住宅ローンの返済比率を決めるときの考え方

住宅ローンの返済比率を決めるときの考え方

掲載日:2020.09.26

住宅ローンの借入額を決める際に、家計の状況から検討すると思います。これまでのやり繰り経験から妥当な返済額は何となくわかるかもしれません。この「何となく」を数値化できるのが返済比率です。

返済比率は、適切な返済額の目安となるだけでなく、住宅ローンの審査の基準になっています。融資を受けられるかどうかの基準となる重要な項目ですので、この記事では返済比率について、シミュレーション結果を参考にしながら、解説しています。

住宅ローンの返済比率とは?

住宅ローンの返済比率とは?

住宅ローンの審査では、「返済比率(総返済負担率)」が基準を満たしているかどうか確認されます。返済比率は、年間総返済額に対する年収の割合を意味します。

返済比率:年収÷年間総返済額×100

返済比率が低いほど住宅ローンの審査では有利に働きます。返済比率を下げるためには、年収を上げるか、年間総返済額を下げるしかありません。また、年収は所得税や社会保険料を引く前の金額で、年間総返済額は住宅ローンだけでなく、自動車ローンや教育ローンなどすべての借入額を含めた年間の返済額です。

返済比率の理想は25%と言われることがありますが、家計の状況は人それぞれですので、目安にしかなりません。しかし、簡易的に返済額の目安を考えることができますので、返済比率とはどのような特徴があるか、具体的に紹介します。

【年収別】返済比率ごとの借入可能額

住宅ローンの返済比率は、借入可能額に影響します。そこで、借入可能額が年収や返済比率によってどの程度異なるか確認してみましょう。

<【年収別】返済比率ごとの借入可能額>

※下段:返済比率を25%(左)・35%(右)とした場合の住宅ローンの返済額(年間)

年収 返済比率25% 返済比率35%
300万円 2,101万円 (75万円) 2,941万円 (105万円)
400万円 2,800万円 (100万円) 3,920万円 (140万円)
500万円 3,496万円 (125万円) 4,901万円 (175万円)
600万円 4,202万円 (150万円) 5,883万円 (210万円)
700万円 4,901万円 (175万円) 6,861万円 (245万円)
800万円 5,601万円 (200万円) 7,843万円 (280万円)
900万円 6,303万円 (225万円) 8,000万円 (315万円)
1000万円 7,003万円 (250万円) 8,000万円 (350万円)

※2020年9月時点のフラット35の金利(1.32%)を適用
※住宅購入額に対して借入額の占める割合が90%以内の場合の借入可能額
※フラット35の借入可能額の上限は8,000万円です。

シミュレーション結果を見ますと、年収が100万円上がるにつれ、返済比率25%なら借入可能額が700万円ほど、返済比率35%なら1,000万円ほど上がります。また返済比率が25%から35%になると、年収に応じて借入可能額が800万円~2,000万円ほど上がっています。

しかし、借入可能額は上限であり、返済できる額ではないことに注意しましょう。返済率を上げれば借入可能額が増えますので、希望する住宅に合わせて返済率を上げてしまいがちです。審査に通ったとしても、ご自身で無理なく返済できる金額を考える必要があります。

ほかのローンが返済比率に与える影響

前章の「【年収別】返済比率ごとの借入可能額」シミュレーションは、ほかのローンがない場合の借入可能額です。実際には、ほかにも借り入れている方もいらっしゃるでしょう。そこで、ほかのローンの返済額が年間36万円(毎月3万円)として、先ほどの年間総返済額から36万円を引いた額をもとにシミュレーションしてみましょう。

<【年収別】ほかのローン(36万円)を考慮した借入可能額>

※下段:返済比率を25%とした場合の住宅ローンの返済額(年間)

年収 ほかのローンなし
(返済比率25%)
ほかのローン(36万円)あり
(返済比率25%)
300万円 2,101万円 (75万円) 1,092万円 (39万円)
400万円 2,800万円 (100万円) 1,791万円 (64万円)
500万円 3,496万円 (125万円) 2,491万円 (89万円)
600万円 4,202万円 (150万円) 3,193万円 (114万円)
700万円 4,901万円 (175万円) 3,893万円 (139万円)
800万円 5,601万円 (200万円) 4,592万円 (164万円)
900万円 6,303万円 (225万円) 5,295万円 (189万円)
1000万円 7,003万円 (250万円) 5,994万円 (214万円)

※2020年9月時点のフラット35の金利(1.32%)を適用
※住宅購入額に対して借入額の占める割合が90%以内の場合の借入可能額
※フラット35の借入可能額の上限は8,000万円です。

住宅ローン以外のローンが年間36万円あると、どの年収も1,000万円ほど借入可能額が減少していることがわかります。年収300~500万円の場合、借入可能額が3,000万円を下回ってしまい、希望する融資額を受けられない可能性も出てきます。十分な借入額が見込めない場合、ほかのローンを一括返済して、借入額を増やす方法があります。

返済比率と併せて審査金利も考慮する

金融機関では、実際の融資金利ではなく、審査用の金利で融資額を判断します。特に変動金利型をお考えの場合、各金融機関のサイトでシミュレーションをして、返済比率が一定以下だったとしても、審査に通るとは限りません。返済できる借入額を考える際には実際の融資金利をもとにした返済額で考えて問題ありませんが、審査に通るかどうかを検討する際には注意が必要です。

審査金利は、金利引き下げ前の基準金利以上で設定されることがほとんどです。たとえば、変動金利型の基準金利はほとんどの金融機関で2.475%としています。金融機関としては、高めの金利で審査をして、余裕をもって完済できるかどうかを判断しています。住宅ローンを利用する側も、高めの金利でシミュレーションしておけば、厳しめにプランを立てることになりますので、無理なく返済できる金額を設定することになります。

自分に適した住宅ローンの返済比率に設定するためには

ここまで、返済比率について解説しましたが、自分に適した住宅ローンの返済比率を設定するにはどうすればいいでしょうか。ここでは、自分に適した返済額を考えるためのライフプランについて解説します。

年収変動の可能性も。ライフプランを考える

フラット35の返済比率は、年収400万円未満の場合は30%以下、400万円以上の場合は35%以下となります。上表を見ると、年収300万円~400万円の場合、返済比率を低くしすぎると十分な借り入れができない可能性がある一方、借入可能額を上げようとすると無理な返済額になる可能性も考えられます。また、返済比率は、借入当初のみの数値ですので、これからの収支の変動には対応できません。返済比率はもちろん、住宅購入時の家計や住宅の価格で借入額を決めてしまうと、返済が厳しくなるおそれもあります。

どうしても欲しい物件があっても、無理な借り入れは厳禁です。借入金額や毎月の返済額を判断できるのはライフプランです。長期間、安定して返済するためにも、30年以上のライフプランを立て、無理のない借り入れになっていないか確認する必要があります。

ライフプランを立てるためには、毎月の返済額だけでなく、建物の修繕費や管理費、固定資産税等を見積もり、将来の年収やその他の支出とともに計上します。ライフプランを作成すると、返済が厳しい年が明確になり、事前に貯めておくべき金額がわかります。ただし、ライフプラン自体、将来の予想をもとに作成されるものですので、必ずライフプラン通りになるとは限りません。そのため、2~3年おきにライフプランを修正し、計画を見直すといいでしょう。

住宅ローンの返済比率は高くしすぎない

住宅ローンの返済比率は、審査では重要な指標になりますが、借入額を決定する場合には目安にしかなりません。住宅ローンの審査は、借り入れ当初の返済比率のみでしか判断されません。収支は毎年変動しますので、返済比率も一定ではありません。ライフプランを立てることは、返済比率の推移を見ることにつながりますので、最終的な借入金額を決める際にはライフプランをもとにした返済比率を参考にしましょう。

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