この記事のポイント
- 不動産取得税は登記後4~6カ月ほどで通知が届き、条件によっては自ら申告が必要になる
- 一定の条件を満たす住宅や土地には軽減措置が適用され、申告によって税額が大幅に減る
- 相続は非課税だが贈与や売買は課税対象となり、軽減によって税額が0円になるケースもある
「急に不動産取得税の通知が届いてびっくりした」
「そもそも、いつ・いくら払うのかよくわからない……」
不動産取得税とは、不動産を売買・贈与で取得したとき、又は建物を新築・増築したときに都道府県が課税する地方税です。
この記事では、不動産取得税の支払い時期・計算方法・軽減措置・申告の要否まで、はじめての方にもわかりやすく解説します。
読むことで納税の流れがクリアになり、適切な対処ができるようになるはずです。不動産を取得してから期間を空けて納税通知書が届くため、そのとき慌てて対応することがないよう、税額や計算方法、軽減措置を受けるための手続きなど概要を把握しておきましょう。
記事の構成
不動産取得税の支払い時期と納付期限
不動産取得税は不動産の所有権移転の登記をしてから、おおむね4~6カ月後に納税通知書が届きます。なお、住宅を新築した場合などは、価格決定手続きが必要となりますので、さらに時間がかかります。
納期は納税通知書に定められた日(通知が到着して1カ月後ぐらい)ですが、各都道府県により異なります。納税する場所は銀行などの金融機関、県税事務所の窓口、コンビニエンスストア等ですが、納付金額によって利用できる方法が異なる場合もありますので納税通知書の記載事項をよく確認のうえ納付をするようにしましょう。
不動産取得税の計算
不動産取得税は売買・新築・増改築・贈与・交換等の事由で不動産を取得した者に課税されます。なお、相続により不動産を取得した場合は課税されません。
【原則計算】
不動産取得税額 = 不動産の価格(※1) × 税率
※1 宅地や宅地と同じ扱いを受ける土地(宅地比準土地)に限り、令和8年3月31日までに取得した場合、宅地の価格 × 1/2 となります。
不動産取得税の軽減措置
一定の条件を満たす住宅や住宅用土地を取得した場合には、不動産取得税が軽減されます。
新築住宅及びその敷地の税額の軽減
建物については評価額から1,200万円が控除され、敷地については一定額が減額されます。
| 建物 | 特例の税額 | 不動産取得税 =( 固定資産税評価額 – 1,200万円 )× 3% |
|---|---|---|
| 軽減の要件(増改築含む) | ・居住用その他も含め住宅全般に適用(マイホーム・セカンドハウス・賃貸用マンション[住宅用]など) ・課税床面積が50㎡以上240㎡以下 |
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| 敷地 | 特例の税額 | 不動産取得税=(固定資産税評価額 × 1/2 × 3%)− 減額される額(下記アかイの多い額) ア=45,000円 イ=(土地1㎡当たりの固定資産税評価額 × 1/2 )×( 住宅の床面積 × 2(200㎡を限度))× 3% |
| 軽減の要件 | ・上記「建物」の軽減の要件を満たすこと ・取得から3年以内(2026(令和8)年3月31日までの特例)に建物を新築すること(土地先行取得の場合) ・土地を借りるなどして住宅を新築した人が新築1年以内にその土地を取得すること(建物建築先行の場合) |
認定長期優良住宅の税額の軽減
建物に関して、新築住宅の1,200万円控除に代えて1,300万円とします。(2026(令和8)年3月31日までの特例)
中古住宅及びその敷地の税額の軽減
建物についてはその新築年月日に応じて評価額から控除され、敷地については一定額が減額されます。
| 建物 | 特例の税額 | 不動産取得税 =( 固定資産税評価額 − 控除額※1)× 3% ※1 不動産取得税の軽減にかかる控除額などについては、各都道府県によって若干の相違があります。詳しくは不動産所在の各都道府県税事務所にご確認ください
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 軽減の要件 | ・買主の居住用、またはセカンドハウス用としての取得(賃貸用マンション[住宅用]は適用外) ・50㎡以上240㎡以下(課税床面積) ・次のいずれかに該当するものであること ①昭和57年1月1日以降に建築されたものであること(固定資産課税台帳に記載された新築年月日で判断) ②①に該当しない住宅で、新耐震基準に適合していることについて証明がなされたものや、既存住宅売買瑕疵保険に加入している一定のものであること ③新耐震基準に適合しない住宅で、入居前に新耐震基準に適合するための改修を実施する一定の中古住宅であること |
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| 敷地 | 特例の税額 | 不動産取得税 =( 固定資産税評価額 × 1/2 × 3% )− 減額される額(下記アかイの多い額) ア = 45,000円 イ =( 土地1㎡当たりの固定資産税評価額 × 1/2 )×( 住宅の床面積× 2 ( 200㎡を限度 ) )× 3% |
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| 軽減の要件 | ・上記「建物」の軽減の要件を満たすこと ・取得から1年以内その土地上の建物を取得すること(土地先行取得の場合) ・土地を借りるなどしてその土地上の建物を取得した人が1年以内にその土地を取得すること(建物建築先行の場合) |
軽減措置を受けるには?
不動産取得税の軽減措置を受けるには、申告が必要です。申告書の書式は各都道府県税務課の窓口やホームページから取得できます。
また申告にはその他登記事項証明書や住民票の写しなどケースに応じて必要書類がありますので、事前に確認のうえ準備しておきましょう。
参照:不動産取得税申告書(兼不動産取得税減額等申請書)|愛知県
不動産取得税は申告が必要か不要か
ここでは、不動産取得税の申告有無について、確定申告に関することと、取得したことを申告することの2つの点で整理します。
原則、確定申告は不要
前述したとおり、不動産取得税は都道府県が課税・徴収する地方税です。登記情報や法務局からの通知に基づいて課税されるため、原則として納税者が自ら確定申告を行う必要はありません。
不動産を取得すると、通常は数カ月後に都道府県から「納税通知書」が届きます。この通知に従って、指定された期日までに支払えば完了です。
不動産を取得した旨の申告が必要になるケースもある
不動産を取得した場合、通常は法務局での登記情報が自治体に共有されるため、不動産取得税のための申告は原則不要です。しかし、以下のようなケースでは、取得の事実を自治体に申告することがあります。
- 登記をしていない建物を取得した場合
- 建物を新築したが、まだ登記をしていない場合
- 土地のみを先行取得し、建物は後日建築予定の場合
- 軽減措置を申請したい場合
住宅用地の軽減や新築住宅の控除などを希望する場合は、自治体に申告しないと軽減措置が適用されないことが多いようです。
判断に迷ったら、早めに物件所在地の都道府県税事務所に相談すると安心です。
不動産取得税がかからないケースも
不動産を購入すると多くの場合、取得税が発生しますが、すべての不動産取得に課税されるわけではありません。一定の条件を満たせば、課税対象外になったり、実質的に税額がゼロになるケースもあります。
相続や贈与の場合
不動産取得税は、原則として「売買や交換など、対価を伴う取得」に対して課されます。
そのため、相続によって不動産を取得した場合は、課税されません。
ただし、贈与による取得には注意が必要です。
贈与自体は不動産取得税の対象になるため、たとえば親から土地を無償でもらった場合は、取得税が発生します。
特定の用途・建物の場合
取得した不動産の用途や構造によっても、非課税になる場合があります。具体例としては以下のようなものがあります。
- 国や地方公共団体が公共事業のために取得した土地
- 学校や病院など公益性の高い施設
- 一定の基準を満たした耐震・バリアフリー改修を行った住宅
こうしたケースでは、不動産取得税の課税対象から外れることが明記されており、都道府県税事務所への確認で非課税の適用を受けられることがあります。
軽減措置で実質0になる場合
前述の軽減措置などが適用されると、課税対象となる不動産でも結果的に税額が「0円」になることがあります。
【FAQ】不動産取得税の支払い時期に関するよくある質問
不動産取得税は、日常ではなじみの薄い税金だからこそ、疑問や不安を感じる方も多いはずです。
ここでは、支払い時期にまつわるよくある質問をわかりやすく整理しました。
不動産取得税を払わないとどうなる?
不動産取得税を支払わずに放置していると、延滞金の発生や督促状の送付が行われます。
さらに滞納が続けば、財産の差押えなど強制徴収に発展するおそれもあります。
また、軽減措置の申請が未完了だった場合、減額されないまま本税が確定してしまうため、注意が必要です。
不動産取得税の通知がこない場合はどうすべき?
不動産取得から6カ月〜1年以内に納税通知書が届くのが通例です。ただし、以下のようなケースでは通知が遅れたり、届かないこともあります。
- 登記が未了または漏れている
- 未登記の建物や土地
- 軽減措置を希望して申告が必要なケース
通知が届かなくても支払い義務が消えることはないため、半年以上経過しても届かない場合は、都道府県税事務所に確認しましょう。
まとめ
不動産を購入すると、登記やローンの手続きなどで忙しくなりがちですが、不動産取得税の申告と軽減措置の申請は見落とさないよう注意が必要です。軽減申告を忘れると、数十万円単位で税負担が増えるケースもあり、あとから後悔することになりかねません。
購入後は、納税通知書が届く前に必要な書類を整え、自治体の期限に間に合うよう手続きを進めましょう。
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