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この記事のポイント
- 袋地は建物を建てられなかったり、通行に制限があることから資産価値が下がりやすく、売却の難易度も高くなる傾向がある
- 売却方法としては「そのまま売る」「隣地へ売る」「通路を確保してから売る」といった選択肢があり、状況に応じて最適な方法を検討すべき
- 袋地の売却が難航する場合には、接道の確保や専門業者への買取依頼、場合によっては相続放棄や寄付といった手段を含め、専門家と相談しながら現実的な対応を進める必要がある
「親から相続した土地が袋地だった。どうやって売ればいいの?」
「道路に接していない土地って、そもそも買い手が見つかるの?」
袋地(無道路地)とは、公道などに直接面していない土地のこと。建物を建てにくく、売却や活用が難しいため、相続などで所有すると悩む方が多いのが実情です。
この記事では、袋地の定義やほかの土地との違いから、売却方法や相場、トラブル事例、売れない場合の対策までわかりやすく解説します。
読み終えたときには、自分の袋地をどう扱えばよいか判断するための知識が身についているはずです。
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記事の構成
袋地(無道路地)とは
袋地とは、公道に直接接しておらず、周囲をほかの土地に囲まれた土地のことです。これに似た「準袋地」は、道路に出るために池や河川などの自然障害を越える必要がある土地や、崖などで高低差が大きい土地を指します。
どちらも「無道路地」と呼ばれ、出入りには他人の土地を通る必要がある場合が多く、日常生活や建築に制限がかかる場合があります。
袋地のイメージは以下です。

日本の都市計画では、建築基準法により、建物を建てるためには原則として幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならない「接道義務」が課されています。
そのため袋地は、建築不可もしくは厳しい条件付きでの建築許可となることがあり、資産価値が下がる傾向があります。
袋地と囲繞地との違い・関係
囲繞地(いにょうち)とは、袋地を取り囲んでいる周辺の土地のことです。つまり、袋地の隣接地が囲繞地となります。
囲繞地の所有者は、袋地の通行について一定の対応を求められることがあります。たとえば民法第210条では、袋地の所有者が囲繞地を通行する「通行権」を認めていますが、あくまで最低限の通行に限定されており、自由な活用や工事ができるわけではありません。
袋地と旗竿地との違い・関係
旗竿地(はたざおち)とは、道路に接する細い通路の奥に土地がある形状の敷地を指します。見た目が旗のようであることからこの名が付きました。
旗竿地は細いながらも道路に接しているため、接道義務を満たしていれば建築は可能です。
袋地(無道路地)を売却する3つの方法
袋地はそのままでは活用しづらく、売却もしにくい土地です。しかし、状況や工夫次第では買い手を見つけられることもあります。
この章では、袋地の売却において考えられる3つの方法を紹介します。
通常の売却
袋地のまま売り出すケースです。
袋地は利用目的が限られるため、一般の買主がつきにくくなります。しかし、資材置き場や畑など、建築以外の用途を目的とする人や法人に需要がある場合もあります。
相場よりも価格が下がる可能性は高いですが、早期に手放したい場合は選択肢になり得ます。
隣地への売却
袋地の隣接地、つまり囲繞地の所有者に対して売却を打診する方法です。
囲繞地所有者にとっては、袋地を取得することで敷地が拡張できるメリットがあります。交渉がまとまれば比較的スムーズに売却できることが多く、袋地の売却方法としては最も現実的です。
隣地所有者と関係が良好であれば、価格面で折り合いをつけやすい点も利点です。
通路確保後の売却
接道を確保したうえで売却する方法もあります。
囲繞地の1部を譲ってもらう、もしくは通行地役権を設定するなどして、道路と袋地をつなぐ通路を確保できれば、建築可能な土地として扱われる可能性が高まります。
ただし、隣地所有者との交渉や、登記上の調整が必要なため、土地家屋調査士や司法書士の協力が不可欠です。
袋地(無道路地)を売却する前に確認すべきこと
袋地を売却する際は、いきなり不動産会社に依頼するのではなく、まず現状を正確に把握することが重要です。
ここでは、接道、隣地との関係、建築可否の3点について整理しておきましょう。
建築可否
買主の多くは、土地の用途として「建物を建てられるか」を重視します。
そのため、まずは該当の土地が本当に袋地にあたるかどうか、まずは現地と登記情報を照らし合わせて確認しましょう。わずかでも道路に接していれば、旗竿地として扱える可能性があります。
また、袋地であっても都市計画や自治体の判断によっては建築が許可される場合もあります。
たとえば「接道義務の例外」が適用されるかどうかなど、事前に自治体の建築指導課や都市計画課に相談することで、可否や条件を把握できます。
建築可能な土地と判断されれば、買い手の幅は一気に広がるでしょう。
隣地との交渉状況
袋地の多くは、囲繞地の存在が前提となります。売却を進めるうえで、囲繞地の所有者との関係性や過去の交渉履歴を整理しておくとスムーズです。
通行の許可や土地の1部を譲ってもらえる見込みがあるかによって、袋地の評価や売却条件は大きく変わります。口約束だけでなく、書面での記録があればなお望ましいでしょう。
袋地(無道路地)の売却相場
袋地は、道路に接していないという物理的な制約があるため、通常の土地と比べて流通性が著しく低くなります。そのため、相場を把握する際も一般的な宅地と同じ目線では見られません。
ここでは、袋地がなぜ安くなるのか、価格に影響する要因、そして評価の考え方について整理します。
袋地の評価額は通常の土地より安くなる
袋地は、建物を建てられなかったり、自由に出入りできなかったりするため、一般的な宅地よりも価値が大きく下がります。具体的には、通常の宅地相場の30〜70%程度に評価が下がるケースが多いとされています。
中でも、接道がまったくない完全な無道路地で、かつ通路の確保も難しい場合は、買い手が限られ、実質的な価値はさらに低下します。逆に、隣地との交渉で通路確保の見込みがある袋地であれば、評価が多少上がることもあります。
袋地の評価額を左右する主な要因
袋地の評価には、いくつかの要因が複合的に影響します。
まず大きいのが接道可能性です。すでに通行地役権が設定されている、あるいは接道できる見込みがある土地は、再建築が見込まれるため評価が高くなります。
周辺環境や立地も重要です。駅から近い、商業エリアに隣接しているといった条件があれば、たとえ袋地であっても活用の幅が広がるため、買い手がつきやすくなります。
さらに、敷地面積や形状、用途地域の指定も価格に影響します。狭すぎたり不整形だったりすると、さらに評価は落ち込みます。
袋地の評価額の計算方法
ここで、袋地の評価額は、いくつかの方法で概算できます。
例えば、通常の土地評価額を算出し、そこから袋地であることを理由に減額する方法があります。この際、囲繞地を通行する権利の有無や、土地の形状が不整形であるかどうかなども考慮されます。
税務上も、袋地(無道路地)は特別な評価方法が適用されます。相続税や贈与税の評価では、路線価を基に評価した金額から、最大40%の範囲で減額が認められる仕組みです。これは、建築基準法上の接道義務を満たさず、通行や建築に制限があることを反映した評価方法となっています。
土地の評価額については、以下の記事でも詳しく解説しています。
袋地の評価は複雑で、判断を誤ると損をする可能性もあります。専門知識を持つ不動産会社や不動産鑑定士に相談して、正確な価値を把握しておくと安心です。
袋地(無道路地)売却におけるよくあるトラブル
袋地の売却では、通常の土地よりもさまざまなトラブルが起こりやすい傾向があります。
ここでは、実際によく見られるトラブル例を紹介します。
隣地所有者との通行・通路使用をめぐるトラブル
袋地の所有者は、自分の土地に出入りするために、囲繞地である隣地を通行しなければならないケースが多くあります。
民法では「囲繞地通行権」により一定の通行が認められていますが、これは必要最小限の通行に限られ、車で自由に通行したり舗装したりすることはできません。
過去に口約束で通行していた場合でも、代替地が出現した際に通行を拒否されることがあり、売却時の障害になることがあります。
建築制限に関するトラブル
建築制限のある袋地でも、特定行政庁の許可を得れば建築できる可能性もありますが、審査が厳しく、時間もかかります。このような事情を知らずに契約を進めると、買主側が「思っていた使い方ができない」としてトラブルに発展することがあります。
売却前に建築の可否を自治体に確認しておくことが重要です。
買主が融資を受けられず契約が進まないトラブル
袋地は担保評価が低いため、金融機関からの融資が通らないことがあります。
とくに住宅ローンを使って購入しようとする買主にとっては、建築不可の土地に対する融資は原則難しく、事前審査で否決されるケースも少なくありません。その結果、契約が白紙になる、手付金の返還をめぐって揉めるなど、金銭的なトラブルに発展する可能性があります。
袋地であることは事前に明示し、融資の可否についても確認を取っておくようにしましょう。
袋地(無道路地)が売れないときの対策と相談先
袋地は特殊性が高く、通常の方法ではなかなか買い手が見つからないこともあります。そうした場合に備え、現実的な選択肢と、適切な専門家への相談が重要になります。
以下に代表的な対策とその相談先をまとめました。
| 対策 | 概要 | 相談先 |
|---|---|---|
| 接道を確保する | 通路を新たに設けて利用可能な土地にする | 土地家屋調査士 |
| 買取専門業者に売却する | 訳あり物件に対応した業者に引き取ってもらう | 買取専門業者 |
| 相続放棄や自治体への寄付 | 処分が困難な場合に所有権を手放す | 司法書士、自治体窓口 |
それぞれ詳しく解説します。
接道を確保する(相談先:土地家屋調査士)
袋地が売れない一因に「建築不可」という制限があります。前述のとおり、これを打開する手段の1つが、隣地との交渉や通路設定によって接道義務を満たすことです。
手順としては、まず現況測量を行い、登記簿を確認したうえで、隣地所有者との話し合いに進みます。
土地家屋調査士は、通行地役権の設定や分筆登記といった法的・技術的な面でサポートを行ってくれる専門家です。費用と時間はかかりますが、土地の資産価値が向上すれば売却の可能性も広がります。
買取を依頼する(相談先:買取専門業者)
市場での売却が難航する場合は、不動産買取業者への相談も選択肢となります。とくに袋地のような「訳あり物件」の取扱いに慣れた業者であれば、ある程度の条件で買い取ってもらえる可能性があります。
大手よりも地域密着型や「再販・造成」を専門とする業者が、柔軟な対応をしてくれることが多いため、複数の業者に査定を依頼して比較検討するのがおすすめです。
相続放棄や寄付を検討する(相談先:司法書士や自治体窓口)
相続した袋地がまったく活用できないような状況であれば、相続放棄や自治体への寄付を検討することも1つの方法です。
ただし、相続放棄は相続開始から3カ月以内に手続きが必要で、ほかの財産も放棄することになるため慎重な判断が求められます。一方、寄付は自治体によって受け入れ基準が異なり、土地の位置や管理負担の観点から断られることもあります。
いずれも司法書士など法律の専門家に相談しながら進めると安心です。
まとめ
袋地は、売却が難しい土地の代表例です。建築制限や通行トラブル、融資のハードルなど、一般的な宅地と比べて注意すべき点が多くあります。とはいえ、接道の確保や隣地との交渉、専門家との連携を通じて、売却の可能性を高めることは可能です。
ただし、これらをすべて自力で進めるのは現実的ではなく、「どこから手をつければいいのかわからない」という方も少なくありません。
不動産SHOP ナカジツでは、袋地を含む訳あり物件の売却にも数多く対応してきました。2年間34,000件以上の査定依頼(2023年度実績)をいただいており、売却に不安を感じる方からのご相談も多く寄せられています。
さらに、売却活動のあとに買い手が見つからなかった場合でも、当社による買取保証を利用すれば、売れ残りの心配を軽減できます。
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