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更新日:2026.06.05

二階建てから平屋へのリフォームにかかる費用は?減築と建て替えで比較

二階建てから平屋へリフォームのアイキャッチ

この記事のポイント

  • 1階だけで生活が完結できる広さがあるか、建物の状態が良好かが重要な判断ポイント
  • 平屋化の総費用は500万〜1,000万円、建て替えの約3分の1に抑えられる
  • 構造診断と現況調査を先に受けると減築か建て替えかの判断ミスを防げる

「2階への行き来が辛くなってきた」
「2階が空き部屋のまま放置されている」

こうした悩みから、二階建てを平屋にするリフォームを検討する方は少なくありません。

この記事では、減築リフォームと建て替えの費用・特徴を比べながら、どちらが自分の状況に合うかを判断できる情報をまとめています。

二階建ての平屋リフォームは可能だが向き・不向きがある

二階建てを平屋にする工事は「減築リフォーム」と呼ばれ、構造上の条件が整っていれば実現できます。

ただし、どんな家でも同じように対応できるわけではなく、建物の状態や1階の広さによって向き・不向きがはっきり分かれます。

減築リフォームとは

減築とは、建物の床面積を減らす改修工事のことです。

間取り変更によって部屋数を減らすリフォームとは区別されており、二階建てを平屋にする場合は、2階部分を撤去して屋根を1階にかけ直す工事が中心になります。

屋根の新設に加え、壁や柱の補強、防水処理なども必要になるため、工事の規模は比較的大きくなります。

減築リフォームのビフォーアフター

出典:

建築確認申請の要否については、木造2階建てで増築を伴わない減築の場合は申請不要とされてきました。しかし、建築基準法の改正によって木造2階建て住宅の分類が変わり、申請要件が見直されています。工事を計画する段階で、施工会社や自治体に最新の要件を確認する必要があります

向いている家・難しい家

減築リフォームが向いているのは、1階だけで生活動線を完結させられる広さがある家です。2階をほとんど使っていない、あるいは老朽化が2階部分に集中しているケースでは、2階を撤去することで維持管理の負担も軽減できます。

国土交通省の研究では、ほとんどの減築プランで耐震性の向上が確認されており、耐震面でのプラス効果も期待できます。

出典:

一方、1階の床面積が狭い家では、2階を撤去すると居住スペースが著しく不足するため、現実的な選択になりません

また、建物全体の劣化が進んでいる場合は、部分的な改修よりも建て替えのほうが安全性と費用の両面で合理的なケースもあります。

減築か建て替えかを判断するには、まず構造診断と現況調査を受けることが出発点です。

二階建てを平屋にリフォームするメリット・デメリット

生活空間が一フロアに集約されると、日々の暮らしやすさは確実に変わります。ただし工事規模や床面積の変化には、あらかじめ目を向けておく必要があります。

二階建てを平屋にするメリット

  • 階段がなくなり、転倒リスクが下がる
  • 洗濯・掃除などの家事動線が一階でまとまる
  • 冷暖房の効率が上がり、光熱費を抑えやすくなる
  • 外壁・屋根のメンテナンスで足場費用を削減できる

最も実感しやすいのは安全面です。

高齢になると階段での転倒は深刻な骨折につながりやすく、一階のみの生活に切り替えることでそのリスクをなくせます。洗濯機・洗面・収納が同じフロアに揃えば、毎日の家事の往復もなくなるでしょう。

平屋化のメリット

2階部分を撤去すると外壁と屋根の総面積が減るため、定期的な塗り替えや補修に必要な足場の規模も小さくなります。

出典:

二階建てを平屋にするデメリット

  • 2階の居室・収納がなくなり、1階の収納が不足しやすい
  • 構造体の撤去・補強が伴うため、工事が大規模になる
  • 工期中に仮住まいへの引越しが必要になるケースがある

2階に子ども部屋や大容量の収納を置いていた場合、それらをすべて1階に移す必要があります。敷地に余裕がなければ収納が慢性的に不足し、使い勝手が悪くなることも

また、減築工事は構造体の一部を切り離して補強する作業を伴うため、内装だけのリフォームとは工事の規模が大きく異なります。工期中は仮住まいへの移転を求められるケースも少なくなく、引越し費用や家賃も含めた総費用で検討する必要があります。

二階建てを平屋にする人が増えている理由

近年、二階建てを平屋に縮小するリフォームへの関心が高まっています。背景には老後の身体的な不安だけでなく、使われない空間を抱え続けることへの現実的な問題意識があります。

老後の暮らしやすさ

年齢を重ねると、毎日の階段の上り下りが体への負担になります。転倒リスクが上がるのはもちろん、膝や腰に痛みが出てくると2階をほとんど使わなくなり、生活空間が1階に自然と集約されていくケースは珍しくありません。

厚生労働省の資料でも、高齢期に自立した生活を続けるには段差解消や手すりの設置が重要とされています。

寝室・浴室・トイレがすべて同じ階にそろうことで、深夜の移動も安全になります。

出典:

空き家・空き部屋の問題

子どもが独立した後、2階の部屋がそのまま物置になっている家は多くあります。使わない空間でも固定資産税はかかり、傷みが進めば修繕費も発生します。

こうした「宙に浮いた2階」を抱える状況が、平屋化を考えるきっかけになっています。

国土交通省の資料によれば、空き家の総数はこの20年で約1.5倍(576万戸から849万戸)に増加しました。相続した実家を管理しきれず持て余している所有者が、思い切って減築を選ぶ例も増えています。

出典:

維持管理の負担軽減

建物は床面積が広いほど、維持にかかるコストと手間が増えます。外壁や屋根の塗装、窓やサッシの点検、室内の清掃などです。

平屋にすることで総床面積が減り、メンテナンスの範囲を絞れます。また、2階建て特有の外壁高所作業が不要になるため、足場費用の削減も期待できます。

前章でも触れたとおり、光熱費や保険料などランニングコスト全体の見直しにもつながります。

二階建てを平屋にするリフォームの費用相場

一般的な木造2階建て(延床面積100㎡前後)を平屋にリフォームする場合、工事全体の総額は500万~1,000万円程度が目安です。

解体・屋根新設・耐震補強など複数の工程が重なるため、内訳ごとに費用感を把握しておきましょう。

工事項目 費用目安
解体・撤去工事 100万~200万円程度
屋根・外壁の新設工事 200万円前後
耐震補強工事 200万円前後
断熱補強工事 100万円前後
電気・配管工事 数十万円程度

解体・撤去費用

2階部分を解体し、発生した廃材を処分するまでの費用は、木造住宅で100万~200万円程度が目安です。解体の範囲が広いほど費用は上がり、2階全体をスケルトン状態まで取り除く場合は上限に近づく傾向があります。

廃材の量や搬出経路の条件によっても変動するため、複数の業者の見積もりを比較することが重要です。

解体費用は工事全体の中では比較的見通しを立てやすい項目ですが、想定外の廃材が出ると追加費用が発生することもあります。

屋根の新設費用

2階を撤去した後は、1階の天井部分に新たな屋根を設ける工事が必要になります。外壁との取り合い工事も含めると、費用は200万円前後が相場です。リフォーム全体の1㎡あたり単価は10万~15万円が目安とされており、建物の規模が大きいほど屋根工事の費用も比例して増えます。

屋根材の種類(スレート・瓦・ガルバリウム鋼板など)によっても費用に差が出ます。断熱性や耐久性を考慮して素材を選ぶと、その後のメンテナンスコストを抑えられます。

耐震補強・内装工事費用

2階を撤去すると建物の構造バランスが変わるため、1階の耐震補強が必要です。補強工事の費用は200万円前後が目安で、断熱補強も合わせて行う場合はさらに100万円前後が加わります。

加えて、間取り変更に伴う壁の撤去・新設や、水回り設備の移設が発生すると内装・設備工事の費用がかさみます。耐震・断熱・内装の3つを同時に手がける場合は、工事費だけで500万円を超えるケースも珍しくありません

二階建てを平屋にする「減築」と「建て替え」の比較

平屋への転換を検討するとき、「減築リフォーム」と「建て替え」のどちらが自分に合うかは、費用だけでなく工期や生活への影響も含めて判断する必要があります。

主な比較点を下表にまとめました。

観点 減築リフォーム 建て替え
費用の目安 500万〜1,000万円程度 1,500万〜3,000万円以上
工期 3〜6カ月程度 6〜12カ月程度
建築確認申請 規模により不要なケースあり 原則必要
工事中の居住 住みながら工事できる場合あり 仮住まいが必須
固定資産税 床面積減少で評価額が下がる場合あり 新築評価額が適用される

費用の比較

前章で示したとおり、減築リフォームの総額は500万〜1,000万円程度が目安です。

一方、建て替えは既存建物の解体費用(木造の場合、延床面積にもよりますが100万〜200万円程度)に加え、新築工事費が必要になるため、合計で1,500万〜3,000万円以上かかるのが一般的です。

費用を抑えるうえで見逃せないのが補助金制度です。省エネ改修やバリアフリー化を伴うリフォームには、国や自治体の支援制度が活用できる場合があります。

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また、減築によって床面積が減少すると、固定資産税の評価額が下がる場合があります。ただし評価替えは3年ごとのため、工事翌年にすぐ反映されるとは限りません。

出典:

工期・手続きの比較

減築リフォームは3〜6カ月程度で完了するケースが多く、建て替えの6〜12カ月程度と比べると工期が短い傾向があります。手続き面でも違いがあり、建て替えは必ず建築確認申請が必要ですが、減築は工事の規模や建物の構造によって申請が不要になる場合もあります。

出典:

ただし申請が不要でも、工事後の建物は建築基準法に適合している必要があります。

工事中の居住環境の比較

建て替えでは建物をいったん解体するため、工事期間中は必ず仮住まいへの引っ越しが必要です。賃貸費用や引っ越し費用が追加でかかる点は、建て替え全体のコストを検討するときに忘れがちな出費です。

減築リフォームは、工事範囲が限定的であれば住みながら進められるケースがあります。

ただし2階の全解体と大規模な屋根・構造工事が伴う場合は、安全上の理由から仮住まいが必要になることもあります。

二階建てを平屋にするリフォームが向いている人・向いていない人

平屋化リフォームが合う人とそうでない人は、生活状況と建物・土地の条件によって明確に分かれます。

費用をかける前に、自分のケースがどちらに近いかを確認しておきましょう。

向いている人

  • 子どもが独立し、2階をほとんど使っていない
  • 階段の昇降が身体的な負担になってきた
  • 老後も今の家に住み続けたい
  • 敷地に余裕があり、建ぺい率の制限をクリアできる

2階が物置同然になっている、あるいは週に数回しか上がらないという状況であれば、平屋化によって管理コストと生活動線の両方を改善できます。夫婦2人になった世帯では特に、1階だけで完結する間取りが日常の暮らしに合いやすいです。

土地に余裕があれば、1階を増築しながら延べ床面積を確保するプランもありでしょう。

向いていない人

  • 敷地が狭く、平屋にすると必要な居室数を確保できない
  • 建物の老朽化が著しく、基礎や柱に深刻な劣化がある
  • 子どもがまだ同居しており、2階の居室が引き続き必要
  • 建ぺい率の上限に近く、1階の増築で面積を補えない

敷地が狭い場合、2階を撤去すると床面積が大幅に減ります。1階の増築で補おうとしても建ぺい率の制限が壁になり、生活に必要な部屋数を確保できないケースがあります。

築年数が古く内部の劣化が進んでいる建物も注意が必要です。工事が始まってから補修箇所が次々と見つかり、最終的に建て替えと大差ない費用になることもあります

事前に建物診断(ホームインスペクション)を受けて状態を把握してから判断するのが無難です。

二階建てを平屋にするリフォームの注意点

2階をなくす工事は、法的手続きや構造上のリスクが絡みます。着工前に把握しておかないと、追加費用や工期延長を招くことがあります。

確認申請と法規制

減築は「建物を小さくする工事」ですが、確認申請が不要とは限りません。減築後の建物が建築基準法第6条第1項第1号または第2号に規定する規模に該当する場合は、確認申請の対象になります。

出典:

また、2階部分を撤去すると延べ床面積が減るため、建ぺい率や容積率の計算にも変化が生じます。

用途地域によっては制限に引っかかるケースもあるため、設計士や建築士への事前確認が必要です。

仮住まいの手配や動線設計のやり直しなど、工事期間中に想定外の費用が発生することも少なくありません。

耐震補強の必要性

2階建ては、上階の重量も計算に入れたうえで耐力壁の配置が設計されています。

2階を撤去すると建物の重量バランスが変わり、既存の構造計算がそのまま成立しなくなります。釣り合いよく耐力壁を配置し直すことが法的にも求められており、構造計算書の作成と適切な補強工事はセットで考える必要があります

また、補強の内容によっては、柱脚や梁との接合部を個別に強化する工事が必要になることもあります。

こうした判断は専門的な知識がなければ誤りやすく、素人判断で工事を進めると耐震性を損なうリスクがあります。費用面の見積もりだけでなく、構造の安全性確認も含めて、早い段階で建築士に相談しましょう。

【実例】二階建てから平屋へのリフォーム事例

費用や注意点を理解したうえで、実際にどのような変化が起きるのかを確認しておきましょう。

よくある事例のひとつが、子が独立した後の60代夫婦による平屋化です。

延床面積120㎡の4LDK二階建てから、1階の60㎡だけを活かした2LDKへ変更するケースで、2階部分を解体して屋根を新設し、耐震補強を同時に施工する流れが一般的です。工事完了後は動線がひとつの階にまとまり、階段の昇降がなくなったことで日常の負担が大幅に減ったという声が多く聞かれます。

相続した実家を活用するケースも増えています。

築40年超の2階建てで2階がほぼ物置状態だった家を、1階のみの平屋に減築したうえで断熱改修を加え、終の棲家として整備する事例です。この場合、解体と屋根工事に加えて断熱・内装工事が重なるため、費用は800万円前後になることも珍しくありません

いずれの事例でも、間取りは「部屋数を減らして1室あたりの広さを確保する」方向に変わることが多く、収納をどう確保するかが設計のポイントになります。

【FAQ】平屋のリフォームに関するよくある質問

本編で触れられなかった疑問をまとめて回答します。

一階建てを二階建てにリフォームすることは可能?

技術的には可能ですが、既存の基礎が2階分の荷重に耐えられるかを構造計算で確認することが前提です。多くの場合、基礎の補強工事が伴い、費用は建物の状態によって大きく異なります。

加えて、敷地に定められた容積率・建ぺい率の範囲内に収まるかどうかの確認も必要です。都市計画区域内では上限を超えた増築はできないため、事前に自治体や建築士へ相談することをおすすめします。

出典:

平屋に中二階を設けるリフォームはできる?

天井高が十分に確保されている平屋であれば、ロフトや中二階を設けるリフォームは可能です。

ただし、建築基準法上の「小屋裏収納」や「ロフト」として扱われるには、天井高1.4m以下、かつその階の床面積の2分の1未満であることなど、一定の条件を満たす必要があります。これを超えると延べ床面積に算入され、容積率の計算に影響します。

二階建てから平屋へのリフォームはDIYでも可能?

2階部分の解体や屋根の新設は、建物の構造に直接関わる作業です。適切な施工を行わなければ建物の強度を損なうだけでなく、作業中の落下・倒壊といった深刻な事故につながる恐れもあります。

こうした工事は建築士や専門業者への依頼が前提であり、DIYで担える範囲はクロスの張り替えなど内装の一部仕上げに限られます。

また、前述のとおり減築には確認申請が必要になるケースがあります。申請手続きも含め、専門家なしでは完結しない工事です。

減築リフォームの工事期間はどれくらいかかる?

2階部分の解体から屋根の新設、内装仕上げまでを含めると、工期はおおよそ2〜4カ月が目安です。耐震補強の範囲が広い場合や、間取りを大きく変更する場合はさらに長くなることもあります。

工事中は居住が難しい期間が生じるため、仮住まいの手配と費用も事前に計画に組み込んでおく必要があります。

賃貸住宅への一時転居を想定する場合、家賃・引っ越し費用の合計が数十万円単位になることも珍しくありません。

まとめ

記事を通じて見てきたように、減築は既存の建物を活かせる反面、構造的な制約や確認申請が伴います。建て替えは自由度が高い一方、費用は大きくなりがちです。

いずれも一度専門家に現地を見てもらい、建物の状態をもとに判断することが大切です。迷ったときは、地域に詳しい工務店やリフォーム会社に相談してみてください。

一方で、「今の家にこだわらなくてもいい」という場合は、中古住宅の購入とリノベーションをセットで進める方法もあります。ナカジツの「Asobi-リノベ」は、中古物件の購入からリノベーション設計・施工までを一括でサポートするサービスです。

はじめから平屋の中古物件を選んで理想の住まいに仕上げるため、減築工事の構造的なリスクを気にせずに住み替えを実現できます。今の家をどうするか悩む前に、住み替えという選択肢と一緒に比較してみると、判断の幅が広がりますよ。

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