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更新日:2026.02.23

土地売却の相談は司法書士にもすべき?費用や立会いの必要性も解説

司法書士への土地売却相談のアイキャッチ

この記事のポイント

  • 司法書士は、登記だけでなく「相続」「境界トラブル」「個人間取引」などにも対応できる。
  • 不動産会社が窓口でも、実際の売却では司法書士との連携が必要になる場面がある。
  • 登記を自分で行うことも可能だが、トラブルや詐欺、手続きミスのリスクを避けるため、司法書士への依頼が安全で確実。

「土地を売るときには司法書士にも相談するほうがよい?」
「司法書士に相談すると費用はどのくらいかかるのだろう?」

土地の売却を考える際、多くの人がまず不動産会社に相談しますが、実は司法書士が関わる場面も少なくありません。

とはいえ、司法書士が具体的にどんな役割を担うのか、どのタイミングで関わるのか、そして費用はどれくらいかかるのか、意外と知られていない部分も多いのではないでしょうか。

この記事では、土地売却における司法書士の役割や業務内容、費用の目安についてわかりやすく解説します。

最後まで読むことで、土地売却の流れをより深く理解でき、司法書士が果たす重要な役割についても把握できるようになるはずです。

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逆瀬川勇造さん

宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士

監修者 逆瀬川勇造さん

  • 所属:

    合同会社7pockets

地方銀行、住宅会社勤務を経て住宅や不動産を中心としたライターとして活動。現場で多くのお客様の対応で経験させていただいたことをもとに、専門知識に基づいた分かりやすい記事執筆に取り組んでいます。

【基本】土地売却の相談窓口一覧

土地の売却に関して専門家に相談したいとき、相談の目的や内容によりいろいろな相談相手が考えられます。下表は主な相談窓口をまとめたものです。

土地売却の相談窓口一覧
目的 相談先 相談内容
土地を売りたい 不動産仲介会社 ・不動産会社に仲介に入ってもらい購入希望者を探す
不動産買取会社 ・不動産買取会社に不動産を直接買い取ってもらう
土地を手放したい 地方自治体 ・地方自治体に直接買い取ってもらう
・地方自治体が運営する「空き家・空き地バンク」を活用する
法務局や司法書士 ・相続した土地を国に引渡す「相続土地国庫帰属制度」を利用する
土地を売った税金 税理士 ・譲渡所得税の申告や特別控除などについて相談する
税務署 ・自分で確定申告する際に相談する
売却するときのトラブル ・司法書士や弁護士 ・売買契約上や境界問題のトラブルなどについて相談する
国民生活センター ・不動産会社からのしつこい営業などで困ったときに相談できる
都道府県宅建協会 ・不動産取引上のトラブルや不動産会社とのトラブルも相談できる
土地活用 不動産関連会社 ・土地活用を得意とする不動産会社に相談する
建築会社・ハウスメーカー ・土地活用ビジネスのサポートを行っている会社がある
金融機関 ・土地活用に必要な資金の相談をする

土地を売却する際、多くの人はまず不動産会社に相談しますが、司法書士にも相談が必要になるケースがあります。

また状況によっては、不動産会社よりも先に司法書士に相談したほうがよい場合もあれば、不動産会社を通じて司法書士と連携できることもあります。

この記事では、どのようなケースで司法書士が関わるのか、また相談のタイミングについてわかりやすく解説していきます。

司法書士を窓口として相談すべきケース

土地を売却する際、不動産会社に相談する前に、司法書士に相談するほうがよいのは次のようなケースです。

  • 相続登記が行われていない
  • 境界が不明または境界についてのトラブルがある
  • 土地に複雑な権利関係がある
  • 個人間取引を行う

1)相続登記が行われていない

相続登記が済んでいない場合、土地の名義が故人のままとなっており、不動産会社に売却を相談しても手続きを進めることができません。

遺言書がある場合はその内容に従って手続きを行いますが、ない場合は相続人全員による「遺産分割協議」が必要です。

特に、相続人が多かったり、連絡の取れない人がいる場合は、協議に時間がかかることもあります。

また、遺言書の種類によっては、家庭裁判所の「検認」が必要になることもあります。

こうした複雑な相続手続きは、司法書士に相談して土地の名義を正しく変更してから、不動産会社に相談するのがスムーズです。

2)境界が不明または境界についてのトラブルがある

土地の境界がはっきりしていない場合、隣地所有者とのトラブルが予想され、スムーズに売却できない可能性があります。

測量や境界確定は「土地家屋調査士」が行いますが、境界をめぐる争いが想定されるときは、法務局の「筆界特定制度」を利用するケースもあります。

その場合、司法書士に相談して全体の手続きをサポートしてもらうことで、より円滑に進められます。

また、隣地の構造物が越境しているなど、将来的なトラブルが心配されるケースでは、通常の売買契約だけでは不十分なことも。司法書士に相談して「時効取得」のリスクを避けるための対応を考えることが重要です。

3)土地に複雑な権利関係がある

売却予定の土地に第三者の権利が設定されている場合、そのままでは売却できません。たとえば、抵当権が残っている場合は、債務を完済したうえで抹消手続きが必要です。

さらに厄介なのが「借地権」があるケースです。簡単に合意解除ができない場合は、司法書士に相談して、どのように売却に進めるかを整理する必要があります。

ただし、権利関係の争いがある場合には、弁護士への相談が適している場合もあります。

4)個人間取引を行う

不動産会社を介さず、知人や親族などと個人間で土地の売買をする場合でも、契約書の作成や登記手続きは正確に行わなければなりません。

売買契約書の作成、決済・引き渡し時の立ち会い、所有権移転登記など、一連の手続きについては、司法書士に依頼することで安心して取引を進めることができます。

司法書士への相談が不要なケース

上記のような相続や境界、権利関係などに課題がある場合は、不動産会社に相談する前に司法書士へ相談するのが望ましいケースです。

一方で、そうした特別な事情がなければ、基本的には不動産会社が司法書士を手配し、売却に必要な登記手続きなどをスムーズに進めてくれます。

たとえば、名義が明確で相続も完了しており、境界トラブルや権利の複雑さもない一般的な土地売却であれば、司法書士と個別にやり取りをする必要はありません。

売却の相談から契約、引き渡し、場合によっては翌年の確定申告のサポートまで、不動産会社が窓口となり、司法書士や税理士と連携しながら手続きを進めていく流れが一般的です。

「自分の場合はどちらに当てはまるだろう?」と迷う場合は、まず不動産会社に相談することで、必要に応じて司法書士との連携も含めて適切に対応してもらえます。

豊富な売買実績と年間査定依頼数34,000件以上を誇る不動産SHOPナカジツでは、不動産売却に関わるさまざまな悩みにも対応できる体制を整えています。

「司法書士に相談すべきか迷っている」「登記や境界が気になる」といったご相談でも、お気軽にご相談ください。

土地売却における司法書士の役割

土地を売却する際に司法書士が担う役割について、具体的な仕事の内容を含めて解説します。

所有権移転登記の手続き

土地の売買契約は、所有権を売主から買主に移転登記することにより完了します。

登記申請手続きは、売主と買主が共同で行うものですが、司法書士に依頼することで代理してもらうことができます。

登記申請には次の書類が必要です。

  • 登記申請書
  • 登記識別情報通知(登記済権利証)
  • 登記原因証明情報
  • 売主の印鑑証明書
  • 買主の住民票
  • 委任状
  • 本人確認書類

抵当権抹消登記の手続き

売却する土地に抵当権が設定されている場合は、抵当権抹消登記も行います。

住宅ローンなどの債務が残っている場合は決済完了までか、決済完了と同時に売買代金や自己資金で完済しますが、債務が無い場合でも抵当権が設定されたままになっているケースがあります。

住宅ローンを完済していて、抵当権が残っている場合は、取引を進める前に抵当権を抹消しておきましょう。

一方、債務がまだ残っている場合の抵当権抹消登記手続きは所有権移転登記と同時に司法書士が行います。抵当権抹消登記に必要な書類は以下のとおりです。

  • 登記申請書
  • 登記識別情報通知(登記済権利証)
  • 登記原因証明情報
  • 抵当権者の委任状

取引決済時の立ち会いと本人確認

土地の決済・引渡し時には司法書士が立ち会うケースがほとんどです。このときの司法書士の役割は次のようなものです。

  • 所有権移転登記および抵当権抹消登記に必要な書類が、すべて揃っていることを確認する
  • 売買代金が間違いなく授受されたことを確認する
  • 売主および買主が本人であることを確認する

とくに本人確認は重要であり、司法書士は決済・引渡し当日ではなく、不動産会社から所有権移転登記申請の業務依頼があった時点で、売主に対する本人確認を行うことが一般的です。

土地売却で司法書士に相談しない(使わない)場合のリスク

土地を売却する際に、司法書士に相談や登記手続きを依頼しない場合のリスクについて解説します。

登記手続きの不備による遅延リスク

所有権移転の登記申請を司法書士に依頼しない場合、売主と買主が共同で申請手続きを行う必要があります。

申請書類がすべて正しくそろっていれば問題ありませんが、書類の不備や記載ミスがあると、申請が受理されず、修正して再提出することになります。

その結果、所有権の移転手続きに遅れが生じてしまう可能性があります。

また、登記を本人が行うことには、もうひとつ大きな問題があります。

それは、売買代金の支払いと登記手続きを「同時に行う」という不動産取引の基本原則(同時履行の原則)との矛盾です。

同時履行とは、売主は買主に所有権を移転し、買主は売主に代金を支払う——この2つを原則的に同時に行うべき、という考え方です。

しかし、実際の登記は完了までに時間がかかるため、「代金支払い」と「登記完了」を厳密に同時にすることはできません。

それでも安心して取引が成立するのは、司法書士が中立の立場で登記申請を確実に行うことを、買主・売主双方が信頼しているからです。

司法書士に依頼することによって、登記が適切に履行されることが保証されており、その信頼のもとに、代金の支払いや引き渡しが先行しても安全な取引が成り立っています。

詐欺被害リスク

不動産売買では、契約や登記が完了してしまうと、あとから取り返すことが非常に難しくなります。そのため、取引の当事者が本当に本人であるかどうかを確認することが、何より重要です。

近年では、Netflixでも取り上げられて話題となった「地面師(じめんし)」事件のように、他人になりすまして不動産を不正に売却する詐欺手口が注目されています。

こうした巧妙な手口に対抗するには、複数の関係者による慎重な本人確認が欠かせません。

不動産会社も、商談の初期段階から本人確認に努めていますが、決済・引渡しの場面で最終確認を担うのが司法書士です。

司法書士は登記手続きに入る前に、売主・買主双方の本人確認を行い、不審な点があればその場で手続きを保留する判断も可能です。

つまり、司法書士が関与することで、不動産取引における安全性が一段と高まり、詐欺リスクの回避にもつながるのです。

トラブル等の法的リスク

土地の売買ではトラブルが生じる場合があります。

  • 契約不適合責任
  • 土壌汚染
  • 地下埋設物
  • 境界線
  • 契約当事者の死亡
  • 制限行為能力者との契約

など売買契約にはさまざまな法的リスクがあり、これらを解消したうえで売買を成立させなければなりません。

個人間取引であれば、一層このようなリスクに対し備える必要があります。また不動産会社の仲介による売買であっても、司法書士が取引に関与することにより、未然に防ぐことができるリスクもあるのです。

土地売却で司法書士に相談した場合の費用負担と相場

司法書士に相談や仕事を依頼する場合の費用について、金額の目安も含めて解説します。

売主負担の手続き

売主が司法書士に依頼することで費用が発生する登記の一つに、抵当権抹消登記があります。

抵当権は、住宅ローンなどの借入に対して、土地や建物を担保に設定されるものです。

ローンの返済がすでに完了していれば、抵当権の抹消手続きが可能ですが、実際にはそのまま放置されているケースも珍しくありません。

また、借入残高が残っている場合は、売却代金や自己資金でローンを一括返済し、そのタイミングで抵当権を抹消するのが一般的です。

抹消登記は、金融機関から渡される書類一式を司法書士に提出し、所有権移転登記と同時に申請する流れとなります。

そのほかにも、売主の現住所が登記上の住所と異なっている場合は、住所変更登記を行ったうえで所有権移転登記を申請する必要があります。

こうした登記の手続きも司法書士が担当するため、事前に必要な情報を整理しておくとスムーズです。

買主負担の手続き

買主が司法書士に依頼して費用が発生するのは、所有権移転登記です。すでに述べたように所有権移転登記申請は売主と買主が共同で行うものですが、費用は買主負担とするのが一般的です。

所有権移転に必要な書類のほとんどは売主と司法書士が準備するので、買主が準備するのは住民票と印鑑のみです。

司法書士への手数料の相場

司法書士への費用の支払いは一般的に決済・引渡し時になります。費用の目安は以下のとおりです。

司法書士への手数料の相場
負担の区分 登記名称 金額の目安
売主負担 抵当権抹消登記 2万円前後
住所変更登記 1万円程度
買主負担 所有権移転登記 3~4万円
抵当権設定登記 3~10万円

【FAQ】土地売却での司法書士への相談でよくある質問

土地を売却する際には司法書士が関与することが多いですが、その際に多くの方が疑問に思うことを紹介します。

自分で登記手続きを行うことは可能?

土地の売却に関わる登記申請は、本来当時者本人が行うものです。所有権移転登記は売主と買主が共同で行います。また、抵当権抹消登記は売主が行うものです。

ただし、所有権移転登記はすでに述べたように「同時履行」の原則があるため、司法書士に依頼するほうが自然であり、抵当権抹消登記が未了の場合は同時に依頼すると手間が省けます。

売却の前に相続登記が必要な場合は、自分で行ってもまったく問題がありません。また抵当権抹消登記については、金融機関の返済が完了した時点で必要な書類が届くので、早めに自分で登記するのもよいことです。

不動産会社と司法書士の役割の違いは?

不動産の売買では、不動産会社が担う役割と、司法書士が担う役割には大きな違いがあります。

不動産を売買する流れをおさらいすると、次のようなものです。

  • 不動産査定
  • 媒介契約締結
  • 販売活動
  • 売買契約締結
  • 決済・引渡し

不動産会社は、不動産査定からはじまり最終的な決済・引渡しまで、トラブルがなく公正な取引が行われるよう努める役割があります。

一方、司法書士は「決済・引渡し」の時点で、売主・買主の代理人となり登記手続きを行います。

不動産に関わる権利は登記をすることにより、第三者に対して正当な権利を主張できます。

司法書士は不動産売買の流れのなかで、最終的な仕上げをする役割を担っているのです。

司法書士への依頼はどのタイミングで行う?

司法書士へ登記申請の依頼をするタイミングは、売買契約締結の前が望ましいでしょう。

所有権移転の登記費用は一般に買主負担となるので、あらかじめ登記費用を把握しておく必要もあり、司法書士にとっても早めに決済・引渡し日の目安を立てやすいといったメリットもあります。

また、売買契約締結と決済・引渡しを同時に行うケースもあり、契約締結日を決定するには、売主・買主・司法書士のスケジュール調整が必要になることもあります。

まとめ

司法書士は、土地の売却において非常に重要な役割を担う専門家です。

とくに、相続登記が済んでいない場合や、境界に関するトラブルがある場合には、不動産会社に相談する前に司法書士に相談しておくと、手続きをスムーズに進めやすくなります。

そして不動産会社は、司法書士と日常的に連携しながら、売買契約から決済・登記までの一連の流れをサポートしています。

不動産SHOPナカジツでは、司法書士が関わるような複雑なケースにも迅速に対応できる体制を整えています。相続・境界・権利関係など、不動産に関するどんなお悩みでもお気軽にご相談ください。

逆瀬川勇造さん

逆瀬川勇造さん からのコメント

宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士

不動産取引において、司法書士はなくてはならない存在です。とはいえ、普段から不動産の業務に関わっているといった方を除いては、司法書士の先生と関わりのある方は多くはないでしょう。不動産に関して相談したいことがある場合は、まずは不動産会社に相談すれば、必要に応じて司法書士の先生を紹介してもらうことも可能です。司法書士の中にも、不動産取引に特化している先生、相続に特化している先生など得意分野が異なりますが、不動産会社と懇意にしている司法書士の先生であれば、不動産に関しては広く相談しやすいことがほとんどです。

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