
この記事のポイント
- 地盤の強さは建物の安全性や資産価値に関わるため、正しく調べることが重要
- 簡易な地盤の確認方法として、マップ系Webサービスや古地図、近隣状況の観察などがある
- 正確な判断には専門業者による地盤調査が有効であり、費用や改良の可能性も視野に入れて検討すべき
「この土地、本当に安全なの?」
「地震に弱い地盤だったらどうしよう……」
家を建てる前や土地を購入する際に、こうした不安を抱える方は少なくありません。
地盤は目に見えないため、調べ方がわからず不動産会社の説明だけに頼ってしまうケースもあります。しかし、事前に正しい方法で地盤を確認しておくことで、地震による倒壊や地盤沈下といった将来的なリスクを減らすことが可能です。
この記事では、自分でできる簡易的なチェック方法から、プロに依頼する本格的な調査方法まで、地盤の調べ方をわかりやすく解説します。「地盤の強さを知って、安全な住まいを手に入れたい」と考えている方に役立つ情報が満載です。購入前の不安解消に、ぜひお役立てください。
記事の構成
地盤を調べる前に知っておくべきこと
ここでは、事前に押さえておきたい「地盤の重要性」と「弱い地盤に潜むリスク」について、そもそも地盤を調べるべき理由を交えて解説します。
地盤の強弱を把握することの重要性
地盤の強さは、建物の安全性を大きく左右します。いくら耐震性能の高い住宅を建てても、地盤が軟弱であれば傾きや沈下が発生し、建物に深刻な被害が及ぶ可能性があります。
たとえば、以下のような場面で地盤の強さが大きな意味を持ちます。
- 地震が起きた際の揺れの大きさ
- 地盤沈下や液状化のリスク
- 建物の基礎補強や地盤改良の必要性
- 地盤保証(不同沈下に対する保険)の適用条件
また、金融機関によっては、地盤の状態を審査の要件に含めていることもあります。将来的なトラブルや余計な出費を避けるためにも、事前に地盤情報を確認しておくことが重要です。
さらに同じ敷地内でも、建物を建てる位置によって地盤の強さが変わることもあります。どのような建て方をすればよいのかを知るためには、地盤調査が必要といえます。

地盤が弱い土地のリスク
地盤が弱い土地には、次のようなリスクがあります。
- 不同沈下の可能性
- 液状化現象
- 将来的な修繕費用の増大
- 売却時の価値低下
こうしたリスクを避けるためにも、地盤の調べ方を正しく知っておくことが、家づくり・土地選びにおいて非常に重要な判断材料となるのです。
地盤の強さを調べる方法5選
地盤の強さを事前に知ることは、住宅購入や建築において大切なステップです。
専門の地盤調査を依頼する前にも、自分でできる調べ方はいくつかあります。この章では、一般の方でも実践できる5つの方法を紹介します。
マップ系Webサービスを使う
最も手軽なのが、地盤の状態を可視化したマップサービスを使う方法です。住所を入力するだけで、その土地が軟弱地盤なのかどうか、過去の地震や液状化履歴があるかなどをチェックできます。
次章では代表的なWebサービスとして「KuniJiban」や「地盤サポートマップ」などを紹介します。
地歴や古地図を調べる
その土地が昔どのように使われていたかを知るのも重要です。
もともと田んぼや沼地だった土地は、現在整地されていても地盤が弱い可能性があります。図書館やインターネットの古地図アーカイブなどで調べられます。

近隣住宅の状況を観察する
近所の家の基礎部分にひび割れがないか、傾いて見える家がないかといった観察もヒントになります。
また、過去に地盤改良工事を行っているか、地元の人に聞いてみるのも一つの手です。
不動産会社にヒアリングする
地元の不動産会社は、周辺の地盤状況に関する知見を持っていることが多く、実際に地盤改良が必要だった事例なども教えてくれる場合があります。
購入を検討している土地について、率直に質問してみましょう。
地盤調査を依頼する
確実なのは、専門業者に依頼して地盤調査を行うことです。住宅を建てる前に必要な地盤調査には、以下の2つがよく使われます。
スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)
戸建て住宅で一般的な調査方法です。「スウェーデン式サウンディング試験」とも呼ばれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な用途 | 戸建て住宅 |
| 調査方法 | 重り付きロッドを回転させて地中にねじ込み、沈み具合と回転数を測定 |
| 測定箇所 | 建物の四隅と中心の計5か所 |
| 判定できる内容 | 地盤の固さ、土質(粘土・砂・礫)をおおまかに分類 |
| 特徴 | 簡易・低コスト、施工しやすいが詳細な土質調査はできない |

ボーリング調査(標準貫入試験)
マンションなど大型建築で採用される本格的な調査方法です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な用途 | マンション・中高層建築などの大規模建物 |
| 調査方法 | 地面に筒状の穴を掘り、重り(65.5kg)を落とし、30cm貫通に要する打撃回数を測定 |
| 測定間隔 | 深さ1mごとに実施 |
| 採取資料 | 掘削中に土のサンプル(試料)を採取して観察可能 |
| 目的 | 支持層(固い地層)の有無を確認し、杭基礎設計に反映 |
| 特徴 | 精度が高いが、スペース・機材・コスト・期間がかかる |

引用元:Kunijiban
調査には費用がかかりますが、住宅の安全性や地盤保証にも関わるため、建築前にはぜひ検討したい手段です。
地盤の強さがわかるマップ系Webサービス一覧
地盤の強さを把握する際、手軽で便利なのがマップ系Webサービスの活用です。住所を入力するだけで、その土地の地盤の特徴や災害リスク、液状化の可能性などが視覚的に確認できるため、専門知識がない方でも安心して使えます。
この章では、無料で利用できる信頼性の高いサービスを中心に紹介します。
国土地盤情報検索サイト「KuniJiban」
「KuniJiban(くにじばん)」は、国土交通省と土木研究所などが共同で運営する公式の地盤情報検索サイトです。道路・河川・港湾事業などで実施された地質・土質調査の成果(ボーリング柱状図、土質試験結果、土性図など)を無償で公開しており、誰でも地盤の詳細データを検索・閲覧することができます。
このサイトは、地盤情報の利活用を促進することを目的として2008年に公開され、現在は全国の地方整備局管内(北海道から沖縄まで)の調査データをカバーしています。
特に、公共事業で得られた実測データに基づく信頼性の高い情報を提供しており、地盤の強度や構成を詳しく確認したい人に適したサービスです。
建設業者だけでなく、一般の土地購入者や家づくりを検討している人にも有益な情報源といえます。
地盤サポートマップ
「地盤サポートマップ」は、住宅地の地盤情報や自然災害リスクを誰でも手軽に確認できる無料のWebサービスです。運営元は、地盤解析の実績を持つジャパンホームシールドで、全国200万件以上の地盤データを活用して提供されています。
調べたい住所を入力するだけで、以下のような情報を地図上で視覚的にチェックできます。
- 地盤の強さ(地耐力)
- 地震時の揺れやすさ
- 洪水・浸水リスク
- 年代別航空写真(1945年〜)
- 学区や公園、医療機関などの生活情報
災害への備えや資産価値の判断材料として、これから土地を検討する方に便利なツールです。
国土地盤情報データベース
「国土地盤情報データベース」は、一般財団法人国土地盤情報センターが運営する、全国の地盤情報を体系的にまとめたデータベースです。ウェブサイト上で検索・閲覧できるほか、ボーリング柱状図や土質試験結果などの地盤データをダウンロードすることも可能です。
主に専門家や事業者向けの内容ですが、地盤調査に関する一次情報にアクセスしたい方や、より正確な判断材料を探している人にとっても有用です。
お住まいの地盤診断サービス
「お住まいの地盤診断サービス(地盤サポートマップ)」は、こくみん共済が提供する、災害リスクの可視化ツールです。住所を入力するだけで、地震・液状化・浸水などの災害リスクが無料で確認できる手軽さが魅力です。
地盤の強さ(地耐力)に加え、揺れやすさや地形情報なども視覚的に表示されるため、土地の安全性を直感的に把握することができます。とくに住宅の購入や引越しを検討している人、現在の住まいのリスクを見直したい人にとって、有益な情報源です。
また、作成したレポートはそのままダウンロード・シェアが可能で、家族や関係者と情報を共有しやすい点も利便性を高めています。学校や勤務先など、自宅以外のエリアの診断にも対応しており、最大5件まで住所を保存できるため、複数地点の確認にも便利です。
なお、このサービスは「地盤サポートマップ」を提供するジャパンホームシールド株式会社が技術提供を行っています。
参照:お住まいの地盤診断サービス(地盤サポートマップ)|こくみん共済 coop <全労済>
地盤調査を依頼する条件と相場
実際に土地を購入したり建物を建てたりする際には、専門業者による地盤調査を行うことが推奨されます。特に、地盤の状態がはっきりしない場合やハザードマップ上でリスクが高いとされるエリアでは、調査結果が建物の基礎工事の内容や費用に大きく影響するため、重要なプロセスです。
一般的には、以下のようなケースで地盤調査の依頼が検討されます。
- 更地の土地に新築を建てる場合
- 古家付き土地を購入して解体・新築する場合
- 中古住宅を購入してリフォームや増改築を予定している場合
- 地盤の液状化や沈下など、災害リスクが気になる土地の場合
前述したとおり、調査方法には主に「スクリューウェイト貫入試験」と「ボーリング調査」があります。
費用相場の目安は以下のとおりです。
| スクリューウェイト貫入試験(SWS試験) / スウェーデン式サウンディング試験 | 5〜10万円程度 |
|---|---|
| ボーリング調査 | 15〜25万円程度 |
なお、地盤調査の結果によっては、地盤改良工事(数十万〜100万円以上)が必要になることもあるため、あらかじめその可能性を見越して予算を組んでおくと安心です。
住宅会社によっては、調査費用を建築費に含めていたり、キャンペーン等で無料提供している場合もあります。
【口コミ】地盤を調べていて困った人の声と解決アドバイス
実際に地盤を調べた方の中には、思わぬ壁に直面したという声もあります。以下に具体例と解決アドバイスをまとめました。
「調べ方がわからず、どこに相談すればいいか迷った」
最初の一歩としては、「地盤サポートマップ」や「KuniJiban」といった無料のWebサービスを活用するのがおすすめです。住所を入力するだけで、おおよその地盤の強さや災害リスクが確認できます。こうしたツールで大まかな情報を把握したうえで、不動産会社や専門業者に相談すれば、より正確な判断が可能になります。
「調査結果に不安を感じたけど、どうすればいいかわからなかった」
一部のリスク表示だけで購入を断念する必要はありません。地盤リスクがある場合でも、地盤改良や耐震設計などで対策ができるケースは多くあります。大切なのは、その土地に合った建築プランや保険・共済をセットで検討すること。地盤診断結果を元に、工務店や建築士と一緒に安全性を確保する方法を考えましょう。
「地盤改良が必要だとわかって予算オーバーに……」
地盤改良の費用は数十万円〜100万円を超えることもありますが、これは将来の沈下トラブルや修繕コストを防ぐための“先行投資”とも言えます。
土地購入時や住宅ローンの資金計画には、あらかじめ「地盤対策費用」の予備枠を設けておくのが安心です。また、土地によっては売主側が費用を負担してくれるケースもあるため、交渉の余地があるか確認してみましょう。
【FAQ】地盤の調べ方に関するよくある質問
この章では、よくある質問を取り上げ、専門的な調査を依頼しなくても判断材料になる情報や、確認の進め方についてわかりやすく解説します。
地盤改良の履歴は調べられる?
基本的に、個人が自由に過去の地盤改良工事の履歴を調べることは難しいのが現状です。
地盤改良の実施履歴は、施工業者や建築主が持っている「地盤調査報告書」や「施工記録」に記載されているケースが多いため、売主や不動産会社に確認すると手がかりをつかめるかもしれません。
地盤沈下は調べられる?
地盤沈下の有無や可能性を事前に調べる方法はいくつかあります。
たとえば、以下のようなアプローチが有効です。
- 近隣の住宅や道路の沈下状況を目視で確認する
- 古地図や航空写真で過去の土地利用を調べる
- 地盤サポートマップやKuniJibanなどのWebサービスを使って傾向を確認する
- 地盤調査会社に依頼してボーリング調査などを実施する
とくに軟弱地盤や液状化リスクのあるエリアでは、過去に地盤沈下が発生していることもあります。購入を検討する段階で、リスクを定量的に把握しておくことが将来的なトラブル回避につながります。
まとめ
地盤は、住宅の安全性や将来的な資産価値に大きく関わります。軟弱地盤によるトラブルや思わぬ出費を防ぐためにも、事前に地盤の強さや災害リスクを確認しておくことが重要です。
マップ型のWebサービスを使えば、自分で簡単にチェックすることも可能ですが、より正確な情報や安心感を求めるなら、専門の不動産会社に相談するのが確実です。
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