美味しい食べ物が豊富な印象を受ける愛知県ですが、今回その中でも特に数多く存在すると言われているカフェ(喫茶店)に注目してみました。
もしかすると、あまり耳になじみのない方もいらっしゃるかもしれない『モーニング』サービスの内容や、カフェが名古屋に多い理由などに迫ります。
目次
【愛知県】カフェが多い街
名古屋市内でも、『名古屋駅』『伏見駅』『栄駅』の3駅周辺は、特にカフェが多いとされている地域となっています。各地域の特徴や、駅周辺の環境を調査してみました。名古屋駅から順番に紹介させて頂きます。
・名古屋駅
地元の皆さんから『名駅(めいえき)』と呼ばれ愛されている名古屋駅周辺には、レストランや世界一大規模な駅ビルと言われている『JRセントラルタワーズ』や2008年にグッドデザイン賞を受賞した『モード学園スパイラルタワーズ』、
近日リニューアルオープンしたばかりの三菱地所所有のオフィス兼商業ビル『大名古屋ビルヂング』、多くのアート作品と店舗が名古屋独自の魅力を伝える『KITTE』などの超高層商業ビルが連立しています。
また、地下街が発展しているので、雨風の影響を受けずに移動できること、真夏や真冬も気温の影響をあまり受けないことも大きな魅力の一つですね。
名古屋駅周辺にてお仕事をされている方にとって、カフェは仕事の合間に一息つきたいときや、気分転換に最適な存在と言っても過言ではないでしょう。
・伏見駅
伏見駅は地下鉄鶴舞線と地下鉄東山線の2線が乗り入れ、お昼の時間帯でも電車内が込み合うほど乗車率が高い駅となります。
創業120年以上、座席数1302席という歴史ある劇場『御園座』では、歌舞伎をメインに商業演劇やミュージカルなど、様々なジャンルの演目が上演されています。
現在公演は終了してしまいましたが、あの有名な漫画『ワンピース』や『NARUTO-ナルト-』と歌舞伎の革新的コラボが実現した『スーパー歌舞伎』も、心惹かれる演目となっています。
日本の動物園の中でも大きめな規模である『東山動植物園』や、世界最大級(ギネス認定)のプラネタリウムドームがある『名古屋市科学館』で一日中楽しんだ後は、お近くのカフェで足を休めていくのもいいかもしれません。
・栄駅
栄駅も伏見駅に劣らず活気が溢れる街で、地下鉄および名古屋鉄道瀬戸線の停車駅となっています。また、この地域は名古屋では最大の繁華街と言われており、栄駅を中心に大きく北と南に分かれています。
栄の北側は『テレビ塔』と、リニューアルして整備され話題のお店が集まる『Hisaya-odori Park(久屋大通公園)』、栄の南側には、名古屋(Nagoya)・デザイン(Design)・若さ(Youth)・楽しさ(Amusement)の頭文字が名前の由来となる『ナディアパーク』が控えています。
また、栄駅も広大な地下街が発展しており、お買い物はもちろん通行用としての利用にも力を発揮します。
お出掛けの際はどこに行くか迷ってしまいそうになるほど、ショッピングには事欠かない地域になっています。
そして、『オアシス21』をメイン会場とし、毎年8月頃開催される『世界コスプレサミット(コスサミ)』は、日本だけでなく世界中からの注目を集めるコスプレパフォーマンスイベント。世界中のコスプレイヤーが、コスプレ世界一の座を手にするため栄に集合します。
インパクトのあるバラエティ豊かな街だけあって、3Dラテアートやこだわりのインスタ映え空間など、様々なコンセプトに力を入れ営業しているカフェが軒を連ねます。
世界コスプレサミット:https://www.worldcosplaysummit.jp/2021/
愛知県にはなぜ、カフェの多い街がある?
愛知県でも喫茶店が多い街として知られていることが多い名古屋市ですが、なぜ喫茶店やカフェが多い街として認知度が上がっていったのでしょうか。
この疑問を紐解くカギは、背景にある歴史を知ることもポイントとなっているようです。
順番に見ていきましょう。
・カフェの数は全国の中でも多い
愛知県は、『喫茶店王国』とよく呼ばれますが、かの有名なチェーン店である『コメダ珈琲店』発祥の地でもあるというのは、ご存知でしたでしょうか。
喫茶店の開業ラッシュであった昭和30~50年代。愛知県は他の地域よりも比較的土地代が安く、都市部に出店しやすい環境であったと言われています。モーニングやちょっとしたおつまみなどのサービスに加えて、居心地よいソファなどが愛知県民の心をがっちりと掴みました。王国が建国されてしまうほど喫茶店やカフェが増えた根底には、納得の理由と最適な環境があったのですね。
・コーヒーの消費量が多いわけではない
あくまでも愛知県民は『喫茶店』という空間を愛していると明確に示しているのが、コーヒーの消費量に現れていると言えます。
年間の喫茶店代はランキング上位に食い込んでくる名古屋市ですが、一方でコーヒーの年間消費量は下から数えた方が早いという結果となっています。
名古屋人はあくまでも、『喫茶店』に足を運びたいということがよく分かる内容となりました。
総務省統計局(家計調査):http://www.stat.go.jp/data/kakei/index.html
・茶の湯文化が根付いている
こちらは諸説のうちの一つですが、喫茶店を愛する心はお茶を楽しむ文化が根底にあったとする説もご紹介させて頂きます。
名古屋周辺の藩主である尾張徳川氏は、茶道・舞踊・能楽などを熱心に取り組みました。やがて7代目藩主の宗春が遊興を奨励したことで、庶民にも抹茶が身近となり茶の湯が浸透して、広まっていったと言われています。
農作業の休憩中に茶をたてる『野点(のだて)』が流行ったり、自家製のお茶を石臼で挽いて、手作りの茶筅で茶碗に溶かしたりして飲んでいたと言われています。
【愛知県】名古屋のカフェの特徴
名古屋人にとって、心を掴んで離さず、もはや生活の一部と言っても過言ではない『カフェ』。他の地域のカフェとは違う、どんな部分が魅力となって思わず足を運んでしまうのでしょうか。
次は、名古屋周辺のカフェの特徴についてまとめていきます。
・喫茶店スタイルが多い
カフェ、喫茶店と聞いて、頭の中で思い描くのはどのようなイメージでしょうか。
カフェはお洒落で明るい店内にテラス席があり開放感がある印象、喫茶店はレトロでしっとりと落ち着いた店内に座り心地のよいソファが並び、持ち出し自由の雑誌や新聞などを読みながら、ゆったりとした時間を過ごすことができる印象を思い描く方が多いのではないでしょうか。
名古屋ではこの『喫茶店』スタイルのお店が多くみられる傾向にあります。
・モーニングサービス(トーストやゆでたまご)
ドリンク1杯を頼むとトーストやゆで卵などが無料でついてくるサービスを『モーニング』サービスと言います。
ところで、モーニングと言えば、モーニング娘。を思い浮かべる方もいらっしゃるかと思いますが、なんとモーニング娘。の『モーニング』はこのサービスがネーミングの起源となっているそうです。
少し脱線してしまいましたが、このモーニングサービスが始まったとされている場所は諸説あり、その一つに愛知県一宮市と愛知県豊橋市が含まれています。
モーニングは今や名古屋をはじめ、愛知県のカフェ特有のサービスとなっていて、お店によってメニューが異なるため、気になる方は是非チェックしてみて下さい。
喫茶店激戦区の名古屋では、こうしたサービスの提供で他のお店との差別化を図り、競争を勝ち抜くための手段だったものが全国的に広まって、サービスとして定着したものがモーニングであるといえます。
まとめ
愛知県にカフェや喫茶店が多い理由について調べてきましたが、様々な方向性や時代背景まで掘り下げることで、非常に興味深い内容となりました。
カフェ巡りやカフェごはんが大切な息抜きになる皆様、名古屋の新たな一面を開拓したい皆様にとって、おうち探しのためのアプローチの一環となれば幸いです。
中古物件のリノベーション・新築・分譲住宅なら、不動産SHOPナカジツへ!