この記事のポイント
- 住宅購入時に活用できる補助金は国と自治体の両方で実施されており、対象や金額が大きく異なる
- 補助金の利用を検討する場合は、早めに申請準備を進める必要がある
- 補助制度には併用できないものがあり、誤って申請すると不交付になるリスクがある
「新築を買うなら、どんな補助金が使えるのかちゃんと把握しておきたい」
「補助金って子育て世帯しか対象じゃないのでは……?」
マイホームの購入は大きな決断です。少しでもお得に買いたいと考えるのは当然ですが、実は条件を満たせば誰でも活用できる補助金もあります。
この記事では、住宅購入時に使える代表的な補助金制度を、新築・中古・世帯条件別にわかりやすく紹介します。今の自分に合った補助金の選び方と、見落としやすい注意点までしっかり把握して、上手に補助金を活用しましょう。
なお、この記事で扱うのは2025年10月時点の情報です。
記事の構成
住宅購入の補助金とは?
住宅購入の補助金とは、住宅の性能向上や省エネルギー化、少子化対策など、国や自治体が目指す社会的な目的を後押しするために支給されるお金です。返済の必要がない点が最大の特徴で、家計の助けになる大きなメリットがあります。
似た言葉に「助成金」がありますが、実際の運用上、両者に明確な線引きがあるわけではありません。住宅に関してはどちらも同様に「申請が必要で、条件を満たせば受け取れる支援金」として扱われています。
また補助金制度の多くは「誰が住宅を購入するのか」という視点で対象が定められています。
たとえば、子育て世帯や若年夫婦に向けた支援もあれば、世帯の条件を問わない汎用的な補助金も存在します。制度ごとに適用範囲が異なるため、自分がどの枠に該当するかを正しく把握するところから始めましょう。
国と自治体、どちらも制度を実施している
補助金制度を実施しているのは、大きく分けて「国」と「地方自治体」の2つです。
国が実施する補助金は、全国一律の制度であり、毎年の予算に応じて期間限定で募集されることが一般的です。代表的なものに「子育てエコホーム支援事業」や「ZEH補助金」などがあります。
一方、自治体による補助金は、その地域の人口増加や省エネ推進などの目的に沿って独自に設けられています。対象者の条件や支給金額、申請方法なども自治体ごとに異なります。
すべての世帯が対象になりうる住宅購入の補助金(全国・新築)
ここでは、2025年時点で新築住宅の購入に活用できる、全国共通の補助金制度を紹介します。
GX志向型住宅(子育てグリーン住宅支援事業)
GX志向型住宅は、国が掲げる脱炭素化(グリーントランスフォーメーション=GX)に向けた高性能住宅を支援する制度です。長期優良住宅やZEH住宅など、省エネ基準を満たす住宅が対象で、世帯条件に関係なく補助が受けられます。
補助額は最大100万円。申請は登録された事業者が行うため、施主側の手続き負担は軽減されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助制度名 | 子育てエコホーム支援事業(GX志向型住宅枠) |
| 実施主体 | 国土交通省 |
| 対象者 | 全世帯(年齢や家族構成を問わない) |
| 対象住宅 | 長期優良住宅・ZEH住宅など高性能新築住宅 |
| 補助額 | 最大100万円(性能により変動) |
| 申請方法 | 登録事業者が代理申請 |
ZEH補助金
ZEH(ゼッチ)は、断熱性の高い構造と太陽光発電などの設備を組み合わせ、エネルギー収支を実質ゼロに近づける住宅のことです。
ZEH支援事業では、一定の基準を満たしたZEH住宅に対し、55万~100万円の補助金が支給されます。申請には登録されたZEHビルダー・プランナーによる施工が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助制度名 | ZEH支援事業 |
| 実施主体 | 環境共創イニシアチブ(SII) |
| 対象者 | 全世帯 |
| 対象住宅 | ZEH、ZEH+、ZEH Orientedなどの認定住宅 |
| 補助額 | 55万円~100万円(仕様により異なる) |
| 申請方法 | ZEHビルダー・プランナーが代理申請 |
先進的窓リノベ2025
本来はリフォーム向けの制度ですが、対象となる高断熱窓を採用すれば、新築でも補助対象になります。
冷暖房効率の向上や光熱費削減の効果もあり、性能等級を満たした製品の導入が条件です。
窓の大きさや種類によって補助額は異なり、定額で交付されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助制度名 | 先進的窓リノベ2025 |
| 実施主体 | 環境省 |
| 対象者 | 全世帯 |
| 対象住宅 | 指定の高断熱窓を設置した新築住宅 |
| 補助額 | 窓の数・サイズに応じて定額(例:大窓1か所 約6.9万円) |
| 申請方法 | 登録事業者が代理申請 |
給湯省エネ2025
給湯省エネ2025は、高効率な給湯器(ヒートポンプ式など)の導入支援制度です。新築時に対象製品を導入すれば、1台あたり数万円~13万円の補助を受けられます。
対象製品は事前に登録されたものに限られるため、事前確認が重要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助制度名 | 給湯省エネ2025 |
| 実施主体 | 経済産業省 |
| 対象者 | 全世帯 |
| 対象住宅 | 高効率給湯器(ヒートポンプ式等)を導入した新築住宅 |
| 補助額 | 最大13万円(台数・機種による) |
| 申請方法 | 登録事業者が代理申請 |
すべての世帯が対象になりうる住宅購入の補助金(全国・中古)
中古住宅の購入では、新築に比べて補助金の選択肢が限られる印象があるかもしれません。
しかし、一定の条件を満たせば、世帯を問わずリフォーム補助を受けられる制度があります。
リフォーム枠(子育てグリーン住宅支援事業)
一定の省エネ性能を持つリフォーム工事に対して補助金が支給される制度です。対象となるのは、断熱改修、エコ住宅設備の設置、耐震改修などで、中古住宅を購入後にこれらの工事を行う場合も補助対象となります。
世帯要件はなく、すべての世帯が対象。工事内容によって補助額が異なり、複数の工事を組み合わせることで加算されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助制度名 | 子育てエコホーム支援事業(リフォーム枠) |
| 実施主体 | 国土交通省 |
| 対象者 | 全世帯 |
| 対象住宅 | 一定の性能向上を伴うリフォーム済み中古住宅 |
| 補助額 | 最大60万円(工事内容により変動) |
| 申請方法 | 登録事業者が申請 |
参照:対象要件の詳細【リフォーム】|子育てグリーン住宅支援事業|国土交通省
子育て世帯・若者夫婦世帯向けの住宅購入の補助金(全国・新築)
2025年現在、国が提供する住宅補助金のなかには、子育て世帯や若者夫婦世帯に限定して支給されるものもあります。一定の住宅性能を満たすことで、全世帯対象よりも高額の補助を受けられるケースが多く、マイホームを検討中の家庭にとっては見逃せません。
※この記事では以下のように定義します。
- 子育て世帯=申請時点で19歳未満の子を有する世帯
- 若者夫婦世帯=2025年4月1日時点で、いずれかが39歳以下の夫婦世帯
長期優良住宅(子育てグリーン住宅支援)
長期優良住宅とは、耐震性や省エネ性、維持管理のしやすさなどを備えた認定住宅のことです。このタイプの新築住宅を購入・建築する場合、該当世帯であれば国から補助金を受け取ることができます。
補助額は100万円と高額で、申請は登録事業者を通じて行います。住宅性能の認定を受ける必要があるため、設計段階から対応しているか確認しておくと安心です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助制度名 | 子育てエコホーム支援事業(長期優良住宅枠) |
| 実施主体 | 国土交通省 |
| 対象者 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
| 対象住宅 | 長期優良住宅の新築 |
| 補助額 | 100万円 |
| 申請方法 | 登録事業者が申請 |
ZEH水準住宅(子育てグリーン住宅支援)
ZEH水準住宅は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)と同等の断熱・省エネ性能を持ちながら、太陽光発電などの創エネ設備は必須ではない住宅です。ZEHよりハードルが低く、一般的な住宅でも対応しやすい基準として注目されています。
子育て世帯または若者夫婦世帯がこの基準を満たす新築住宅を取得する場合、80万円の補助が受けられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助制度名 | 子育てエコホーム支援事業(ZEH水準住宅枠) |
| 実施主体 | 国土交通省 |
| 対象者 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
| 対象住宅 | ZEH水準住宅(創エネ設備は不要) |
| 補助額 | 80万円 |
| 申請方法 | 登録事業者が申請 |
建て替え前提の人向け(全国)
建て替えのケースでも、条件を満たせば補助金を受けられる制度があります。ここでは、建て替えを前提とした人向けの加算措置について紹介します。
建替加算(子育てグリーン住宅支援)
子育てエコホーム支援事業では、既存住宅を除却して新たに長期優良住宅やZEH水準住宅などを建てる場合、補助金が加算されます。除却前の住宅が旧耐震基準である必要はなく、すべての住宅が対象です。
加算額は住宅性能により異なり、長期優良住宅なら基本補助の100万円に加え60万円が上乗せされ、ZEH水準住宅なら80万円に加え45万円が加算されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助制度名 | 子育てエコホーム支援事業(建替加算) |
| 実施主体 | 国土交通省 |
| 対象者 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
| 対象住宅 | 除却+高性能住宅(旧耐震要件なし) |
| 補助額 | 長期優良住宅:60万円/ZEH水準住宅:45万円 |
| 申請方法 | 登録事業者が申請 |
地方自治体による住宅購入の補助金(エリア別)
国だけでなく、各地方自治体も独自の住宅支援制度を設けています。地域によって内容や金額、対象条件が大きく異なるため、希望エリアの制度を事前に確認しておくことが重要です。
以下では、代表的な自治体の制度を紹介します。
【東京都】東京ゼロエミ住宅(新築)
東京都が認証する「東京ゼロエミ住宅」を新築・取得した場合に補助を受けられる制度です。高断熱・高効率設備などの基準を満たすことが要件で、設備の導入数に応じて補助額が変動します。子育て世帯・若者夫婦世帯には加算措置もあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助制度名 | 東京ゼロエミ住宅導入促進事業 |
| 実施主体 | 東京都環境局 |
| 対象者 | 都内で東京ゼロエミ住宅を取得する者 |
| 対象住宅 | ゼロエミ認証を受けた新築住宅 |
| 補助額 | 最大130万円(加算含む) |
| 申請方法 | 登録事業者を通じて申請 |
【千葉県松戸市】省エネルギー住宅等普及促進事業費補助金(新築)
松戸市内に省エネルギー基準を満たす新築住宅を建築する場合、最大20万円の補助が受けられる制度です。太陽光発電設備やHEMSの導入も対象になっており、世帯の年齢制限などは設けられていません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助制度名 | 省エネルギー住宅等普及促進事業費補助金 |
| 実施主体 | 千葉県松戸市 |
| 対象者 | 松戸市内で新築を取得する者 |
| 対象住宅 | 省エネ基準を満たす住宅(要事前審査) |
| 補助額 | 最大20万円 |
| 申請方法 | 自ら申請(事前申請制) |
【愛知県】愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金(新築)
ZEH住宅や太陽光発電設備・蓄電池など、環境配慮型設備を導入した新築住宅に対して補助が出る制度です。申請は市町村が行う間接補助方式で、設備の種類や導入数によって補助額が異なります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助制度名 | 愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金 |
| 実施主体 | 愛知県(申請は市町村経由) |
| 対象者 | 県内に環境設備を導入する者 |
| 対象住宅 | 新築の戸建住宅等 |
| 補助額 | 設備ごとに異なる(最大約46万円程度) |
| 申請方法 | 市町村を通じて申請(間接補助) |
参照:愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金|愛知県
ほかの自治体の例
ほかの地域でも「購入(取得)に直接ひもづく」支援が拡がっています。代表的な制度をまとめました。
| 自治体 | 補助制度名 | 補助額上限 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 大阪市 | 新婚・子育て世帯向け分譲住宅購入融資利子補給制度 | 最大50万円(10万円×5年) | ・市内の新築または中古分譲住宅を初めて取得する新婚・子育て世帯 ・住宅ローン10年以上、床面積50㎡以上 ・契約から1年以内に申込 |
| 熊本市 | 移住者及び転居者向け中古住宅購入補助金 | 最大50万円 | ・移住者または市内での転居者が対象 ・中古住宅(2年以上経過、人が住んだことがある物件) ・居住誘導区域や市税滞納なし等の条件 |
| 茨城県筑西市 | 若者・子育て世代住宅取得奨励金 | 最大50万円(転入伴う場合)/40万円(定住のみ) | ・40歳以下または18歳以下の子がいる世帯 ・新築・中古の住宅を取得し定住すること ・登記から1年以内に申請、5年以上居住する意思があること |
| 宇都宮市 | マイホーム取得支援事業補助金 | 最大85万円+子1人あたり5万円加算(市外転入の場合)/最大50万円+加算(市内転居の場合) | ・指定区域内で住宅を取得する世帯 ・住宅ローン10年以上、床面積25㎡以上、所得要件あり ・事前申込制でローン契約前に申込が必要 |
各制度は予算や年度により変更される可能性があります。詳細は各自治体の公式サイトを確認してください。
参照:
大阪市新婚・子育て世帯向け分譲住宅購入融資利子補給制度の概要|大阪市
令和7年度(2025年度)移住者及び転居者向け中古住宅購入補助金について(共通)|熊本市
令和7年度 若者・子育て世代住宅取得奨励金制度について|筑西市
令和7年度 宇都宮市マイホーム取得支援事業補助金|宇都宮市
住宅購入の補助金における注意点
住宅購入時に受けられる補助金は大きな助けになりますが、条件を誤解したり手続きを遅らせたりすると、せっかくの制度を利用できないこともあります。
ここでは特に注意したい3つのポイントを紹介します。
補助金は「先着順」や「予算上限」で早期終了する可能性がある
多くの補助金は年度ごとに国や自治体の予算が組まれており、申し込みが集中すると期限を待たずに終了するケースがあります。
例えば過去の「窓リノベ補助金」は、開始から数カ月で予算に達した年度もありました。利用を検討している場合は、早めに工事業者や住宅会社に相談し、申請の段取りを確認しておくことが重要です。
世帯条件や住宅性能の要件を満たさないと対象外になる
補助金は「誰でも受けられる」わけではありません。子育て世帯・若者夫婦世帯限定の制度や、長期優良住宅やZEH水準住宅といった性能要件を満たすことが条件になっているものがあります。
例えば、子育てグリーン住宅支援事業では、世帯の年齢要件や子どもの有無で対象が分かれます。制度ごとに要件を細かく確認する必要があります。
併用できる制度・できない制度を事前に確認する
複数の補助制度を同時に活用できる場合もありますが、重複申請が禁止されている組み合わせもあります。代表的なのが「子育てグリーン住宅支援事業」と「ZEH補助金」で、どちらも国の予算から支出されるため、同じ住宅での併用は認められていません。
制度を誤って併用申請すると、補助金が不交付になるリスクがあります。
まとめ
住宅購入の際に補助金を活用できれば負担を抑えられますが、制度は数多く、条件や期限もさまざまです。自分で調べるだけでは見落としがちな情報もあるため、信頼できる不動産会社や建築会社と連携して進めることがポイントです。
私たち不動産SHOPナカジツは、土地探しから新築の設計、工事、そして将来のメンテナンスまで、住まいに関わる工程をワンストップでサポートできるのが大きな特徴です。年間5,000組以上の仲介実績と、地域密着の直営店舗ネットワークを活かし、お客様の理想のマイホームづくりを一貫してお手伝いしています。
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