線は危険斜面を示すことがあります。

1つひとつの意味は凡例に記載されていますが、情報が多すぎて「何が重要なのか」が見えづらくなることも……。

とくに重ねるハザードマップのようなデジタル版では、表示設定によって記号や凡例が変わるため、地図に慣れていない人にとっては難しく映る場面もあります。

リスクの程度や生活への影響がイメージしにくいから

「ここは浸水1.0〜2.0mの可能性があります」と言われても、実際にどれくらいの被害が出るのか、生活にどう影響するのかまではピンとこない人が多いのではないでしょうか。

たとえば床上浸水といっても、車が使えなくなるのか、電気や水道はどうなるのか、避難が必要なレベルなのかは記載されていません。数字だけでは、現実の暮らしに落とし込んで考えるのが難しいのです。

【災害種別】ハザードマップの見方

「重ねるハザードマップ」では、災害の種類ごとにリスクが色分けされ、ひと目で被害想定・予想がわかるようになっています。ただし、色や数値だけを見ても具体的な被害のイメージが湧きにくいこともあるでしょう。

ここでは洪水・土砂災害・高潮・津波の4種類について、それぞれの見方と生活への影響の読み解き方を紹介します。

洪水・内水

(愛知県岡崎市羽根東町周辺)

「重ねるハザードマップ」で「洪水」を選択すると、川の氾濫などにより浸水が想定される範囲が6段階の色で表示されます。画面右下の凡例を見れば、その色が「どのくらいの深さの浸水」を表しているのかがわかります。

凡例の構成は以下のとおりです。

凡例の構成
浸水深 想定される被害の目安
黄色 0.0〜0.5m 大人の膝下程度の深さ。歩行は困難になり、車の走行にも支障が出ます。
オレンジ 0.5〜3.0m 床上浸水の可能性。建物の1階部分が浸水します。
サーモンピンク 3.0〜5.0m 建物1階は完全に水没し、2階部分も浸水するおそれがあります。
5.0〜10.0m 2階まで浸水します。ω生活圏のほとんどが水に沈むレベルです。
ピンク 10〜20m 鉄筋コンクリート造でも1~2階が水没する可能性。地域全体が水面下に近い状態となります。
20m〜 家屋や構造物の耐久性では対応しきれない極めて深刻な浸水が想定されます。

色が紫に近づくほど浸水の程度が深刻になり、被害の規模も大きくなります。特にピンク〜紫で示される区域では、命にかかわる深刻な状況が想定されており、住宅購入の際にも参考になるマップといえるでしょう。

左側のパネルでは、複数の浸水想定(想定最大規模、計画規模、旧区分など)を切り替えて表示できます。表示される色分けは、どのデータを選ぶかによって異なるため、住宅購入時は「想定最大規模」のデータで確認しておくと、あらゆるリスクを知っておくことができます。

土砂災害

(名電山中駅周辺)

「重ねるハザードマップ」で「土砂災害」を選ぶと、地図上に赤や黄のエリアが表示されます。これは、急傾斜地や山の斜面などで土石流やがけ崩れが発生するおそれがある場所を示しています。

凡例を見ると、主に以下の2種類の危険区域に分かれています。

2種類の危険区域の説明
区域名 内容
土砂災害警戒区域 土砂災害のおそれがあり、住民の避難や安全確保が必要とされる区域
土砂災害特別警戒区域 命に関わる重大な被害が想定される区域。建築制限や構造基準も設けられている

赤いエリア(特別警戒区域)は、建物ごと土砂に巻き込まれるリスクが高く、住宅購入時には慎重な判断が求められます。黄のエリア(警戒区域)も油断は禁物で、避難指示が早期に出される可能性があります。川沿いや谷筋、傾斜地のすぐ下に住宅地がある場所では特に注意が必要です。

高潮

(愛知県津島市周辺)

高潮とは、台風や低気圧の影響で海面が異常に上昇し、沿岸部や河口域に海水が押し寄せる現象です。「重ねるハザードマップ」で「高潮」を選択すると、浸水の深さを色で段階的に表示できます。

凡例は洪水と同様に6段階あり、それぞれの色が浸水の深さを示しています。

海岸や河口付近、干拓地などの標高が低いエリアは特に注意が必要であり、高潮は直接的な浸水に加え、河川や水路を逆流して内陸部へ広がることもあります。

マップ上では、災害リスクが高いエリアに紫色が表示されるため、凡例を確認しながら「どのくらいの高さまで水が来る可能性があるのか」「建物のどの部分が浸かるのか」といった具体的な影響をイメージすることができます。

左側のパネルで表示対象のデータを選択すれば、「想定最大規模」の高潮被害を確認することも可能です。これは、過去の実績や最新の気象予測データをもとに、あらゆる被害が最大になったケースを想定して表示されます。

津波

(愛知県弥富市周辺)

「津波」を選択すると、津波による浸水が想定される範囲が色で表示されます。

浸水の深さも、ほかの災害と同様に6段階で示されます。

また、津波リスクが高いエリアの自治体などのハザードマップでは、津波到達時間が記載されているものもあります。これは地震発生から津波がその地点に達するまでのおおよその時間を示すもので、10分以内とされる地域では即時避難が求められます。

津波は、海岸線からだけでなく、河川や水路を通じて内陸部にまで遡上することがあるため、海から離れている場所でもそのリスクには注意を払っておく必要があります。

住宅購入時にハザードマップで確認すること

ハザードマップからはさまざまな情報を得られますが、いざ家を買うときには優先して確認しておきたいポイントがあります。

ここでは、4つのポイントを解説します。

該当エリアがリスク区域か

まず確認すべきなのは、購入を検討している土地や建物が、何らかの災害リスク区域に該当しているかどうかです。たとえば洪水や津波の浸水想定区域、土砂災害警戒区域、高潮リスク区域など、種類によって該当範囲は異なります。

重ねるハザードマップなどで対象エリアを表示し、色がついていないかをチェックしましょう。赤や濃い色がついている場所は危険度が高い区域であることが多く、建物の耐久性やライフラインへの影響も考慮する必要があります。

具体的な浸水深や到達時間

浸水リスクがある場合は、どの程度の深さまで水が来るのか、どのくらいの早さで災害が到達するのかといった具体的な数値を確認しましょう。

たとえば浸水深が「3.0〜5.0m」となっていれば、建物の1階は完全に水没し、2階への避難が前提となります。津波や洪水の到達時間も重要な指標で、10分以内に到達する地域であれば即時避難が前提となるため、家族構成や生活動線との相性も考えておく必要があります。

浸水の深さは、凡例と照らし合わせればすぐに判断できるので、「何色のエリアなのか」ではなく、「何メートルの水深なのか」まで確認する意識が大切です。

避難場所や経路が確保できるか

万が一の事態に備え、近くに避難場所があるかどうか、そこまで安全にたどり着ける経路が確保されているかも見ておきましょう。

ハザードマップには避難所のマークや避難経路が表示されているものもあります。徒歩で向かえる距離か、高齢者や小さな子どもがいても無理のないルートかといった視点で、現地を歩いて確認するのもよいでしょう。

避難所が遠く、浸水エリアをまたがないとたどり着けない場合は、避難計画を見直す必要があるかもしれません。

保険や資産価値への影響はどの程度か

災害リスクが高い地域では、住宅ローンの審査に影響が出るケースや、水災補償付きの火災保険料が割高になることがあります。

また、将来的に売却や住み替えを考える際にも、リスク区域にある物件は資産価値が下がりやすい傾向があります。

自治体によっては、ハザードマップに該当していることを理由に、建築制限がかかったり、特別な構造基準を満たす必要が出てきたりする場合もあります。

購入前にハザードマップで確認し、不動産会社や金融機関にも相談しておくと安心です。

【FAQ】ハザードマップの見方に関するよくある質問

最後にハザードマップに関連するよくある質問に回答します。

ハザードマップでは南海トラフの被害予測も確認できる?

南海トラフ地震のような広域災害に関しても、一部のハザードマップでは関連情報が確認できます。特に「重ねるハザードマップ」では、津波や地震による浸水・土砂災害リスクなどが可視化されており、想定震源域に近い地域では被害想定が反映されていることがあります。

ただし、「南海トラフ地震」と明示された被害想定マップが常に見られるわけではなく、地震や津波リスクの表示を通じて副次的に判断するかたちです。

地震予測は、各自治体の防災資料や内閣府・気象庁などの公的サイトも併せて確認するとよいでしょう。

Googleマップで確認できるハザード情報がある?

Googleマップでは、洪水発生時に「SOS 緊急情報」として洪水ハザードマップが表示されることがあります。

欧州宇宙機関の衛星データをもとに、Googleのアルゴリズムで作成されるもので、発災後に数時間から数日かけて反映されます。

ただし都市部などでは精度が落ちることもあり、常時表示されるわけではありません。

参照:SOS 緊急情報: 洪水ハザードマップ|Googleサポート

まとめ

ハザードマップを見れば、その土地にどのような災害リスクがあるかが見えてきます。ただし、色や数字だけでは実際の状況がイメージできず、判断しきれないことも多く「この場所で本当に大丈夫か」と迷う場面もあるかもしれません。

そんなときこそ、信頼できる不動産会社の存在が心強い味方になります。プロの視点で災害リスクや資金計画の疑問に応えてくれることで、土地選びの不安を解きほぐすことができます。

不動産SHOPナカジツでは、地域密着で多くの住まい選びをサポートしてきました。

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