
この記事のポイント
- 3,000万円特別控除には「居住用財産」と「相続した空き家」の2つの特例があり、それぞれ異なる要件がある
- ほかの特例や住宅ローン控除との併用は制限があり、同一年内での重複適用はできない場合が多い
- 3,000万円特別控除を利用するには、確定申告が必須であり、必要書類の準備や正確な記入が求められる
「自分が不動産を売却したとき、3,000万円控除の要件を満たすかどうかが気になる……」
「住まなくなってから、いつまでに売却すれば控除が使えるのか?」
3,000万円控除は、居住用財産や相続した空き家を売却する際に、税負担を大幅に軽減できる制度です。この制度の仕組みや適用条件を理解することで、賢く節税を実現できます。
本記事では、3,000万円控除の特例について、適用要件や計算例を交えながらわかりやすく解説します。また、確定申告時に必要な書類や手続きのポイントについても詳しく紹介します。
この記事を読むことで、売却時の税金対策をしっかり把握し、節税の効果を最大限に活かす方法がわかるようになります。ぜひ参考にしてみてください。
売却相場がわからず、悩んでいませんか?
あなたのお家、
想像以上の高値で売れるかも!
- 相談・査定だけでもOK!まずは相場価格をチェック
- 面倒な手続きは不要!プロが丁寧にサポートします
- 高額売却の実績多数!喜びと驚きの声が続いています
\たった00秒で入力完了/
今すぐ無料で査定額をチェック!※無理な営業は一切行っておりません。個人情報も安心です
地方銀行、住宅会社勤務を経て住宅や不動産を中心としたライターとして活動。現場で多くのお客様の対応で経験させていただいたことをもとに、専門知識に基づいた分かりやすい記事執筆に取り組んでいます。
記事の構成
3,000万円控除の特例は2種類
3,000万円控除の特例には、大きく分けて2種類あります。
1つは「居住用財産を譲渡した場合」、もう1つは「相続した空き家を譲渡した場合」です。
どちらも不動産売却に伴う譲渡所得の税額を軽減する制度ですが、対象となる要件や適用条件には違いがあります。以下では、これら2つの特例について、それぞれの特徴や異なるポイントを詳しく解説します。
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除は、自分が住んでいたマイホームを売却した際に適用できる税の優遇制度です。
たとえば、マイホームを4,000万円で売却し、取得費や譲渡費用を差し引いた結果、譲渡益が3,000万円だったとします。この場合、3,000万円が控除され、税負担が発生しません。このように、3,000万円の控除を適用することで不動産売却時の税負担を大幅に軽減することができます。
ただし、この控除を受けるには、いくつかの要件を満たす必要があります。
詳細な要件については、次章「居住用財産(マイホーム)を譲渡した場合の3,000万円特別控除の概要」で詳しく解説します。
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例
被相続人の居住用財産(空き家)に係る3,000万円特別控除は、相続によって取得した家屋や土地を売却する際に適用できる税の優遇制度です。
たとえば、相続した空き家を3,500万円で売却し、取得費や譲渡費用を差し引いた結果、譲渡益が2,500万円だったとします。この場合、控除額3,000万円に満たないため、譲渡所得はゼロとなり、税負担が発生しません。
ただし、この控除を受けるには、いくつかの要件を満たす必要があります。
詳細な要件については、次章「被相続人の居住用財産(空き家)に係る3,000万円特別控除の概要」で詳しく解説します。
居住用財産(マイホーム)を譲渡した場合の3,000万円特別控除の概要
居住用財産(マイホーム)を売却した場合、3,000万円の特別控除が適用されることで譲渡所得の税額の負担を大幅に軽減できます。この制度では、譲渡所得から最大3,000万円を控除し、残りの金額に対して課税が行われます。
譲渡所得の計算式は以下のとおりです。
譲渡所得 = 譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用)- 3,000万円
3,000万円控除を適用することで、大きな節税効果が得られる点がこの制度の特徴です。
特別控除の要件
居住用財産の3,000万円特別控除を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 売却した資産の対象要件
売却した資産は、以下のいずれかに該当するものです。
・現に自分が住んでいる家屋
・以前に住んでいた家屋(住まなくなってから3年を経過する年の12月31日までに売却する場合)
・住んでいた家屋と一緒に売却する敷地や借地権
・取り壊した家屋の敷地(次の要件を満たす場合)
・家屋を取り壊してから1年以内に売却契約が締結されていること
・取り壊し後、敷地を駐車場などほかの用途に使用していないこと
・災害によって滅失した家屋の敷地
・現在住んでいた場合:災害発生日から3年以内
・以前住んでいた場合:住まなくなった日から3年以内 - 過去の適用履歴
売却した年の前年および前々年に、同じ特例や「マイホームの譲渡損失に関する損益通算および繰越控除」を受けていないこと。 - ほかの特例との重複適用
売却した年、およびその前年・前々年に「マイホームの買換え特例」や「交換の特例」の適用を受けていないこと。 - ほかの特例との重複回避
売却した資産について「収用等の場合の特別控除」などほかの特例を適用していないこと。 - 売却先との関係
売却相手が「親族」や「特別な関係のある人」でないこと。
「特別な関係のある人」には、以下も含まれます。
・生計を一にする親族
・売却後も同じ家屋で同居する親族
・内縁関係にある人
・特殊な関係のある法人 - 適用除外の家屋
以下に該当する家屋は、特例の対象外です。
・特例の適用を受ける目的だけで入居したと認められる家屋
・新築や増改築期間中だけ仮住まいとして使用した家屋
・趣味や保養を目的とした別荘など
これらの要件を満たすことで、3,000万円特別控除を利用できます。
要件の詳細については、事前に確認し、適切に申請することが重要です。
ほかの特例との併用可否
3,000万円特別控除は、ほかの特例と併用できる場合とできない場合があります。
詳細は以下の表のとおりです。
| 特例の種類 | 概要 | 3,000万円特別控除との併用 |
|---|---|---|
| 軽減税率の特例 | 譲渡所得に対する税率が低くなる特例 | 可能 |
| 特定の居住用財産の買い換え特例 | 居住用財産を売却し、新たな住宅を購入する場合の特例 | 不可 |
| 被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除※1 | 被相続人が住んでいた家屋を相続人が譲渡した場合の特別控除 | 可能 |
| 相続財産譲渡時の取得費加算特例 | 相続税額の一部を譲渡資産の取得費に加算できる特例 | 可能 |
※1 被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除と併用可能ですが、同一年内に併用する場合、2つの特例を合わせて3,000万円が控除限度額となります。
3,000万円控除の計算例
ここで、3,000万円特別控除を適用した場合の計算例を示します。なお、特例に焦点をあてるため、簡略化して条件を設定しています。
条件
- 売却価額:5,000万円
- 取得費:3,000万円
- 譲渡費用:500万円
- 所有年数:5年
計算手順
譲渡所得を計算します。
譲渡所得 = 5,000万円 -(3,000万円 + 500万円)- 3,000万円
= 0円
この場合、譲渡所得を控除額が上回るため、課税される金額はゼロになります。もし特例がなければ、所有期間が5年なので短期譲渡所得(所有期間が5年以下)の税率が適用され、以下の金額が課税されます。
課税額 = 1,500万円 × 39.63%
= 約594万円
相続した空き家の3,000万円特別控除の概要
相続した空き家を売却する際には、一定の要件を満たすことで、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例が適用されます。
この制度は、相続後に空き家が放置されることを防ぎ、有効活用を促す目的で設けられました。
譲渡所得の計算式は以下のとおりです。
譲渡所得 = 譲渡価額 – ( 取得費 + 譲渡費用 ) – 3,000万円
相続後に空き家を売却する場合には、節税効果が大きい制度です。
特別控除の要件
相続した空き家の3,000万円特別控除を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。
- 対象となる家屋および敷地の要件
特例の対象となる「被相続人居住用家屋」および「その敷地等」は、以下の要件を満たすものです。
・被相続人居住用家屋
・昭和56年5月31日以前に建築されたこと
・区分所有建物登記がされていないこと(マンションなどを除く)
・相続開始の直前に、被相続人以外の居住者がいなかったこと
・従前居住用家屋
老人ホーム等への入所などの事情で被相続人が住んでいなかった場合でも、一定の要件を満たせば対象となります。
・被相続人居住用家屋の敷地等
被相続人が居住していた家屋の敷地であり、相続の直前またはそれ以前に事業用や貸付用として利用されていないことが条件です。 - 売却する人の要件
相続または遺贈によって家屋や敷地を取得した相続人(または包括受遺者)であることが条件です。 - 売却時の要件
売却する家屋および敷地には、次のいずれかの要件を満たす必要があります。
・耐震基準を満たした家屋のまま売却する場合
相続開始から売却までに事業用や賃貸用として利用されていないこと。
・家屋を取り壊して敷地のみを売却する場合
・相続開始から取り壊しまでに事業用や賃貸用として利用されていないこと
・取り壊し後、売却まで敷地をほかの用途に使用していないこと - 売却期限
相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却契約を締結すること。 - 売却代金の上限
売却代金が1億円以下であること。
※複数の相続人が分割して売却した場合やほかの相続人が売却した場合も、合計金額が1億円を超えると適用されません。 - ほかの特例との併用制限
「収用等の場合の特別控除」や「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」など、ほかの特例と重複して適用することはできません。 - 親族や特別な関係者への売却でないこと
売却先が親族や内縁関係者、特殊な関係法人など「特別の関係がある人」でないことが条件です。
これらの要件を満たした場合に限り、相続した空き家の3,000万円特別控除が適用されます。
具体的な状況によって要件が異なるため、申請前にしっかりと確認することが重要です。
参考:国税庁 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除
ほかの特例との併用可否
3,000万円特別控除とほかの特例との併用可否を、以下の表にまとめました。
| 特例の種類 | 概要 | 併用 |
|---|---|---|
| 軽減税率の特例 | 譲渡所得に対する税率が軽減される特例 | 可能 |
| 収用等の場合の特別控除 | 公共事業などで収用された際の特別控除 | 不可 |
| 特定の居住用財産の買い換え特例 | 売却した資産の買い替え時に税負担を繰り延べる制度 | 不可 |
| 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除 ※1 | 居住用財産を譲渡した場合の特別控除 | 可能 |
| 相続財産譲渡時の取得費加算特例 | 相続税額の一部を譲渡資産の取得費に加算できる特例 | 不可 |
※1 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除と併用可能ですが、同一年内に併用する場合、2つの特例を合わせて3,000万円が控除限度額となります。
先ほどと同様、特例の選択と併用については個々の状況に応じて慎重に検討する必要があります。
3,000万円控除の計算例
具体的な数値を用いて、3,000万円特別控除を適用した場合の計算例を示します。
条件
- 売却価額:3,500万円
- 取得費:1,200万円
- 譲渡費用:300万円
計算手順
譲渡所得を計算します。
譲渡所得 = 3,500万円 -(1,200万円 + 300万円)- 3,000万円
譲渡所得 = 0円
このケースでは、譲渡所得がゼロとなるため、税負担は発生しません。
比較例
- 控除を適用しない場合
譲渡所得:3,500万円 -(1,200万円 + 300万円)= 2,000万円 - 控除を適用した場合
譲渡所得は 0円
このように3,000万円特別控除を活用することで譲渡所得がゼロとなり、節税効果が非常に大きくなります。
居住用財産の3,000万円控除と住宅ローン控除との同時利用はできない
新たに住宅を購入する際には、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)という税制優遇制度があります。
住宅ローン控除とは、新しく住宅を購入し、一定の要件を満たす場合に住宅ローン残高の0.7%を所得税と住民税から控除できる制度です。
原則として、居住用財産の3,000万円特別控除と住宅ローン控除とは、同時に利用することはできません。新居に関して住宅ローン控除の適用が一定期間制限されることを理解しておく必要があります。
ただし、旧居を売却してから3年後には住宅ローン控除が利用可能に
居住用財産の3,000万円特別控除を適用した場合でも、一定期間が経過すれば住宅ローン控除の利用が可能になります。
その目安は、旧居を売却してから3年後です。
以下で具体的な例を示します。
- 2024年3月:旧居(マイホーム)を売却し、3,000万円特別控除を適用する
- 2027年1月以降の入居:住宅ローン控除が利用可能
この場合、3,000万円特別控除を適用した年から3年後の1月1日以降、新居に対する住宅ローン控除が適用できるようになります。
したがって、住宅ローン控除を希望する場合は、計画的に売却と購入の時期を調整することが重要です。
相続した空き家の3,000万円特別控除と住宅ローン控除の併用は可能
相続した空き家の3,000万円特別控除と住宅ローン控除とは併用することが可能です。
これは、対象となる不動産の種類と売却の背景が異なるためです。
たとえば、相続した空き家を2024年6月に売却して3,000万円特別控除を利用し、同年12月に新築住宅を購入して住宅ローン控除を申請するケースでは、控除対象となる不動産が異なるため、併用が認められます。
この場合、特別控除は売却年の所得税に、住宅ローン控除は翌年以降の所得税に適用されるため、期間の重複がありません。
ただし、適用要件や売却時期の制限があるため、事前にしっかり確認することが必要です。
相続した空き家特例を利用する際は、売却代金が1億円以下であることや耐震基準を満たすことなどの条件を満たす必要があります。
特定のケースにおける3,000万円控除の適用可否
3,000万円特別控除の適用可否は、譲渡の背景や不動産の状況によって異なります。
以下では、具体的なケースごとに、どの特例が適用されるかや計算の取り扱いについて説明します。
離婚による財産分与で譲渡した場合
離婚に伴い財産分与として居住用財産を譲渡する場合、基本的に3,000万円の特別控除は適用されません。
なぜなら、財産分与は売却ではなく、法律上の財産の分配と見なされるためです。
ただし、財産分与後に元配偶者へ譲渡した家屋が第三者に売却される場合は、その際の譲渡益に3,000万円控除が適用される可能性があります。
共有名義の住宅を売却した場合
共有名義の住宅を売却する場合、3,000万円特別控除は共有者ごとに持ち分に応じて適用されます。
持ち分によって計算が異なるため、共有者ごとに正確に確認することが重要です。
被相続人と同居していた住居を相続し、売却した場合
被相続人と同居していた住居を相続し売却する場合、「相続した空き家の3,000万円特別控除」は適用されません。
この特例は、被相続人が単身で住んでいた住宅が対象であり、相続時点で同居者がいた場合は対象外となるためです。
ただし、同居していた住居を譲渡する場合でも、居住用財産の3,000万円特別控除が適用される可能性があります。
そのため、譲渡時点で相続人自身が居住している場合は、居住用財産として申請することが有効です。
居住用財産を生前贈与した場合
居住用財産を生前贈与した場合、3,000万円の特別控除は適用されません。
生前贈与は売却ではなく譲渡として認められないため、特例の対象外となります。
ただし、生前贈与を受けた家屋を将来的に第三者へ売却する場合、その売却益については「居住用財産の3,000万円特別控除」が適用される可能性があります。
その際は、譲渡時点でその家屋が贈与を受けた人の居住用であることが要件です。
確定申告時の3,000万円控除の申請方法
3,000万円の特別控除を受けるためには、確定申告が必要です。
特例の適用を受けるためには必要書類を揃え、申告書類の正しい記入が求められます。
以下では、申請に必要な書類や書き方、申告時期について詳しく説明します。
必要書類
確定申告時に必要な書類は、「居住用財産」 の特例と「相続した空き家」の特例で異なります。
居住用財産の3,000万円特別控除に必要書類例
- 確定申告書B様式
- 分離課税用の申告書(第三表)
- 譲渡所得の内訳書(売却した不動産の詳細や取得費、譲渡費用などを記載)
- 住民票の写し(売却した家屋が居住用であることを証明するため)
- 売買契約書の写し(譲渡価額が確認できる書類)
- 取得費の証明書(購入時の契約書や建築費用の領収書など)
- 譲渡費用の証明書(仲介手数料の領収書など)
相続した空き家の3,000万円特別控除の必要書類例
- 確定申告書B様式
- 分離課税用の申告書(第三表)
- 譲渡所得の内訳書
- 被相続人居住用家屋等確認書(市区町村が発行)
- 相続が発生したことを証明する書類(被相続人の除票住民票)
- 売買契約書の写し
- 耐震基準適合証明書または取り壊し証明書
- 取得費や譲渡費用の証明書類
書類は不備があると特例が適用されないため、事前に確認しておきましょう。
書き方
居住用財産の3,000万円特別控除の書き方
- 確定申告書B様式
・第一表「収入金額等」の欄に譲渡価額を記入します。
・「所得金額等」の欄に譲渡所得の金額を記入します。 - 分離課税用の申告書(第三表)
・特例適用欄で「3,000万円特別控除」を選択し、控除金額を記入します。 - 譲渡所得の内訳書
・売却した不動産の所在地、取得費、譲渡費用、控除額を正確に記入します。
相続した空き家の3,000万円特別控除の書き方
- 確定申告書B様式
・第一表「収入金額等」の欄に譲渡価額を記入します。
・控除後の譲渡所得を「所得金額等」の欄に記載します。 - 分離課税用の申告書(第三表)
・「被相続人居住用家屋等の譲渡所得の特例」を選択し、控除額を記入します。 - 譲渡所得の内訳書
・相続した家屋の所在地や譲渡価額、取得費、控除額などを記入します。
e-Taxの場合
e-Taxを利用する場合は、「特例適用」の項目から該当する控除(3,000万円特別控除)を選択し、必要事項を入力します。
特例の種類ごとに選択肢が分かれているため、居住用財産または相続空き家に該当するものを選びます。
申告時期
3,000万円特別控除を適用するための確定申告は、例年は譲渡した年の翌年2月16日から3月15日までに行います。
確定申告の際は、書類の準備や記載内容に誤りがないかを事前に確認し、スムーズに手続きが進むように準備しておきましょう。
【FAQ】3,000万円控除に関するよくある質問
3,000万円控除に関しては、さまざまな疑問や注意点が存在します。
ここでは、よくある質問について具体的に解説します。
相続した空き家の3,000万円特別控除は、マンションや土地でも適用される?
相続した空き家の3,000万円特別控除は、基本的に一戸建ての家屋とその敷地が対象です。
そのため、分譲マンションや区分所有建物には適用されません。
これは、昭和56年5月31日以前に建築された「旧耐震基準の建物」を対象とした制度であり、区分所有の建物は対象外とされているためです。
ただし、相続後に家屋を取り壊した場合は、その敷地について特定の要件を満たすことで控除の対象となります。
たとえば、取り壊し後に更地として売却し、その間に事業用や貸付用として利用されていなければ、土地に対しても特例が適用されます。
2回目の3,000万円控除適用に条件はある?
3,000万円特別控除は、同一の不動産について複数回適用することはできません。
しかし、異なる不動産については一定の条件を満たすことで2回目以降も適用できます。
具体的には、過去に3,000万円特別控除を受けてから3年以上が経過していることが条件です。
2020年に自宅を売却して3,000万円特別控除を受けた場合、2024年以降に別の不動産を売却する際には再度控除が適用されます。
なお、同じ年や前年、前々年に同様の控除を受けている場合は適用されないため、申請のタイミングには注意が必要です。
異なる不動産の売却であれば複数回利用できる制度ですが、適用期間や条件をしっかり確認することが重要です。
3,000万円控除の適用に居住期間は関係ある?
居住用財産の3,000万円特別控除では、居住期間の長さは特に問われません。
自分が実際に居住していた事実があれば、短期間の居住でも控除を受けることができます。
たとえば、数カ月しか住んでいない場合でも、その不動産が居住用であると認められれば控除の対象となります。
一方で、適用が認められないケースもあります。
特例の適用を目的に入居したと判断される場合や、仮住まいとして一時的に利用していた場合は対象外です。
また、「相続した空き家の3,000万円特別控除」においても、被相続人が単身で住んでいたことが要件であるため、居住期間は問われません。
このように、居住期間よりも居住実態が重要であり、適用の可否は不動産の利用状況によって判断されます。
3,000万円控除の適用にデメリットはある?
3,000万円特別控除には、ほかの税制優遇制度との併用が認められないことがデメリットとして挙げられます。
たとえば、住宅ローン控除や買い換え特例は、3,000万円控除と同時に利用することができません。
また、3,000万円控除は譲渡益に対して適用されるため、そもそも譲渡益が少ない場合には節税効果が限定的です。
まとめ
3,000万円特別控除は、居住用財産や相続した空き家の売却時に大きな節税効果をもたらす制度です。
適用される要件や手続きは細かく定められていますが、正しく活用することで譲渡所得の税額を大幅に軽減できます。
また、売却を進めるにあたっては「手元にいくら残るのか」が非常に重要です。
税金対策をしっかりと行うことで、最終的な収益を最大化することが可能になります。
そのため、3,000万円控除を含めた税制優遇制度に詳しく、売却後のシミュレーションや節税対策も守備範囲とする不動産会社に依頼することがポイントです。
複雑な手続きや要件を一人で解決しようとすると、誤った申請や控除漏れのリスクもあります。
そのような場合は、専門家や不動産会社のサポートを受けながら計画的に売却を進めることで、手元に残る金額をしっかり把握し、安心して売却を完了させることが可能です。






































逆瀬川勇造さん からのコメント
宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士
不動産を売却したときの譲渡所得税は、税率が20.315%(長期譲渡所得)~39.63%(短期譲渡所得)と高く、課税対象の所得が大きい場合には納税額が高額となってしまいます。このため、取得費用を多く計上するために、契約書や領収書など準備しておくことが重要なのですが、本記事でご紹介されている3,000万円特別控除の適用を受けることで課税額0円とできることも多いです。適用要件がそこまで大変な特例ではないため、適用要件を満たせる方は確実に適用を受けられるよう、必要書類を準備したうえで確定申告を行うようにしましょう。ただし、住宅ローンを組んで新居の購入を考えている方は、住宅ローン控除の適用を受けられなくなるという点を理解したうえで、3,000万円特別控除の適用を受けるべきか判断していくことが大切です。