住まいの品質性能のなかにも含まれる、防音。外部から侵入する騒音はもちろんシャットアウトしたいですが、マンションでは自身の生活音が周囲の居室に響いてしまわないかも気になりますよね。
今回は住宅の防音、遮音性について解説をしていきます。
目次
遮音と防音はどう違う?
“防音室”などとはよく聞きますが、遮音と防音とはどう違うのでしょうか。
遮音と吸音を組み合わせ防音する
まず「防音」という言葉に関して。防音とは、ある部屋などに音が入ったり、部屋の中の音が漏れたりするのを防ぐことをいいます。具体的にどんな方法で音漏れを防ぐかは問題にしていません。
遮音とは
続いて「遮音」です。こちらは書いて字のごとく音を遮ります。音とは様々なものを介して振動が伝わってくることです。遮音とは、それらの振動を遮断し、跳ね返すことで音が伝わることを防ぐのです。
そのため、遮音性を高めすぎた場合、室内の音漏れは少なくなりますが外に漏れずに跳ね返った音が反響し、音が聞き取りにくくなったり、音質が変わってしまうこともあります。
吸音とは
遮音と同じように防音するための手段の一つが「吸音」です。こちらは振動を遮る遮音とは違い、音の振動を多孔質の材料などで吸収することで音が伝わることを防ぎます。
このように、遮音と吸音を組み合わせ防音で対策がおこなわれます。
音の単位と騒音のレベル
音の大きさを測る単位と、よく問題となる騒音の大きさを数値でご紹介します。
音の単位
音の大きさの単位はdB(デシベル)、Hz(ヘルツ)が使われます。
デシベルとは一般的に音の大きさを表します。音は空気の振動、つまり微小な圧力変動です。そのため音の大きさを「音圧」とも言います。大きい音ほどデシベルの数値は大きくなります。
ヘルツとは音の周波数を表します。音は振動として伝わりますが、その振動が1秒間に何回あるかを表しているのが周波数です。周波数が高い(多い)ほど音は高くなり、低い(少ない)と低い音になります。人に聞こえる周波数の範囲は20Hzから20,000Hzと言われています。これより低い音を超低周波、高い音を超音波と呼びます。
騒音レベル
人の音への感度は周波数によって異なり、1,000Hzを基準に高周波は大きく聞こえ、周波数が低くなるほど鈍感になるという特性があります。そのため、周波数による人間の聴覚の特性を考慮したものを「騒音レベル」として騒音計で測れるよう定義し、「dB(A)」という単位で表します。
では普段の暮らしの中の音の大きさを具体的に見ていきましょう。
聴力機能に障害 | 120デシベル | 飛行機のエンジンの近く 近くの落雷 |
110デシベル | 自動車のクラクション | |
きわめてうるさい | 100デシベル | 電車が通る時のガード下 地下鉄の構内 |
90デシベル | カラオケ音 犬の鳴き声 |
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うるさい | 80デシベル | 走行中の電車内 救急車のサイレン パチンコ店内 |
70デシベル |
高速走行中の自動車内 |
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普通 | 60デシベル | 走行中の自動車内 普通の会話 デパート店内 |
50デシベル | 閑静な住宅地の昼 図書館 |
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静か | 40デシベル | 家庭用エアコンの室外機 静かな事務所の中 |
30デシベル | 深夜の郊外 鉛筆で書く音 |
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極めて静か | 20デシベル | 木の葉の触れ合う音 雪の降る音 |
参照:深谷市「騒音の大きさの目安」
例えばピアノの騒音レベルは90~110デシベル程度と言われており、電車が通るガード下の数値にも匹敵します。防音対策が必要なことがわかりますね。
騒音の大きさにいついては環境省が工場や建設工事、自動車などの騒音の許容限度を騒音規制法にて定めるほか、地方公共団体によって深夜騒音についての必要な規制が講じられています。
また、住宅の騒音の低減に関する性能は品確法の性能表示制度で定められており、遮音性能のランクは等級4を最高に3、2、1のレベルが設定されています。
遮音性の高い家でできること
遮音性が高ければ、外部の音に邪魔をされずに快適に室内で過ごすことができますし、睡眠を妨げられるということもないでしょう。
また、外部に音が漏れる心配も少ないということですから、室内で音を出すような趣味を楽しむことが可能になります。おうち時間が増えた今、室内で趣味を楽しむことができるのは魅力的なことですよね。
ホームシアターや音楽室などの設置
自宅の部屋にプロジェクターと5.1chのスピーカーを備えてホームシアターに、なんて素敵ですね。また、好きな音楽を聴いたり楽器を演奏する際にも防音対策がしてあれば安心です。
家の内部の生活音(音、水回りなど)が聞こえにくくなる
特に二世帯住宅では生活の時間帯が異なる場合もあり、遅い時間帯にキッチンや浴室など水回りを使用すると他の家族の睡眠を妨げてしまう心配があります。こんなとき、防音に配慮した造りであれば生活音が聞こえにくくなります。
周辺の騒音が聞こえにくくなる
リモートワークで家に居る時間が長くなると、日中の騒音も気になってくるのではないでしょうか。近所の工事現場や、自動車が通る音。これらの騒音も家の遮音性を高めておくことで軽減させることができるのです。
遮音性を高めるための具体的な実例
遮音性に関する事例をご紹介します。
ムービック創家(長久手市)
新築住宅の一室を防音室に。スクリーンと音響もばっちりで、快適に映画を楽しむことができますね。
工夫に溢れた住み心地の良い家【岡崎市】リノベーション
マンションをリノベーションした事例です。床を底上げしたことで、下の階に音が響きにくくなりました。
防音室が欲しい!そんなときはナカジツにご相談ください
おうち時間が増えた今、住まいを快適にする価値は高まっています。こだわりを形にすることで、毎日の自宅で過ごす時間を充実したものにできるのではないでしょうか。
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