
この記事のポイント
- 不動産査定額が高すぎる理由として、不動産会社が媒介契約を獲得するために意図的に高めの査定額を提示したり、市場動向や取引事例を過大評価しているケースがある
- 高すぎる査定額で売り出すと、買い手がつきにくくなり、結果的に値下げ交渉で不利になったり、市場で「売れ残り物件」として評価が下がったりするリスクがある
- 適正な査定額を知るためには、査定書のコメントを確認する、周辺の成約価格を調べる、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要
「不動産査定を依頼したら思ったより高い結果だったけれど、これを当てにしてよいのだろうか」
「査定結果の妥当性はどのように見極めるべき?」
不動産の売却を考えている方が不動産査定を依頼すると、このような疑問を感じることがあります。
不動産の査定価格は、実際に売れる価格よりも高くなるのが一般的ですが、極端に高い査定結果になることもあります。その理由には査定を行う不動産会社の考え方や、査定方法に問題がある場合もあります。
この記事では、不動産の査定価格が想定より高い場合に考えられる理由や、実際の成約価格に近い査定結果を得るためにできることを詳しく解説します。
この記事を読むことで、不動産査定の仕組みや売却価格が決定するプロセスを理解でき、納得した上で売却活動を始められるでしょう。
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記事の構成
不動産査定の結果が高すぎる理由
不動産会社からの査定結果を見て「高すぎる」と感じる場合、以下のような理由が考えられます。
- 媒介契約の獲得を優先しているから
- 市場動向や取引事例を過大評価しているから
- 物件の条件を適切に評価できていないから
それぞれ不動産会社サイドの思惑も含め、解説します。
媒介契約の獲得を優先しているから
不動産会社の査定結果が「高すぎる」と感じる場合、媒介契約を獲得することを優先している可能性があります。
複数の会社に査定を依頼すると、査定結果にばらつきが出るのは一般的で、これは各社の査定プロセスが異なるためです。
依頼者は査定結果を基にどの不動産会社と媒介契約を結ぶかを検討します。そのため、不動産会社は他社よりも高い査定額を提示して契約を勝ち取ろうとすることがよくあるのです。
そのため、不動産会社が、自社が選ばれやすいように、少しでも他社より高い査定にしたいと考えるのは自然なこととも考えられます。
特に一括査定サイトを利用した場合、不動産会社は競合相手がいることを認識しており、目立つために高めの査定額を提示する傾向があります。他社と比べて極端に高い査定額が提示される場合、その査定は媒介契約の獲得を目的としたものである可能性が高いといえるでしょう。
市場動向や取引事例を過大評価しているから
不動産査定には明確な基準や統一ルールがないため、各社が独自の方法や判断で査定を行います。その結果、客観的な範囲を超えた査定額になることも少なくありません。
これは、査定を行う担当者の経験不足や市場データの誤解、あるいは過去の取引事例への解釈のズレなどによって起こります。
特に人気のエリアにある物件では、将来的な価格上昇に対する担当者の主観的な期待により、実際の市場価格以上に高い査定額が提示されることもあります。
判別が難しいので、後述する見極め方をぜひ参考にしてみてください。
物件価値を適切に評価できていないから
一戸建てやマンションなどの建物には、不具合や劣化など査定においてマイナス評価をしなければならないポイントがあるものです。しかし、これらの情報を査定時に提供できていない場合や、物件調査時に見落とされる場合があります。
例えば、建物が耐用年数以上に老朽化していたり、地図には表れない周辺環境のデメリットがあったりして、それが査定に適切に反映されていないと実態より高すぎる結果が出ることがあります。
依頼者にとって魅力的に見える高い査定価格は、こうした細かな評価ポイントが見落とされ、その小さな狂いが積み重なった結果であることが多くあります。
高すぎる不動産の査定額で売りに出すデメリット
売却活動を始めるときには「売り出し価格」を明示しますが、一般には査定価格をベースとして売り出し価格を決める場合が多いです。
ここでは高すぎる査定額に基づいて、売却活動を始めた場合に生じるデメリットやリスクについて解説します。
買い手が見つからない
売り出し価格が高すぎると、購入希望者が敬遠し、物件が検討リストから外されることが多くなります。
売り出し価格は売主の希望価格を示すものですが、購入者は市場価格やほかの物件と比較しながら判断するため、相場とかけ離れた価格設定ではそもそも検討のテーブルからもはずされてしまいます。
そして、その物件情報はポータルサイト上で誰の目にも留まらず長期間掲載され続け、「売れ残り物件」となります。
価格交渉で不利になる
不動産会社は、高い価格で売りに出しても売れる見込みが薄いと判断すると、値下げを提案するのが一般的です。
一方で、購入希望者はポータルサイトを頻繁にチェックし、気になる物件の値下げ履歴を把握していることが多いため、値下げが行われた物件は注目を集めやすくなります。
しかし、値下げされた物件は購入希望者にとって「さらに値下げ交渉が可能な物件」と認識されることも少なくありません。そのため、値下げが行われた物件に購入申し込みが入ると、購入希望者がさらなる値引きを求めて価格交渉をリードするケースが増えます。
このような状況では、売主が不利な立場に追い込まれ、結果として当初よりも大幅に低い価格での成約となる可能性が高まります。
市場での評価が下がる
ポータルサイト上での掲載期間が長くなると、多くのユーザーの目に触れる一方で、「売れない物件」というレッテルが貼られるようになります。その結果、購入希望者から「何か問題がある物件ではないか」という疑念を抱かれ、市場での評価が低下することがあります。
このような評価や認識をもたれると、購入希望者の「検討したい物件リスト」から除外されることが多くなり、売却までにさらに長い時間がかかる悪循環に陥りやすくなるでしょう。
不動産査定の結果が高すぎるか妥当かを判断する方法
査定の結果が想定していたより高かった場合、金額の妥当性を確認することが重要です。
ここでは、査定金額の妥当性を確認する方法を3つ紹介します。
査定結果へのコメントを確認する
まず、不動産査定書の内容を詳しく確認することが大切です。不動産査定書には「査定価格」だけでなく、査定金額を導き出す際に使用した各種の公的価格や取引データ、算定プロセスに関する説明が記載されています。
これらの内容を確認し、どのような根拠に基づいて査定価格が算定されたのかを把握しましょう。
特に注目すべきポイントは、査定結果に付随するコメントの内容です。不動産査定書には、なぜその査定価格に至ったのかを説明するコメントが書かれている場合が多く、これを丁寧に読み解くことで妥当性を判断できます。
もし査定価格が不当に高ければ、コメントの内容に不自然な点や矛盾があります。
コメントに合理性があり、希望的な予測や都合のよい見通しを述べていないかを確認することが大切です。
自分で周辺の成約価格を調べる
手間がかかるやり方ですが、査定価格が妥当かどうかを判断するために周辺の類似物件の「成約価格」を調べる方法があります。
成約価格は実際に取引が成立した価格であり、査定価格や売り出し価格と異なり、より現実的な市場価値を反映しています。
成約価格の調査には、「不動産情報ライブラリ」などの公的なデータベースを利用するのが便利です。
以下のような物件の種類や条件に基づいて、調べたいエリアの成約価格情報を簡単に確認することができます。
- 土地
- 土地と建物(一戸建て)
- マンション
- 農地や林地
また、データはExcel形式でダウンロードできるので、得意な方は価格の推移や取引の傾向を細かく分析してみてもよいでしょう。
ほかの不動産会社にも査定してもらう
高い査定価格に疑問を感じる場合、別の不動産会社に査定してもらうのも有効です。
不動産査定は不動産鑑定とは異なり、不動産会社が媒介契約を締結する過程で行うものであり、その会社の独自の考え方や営業思考が反映されやすい傾向があります。

別の会社に査定を依頼する際は、これまでの査定結果に納得がいっていない旨を伝えたうえで、できるだけ客観的で正確な査定をしてほしいと伝えましょう。
また、地域密着型の不動産会社を選ぶことも有益です。地元で長く活動している会社は、エリアの特性や市場動向に詳しいため、現実的で信頼性の高い査定を期待できます。
実際の成約価格に近い不動産の査定額を得る方法
実際の成約価格に近い価格で売り出すことで、早期に購入希望者が見つかり、売却がスムーズに進みやすくなります。
ここでは、できるだけ実態に合った査定価格を得るためのポイントを解説します。
机上査定よりも訪問査定を選択する
不動産査定には机上査定と訪問査定と、2つの方法があります。
机上査定は物件を直接確認せず、入手できるデータに基づき査定する方法です。一方、訪問査定は実際に査定担当者が物件を訪れ、建物の状態や劣化状況、内装の特徴、周辺の環境や立地条件などを詳しく確認しながら査定を行います。
訪問査定のほうが物件の実態が反映されるため、机上査定よりも正確な査定結果を得やすくなります。特に、建物の老朽化具合や、周辺環境の具体的な利便性といった、データだけではわからない要素が価格に反映される点が大きなメリットです。
売却を目的とした不動産査定を行う場合、実態に即した正確な査定価格を得るためには、訪問査定を選ぶことが鉄則です。
複数の不動産会社に査定を依頼する
査定の正確さを求めるなら、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。
不動産会社ごとに評価の視点や方法が異なるため、1社だけの査定結果ではなく、複数の意見を比較することで成約価格に近い価格帯を見極めることができます。
特に、査定結果を高い順に並べ、極端に高い査定額を除外したうえで残りの査定書を分析すると、より現実的で適正な価格が見えてくる場合が多いです。また、相場とかけ離れた査定結果を避けるのにも役立ちます。
査定は少なくとも3社以上の不動産会社に依頼できると安心です。
地元に強い不動産会社を選ぶ
不動産査定はさまざまなデータに基づき行われますが、実際の売買を成功させるためには「地元の相場観」が重要になります。全国規模のデータや一般的な取引情報では補いきれない地域特有の要素を含んでおり、それを正確に把握できるのは、地元に強い不動産会社だけです。
不動産会社には全国規模の大手企業から、特定のエリアに特化した地元密着型の小規模な会社までさまざまな種類がありますが、より正確で実際の成約価格に近い査定を求める場合、地元の市場に精通した会社に依頼することが理想的です。
そのため、不動産を売却する際には、まず地元の不動産会社をリサーチすることが重要です。インターネットの口コミや評判を確認したり、実際に会社を訪れて相談するしたりするところから始めましょう。
【FAQ】不動産の査定額に関するよくある質問
不動産の査定額に関するよくある質問に回答していきます。
査定価格と成約価格に差が出るのはなぜ?
査定価格は、最近の取引事例を考慮し、売却開始時点で「この価格なら売れるだろう」と予測される価格を算定したものです。
この価格は、あくまで不動産会社が売却活動のスタートラインとして提示する目安の価格です。
一方で、成約価格は実際に購入者と売主の間で合意された価格です。高く売りたい売り手と安く買いたい買い手の思惑が交渉を通じて作用し、最終的な成約価格が決定されます。
不動産の種類によっては査定額と成約価格の差が出やすい?
査定価格と成約価格の差は、不動産の種類によって違いが出ることがあります。
一戸建ての場合、物件ごとに立地や建物の状態、敷地の形状や広さが異なるため、査定価格と成約価格の差が大きくなりやすいです。
マンションは同じ建物内で条件が似た物件が取引されることが多いです。そのため、過去の取引事例を参考にしやすく、査定価格が市場価格に近い形で設定される傾向があります。
売り出し価格と成約価格の乖離率はどれくらい?
売り出し価格と成約価格の乖離率は、一般的に5~10%程度で収まるケースが多いとされています。
売り出し価格は査定価格を基に設定されますが、想定される成約価格より少し高めにするのが一般的です。これは、値引き交渉を見越したり、少しでも高い価格で売却したいという売主の希望が反映されているからです。
販売活動が進む中で、購入希望者の目を引くために売り出し価格を引き下げるケースもよくあります。価格が現実的な範囲になってくると、購入希望者の候補に入りやすくなり、成約に繋がる可能性が高まります。
ただし、相場より高すぎる価格で売り出された場合や、急いで売却を進めたい場合には、成約価格が売り出し価格より大幅に下がることもあります。
査定後の売り出し価格の決め方は?
まず「いくらなら売ってもよいか」を明確にすることが重要です。売り出し価格は幅を持たせて考えるのが理想的で、具体的には上限となる「売却希望価格」と下限となる「売却最低価格」を設定します。
成約価格は「売却希望価格以下、売却最低価格以上」になることが一般的なので、この考え方を頭に入れておけば、納得感のある売却が進められるでしょう。
まとめ
不動産査定は売却活動の第1歩であり、適切に価格を設定することで、その後の売却活動がスムーズになります。しかし、高すぎる査定価格が提示された場合、それを鵜呑みにするのではなく、その妥当性を慎重に判断することが重要です。
査定価格を正しく理解し、高く売却するためには、地域の市場動向に詳しく、取引実績が豊富な不動産会社に相談することが成功のカギといえます。
不動産SHOPナカジツは、年間仲介件数5,000件以上、査定依頼数34,000件以上の売買実績がある不動産会社です。(2023年度実績)
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