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盛り土とは?災害意識を高めて土地選びの参考にしよう

盛り土とは?災害意識を高めて土地選びの参考にしよう

掲載日:2021.09.10

この記事は1年以上更新されていません。内容が古くなっている可能性がありますのでご注意下さい。

最近ニュースでも耳にする「盛り土」ですが、皆さんは盛り土について詳しくご存知でしょうか。今回の記事では、盛り土の特徴や購入時の注意点などをご紹介していきます。

ちなみにですが、盛り土は「もりど」と「もりつち」の両方の読み方があります。最近のニュースなどでは「もりど」と読まれることが多いですが、どちらが正しい読み方ということはありませんので、この記事も違和感のない読み方で最後までお読みいただければ幸いです。

盛り土とは

盛り土とは斜面や地盤が低い土地に土を盛って固め、平らな敷地や周囲より高い敷地を造成することを言います。土が盛ってある部分は固めてあるとはいえ、地震時に不同沈下や大雨が降ると土石流災害といった災害が起きやすくなっています。

また、盛り土とは反対の「切土」があり、切土は土地を削って平坦な敷地を作ることを言います。こちらは元々あった土地を削るので地盤の強度がしっかりしており、地震等の災害への耐性も強いのが特徴です。

切土盛土

盛り土が原因?熱海市の土石流災害

2021年7月3日に静岡県熱海市で土石流災害が発生しました。この災害による被害は甚大であり、ニュースでも連日放送されていたのでご存知の方も多くいらっしゃるかと思います。

今回の土石流災害の大きな原因は「盛り土」といわれており、世間の盛り土に対する注目度が上がりました。盛り土が土石流災害の原因と言われている一番の理由としては、条例の基準を大幅に超える量の土が盛られていたことにあります。その他にも、盛り土に適切な排水処理が行われない状態であったなど、数々の発生原因が上げられています。

もちろん記録的な大雨が降ったことも土石流災害の原因の一つであるとは言えますが、盛り土の量が基準の範囲内であれば土石流災害が発生する可能性は少なく、仮に発生したとしても被害がここまで甚大なものにならなかったかと思われます。

大規模盛土造成地マップを確認しましょう

上記では、違法な量の盛り土によって起こった土石流災害について触れさせていただきました。全国にある全ての盛り土が上記のように違法な盛り土が行われている訳ではありませんが、やはり日頃から防災意識や災害意識を心掛けておくことに越したことはありません。そこで使用するのが、大規模盛土造成地マップになります。

大規模盛土造成地マップとは

阪神・淡路大震災や東日本大震災等の大地震発生時に、谷や斜面に盛土した大規模盛土造成地において、盛土の滑動崩落が生じ、崩れや土砂の流出等による被害が発生しています。 このような大地震等による大規模盛土造成地の滑動崩落への対策を進めるため、都道府県や市町村では、造成前後の航空写真や地図等を用いて、既存宅地における大規模盛土造成地の有無等の調査(大規模盛土造成地マップの作成)を実施しました。

「大規模盛土造成地マップ」は、滑動崩落被害に関する住民の理解を深めるため、地方公共団体(都道府県、市町村)が抽出した大規模盛土造成地を示したものであり、国土交通省や地方公共団体で公表しているものです。

※大規模盛土造成地マップは、大規模地震発生時において滑動崩落等の被害が発生した盛土造成地の実態を踏まえて、安全性を確認すべき盛土を示したものであって、直ちに危険性のある盛土造成地を示したものではありません。(国土交通省公式ホームページより引用)

大規模盛土造成地とは

大規模盛土造成地は谷埋め型大規模盛土造成地と腹付け型大規模盛土造成地の2種類があります。

盛った土が流れていかなようにするため、擁壁が使用されることがほとんどです。擁壁について解説している記事もありますので、是非ご覧ください。

谷埋め型大規模盛土造成地

盛り土の面積が3,000㎡以上の大規模盛土造成地を谷埋め型大規模盛土造成地といいます。

名前の通り、谷や沢に土を埋めて造るため水の侵入の被害を受けやすい傾向があります。

谷埋め型大規模盛土造成地

『大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン及び同解説について』掲載、資料「1編 変動予測調査編」より引用

腹付け型大規模盛土造成地

盛り土する前の地盤面の水平面に対する角度が20度以上であり、更に盛り土の高さが5m以上の大規模盛土造成地を腹付け型大規模造成地といいます。

腹付け型大規模盛土造成地

『大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン及び同解説について』掲載、資料「1編 変動予測調査編」より引用

滑動崩落とは

地震や長期的な大雨によって、山の斜面などにある造成地が動いたり崩れたりする現象のことをいいます。土石流と似たようなものですが、土石流は土・石・砂などが混ざった水が流れることに対し、崩落は斜面が崩れることをいいます。

盛土造成地を購入する際の注意点

地盤調査をする

地盤調査は建物を建てる際に行うことを義務付けられていますが、土地を購入する際には地盤調査を義務付けられておりません。しかしながら、土地を購入後に地盤が弱いことが発覚し、多額の地盤補強工事費がかかってしまうというケースもあるため、土地を購入する前に地盤調査を行うこと良いでしょう。地盤調査について解説している記事もありますので、是非ご覧ください。

しかし、土地を購入する前に地盤調査を行う場合には現在の土地の所有者の許可が必要になります。また、地盤調査にはさまざまな種類があり、金額は規模により異なりますが安くはありません。なので、地盤調査ができなかったり費用を少しでも節約したい場合は担当者の方や購入予定の土地の近隣にお住まいの方に地盤について詳しく聞いてみるのも一つの手です。

重ねるハザードマップも活用しましょう

重ねるハザードマップは、全国の市町村が作成したハザードマップを活用しやすくするために国土交通省がまとめて公開しているマップです。

大規模盛土造成地以外にも、津波や洪水といった災害のリスクがある土地も見ることができますので、気になる方は是非検索してみてください。

今回は、大規模盛土造成地の見方について紹介します。

  1. まず、下記の画像の一番左側にある「すべての情報から選択」を選択します。
  2. 次に、真ん中にある情報リストが表示されますので、「大規模盛土造成地」を選択します。
  3. 最後に、大規模盛土造成地の欄に青い枠で「解説」とあるのでそちらを選択すると、より詳しく見ることができます。

重ねるハザードマップ

情報を取り入れ災害意識を高めましょう

今回は盛り土について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。 盛土造成地は、土をどれだけ強く締め固めても地震などの災害に弱いのが現状です。そのため、大雨が降っている時はニュースやラジオなどでしっかりと情報を取り入れ、滑動崩落が発生する前に避難するようにしましょう。

また、切土にお住まいの方も、切土だから絶対安心というわけでもありません。特に近年では地震や記録的な大雨が多く発生しているため、いつどこで大きな災害が発生するのかわかりません。大切な命を守るためにも、ご自身の災害に対する災害意識を今一度見直してみるのも良いかもしれませんね。

今回の記事を読んで切土の造成地が気になる方や、いろいろな土地を見てみたい方がいらっしゃいましたら、是非お近くの不動産SHOPナカジツまでご相談下さい。ご希望に添った土地探しのお手伝いをさせていただきます。

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