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更新日:2025.07.22

リースバックで後悔する理由は?トラブル事例とデメリットの回避策を解説

リースバックで後悔のアイキャッチ

この記事のポイント

  • リースバックは資金確保と住み続けるメリットがある。売却価格が相場より低く、家賃も高くなりやすいというデメリットがある。
  • 一方で、売却価格が相場より低く、家賃も高くなりやすいデメリットがある。
  • リバースモーゲージや通常の売却などの選択肢があり、状況に応じた手段を選ぶことが重要。

「リースバックを検討していて、やめたほうがよいといった意見を聞くが、本当だろうか?」
「リースバックで後悔する人は、どんな目にあっているのだろう?」

リースバックを検討するなかで、こうした不安や疑問を抱く方が増えています。

自宅を売却したあとも住み続けられる仕組みは魅力的ですが、内容をよく理解しないまま契約すると、思わぬ後悔につながることもあります。

この記事では、リースバックの仕組みやデメリットをわかりやすく解説し、検討時に注意すべきポイントを紹介します。

最後まで読むことで、リースバックに潜むリスクを正しく理解し、資金確保のほかの選択肢も視野に入れたうえで、後悔のない判断ができるようになります。

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逆瀬川勇造さん

宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士

監修者 逆瀬川勇造さん

  • 所属:

    合同会社7pockets

地方銀行、住宅会社勤務を経て住宅や不動産を中心としたライターとして活動。現場で多くのお客様の対応で経験させていただいたことをもとに、専門知識に基づいた分かりやすい記事執筆に取り組んでいます。

リースバックの仕組みと向いている人

リースバックは、もともと自宅を所有する高齢世帯向けに生まれたサービスです。年金生活などで収入が限られていても、まとまった資金を確保できる手段として注目されています。

ただし、持ち家に住んでいるすべての人に適しているとは限りません。

リースバックが向いている人もいれば、そうでない人もいます。

ここではリースバックの仕組みを解説しながら、ご自身が利用に適しているかどうかを判断するためのヒントをお伝えします。

リースバックの仕組みと流れ

リースバックは現在お住いの自宅を売却し、売却した相手方と「賃貸借契約」を締結、その後は家賃を支払い自宅に居住する方法です。

売却することにより大きな資金を確保でき、その資金の使い方は自由なので利用が増えています。

リースバックの流れ

  • 不動産査定により買取価格を決定する
  • 買取価格に基づき家賃を設定する
  • 合意ができたら売買契約と賃貸借契約を締結
  • 売買代金を受領し賃貸を開始する

リースバックが向いている人・向いていない人

リースバックは、自宅を手放さずに住み続けながら資金を確保できる方法として注目されています。

一方で、すべての人にとって最適な手段とは限りません。ご自身に合っているかどうかを判断するには、いくつかのポイントを確認することが大切です。

以下に、リースバックが「向いている人」と「向いていない人」の特徴を、代表的な2つの観点から比較表にまとめました。

リースバックが向いている人と向いていない人の特徴
判断ポイント 向いている人 向いていない人
賃貸契約終了後の住まいの見通し ・契約終了後の住まいについて、あらかじめ移転先を検討している
・親族の住まいなど頼れる選択肢がある
・契約期間終了後の住まいについて、明確なプランがない
・今の家に長く住み続けたい希望が強い
家賃の支払い能力 年間収支に余裕があり、リースバック後の家賃も問題なく支払える ・収入の変動が大きい
・家賃の支払いが家計を圧迫する恐れがある

上記のほかにも、リースバックを検討するうえで確認しておきたいポイントは複数あります。

「自分には向いているのか、ほかにもっと良い方法があるのか」と迷ったときは、不動産のプロに相談するのがおすすめです。

年間仲介実績5,000件以上の不動産SHOPナカジツでは、リースバックの可否も含めて、お客様ごとに最適な方法を一緒に考えることができます。

詳しくは「おうちリースバック」ページをご覧ください。

リースバックで後悔しやすい4つのデメリット

リースバックは自宅に住み続けながら資金を得られる便利な仕組みですが、利用後に「こんなはずじゃなかった」と後悔する人も少なくありません。

資金繰り改善に役立つリースバックですが、利用前にデメリットも確認しておきましょう。

主なデメリット

  • 家賃が高くなりやすい
  • 買い戻しが難しい
  • 退去を迫られる可能性がある
  • 売却価格が相場より低くなることが多い

家賃が高くなりやすい

リースバックの家賃は、周辺相場ではなく売却価格を基準に設定されるのが一般的です。

これは、リースバック会社が購入した物件の価格と投資回収に必要な利回りを考慮して家賃を設定するからです。

つまり、売却価格が高ければ家賃も高くなり、家賃を抑えたい場合は売却価格を下げる必要があります。

「なるべく高く売ってまとまった資金を確保したい」「でも家賃は抑えたい」といった希望を両立させるのは難しく、当初の計画を見直さなければならないケースもあります。

買い戻しが難しい

リースバックでは「将来的に買い戻せる」と案内されている場合がありますが、実際にはハードルが高いのが現実です。

買い戻すには、売買契約時に「買い戻し特約」を付けるか、別途「売買予約契約」を結ぶ必要があります。

しかし、いずれもリースバック会社の同意が必要であり、買い戻し価格が高額になるケースも多いため、資金面で実現が難しくなることがあります。

また、家賃を滞納していると、契約が無効になる場合もあるため、事前に十分な確認と資金計画が欠かせません。

退去を迫られる可能性がある

リースバック後の住まいは賃貸物件扱いになるため、将来的に退去を求められるリスクがあります。

特に多くのリースバック契約では「定期借家契約」が採用されており、契約期間が終了すれば原則として更新はできません。

また、契約途中でも家賃の滞納など「契約違反」があった場合には、退去を求められることもあります。

「自宅であるはずの家から、契約終了によって退去しなければならなくなる」という事態は、精神的にも大きな負担になるでしょう。

売却価格が相場より低くなることが多い

リースバックで自宅を売却する場合、その買取価格は一般的に相場よりも低く設定されます。

これは、リースバック会社が賃貸収入や将来の転売を見込んで利益を出すため、ビジネス上やむを得ない事情です。

特に、賃貸期間が長期にわたるほど、将来の価格変動リスクを見越して、買取価格はさらに低くなる傾向があります。

リースバックのトラブル事例と注意点

リースバックは、不動産の売買契約と賃貸契約がセットになった仕組みですが、これらの契約は本来、「宅地建物取引業法」の免許を受けた事業者が取り扱うため、基本的にはトラブルが起きにくいものです。

ところが中には、不誠実な取引を行う事業者や、免許を持たないままリースバックを手がけている事業者も存在します。

そのため、リースバックを検討する段階や契約時には、次のようなケースに注意が必要です。

ケース1)相場より極端に低い買取価格を提示される

リースバックの買取価格には、明確な基準がありません。相場よりも低くなる傾向があることはすでに述べたとおりですが、一般的には市場価格のおよそ7割前後とされています。とはいえ、リースバック会社によっては、それを大きく下回る極端に低い価格を提示するケースもあります。

リースバック会社は、自社で設定した条件に合う物件のみを対象とするため、条件に満たない場合には買い取りを断られるか、かなり低い金額を提示されることがあります。

さらに、価格の算定方法やその根拠が十分に説明されないケースも多く、納得できないまま話が進んでしまうことも少なくありません。

ケース2)家賃を急に値上げされる

賃貸借契約には家賃改定に関する条項が含まれており、賃貸人・賃借人のいずれからでも家賃の見直しを求めることができます。ただし、それが認められるのは正当な理由や事情がある場合に限られています。

ところが実際には、正当な理由のないまま賃貸人から家賃の引き上げを通知されるケースもあります

リースバックによる賃貸借契約では、入居者に長く住み続けてもらいたいという配慮が薄く、収益性を重視する事業者が多いため、一方的に家賃の改定を求められることがあるのです。

とくに注意したいのは、売却した自宅が第三者に転売され、新たな所有者の意向で家賃が改定されるケースです。契約時には、家賃の改定条件や転売リスクについても十分に確認しておきましょう。

ケース3)買い戻しの条件が厳しすぎる

リースバックによる売買契約では、将来的に「買い戻し」を可能とする契約形態が取られることもあります。

しかし、実際にはその条件が非常に厳しく、現実的には買い戻しが難しいケースも少なくありません。

たとえば、売買契約時に「買い戻し特約」を付けた場合は、買い戻し価格の上限が「売買代金+契約費用」とされるため、価格に一定の制約があります。

一方で、「買い戻し特約」ではなく、別途「売買予約」によって買い戻す契約とした場合は、価格に上限がなく、リースバック会社の裁量で金額が決まってしまいます。

この場合、買い戻し価格にはリースバック会社の利益が上乗せされ、買取価格より3割程度高くなることが一般的です。

さらに、より高額な買い戻し価格を提示されるケースもあり、当初の想定より大きな負担になる可能性があります。

ケース4)契約内容に不利な条項が隠されている

契約書の条項には、1条ごとに完結するものもあれば、他の条項と密接に関係している内容もあります。

このような構成のため、契約書を十分に読み込まないと、重要な条項を見落としたり、内容を誤解したりする恐れがあります。

その結果、買い戻しができなくなる、修繕費用の負担を求められるなど、リースバック利用者にとって不利な状況に陥ることも。

トラブルを避けるためには、売買契約書・賃貸借契約書の内容を、時間をかけてしっかり確認することが欠かせません。必要に応じて、専門家に内容をチェックしてもらうのも有効です。

リースバックで後悔している人の体験談

ここでは、20年以上不動産業に携わってきた筆者が実際に見聞きした、リースバックにまつわる後悔事例を紹介します。

一部、個人情報を伏せていますが、いずれも実際に起きたものです。ぜひ悪質な事業者を見極める参考にしてください。

定期借家契約をすすめられて後悔

高齢の夫婦2人暮らしのAさん。資金確保のためにリースバックを検討した際、業者から「審査に通りやすい」という理由で2年契約の定期借家契約をすすめられました。

当初は「契約が終了するまでに、市営住宅へ移ればいい」と考えていましたが、市営住宅の抽選に2年連続で落選。再契約を余儀なくされました。

しかし再契約時の家賃は当初よりも上がっており、想定以上の支出に悩まされることになったのです。

後悔のポイント

  • 定期借家契約の仕組みを十分に理解していなかった
  • 市営住宅への住み替え計画が甘かった
  • 再契約で家賃が上がるリスクを見落としていた

買い戻しの資金が確保できず後悔

個人事業主のBさんは、事業資金の確保を目的に自宅をリースバックで売却。将来的に買い戻すつもりで「買い戻し特約」を付けて契約しました。

10年後、契約期間の終了が近づき、買い戻し資金として住宅ローンを組もうと金融機関に申し込んだものの、年齢や返済実績を理由に融資が通らず、泣く泣く買い戻しを断念。

「買い戻せる前提」でリースバックを利用したことが、結果的に後悔につながりました。

後悔のポイント

  • 買い戻し資金の調達計画が甘かった
  • 融資審査の厳しさを見誤っていた
  • 特約を付けた安心感に依存していた

売買契約直前にキャンセルできずに後悔

築40年超のマンションに住むCさんは、業者から「10年後には建て替えになる」「いまが売り時」と強く勧められ、リースバックを決断。

提示された買取価格は相場の半額以下でしたが、資金が急ぎで必要だったため契約を進めました。

ところが契約直前、計算し直したところ、10年間支払う予定の家賃の総額が買取価格を上回ることに気づき、キャンセルを申し出ました。

しかし業者は「今さらキャンセルはできない」と強硬な姿勢を崩さず、納得できないまま契約を締結。現在も家賃を支払いながら暮らしています。

後悔のポイント

  • 家賃総額と売却額のバランスを見落としていた
  • 業者が先に費用を負担している状況など契約前でもキャンセルが難しいケースがあることを知らなかった
  • 業者の言葉を鵜呑みにして即決してしまった

収入計画が狂って後悔

Dさんご夫婦はマンションを売却後、リースバックでそのまま住み続ける選択をしました。家賃はやや高めでしたが、当初は年金と副収入で何とか支払える見込みでした。

しかし、ご主人が急逝し、家計が一気に苦しくなります。相場より高い家賃の支払いが徐々に難しくなり、リースバック会社に相談したものの、「契約どおり」と取り合ってもらえませんでした。

その後も家賃滞納が続き、最終的に退去通告を受けることに。住み慣れた家を手放さなければならなくなりました。

後悔のポイント

  • 万一の収入減に備えていなかった
  • 家賃設定が当初から家計に見合っていなかった
  • リースバック後の支払い困難時の対応が限定的だった

リースバックで後悔しないためにできること

リースバックは、自宅に住み続けられるとはいえ、「所有権を手放す」選択です。

売却後も居住できるからといって安心していると、後々「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースもあります。

所有権を取り戻す(買い戻す)ことは決して簡単ではないため、リースバックを検討する際には、次のようなポイントに注意が必要です。

事前に資金繰りをシミュレーションする

リースバック利用者のなかには、将来的な「買い戻し」を見据えている人も多くいます。

しかし、買い戻しを実現するには綿密な資金計画が欠かせません。

資金繰りのシミュレーション
買い戻し特約付き契約の場合 買い戻し可能な期限が定められており、期限を過ぎると買い戻せなくなります。
売買予約による契約の場合 買い戻しの時期に制限はないものの、買い戻し価格が高額になりやすく、十分な資金の準備が必要です。

いずれにせよ、数年後のライフプランや収入見込みまでを踏まえたシミュレーションを行っておくことが重要です。

仕組みや契約内容をきちんと確認する

リースバックの仕組みは一見シンプルに見えますが、実際の契約内容や手続きは、リースバック会社によって大きく異なる場合があります。そのため、契約書や重要事項説明書の内容は、契約当日に初めて目を通すのではなく、事前にしっかりと確認し、理解する時間を確保することが大切です。

実際には、パンフレットなどの簡単な資料だけで説明を済ませ、詳しい契約内容は当日になってようやく明かされるというケースも少なくありません。また、契約締結後に「契約書類は会社で一時預かります」として、手元に残さずに進める業者も存在します。その結果、契約者が内容を十分に理解しないまま住み続けてしまい、後から不利な条項に気づくという事例も報告されています。

リースバック以外の選択肢を検討する

自宅を活用した資金づくりには、リースバック以外に「リバースモーゲージ」という方法があります。

自宅を売却しても、そのまま住みつづけることができるのはリースバックと同じですが、所有権は移転せず融資を受ける方法になります。ただし返済は「金利分」のみを返済し、元金は所有者が亡くなった時点で自宅を売却し返済します。

【比較】リースバックとリバースモーゲージ
リースバック 比較項目 リバースモーゲージ
対象者 個人・法人 個人のみ
対象物件 不動産全般 一戸建※
名義 投資家・不動産業者 そのまま
お金 受領 借りる
年齢 制限なし 制限あり※
収入 制限なし 制限あり※
保証人 必要でない 必要
同意 必要でない 推定相続人の同意が必要
資金使途 自由 制限される場合あり(医療費・老人ホーム入居資金など)
住宅ローン 抵当権等が設定されていても利用できる 抵当権等が設定されていると利用できない

※条件・制限は金融機関により異なります

また、単純に売却をして住み替える方法もあります。

急な資金確保を要さず、これまでの自宅に住みつづけなければならない大きな理由がなければ、普通に売却して、住みたい街や住みたい家に移るのも賢い選択と言えるでしょう。

一括査定などで信頼できる事業者をみつける

リースバックを上手に活用し、無理のないかたちで生活を続けていくには、どの会社と契約するかの見極めがとても重要です。

たとえば、「リースバック一括査定」サービスを使うのも一案です。複数のリースバック会社から買取査定を提出してもらい、比較検討して納得のできる会社を選択できる方法です。

また、不動産SHOPナカジツでは、リースバックを含めた複数の選択肢のなかから、その方の状況やご希望に合った方法をご提案しています。

無理にリースバックをすすめるのではなく、「本当にその方にとってベストかどうか」を大切にしているからこそ、相談の段階からじっくりとお話を伺っています。

「話だけ聞いてみたい」「自分の場合はどうだろう」といったご相談でも構いません。将来の後悔を防ぐためにも、まずは一度、じっくりご相談いただければと思います。

まとめ

リースバックは、自宅を活用して資金を確保するひとつの方法です。

売却後も同じ家に住み続けられる点は大きなメリットですが、その一方で、家賃が相場より高くなったり、売却価格が相場より低くなったりと、納得しづらい面があるのも事実です。

また、将来的な買い戻しを視野に入れている場合も、契約条件や資金計画を慎重に立てておかないと、思い通りにならない可能性があります。

このように、リースバックには向いているケースとそうでないケースがあり、利用の目的やライフプランによっては、リバースモーゲージや通常の売却+住み替えなど、ほかの選択肢のほうが適している場合もあります。

たとえば、確実に資金を確保したい場合は「買取保証付きの売却」を検討するのも一つの方法です。売却後の生活まで含めて、安心できる形を選ぶことが大切です。

ナカジツでは、リースバックに限らず、お客様の状況やご希望に合わせて、最適な選択肢をご提案しています。無理に特定の方法をすすめることはありませんので、まずはお気軽にご相談ください。

逆瀬川勇造さん

逆瀬川勇造さん からのコメント

宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士

高齢になると仕事を抑えたり、引退したりして資金調達できる手段が限られます。リースバックを選択することで、まとまった資金を得ることができ、また、そのまま家に住み続けることができ、さらに将来家を買い戻すことができるといったさまざまなメリットを得られます。しかし、実際には家賃を値上げされたり、家の買戻しが難しかったりするなど気を付けなければならない点が多いのがリースバックです。リースバックは専門的な知識が多く求められることもあり、リースバック以外の方法で資金調達できるのであれば、そちらを検討したほうがよいことも多いでしょう。どうしてもリースバックを利用する場合は、専門家によく相談するのがおすすめです。

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