
この記事のポイント
- 住んでいない家の売却にかかる税金は、譲渡所得税が中心
- 相続空き家特例や住み替えの特例など、売却計画に応じた最適な特例の選択が重要
- 確定申告を正確に行うことで、税負担を最小限に抑えられる
「不動産売却で、自分が住んでいるかどうかで税額は変わるの?」
「自分が住んでいない空き家を売りたいけど、税金計算が複雑そう……。」
相続した家やセカンドハウスなど、自分が住んでいない家を売却する際は、状況によって税金の計算方法が変わることもあります。
また、売却時の税金は、家の取得方法や所有期間、住んでいなかった理由によって、適用される特例や控除の内容も異なります。
この記事では、「自分が住んでいない」状況に着目し、不動産売却でかかる税金やその計算方法、適用される特例などについて解説していきます。
この記事を読むことで、税金への理解が深まり少しイレギュラーな家の売却でも安心して進められるようになるでしょう。
売却相場がわからず、悩んでいませんか?
あなたのお家、
想像以上の高値で売れるかも!
- 相談・査定だけでもOK!まずは相場価格をチェック
- 面倒な手続きは不要!プロが丁寧にサポートします
- 高額売却の実績多数!喜びと驚きの声が続いています
\たった00秒で入力完了/
今すぐ無料で査定額をチェック!※無理な営業は一切行っておりません。個人情報も安心です
地方銀行、住宅会社勤務を経て住宅や不動産を中心としたライターとして活動。現場で多くのお客様の対応で経験させていただいたことをもとに、専門知識に基づいた分かりやすい記事執筆に取り組んでいます。
【一覧】自分が住んでいない家を売却したときにかかる税金
住んでいない家の売却にかかる税金は、原則として以下のとおりです。
- 譲渡所得税(所得税・住民税)
- 印紙税
- 登録免許税
譲渡所得税の税率は不動産の所有期間によって異なり、短期譲渡所得(所有期間5年以下)なら39.63%、長期譲渡所得(所有期間5年超)なら20.315%です。
また、かかる税金の項目がほとんど同じでも、不動産の利用状況次第で実際に支払う税額に差がでることもあります。
ここで「自分が住んでいない」という前提で考えられる状況と、その際の税金計算の特徴を表にまとめました。
| 状況 | 税金計算の特徴 |
|---|---|
| 親などから相続した家の場合 | ・取得費加算の特例や3,000万円の特別控除が適用される可能性がある |
| セカンドハウス・別荘の場合 | ・マイホームとして認められないため、3,000万円の特別控除は適用されない |
| 投資用不動産の場合 | ・一部の例外を除き、投資用不動産の売却益は通常、譲渡所得として扱われる |
| 売却予定の家(住み替え)の場合 | ・売却益に対して3,000万円の特別控除が適用される可能性がある |
| 自分名義で貸し出し中の家の場合 | ・居住用財産に対する特例が使えないことが多い |
| 介護施設入居などで空き家になっている場合 | ・特定空き家譲渡の3,000万円特別控除が適用される可能性がある |
それぞれ詳しく解説します。なお、特例の概要やその詳細な適用条件については次章以降で解説します。
親などから相続した家の場合
相続した家を売却する場合、譲渡所得税が課税されます。
譲渡所得は、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた額に基づいて計算されます。もし取得費が不明なら、概算で売却価格の5%を取得費として計算する場合があります。
また、相続税を支払っている場合、納税した相続税額の一部を取得費に加算できる「取得費加算の特例」が使える点が、住んでいる家を売るときとの大きな違いです。
さらに、一定の条件を満たせば、相続空き家特例により3,000万円の特別控除も受けられます。
相続不動産の売却でかかる税金については、以下の記事で詳しく紹介しています。
参照:
No.3258 取得費が分からないとき|国税庁
No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁
セカンドハウス・別荘の場合
セカンドハウスや別荘を売却する際には、譲渡所得税が発生します。ただし、住居として使用している家に適用される3,000万円の特別控除は利用できないため、売却益に対する税負担が大きくなる点に注意が必要です。
また、観光地やリゾート地の物件は市場価格が変動しやすい特性があるため、売却前に正確かつ適切な査定を行うことが重要です。
投資用不動産の場合
不動産を事業として運用していない場合、売却益は譲渡所得として扱われます。一方、事業用不動産として扱われる特殊なケースでは、売却益が事業所得に含まれることもあります。
居住用財産の3,000万円特別控除はマイホームであることが適用要件となるため、投資用不動産の売却時に3,000万円特別控除は適用されません。
事業としての不動産運用が認められる場合、青色申告特別控除が適用できるほか、人件費や通信費、減価償却費など経費計上の範囲が広がります。また、事業所得では不動産の赤字をほかの所得と損益通算できます。
参照:No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分|国税庁
売却予定の家(住み替え)の場合
住み替えを目的に自宅を売却する場合、一定の条件を満たせば3,000万円の特別控除を受けることができます。
売却益に対する課税を繰り延べできる「住み替えの特例」もありますが、売却した年の前後2年以内に新居を購入することなどが条件です。
期限を守らない場合や引っ越し後に売却する家を賃貸に出す場合は、これらの特例は適用されなくなるため、売却計画や申告時期には注意が必要です。
参照:
No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁
No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例|国税庁
自分名義で貸し出し中の家の場合
親族などが住む家を自身名義で所有している場合、実際の利用状況により、特例の適用可否が変わることがあります。
居住用財産として扱われない場合も多く、その場合は3,000万円の特別控除などの特例が適用されません。
介護施設入居などで空き家になっている場合
本人が介護施設に入居し、住まなくなった家を売却する場合、3,000万円特別控除を適用できる可能性があります。
適用にはいくつかの条件があり、特に注意すべきなのが「売却を施設入居の翌年から3年以内に完了させる」ことです。
さらに、本人が判断能力を失っている場合には、成年後見人が売却手続きを進めるケースがあります。この場合、後見人が家庭裁判所の許可を得たうえで売却する必要があるため、通常の売却より時間がかかる可能性があります。
住んでいない家の売却でも受けられる特例
前章で説明した6つの状況について、主要な特例の適用可能性を表にまとめました。適用できる可能性がある特例に「○」がついています。
| 家の状況 | 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例 | 特定の居住用財産の買換えの特例 | マイホームを売ったときの軽減税率の特例 | マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例 | 特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例 |
|---|---|---|---|---|---|
| 親などから相続した家の場合 | ○ | × | ○ | × | × |
| セカンドハウス・別荘の場合 | × | × | × | × | × |
| 投資用不動産の場合 | × | × | × | × | × |
| 売却予定の家(住み替え)の場合(3年以内の売却) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 自分名義で貸し出し中の家の場合 | × | × | × | × | × |
| 介護施設入居などで空き家になっている場合(3年以内の売却) | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
各特例について、具体的に解説します。
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
居住用財産を売却した際に、適用対象となる一般的な特例が3,000万円の特別控除です。
住み替えで引っ越した後3年以内の家や、介護施設入居後3年以内の家が対象になります。特例を使うと、売却益から3,000万円を差し引いた額に対して課税されます。
居住用として使用していたことを証明するため、住民票の写しや水道光熱費の領収書が必要です。
相続した空き家の場合は、被相続人の居住実態や耐震基準などの追加要件があります。この特例は一生涯何度でも使用できますが、同じ年に2件以上の適用はできません。
特定の居住用財産の買換えの特例
住み替えで新しい家を購入する際に利用できる特例で、売却した家の譲渡所得に対する課税を繰り延べることができます。
この特例を使うには、住み替え前の家を売却した年の前後1年以内に、新しい家を購入することが条件です。また、新居・旧居どちらの家も一定の面積要件(居住用部分が50㎡以上など)があり、売却価格が新しい家の購入価格以下である必要があります。
介護施設入居後3年以内の家であっても、施設への入居を機に新しい家を購入する場合は対象になります。
ただし、相続した家やセカンドハウス、投資用不動産は対象外です。新しい家の購入時期が重要なポイントになるので、売却前に不動産会社へ相談することが大切です。
参照:No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例|国税庁
マイホームを売ったときの軽減税率の特例
所有期間が10年を超える住宅を売却する場合、譲渡所得税の税率が優遇される「軽減税率の特例」が適用されることがあります。
具体的には、課税譲渡所得6.000万円以下の部分について、通常の長期譲渡所得の税率(約20.315%)から14.21%(所得税10%、住民税4%、復興特別所得税0.21%)に軽減されます。
この特例は、住み替えで引っ越し後3年以内の家や介護施設入居後3年以内の家が対象となり得ます。ただし、居住用財産であることを証明するために、住民票の移動履歴や固定資産税の納付記録を用意する必要があります。
相続した家については、被相続人の所有期間を通算することが可能ですが、セカンドハウスや投資用不動産は対象外です。また、3,000万円の特別控除と組み合わせて利用することもでき、さらに税負担を抑えることが可能です。
参照:No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例|国税庁
マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
住み替えで家を売却した際に損失が出た場合、給与所得などから控除できる特例です。
この特例を利用するには、売却した年の前後3年以内に新しい家を購入し、住民票を移す必要があります。
損失額は特例適用の年に加えて、翌年以降最長3年間繰り越して控除が可能です。ただし、住宅ローンの残債がある場合に限り適用され、現金購入やローン完済済みの場合は対象外となります。
さらに、売却した家が居住用財産であることが必須条件です。そのため、相続で取得した本人が居住していなかった家やセカンドハウス、投資用不動産は対象外となります。
参照:No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)|国税庁
特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
この特例は、住宅ローンの残債があるマイホームの売却で損失が出た場合、その損失を給与所得などと相殺できる仕組みです。ただし、適用には居住用財産であることや特定の条件を満たすことが必要です。
主な条件として、売却時に住宅ローンの残債があることが必須です。また、本人が実際に住んでいた居住用不動産を対象としているため、相続した家(被相続人が住んでいた家)、セカンドハウス、投資用不動産はこの特例の対象外となります。
また、介護施設への入居後は、その家が本人の居住用ではなく空き家として扱われるため、「居住用財産である」という条件を満たさない場合があります。
参照:No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)|国税庁
住んでいない家を売却した後の確定申告について
不動産を売却した際の確定申告は、居住の有無によって手続きや必要書類が違うことがあります。
ここでは、住んでいない家の売却に関する確定申告のポイントを解説します。なお、詳しい確定申告の手順については、以下の記事で解説していますのであわせてお読みください。
居住の有無による確定申告の違い
基本的には居住の有無による違いはなく、前述のとおり、適用できる特例の違いが確定申告でも影響します。
家を売却した場合、譲渡所得を計算するために譲渡価額(収入金額)、取得費、譲渡費用を申告します。相続した家の場合は、相続登記や名義変更に関連する書類が必要です。
住んでいない家(非居住用財産)の売却では、居住に関連する情報は不要です。
確定申告が必要・不要なケース
譲渡所得が発生すれば確定申告する必要があります。
一方、譲渡価額が取得費や譲渡費用を下回り、譲渡所得がゼロとなった場合、特例を利用しない限り確定申告の義務はありません。
ただし、3,000万円特別控除を適用すれば課税譲渡所得がゼロとなるようなケースでは確定申告する必要があります。
確定申告が不要なケースについては、以下の記事で詳しく解説しています。

確定申告における注意点
今回紹介した住んでいない家については、特殊な状況下での売却が多いため、揃える書類や申告内容に関して特に注意しましょう。
また、税務署から追加の資料提出を求められた際に備えて、売却に関する書類は最低でも5年間は保管しておきましょう。
まとめ
住んでいない家を売却する際に必要な税金や特例についての基本的な知識が身についたと思います。不動産売却においては、税金計算や確定申告の手続きが重要であり、それらが売却後の収益に大きく影響します。
まずは売却する家の状況を整理し、適用可能な特例や控除を確認しましょう。そのうえで、必要な書類を早めに準備し、正確な計算や申告ができるように計画を立てることが大切です。
もし手続きに不安がある場合や特例の適用条件が不明な場合は、税理士や不動産会社に相談することで、手続きのミスを防ぎ、最適な対応が可能になります。この記事をきっかけに、スムーズで納得のいく売却を目指しましょう。








































逆瀬川勇造さん からのコメント
宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士
家の売却では、高額な税金が発生する可能性があります。特に、今は住んでいない家を売却するようなケースでは、築年数が古く、減価償却が進み、建物の資産価値が低くなっていることが多く、売却時に取得費として計上できる額が小さくなってしまっていることが多いです。このため、3,000万円特別控除などの特例を適用することが大切です。以前住んでいた家の売却で、住まなくなってから3年経っていないという方は、確実に3年以内に売却できるように進めるようにしましょう。家の売却は査定から実際に売却が完了するまでに時間がかかってしまうことが多いため、計画的かつ早めに行動に移すことが大切です。