この記事のポイント
- 土地売却は複数の会社に相談することで適正価格や売却期間を把握できる
- 売却には登記簿謄本や固定資産税評価証明書などの書類が必要で、他の準備作業も必要
- 土地売却においては不動産会社の査定を活用するのが効果的
「土地を売却するときはどの会社に相談すべき?」
「土地の売却に必要な書類は?」
「土地の適正価格はどうやって見極める?」
初めての土地売却では、売却手順や必要書類の準備、税金の計算など、押さえておくべきポイントが多々あります。もちろん、多くのことは不動産会社に依頼できるため、すべてを売主が完璧に理解する必要はありません。しかし、基本的な流れを把握しておくことで、納得のいく売却がしやすくなります。
本記事では、土地売却の流れに沿って、必要な準備から税金の計算まで、不動産のプロの視点で具体的に解説します。これを読めば、土地売却の全体像をつかめるはずです。
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地方銀行、住宅会社勤務を経て住宅や不動産を中心としたライターとして活動。現場で多くのお客様の対応で経験させていただいたことをもとに、専門知識に基づいた分かりやすい記事執筆に取り組んでいます。
記事の構成
土地売却の相談窓口は「不動産会社」
土地を売却するとき、まず考えるべきは「どこに相談するか」です。最適な相談先は、不動産会社です。
不動産会社には、宅地建物取引士という専門資格を持ったスタッフが在籍しており、土地売却に関する知識と実務経験が豊富です。相談は無料なので、複数の不動産会社に話を聞いて、適正価格や売却にかかる期間、費用を把握すると安心です。
不動産会社を見極めるときは、以下の点を確認してみるのもおすすめです。
- 国土交通大臣や都道府県知事の免許を持っているか(事務所やホームページで免許番号をチェック)
- 地域の不動産市場に詳しく、取引実績が豊富な会社か
信頼できる会社を選ぶことが、スムーズな売却のために必要な最初のポイントです。
【図解】土地売却の流れ・売却方法
土地売却の流れについて、以下の要点をまとめた図を示します。基本的には、このような流れで進行するので、頭にいれておくとよいでしょう。

もう少し具体的にみていくと、準備から引き渡しまでを3つの段階に分けて考えることができます。各段階について、詳しく解説します。
土地売却の準備
土地売却の準備では、必要書類の収集と土地の状態確認が重要です。法務局で登記簿謄本と公図を取得し、土地の権利関係を確認します。相続した土地の場合は、相続登記が完了しているかも確認が必要です。固定資産税評価証明書も市区町村役場で取得しておきましょう。
このタイミングで、境界杭の位置を確認し、隣地との境界線がはっきりしない場合は、測量を実施します。また、土地に残置物がある場合は撤去し、更地にすることで売却しやすい状態に整えます。残置物の撤去費用も考慮に入れておく必要があります。
これらの準備については、先に不動産会社に相談して、サポートを受けながら進めることもあります。
実際の売却活動
前述したとおり、売却の仲介を依頼する不動産会社をみつけることが売却活動の最初の課題です。担当者が土地売却のパートナーになるので、慎重な見極めが大切です。
売却活動では、不動産会社と話し合って売出価格を設定し、買主を探す活動を開始します。不動産会社は物件情報をホームページや不動産情報サイトに掲載したり、チラシやDMなどで周辺地域に宣伝したりします。物件情報には土地の所在地、面積、接道状況、用途地域、建ぺい率、容積率などの基本情報が記載されます。
買主候補が現れたら、不動産会社が物件の案内を行い、価格交渉が始まります。具体的な購入申込みがあった場合は、資金計画も確認します。
売買契約と引き渡し
買主が決まると、売買契約を締結します。
契約では、以下の項目などを取り決めます。
- 売買代金
- 決済日
- 引き渡し日
- 固定資産税の精算方法
契約時に買主から手付金が支払われ、残金は決済日に支払われます。手付金の金額は、一般的に売買代金の5〜10%程度です。
決済日には、買主から売買代金全額を受け取り、所有権移転登記に必要な書類を買主側に渡します。
登記に必要な印鑑証明書は、決済日の3カ月以内に取得したものを用意します。その後、不動産会社が立ち会いのもと、土地の引き渡しを行い、売却が完了します。
引き渡し後は確定申告の準備を始めましょう。売買取引に関する証明書は確定申告に必要になります。
土地売却の相場の調べ方・価格の決め方
土地の価格は、地域や立地条件によって大きく異なります。適正な価格で売却するには、まず土地の相場を正しく把握することが重要です。そのうえで、相場とかけ離れない適切な価格を設定することが求められます。
ここでは、それぞれの方法について解説します。
土地の相場を調べる方法
今回は土地の相場を調べる3つの方法をご紹介します。
- 不動産情報サイト
- 路線価(相続税や贈与税の算定基準)
- 公示地価(1月1日時点の標準的な土地の価格)
不動産情報サイトでは、実際に売り出されている近隣の土地価格を確認できます。ただし、情報サイトの価格は売り希望価格であり、実際の取引価格とは異なります。
路線価や公示地価は、国が公表する基準価格です。路線価は相続税や贈与税の基準となり、実際の取引価格の約80%程度とされています。公示地価は市場の動向を反映した標準的な土地価格ですが、実際の取引価格は立地や需要によって変動します。
したがって、正確な相場を知るためには不動産会社に無料査定を依頼するのがもっとも効率的といえます。
売却価格の設定方法
土地の売却価格は、近隣の取引事例を基準に決めていくことが多いです
ただし、同じ地域でも日当たり、前面道路の幅員、最寄り駅からの距離、土地の形状など、さまざまな条件によって価格は変動します。不動産会社の査定では、これらの条件を総合的に判断して適正価格を算出しています。
価格設定では、売却の緊急性も考慮に入れましょう。
急いで売却したい場合は、相場よりもやや低めの価格に設定することで、早期売却が期待できます。一方で、じっくり買主を探すことで価格にこだわることも可能です。
土地売却の費用
土地売却では、さまざまな費用が発生します。売却前に必要な費用を把握しておくことで、予算の見通しを立てやすくなります。不動産会社に依頼する場合の一般的な費用について説明していきます。
仲介手数料
不動産会社への仲介手数料は、宅地建物取引業法で売却価格に応じた上限が定められています。
| 売買価格 | 仲介手数料の計算式 |
|---|---|
| 200万円以下の部分 | 売買価格 × 5% + 消費税 |
| 200万円を超えて400万円以下の部分 | 売買価格 × 4% + 消費税 |
| 400万円を超えた部分 | 売買価格 × 3% + 消費税 |
例えば、土地の売却価格が2,000万円の場合、仲介手数料の上限は約66万円になります。
なお、仲介手数料は不動産会社との交渉で減額できる可能性もあります。複数の不動産会社に相見積りを取ることで、仲介手数料の相場を把握することができます。
登記費用(司法書士の報酬)
土地売却の登記については司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士の報酬は、事務所によって料金体系が異なるため、事前に見積りを取ることで具体的な費用を把握できます。
土地売却時の所有権移転登記費用は買主側が負担するのが一般的のため、土地売却時にかかる登記費用としては、相続登記がなされていない場合の相続登記費用や抵当権抹消登記費用、所有者の登記されている住所が異なる場合の住所変更登記費用などが挙げられます。
測量費用
境界が不明確な場合や、隣地との境界確認が必要な場合は、測量を実施します。測量費用は土地の面積や形状によって変動します。
一般的な住宅地の場合、20万円から50万円程度が目安です。複雑な形状の土地や広い土地の場合は、さらに費用が高くなることもあります。
隣地との境界確認が必要な場合は、立会費用も考慮に入れておく必要があります。
その他
土地に建物が建っていてそれを取り壊す場合は、解体費用が必要になります。木造住宅の解体費用は、建物の大きさにもよりますが、100〜300万円程度です。建物の構造や規模、地域によって費用は変動します。
また、土地内に残置物がある場合は、処理費用も発生します。庭木の伐採や、不要な工作物の撤去費用は、業者に見積りを依頼して確認しましょう。売却後の引っ越し費用や、新しい住居の購入費用なども考慮に入れる必要があります。
土地売却でかかる税金
土地売却に際してはさまざまな税金が発生します。また、税金の種類や計算方法だけでなく、特例制度についても知っておくことが大切です。
税金一覧
土地売却時には4種類の税金について確認が必要です。支払う必要がある税金は売却状況によって変わり、控除や特例の対象になる場合もあります。
譲渡所得税
譲渡所得税は土地の売却益にかかる税金です。売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた金額が課税対象の所得(譲渡所得)になります。これに対して所有期間に応じた税率をかけて、譲渡所得税を算出します。
| 区分 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 長期譲渡所得(5年超) | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
| 短期譲渡所得(5年以下) | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
取得費が分からない場合は、特例により売却価格の5%を経費として控除します。この場合、実際の取得費より大幅に少なく計上することが多いため、できるだけ購入時の書類はわかるようにしておきたいところです。
登録免許税
売主が支払う必要があるのは、抵当権抹消登記や住所変更登記、相続登記です。
| 登記の種類 | 登録免許税の額 |
|---|---|
| 抵当権抹消登記 住所変更登記 |
1,000円 / 筆 |
| 相続登記 | 固定資産税評価額 × 0.4% |
ちなみに、所有権移転登記における登録免許税は、買主が負担するのが一般的です。
印紙税
印紙税は不動産売買契約書に貼付する収入印紙の税金です。売却価格に応じて税額が定められています。例えば、5,000万円を超え1億円以下の場合は、6万円(軽減税率適用の場合は3万円)です。
その他
固定資産税は売却時に日割り計算で精算します。納税額は土地の評価額や地域によって変動します。
税金の特別控除や軽減税率などの特例
自宅として使用していた土地を売却する場合、建物と一体で売却(または解体を伴う売却)など一定の要件を満たすことで3,000万円の特別控除が適用されます。この特例適用には確定申告が必要です。
また、災害で被害を受けた土地の売却や、特定の事業用地の買換えなど、状況に応じた税制優遇制度もあります。複数の特例を組み合わせることも可能ですが、適用条件を満たしているか慎重に確認することが重要です。
土地売却後の確定申告
土地を売却した年の翌年の2月16日から3月15日頃までに確定申告を行います。
確定申告の必要書類としては、以下のような書類があります。
- 不動産売買契約書の写し
- 登記簿謄本
- 売却時の精算書
- 取得時の契約書
確定申告書の作成では、土地の取得費、売却費用、特別控除額などを正確に計算する必要があります。
期限を過ぎると延滞税や無申告加算税が課される可能性があるため、早めの準備が重要です。
土地売却の必要書類
土地売却では多くの書類が必要になります。書類の準備は売却活動の開始前から計画的に進めましょう。不足している書類があると、売却手続きが遅れる原因になります。
多くの書類は不動産会社が確認してくれますが、事前に把握しておくと安心です。
土地の所有権を証明するための書類
土地売却で重要なのが所有権を証明する書類です。登記事項証明書(登記簿謄本)は法務局で取得できます。
相続で取得した土地の場合は、相続登記が完了していることを確認します。未登記の場合は、相続人全員の戸籍謄本や遺産分割協議書なども必要になります。
また、共有名義の土地の場合は、共有者全員の同意書も必要です。
売主の本人確認書類
本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなどの顔写真付き公的身分証明書を用意します。
印鑑登録証明書も必要で、取得後3カ月以内のものを使用します。法人による売却の場合は、代表者印の印鑑証明書に加えて、会社の登記事項証明書も必要です。住所変更している場合は、現在の住所が記載された住民票も必要になります。
売買契約時には実印の持参も必要です。不動産の売買は重要な取引なので、本人確認は特に厳格に行われます。
土地に関する書類
土地に関する書類には、公図、地積測量図、境界確定図などがあります。
公図は法務局で取得でき、土地の位置関係を示す図面です。地積測量図がある場合は、正確な土地の形状や面積を確認できます。境界確定図は隣地との境界が明確になっている証拠として重要です。
また、固定資産税評価証明書や公課証明書も市区町村役場で取得します。
道路に接している土地の場合は、道路台帳図や建築確認書類も必要になることがあります。
税金や費用関連の書類
税金関連の書類には、直近の固定資産税納税通知書や領収書があります。土地の取得時の書類(売買契約書、領収書など)も重要で、譲渡所得税の計算に使用します。ローンが残っている場合は、返済残高証明書も準備します。
土地売却の注意点・よくある失敗
土地売却での失敗を防ぐために、売却活動を始める前に注意点を理解しておきましょう。
境界や測量の確認を怠らない
土地の境界は売却時のトラブルの原因です。
登記簿上の面積と実測面積が異なる場合や、隣地との境界が不明確な場合は、売買契約後に問題になることがあります。
実際に、境界確認を怠ったために売買契約後に隣地所有者とトラブルになり、契約解除になったケースもあります。境界確定書を作成して保管しておくことで、将来の紛争リスクを軽減できます。
売却価格を高く設定しすぎない
売主の希望価格が相場よりも高すぎると、買主が現れず、売却期間が長期化する可能性があります。
実際に、最寄り駅から徒歩15分の土地を、周辺相場より30%高い価格で1年間売り出したものの、問い合わせが全くなく、結局10%値下げして売却できたケースがありました。価格設定は、不動産会社の査定結果や周辺の取引事例を参考に、適切な価格を設定することが重要です。
契約書の内容を詳細に確認せずに締結しない
土地の売買契約書は専門的な用語が多く、内容を理解するのが難しい場合があります。特に、境界確認や引渡し条件、契約不適合責任などの重要事項は、しっかりと確認する必要があります。契約書の内容を確認せずに契約を締結し、後になって条件の解釈の違いでトラブルになるケースがあります。
例えば、土地内の残置物の撤去費用の負担について契約書に明記されていなかったため、売主が予想外の費用を負担することになったケースや、土壌汚染の調査費用の負担について争いになったケースもあります。
契約書の内容は、不明な点があれば必ず不動産会社や司法書士に確認し、納得できるまで説明を求めることが大切です。
まとめ
土地売却にはさまざまな手続きと注意点があり、成功させるためには必要書類の準備や税金の計算など、幅広い知識が求められます。特に重要なのは、信頼できる不動産会社を選ぶことです。適切なサポートを受けることで、リスクを最小限に抑えることができます。
土地売却が初めての方でも、専門家のアドバイスを受けながら進めることで、納得のいく売却が実現できるはずです。
「不動産SHOPナカジツ」では、豊富な売買実績をもとに、土地売却に関するさまざまなご相談に対応しています。気軽にご利用いただける無料査定も実施しておりますので、ぜひお問い合わせください。













































逆瀬川勇造さん からのコメント
宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士
土地の売却を成功させるには、土地に興味を持つ方にアプローチする必要があります。このため、まずは売却する土地があるエリアで豊富な実績のある不動産会社に売却を依頼することが大切です。本記事でご紹介している通り、土地の売却では税金面や境界などの権利関係面などで専門的な知識や経験が求められます。特に隣地所有者との境界問題などは、単に知識があるだけでなくどのようにアプローチすればトラブルに発展することなく問題を解消できるかなど経験が求められることも多いです。こうした、知識や経験は過去の実績から生まれるものです。土地売却時に不動産会社を探すときは、そのエリアにおいて過去にどのような実績があるかなどよく確認して信頼できる不動産会社を見つけられるようにしましょう。