
この記事のポイント
- 空き家買取は、不動産会社に直接売却する方法で、売買仲介よりも早く売却できる
- 空き家の売却方法には「買取業者への売却」「空き家バンクの利用」「プラットフォームでの個人間取引」がある
- 買取を依頼する際は、複数の業者を比較することが重要
「相続した田舎の空き家をできるだけ早く売りたい」
「買取を利用して、使う予定のない住宅を手放したい」
住む予定のない空き家は、維持管理に手間や費用がかかるだけでなく、周囲の住民への配慮も必要になります。さらに、適切な管理を怠ると、敷地にかかる固定資産税が最大6倍になるペナルティを受ける可能性もあります。そのため、所有し続けるのは大きな負担になりがちです。
そこで今回は、空き家を効率よく売却するための「空き家買取サービス」について解説します。この記事を読むことで、空き家をスムーズに売却し、より高い金額で手放すためのヒントが得られるはずです。
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地方銀行、住宅会社勤務を経て住宅や不動産を中心としたライターとして活動。現場で多くのお客様の対応で経験させていただいたことをもとに、専門知識に基づいた分かりやすい記事執筆に取り組んでいます。
記事の構成
空き家買取とは
空き家買取とは、空き家を不動産会社に直接買い取ってもらう売却方法です。一般的な不動産の取引方法である「売買仲介」との主な違いは表のとおりです。
| 主な買い手 | 売却完了までの目安期間 | 売却価格 | |
|---|---|---|---|
| 売買仲介 | 一般の個人 | 中長期 (3〜6カ月程度) |
市場価格に近い価格で売却しやすい |
| 買取 | 不動産会社 | 短期 (1カ月程度) |
市場価格の6~7割程度以下となることが多い |
売買仲介では、買い手が現れるまで売却できません。最悪の場合、いつまでも空き家の維持管理費がかかり続けるリスクがあります。
一方で、空き家買取は買い手が現れるのを待つ必要がありません。買取可能と判断されたら、不動産会社に直接買い取ってもらうことが可能です。売買仲介だと売れるまで3〜6カ月程度かかるところが、買取だと1カ月程度で売却が完了します。
買取の注意点は、売買仲介より売却価格が安くなる点です。不動産会社は、買い取った空き家に手を加えたうえで新たな買い手を探します。手直しにコストがかかる分だけ売却額は安くなり、相場としては売買仲介の6〜7割程度となります。
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空き家を買い取ってもらう方法
不動産を売却する基本的な手段は売買仲介ですが、空き家を買い取ってもらう方法はほかにもあります。
- 空き家買取
- 空き家バンク
- プラットフォームによる個人間取引
1つずつ詳しく紹介します。
空き家の買取業者に依頼する
空き家を買い取ってもらう方法の1つが買取です。空き家買取に対応している不動産業者に直接売却することで、迅速かつ確実に現金化できます。
買取業者の基本的なビジネスモデルは、買い取った家をリフォーム・リノベーションした後に再販するものです。実績が豊富な業者ほど効率的に空き家を活用できるため、依頼先によって差があります。
買取業者に買い取ってもらう流れ
空き家を買取業者に買い取ってもらう流れは次のとおりです。
- 業者の選定
- 査定の依頼
- 買取価格の提示
- 売買契約の締結
- 決済と引き渡し
手続きは最初から最後までプロと一緒に行えるため、迅速かつ安心して空き家を売却することが可能です。
詳しい流れについては、後の章で解説します。
空き家バンクを利用する
空き家バンクとは、ウェブサイト上で空き家情報を閲覧できるサービスです。サイトの運営主体は地方自治体や国と提携する不動産事業者なので、費用を抑えつつ安心して空き家を売りに出すことができます。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 売り手 | ・無料で空き家バンクのサイトに掲載できる ・不動産会社に買取を断られた物件も掲載できる |
・空き家バンクのサイト上で積極的な広告宣伝はできない ・買い手からの問い合わせに自分で対応する必要がある |
| 買い手 | ・大手サイトには掲載されない物件を探せる ・運営主体は公的機関なので安心して取引できる ・引っ越しや補助金の説明を自治体から直接受けられる |
・売り手への交渉は自分で対応する必要がある |
地方自治体は営利活動を行わないため、自治体サイトでできることは物件情報の掲載に限られます。積極的な販売促進活動はできない点に注意しましょう。
また、自治体職員は不動産のプロではなく、自治体や職員単位で対応レベルにばらつきがあるため手厚いサポートは望めません。ある程度、自分の力で取引を進める必要があります。
空き家バンクを通じて売却する流れ
自治体により多少違いはありますが、基本的な流れは次のとおりとなります。
- 空き家バンクへの登録申請
- 空き家バンクに登録・掲載
- 購入希望者からコンタクト
- 不動産業者と協議・物件確認
- 購入希望者の物件確認
- 売買契約の締結
- 決済と引き渡し
1から3までが自治体による手続き、4から7までが不動産業者との手続きです。
契約事務など重要な手続きは不動産業者が媒介してくれるため、話さえまとまれば安心して売却を終えることができます。実質的には売買仲介の要素がある売却手段といえます。
プラットフォームを利用し、個人に直接買い取ってもらう
空き家を買いたい個人と売りたい個人が集まるプラットフォームを利用して、直接個人へ売却するのも1つの方法です。
プラットフォーム上に物件情報を掲載し、個人間でメッセージを交わして双方で合意することで売買が成立します。
個人間取引のメリットとして次の点が挙げられます。
- 仲介手数料をかけることなく売れる
- 売却相手の人柄を重視した販売が可能
デメリットとして次のものが挙げられます。
- 手続きすべてを自分で行うため手間がかかる
- トラブル発生時のリスクが大きい
- システム利用料がかかる
プラットフォームから買い取ってもらう流れ
プラットフォームを利用して個人に直接買い取ってもらう場合、次のような流れで不動産を売却します。
- プラットフォームへの登録申請
- プラットフォームに登録・掲載
- 購入希望者からコンタクト
- 購入希望者とやり取り
- 商談の成立
- 売買契約の締結
- 決済と引き渡し
利用するプラットフォームにもよりますが、個人間取引がベースとなります。トラブル対応も基本的に自分で行う必要があることから、上級者向けの方法といえます。
安心して空き家を手放したい方には「空き家買取」による不動産会社への直接売却、あるいは「空き家バンク」の利用がおすすめです。
注意:自治体が空き家を買い取ってくれる可能性は低い
空き家の売却や処分を検討する際、よくある相談として自治体への売却や寄付を希望される方がいます。結論として、自治体が空き家を買い取ってくれることはほとんどありません。
自治体が不動産を持っても管理コストがかかるほか、本来入るべき税金が入らなくなるため財政的なメリットはありません。空き家が市役所の隣に位置しているなど、よほど公益性が高い物件でない限り自治体への売却は不可能です。
買取事業者による空き家買取の流れ
買取事業者により多少の違いはありますが、空き家買取の流れは次のとおりです。
1)業者の選定
初めに買取を依頼する不動産業者を選びます。
業者の選び方として、以下のポイントが挙げられます。
- 物件は業者の対応エリア内にあるか
- 実績豊富な業者か
- 希望日に買取完了できるか
- 残置物はそのままでいいか
高く売却したい場合、できれば複数社を選出しておきましょう。
2)査定の依頼
選定した不動産会社に査定を依頼します。査定には「机上査定」と「訪問査定」があります。机上査定は、空き家の築年や構造、立地などの情報をもとにしたおおよその査定です。
訪問査定は、実地に来てもらい周辺環境や実際の建物を確認したうえでの正確な査定であり、これをもとに売却金額が決まります。机上査定でふるいにかけたうえで、2〜3社に訪問査定を依頼しましょう。
3)買取価格の提示
買取業者から買取価格が提示されます。
複数の買取業者に査定を依頼している場合は、比較検討したうえで、対応などを含めて売却したい業者を決めたら、その旨を伝えましょう。
4)売買契約の締結
空き家を買取してもらう会社と売買契約を締結します。売買契約を結ぶ際は引渡日の調整をしたうえで、買取価格の5〜10%程度の手付金を受け取ることが一般的です。例えば1,000万円の売却額であれば、50〜100万円が手付金に相当します。
そのほか、売り手側がどのような義務を負うのか、どのような状態で引き渡しをすればいいのか、書面で確認しておきましょう。
5)決済と引き渡し
決済日には手付金を除く残金を受け取り、所有権移転登記をすることで引き渡しが完了します。登記手続きは基本的に司法書士に依頼しますが、不動産会社側で手配することが一般的です。
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空き家買取のデメリット・注意点
空き家買取は、不動産会社に迅速かつ確実に売却できるのがメリットです。しかしながら、事前に知っておくべきデメリットもあります。
買取価格は低い場合が多い
前述のとおり、売買仲介より買取のほうが売却価格は低くなります。
空き家買取事業者は、買い取った空き家をリフォームやリノベーションをして利便性を向上させたり、家が古い場合は取り壊して更地で売ったりするなど、手間と費用をかけたうえで売却します。売却するまでコストがかかるため、買取金額が安くなります。
残置物の処分費用がかかる場合がある
残置物がある場合、処分費用がかかるため査定額が低くなる可能性があります。前述のリフォームやリノベーションと同じ考え方で、不動産会社側にコストがかかる分、買取価格が安くなるためです。
空き家を売却する際は残置物があることが多いものです。残置物はそのままでも引き取ってもらえることが多いですが、その分買取価格が安くなってしまう可能性があります。自分で処分できるものは、自身の手で少しずつ処理しておくのがおすすめです。
買取不可になるケースもある
空き家の状況、立地などの理由により買取を断られるケースもあります。訳あり物件だったり、極端に立地が悪かったりすると、再販時の利益が望めず買取不可となります。
買取を断られた場合は、取引相手を訳あり物件専門の買取業者へ変更したり、空き家バンクやプラットフォーム利用による個人間取引を利用したりできないか検討しましょう。
空き家の買取価格相場
空き家の状態、立地などの条件により買取価格は大きく異なります。そのため、買取価格の相場を具体的に示すことは困難です。
空き家の価格は、次のポイントにより変動します。
- 地域(都市部か地方か)
- 土地の価値(地価は高いか低いか)
- 建物の状態(リフォームやリノベーションの必要量はどうか)
- 土地の状態(広いか狭いか、道路からのアクセスは良好か)
- 需要(人気エリアか不人気エリアか)
空き家の買取業者5選
不動産SHOPナカジツを含む空き家の買取業者を5つ紹介します。所有物件や売却目的に応じた適切な不動産会社を選択しましょう。
| 会社名 / サービス名 | 対応地域 | 特徴 |
|---|---|---|
| ナカジツ | 愛知 / 静岡 / 福岡 / 熊本 / 千葉 / 埼玉 / 岐阜 | 地域密着×全国ネットワークの販売戦略で、より高値での不動産売却をサポート |
| カチタス | 全国 | 中古住宅再販&買い取り全国No.1の実績 |
| AlbaLink / 空き家買取隊 | 全国 | 相続などで取得した「売れない不動産」の買取専門サービス |
| House Produce / お困り空き家買取くん | 大阪 / 京都 / 兵庫 / 奈良 / 和歌山 / 滋賀 / 三重 | 訳あり物件の買取に特化 |
| アティック / スマイル空き家センター | 全国 | 訳あり物件・事故物件買取専門 |
※特徴は2026年2月22日時点のホームページ掲載文より抜粋
また、空き家の買取業者を探したり、売却・活用法なども合わせて検討したい場合には、「タウンライフ空き家解決」といったサービスを活用する方法もあります。
一度の申し込みで空き家を売ったり、どうするか無料で提案してもらうことができます。
【口コミ】実際に空き家を買い取ってもらった人の声
ここでは、空き家を買い取ってもらった方の生の声をSNSから紹介します。
市の空き家バンクに登録していた持ち家が売れた‼️
— ke1co (@1212keco) October 18, 2018
以前、同居前に住んでた家。
へんぴな田舎にある家だから売れるか心配して。よかった✨
これで残りのローンと修繕費用を払って気持ちだけ残りそう。
これでダンナ待望の台湾🇹🇼に旅行出来るかな。
空き家バンクでの売却成功事例です。相場より安くても、満足のいく売却にできたようですね。
ようやく実家が売れたけど
— にこにこパンチ! (@nico_x2_punch) October 31, 2023
失敗したなぁー
希望額の5分の1
土地の評価額の半分
そのまま売っても、買主儲かるんじゃない?
かなり安くたたかれた(;^_^A
空き家バンクに登録するより
査定して持って、そのまま不動産会社に売った方がいい。
と思った。
一方で、空き家バンクを利用して後悔した方の投稿です。高く売りたい場合は、まず不動産会社に相談をしたほうが後悔せずに済むかもしれません。
昨年オヤジが亡くなり、オカンが施設に移ったので空き家になった実家が売れたので、契約のためにまたまた山口へ。半日不動産屋と銀行や市役所を駆けずり回って無事成約。売却代金入金も確認。遠距離介護的な面もあってチト疲れたけど、目先の懸案は全て解消して一安心。 pic.twitter.com/fKYPwnw9VT
— 紅い雪だるま (@red_snowman1919) February 13, 2024
空き家売却は遠方の物件を扱うケースが多いです。居住地と異なる場合のサポートが充実している事業者に依頼すると負担を軽減できます。
【FAQ】空き家買取に関するよくある質問
ここでは、ここまでの解説に含まれなかった空き家買取に関する疑問にお答えします。
空き家を買い取ってもらうのに費用はかかる?
以下の税金や費用がかかります。
- 譲渡所得税
- 印紙税
- 司法書士報酬
買取により不動産会社に空き家を直接売却する場合、売買仲介手数料がかからないのが特徴です。
一方で、利益に対して譲渡所得税(所得税と住民税)、契約書作成時に数百円から1万円程度の印紙税、登記の際に10万円程度の司法書士報酬の支払いが発生します。
リフォーム・リノベーションしたほうが空き家を買い取ってもらいやすい?
買取前にリフォームしたとしてもプラス査定とならず、かえって売却益が少なくなる可能性があります。そのため、リフォームやリノベーションせず、ありのままの状態で不動産会社に買取相談をすることをおすすめします。
買取不可になりやすい空き家の特徴は?
不動産業者の立場からみて、利益を得られる見込みがないと判断された場合、買取を断られてしまうことがあります。
買取不可となった場合は、相談相手を訳あり物件専門業者に変更するほか、空き家バンクやプラットフォームによる個人間取引の利用も検討しましょう。
まとめ
空き家の売却の際、高い売却益が期待できるのは売買仲介ですが、そのほかの手段もあります。
とくに「空き家買取」を利用することでスピーディーに売却できます。
また、売買仲介による高い利益と買取による迅速な売却のどちらも捨てがたい方には、「買取保証付き仲介」もおすすめです。買取保証付き仲介とは、売買仲介と買取のいいとこ取りの売却法で、一定期間売買仲介で販売活動をして、売れ残った場合は買取に移行するものです。
不動産SHOPナカジツは豊富な買取実績を持ち、「買取保証付き仲介」にも対応しているため、安心して売却活動を進めていただくお手伝いができます。
不動産売却では複数の会社に相談することができるので、信頼できる不動産会社をみつけて、最適な形で空き家を売却してくださいね。
売却相場がわからず、悩んでいませんか?
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逆瀬川勇造さん からのコメント
宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士
活用できていない空き家のうち、特に郊外にあるような空き家については、一般市場での売却が難しいケースも多いものです。不動産は所有しているだけで管理の手間や維持管理費用がかかってしまいます。空き家買取の方法にはいくつかの方法がありますが、このうち、空き家買取は手間を抑えて買取をしてもらいやすいという特徴があります。買い取ってもらえるかどうかは、直近で買取再販を強化していたり、分譲地を探しているかどうかだったりなど買取業者の状況次第でもあるため、空き家の売却を考えている方は、まずは買取業者に相談だけしてみるのもおすすめです。