「不動産を売却したいが、どの会社に依頼すればよいか迷っている」
「信頼できる不動産会社に任せて、高く売りたい」
不動産の売却を考えると、多くの人が専門的な知識を持たず、不安や疑問を抱くことが多いものです。 所有している不動産をできるだけ高く売るためには、適切な不動産会社を選ぶことが重要です。
しかし、業者選びにおいて、大手だからと安易に選んだり、実績や口コミを確認せずに決めてしまうと、後悔する可能性もあります。
そこで今回は、不動産売却を依頼する業者を選ぶ際のポイントや注意点、不動産売却の流れについて詳しく解説します。この記事を読めば、損をしないための依頼先の選び方が理解でき、より満足のいく不動産売却につながるでしょう。
目次
不動産売却で「どこがいい?」と迷ったときのフローチャート
ここでは、不動産売却を検討する際に、依頼先を選ぶためのフローチャートをご紹介します。
不動産売却の依頼先としては、主に「不動産仲介業者」と「不動産買取業者」の2つがあります。不動産仲介業者は、依頼を受けて不動産の査定を行い、広告を通じて広く一般の買い手を募ります。 一方、不動産買取業者は、業者自身が不動産を直接買い取る形で取引を行います。
以下のフローチャートに沿って質問に答えていくことで、あなたに最適な依頼先が見つかるでしょう。
このように売却希望時期や希望価格によって適切な依頼先が異なります。任意売却については、以下の記事で解説しています。
なお、この記事では不動産仲介業者による売買仲介を中心に解説していきます。
売却に強い不動産会社の探し方・見つけ方
不動産売却を成功させるためには、売却に強い不動産会社を見つけることが重要です。
ここで、売却に強い不動産会社の探し方・見つけ方を3つ紹介します。
- 地元の事業者ランキングを調べる
- 査定サイトを使う
- 不動産ポータルサイトを参照する
これらの方法を活用して、売却に強い不動産会社を効率よく見つけましょう。
地元の事業者ランキングを調べる
売却に強い不動産会社を探す方法の一つは地元の事業者ランキングを調べることです。
売りたい不動産がある地域の不動産事業者ランキングをインターネットで調べることで、不動産があるエリアでの売却に強い不動産事業者がわかります。
ただし、公開されているランキングは不動産事業者や、利害関係のある第三者が作成している可能性があります。ランキングを参照する際には、サイトの運営者を確認し、客観性のあるランキングかどうか見極めることが重要です。
査定サイトを使う
不動産の査定サイトを活用することで、売却に強い不動産会社がわかります。
査定サイトとは、不動産の査定依頼を一括して複数の不動産会社に依頼できるサイトのことです。査定サイトに簡単な物件の情報を入力するだけで、複数者の査定結果がわかります。
ただし、査定サイトは競争が激しいため、依頼が欲しいあまり根拠なく高い査定金額を提示する事業者も存在します。 そのため、査定結果を鵜呑みにせず、根拠の妥当性について確認を怠らないようにしましょう。
不動産ポータルサイトを参照する
不動産ポータルサイトを参照して不動産会社を見つける方法もあります。
売却したい不動産の所在するエリアの物件情報を、不動産ポータルサイトで検索してみましょう。そのエリアで多くの不動産の取り扱いがある不動産会社は売却に強いことが多いです。
ただし、不動産ポータルサイトには、複数の不動産会社が同じ物件の広告を掲載していることもあるため、単純に数を比較するだけでは充分ではありません。
不動産売却の事業者選びのポイント
前章で紹介した方法で依頼先の候補となる不動産会社を見つけたら、次はその見極めです。
ここでは、以下の6つのポイントを紹介します。これらのすべてを行うのは大変ですが、いくつかチェックするだけでも判断が違ってくるはずですよ。
-
- 十分な実績があるか調べる
- 第三者の口コミで信頼できるか見極める
- 強みをチェックする
- 査定結果を比較する
- 広告手法を確認する
- 在籍する宅建士の数を確認する
十分な実績があるか調べる
売却の実績が十分な不動産会社には、経験豊富な従業員がいる可能性が高いです。売却時の交渉や段取りがスムーズに進行するかどうかは担当者の腕によるところも大きいので、重要な判断基準といえるでしょう。
不動産事業者の実績はホームページで調べることができます。どのような種類や価格の物件をどれくらい売っているかを必ず確認しましょう。
第三者の口コミで信頼できるか見極める
利用者の口コミは、不動産会社を見極める重要な手がかりです。
口コミサイトやSNS、さらにGoogleビジネスプロフィールの口コミを参照することで、実際に売却を依頼した人のリアルな評価がわかります。
ただし、先述のランキング同様に、口コミサイトの中には客観性の乏しいものもあります。悪い口コミが削除され、良い口コミはサクラやキャンペーンによって加工されている可能性があります。
口コミの数だけでなく、内容や文章の量を確認して信頼できる口コミかどうかを判断しましょう。
強みをチェックする
不動産会社はそれぞれ得意とするものが異なります。マンションの販売実績が豊富なこともあれば、空き家や田舎暮らし物件の売却が得意なこともあります。
取り扱っている不動産の種類や価格を確認することで、その不動産会社が得意とするものがわかります。
自分が売却したい不動産を得意とする不動産会社に依頼することで、より高値で早期に売却することが可能です。
査定結果を比較する
物件の査定を依頼すると、不動産会社は相場や立地、需要、不動産の状態などをもとに不動産の査定を行います。
相見積もりを取って査定結果を比較することで、不動産会社ごとの違いがみえてきます。査定根拠の詳しさや査定内容の説明の丁寧さを比較して、依頼する不動産会社を選ぶことがおすすめです。
また、査定結果を比較することで、査定金額を根拠なく高めに提示して媒介の依頼をもらおうとする業者を選択肢からはずすことができます。
広告手法を確認する
各不動産会社がどのような広告の手法を使っているかを確認することも欠かせません。
不動産会社は不動産の購入者を探すために、チラシ、ホームページ、不動産ポータルサイト、雑誌の広告などさまざまな広告の手法を使用します。
不動産会社を選ぶ際には、より多くの広告手法を使っている不動産会社を選ぶべきです。
なぜなら、各広告手法によってターゲットとする人が異なり、さまざまな種類の広告をすることで幅広い種類のターゲットに広告を見てもらうことができるからです。
不動産会社によっては、買い手を探すための有料の広告オプションを備えているところもあります。どのような方法で広告をするかは事前に確認しておきましょう。
在籍する宅建士の数を確認する
不動産会社に在籍する宅地建物取引士の数も、不動産会社の力量を測るために必要です。
不動産会社によっては、重要事項説明は宅地建物取引士が行うものの、物件の案内や広告については資格がない人が行っている場合があります。
宅地建物取引士は、不動産に関する専門的な知識があることを示しており、内見や広告出稿する際にも、専門的知識や豊富な経験をもとに質の高い説明を行うことが可能です。
宅地建物取引士が多ければ多いほど、不動産売却のプロセスにおいて宅地建物取引士が携わる可能性が高くなり、サービスの質が高くなります。
宅地建物取引士の数は、ウェブサイトの従業員プロフィール等で確認しておきましょう。
不動産売却における注意点
ここまで不動産売却の依頼先の選び方について説明しました。
信頼できる不動産会社に査定を依頼したとしても、まだまだ注意すべきことがあります。
不動産売却においては以下の3つの点に注意が必要です。
- 「とりあえず大手」では損をしやすい
- 高額査定を鵜呑みにしない
- 担当者とコミュニケーションが取りやすいかが重要
注意を怠ると、売却がスムーズに進まないどころか、いつまで経っても不動産が売れない可能性もあります。ぜひ参考にしてください。
「とりあえず大手」では損をしやすい
知名度の高い大手の不動産会社になんとなく依頼をしてしまうと損をする可能性が高いです。
なぜなら、大手の不動産会社は売主と買主の両方から依頼を受ける「両手仲介」の取引であることが多いからです。
両手仲介の場合には、売主と買主の両方の立場を尊重して契約条件を調整しなければならず、高く売りたい売主と安く買いたい買主の間で妥協点を探す必要があります。
そのため、本来ならもう少し頑張れたはずでも、それ以下の金額で取引が成立してしまうかもしれません。
その点、売主と買主のどちらか一方から依頼される「片手仲介」ならば、不動産会社は依頼者の利益を優先的に考えてくれます。結果として、満足のいく取引となる可能性が高いでしょう。
高額査定を鵜呑みにしない
不動産会社に査定を依頼した際に、高額な査定が出てきたとしても鵜呑みにしてはいけません。
不動産会社の中には、媒介契約を取るために根拠なく高額な査定を出す業者が存在するからです。
査定金額は査定の中でももちろん重要ですが、査定根拠がどの程度詳細に書かれているかも重要です。
各不動産会社の査定結果を比較する際には、査定金額だけでなく査定根拠も比較しましょう。
担当者とコミュニケーションが取りやすいかどうかが重要
不動産会社の担当者がコミュニケーションを取りやすいかどうかも不動産売却には欠かせない要素です。
不動産売却の各プロセスでは、何度も担当者とコミュニケーションを取る必要があります。そこで適切なコミュニケーションが取れないと、取引に関する重要な内容が正確に伝わらず、売却の結果に悪影響を及ぼします。
不動産会社との媒介契約後でもほかの会社に仲介を依頼することはできるので、「強引すぎるな」「齟齬が大きいな」などと感じたら、依頼先の変更も検討しましょう。
不動産を売却するまでの流れ
ここまで不動産会社に売却を依頼する際の注意点や不動産会社の選び方を解説しました。
実際に不動産会社に売却を依頼した場合には、以下のように売却が進んでいきます。
- 不動産の査定
- 売却価格の決定、媒介契約
- 購入者の募集、案内
- 購入希望者との価格の交渉
- 不動産売買契約
- 決済・引き渡し・所有権移転
このような多くの手順が売却には必要であり、売却力の高い不動産会社を選ぶことで、これらの手順を円滑に進められます。
不動産売却の仲介業者ランキング
ここで、不動産売却の仲介業者のランキングを紹介します。
本ランキングは、不動産仲介業者の売買仲介における仲介手数料収入金額の実績に基づいて件数および仲介手数料で順位をつけています。
売買仲介実績ランキング(2023年度上期)
順位 |
業者名 |
コメント |
1位 |
三井のリハウス |
大手の安心感。取扱件数は38年連続全国トップ。 |
2位 |
東急リバブル |
関東に強いが、関西でも取扱実績多数。 |
3位 |
住友不動産販売 |
関西での豊富な実績と集客力が強み。オークションサービスが特徴。 |
4位 |
野村の仲介+ |
ネット集客のノウハウが豊富にある。 |
5位 |
三井住友トラスト不動産 |
銀行のグループ企業という特徴を活かした信託財産が得意。 |
6位 |
三菱UFJ不動産販売 |
全国各地で仲介を行っている。 |
7位 |
みずほ不動産販売 |
法人との取引が豊富で、信託財産の売買が多い。 |
8位 |
東宝ハウスグループ |
営業力の強さとインターネット戦略が特徴 |
9位 |
三菱地所リアルエステートサービス |
都市部だけでなく、地方でも事業を展開している。 |
10位 |
積水ハウスグループ |
ハウスメーカー大手。不動産事業も幅広く展開している。 |
いずれも、多くの人が見聞きしたことのある会社のはずです。「とりあえず大手」で選ぶのは危険ですが、媒介契約の際に必ずと言ってよいほど候補に上がってくるので、検討する際の参考にしてくださいね。
【FAQ】不動産売却の事業者選びに関するよくある質問
ここでは不動産売却の事業者選びに関するよくある質問に回答します。
不動産の「査定」を頼むならどこがいい?
査定を頼むというのは、つまり売却を依頼する会社の候補を選ぶことにつながります。したがって、ここまで紹介した不動産売却の事業者選びと同様の論理で考えて問題ありません。
あえて述べるなら、相場を知り尽くした地元の不動産業者がおすすめです。
売りたい不動産のエリアにある不動産業者であればそのエリアの需要や相場、取引事例を完全に把握しているため、より正確な査定ができます。
複数の不動産会社に査定を依頼するべきですか?
売却時には複数の不動産会社に査定を依頼するべきです。
複数の査定を比較することで、根拠なく高い査定に騙されることがなくなるだけでなく、相場の目安を掴むこともできます。
一括査定サイトは使うべきですか?
不動産一括査定サイトは、複数の不動産会社に査定を依頼できるため便利です。不動産会社を探すための手段として活用するとよいでしょう。
候補として出てきた会社を選ぶ際は、実績や口コミ、強み、広告手法などで判断すべきです。
まとめ
不動産売却においては、「依頼するならここがいい」という絶対的な会社があるわけではありません。物件と不動産会社との相性や、その物件が所在するエリア、市況、タイミングなどに大きく左右されます。
そのため、知名度や高額査定に惑わされることなく、その時々で適切なアプローチでよりよい会社と出会い、よりよい買い手を見つけられる会社に依頼することが大切です。
そうすることで、高値での売却、早期の売却を実現することができるでしょう。