更新日:2025.09.29

土地を半分売るには?手続きや税金・分筆の方法も解説

土地を半分売るのアイキャッチ

この記事のポイント

  • 土地を半分売るには必ず「分筆登記」が必要で、測量や隣地立ち会いなど通常より手続きや費用が増える
  • 分筆後の土地が建築条件を満たさない場合は売却できず、相続人の同意や売却方法によって進め方も変わる
  • 半分売る場合でも売却益には譲渡所得税がかかるが、条件を満たせば3,000万円特別控除や軽減税率などの特例が使える

「相続で手に入れた土地、半分だけ売りたいけれど、どう進めればいいのだろう?」
「自分の持ち分だけを現金化したいけれど、法律や手続きが複雑そうで不安だ」

土地を半分だけ売却するには、通常の不動産売買とは異なる流れや注意点があります。分筆や税金の扱いなど、事前に知っておきたいポイントも多いです。

この記事では、土地を半分にして売る方法や手続き、かかる費用や税金、注意点まで整理して解説します。最後まで目を通すことで、自分の状況に合わせて土地をどのように分け、売却を進めていくべきかがイメージできるようになるでしょう。

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土地を半分にして売ることは可能

結論から言えば、土地を半分だけ売ることは可能です。

ただし、通常の売買のようにそのまま売れるわけではなく、必ず「分筆」という手続きが必要になります。登記簿上は土地は1つの単位で扱われるため、そのまま「この部分だけ」と区切って売ることはできません。そこで、土地を物理的に区切り、登記上も別の土地として登録し直す必要があるのです。

土地を半分だけ売るには分筆が必須

分筆とは、1つの土地を法的に区切り、それぞれを別の登記簿上の土地として登録し直すことを指します。

たとえば、100坪の土地を50坪ずつに分けて売却したい場合、まず土地家屋調査士に依頼して測量を行い、境界線を確定させます。その後、法務局で分筆登記を申請し、2つの独立した土地として登録される流れです。

この手続きを経なければ、買主は土地を「単独で所有できる不動産」として取得できません。売主としても、登記簿上で区切られていないまま売却を進めると、所有権移転ができないため取引そのものが成立しないのです。

分筆は、単純に土地を「分ける」だけではなく、境界や面積を明確にする役割も果たしています。

土地を半分だけ売る方法

土地を半分にして売る方法はいくつかあります。それぞれ特徴が異なり、半分に分けて売る場合には特有の注意点もあるため、違いを理解しておきましょう。

売買仲介による売却

もっとも一般的な方法は、不動産会社に仲介を依頼する売却です。仲介を通じて広く買主を探すことができるため、売却価格も市場水準に近い形で決まりやすい点が特徴です。

土地を半分に分けた場合でも、登記上は独立した不動産として扱えるため、通常の土地と同じように販売活動を行えます。ただし、面積が小さくなると需要が限られることがあり、立地や形状によっては買主を見つけにくいケースもあります。

買取

早期に現金化したい場合は、不動産会社による買取が有力な選択肢になります。仲介に比べて売却価格は相場より低くなる傾向がありますが、買主探しの手間がなく、契約から引渡しまでの期間も短縮されやすいのがメリットです。

土地を半分だけ売る場合も、不動産会社がその部分をまとめて引き取ってくれるため、スムーズに資金を確保したい人に向いています。

個人間(親族間)売買

親族や隣地所有者に半分の土地を売却するのもよくあるケースです。

たとえば、相続で取得した土地を兄弟で分ける場合や、隣地の所有者が自分の土地を広げたいと考えている場合などです。

買主が身近な相手であれば交渉は進めやすい反面、手続きは当事者同士で進めることになり、トラブルが起きた際の責任もすべて負わなければなりません。また、契約内容の不備や税金の申告漏れが後々問題になることもあるため、専門家を介さず進める方法はあまりおすすめできません。

土地を半分売る手順

土地を半分に分けて売却する場合、通常の土地売却と大きく異なるのは分筆が必要になる点です。そのため、売却活動の前後に行うべき準備が増えます。

ここでは仲介による売却を中心に、一般的な流れを見ていきます。

1)売却計画と事前確認

最初に確認すべきは、分筆後の土地が法律上「建物を建てられる土地」として成立するかどうかです。

都市計画法に基づく用途地域、接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接していること)、自治体が定める最低敷地面積などの条件を満たしていなければ、売却自体が難しくなることがあります。

2)測量・境界確定・分筆登記の準備

条件を確認したら測量と分筆の準備に入ります。

土地家屋調査士に依頼して境界を明確にし、分筆登記を行う流れです。

  • 現地調査と境界確認
  • 隣地所有者への立ち会い依頼
  • 測量図の作成
  • 分筆登記の申請(法務局へ)

この流れを経て初めて、登記簿上で2つの土地に分けることが可能になります。なお、境界確認で隣地所有者と合意できないと分筆が進まないため、時間がかかるケースも少なくありません。

3)売却活動開始(仲介の場合)

分筆が完了すれば通常の土地と同様に販売活動を進められます。ただし、実際には分筆登記が完了する前に「分筆予定条件付き」の土地として販売を開始することもあります。買主が見つかってから分筆を進める方が効率的なケースもあるためです。

一方、買取の場合は不動産会社が分筆作業まで一括で対応してくれるケースも多く、売主側の負担は軽くなります。

親族や隣地への個人間売買の場合は、買主が確定しているため販売活動は不要ですが、分筆や登記の準備は同様に必要です。

4)売買契約の締結

買主が決まったら売買契約を締結します。

半分に分けた土地の場合、契約内容には「分筆後に引き渡す」といった条件を明記しておくことが重要です。条件をあいまいにしたまま契約すると、登記が終わらず所有権移転できないなどのトラブルにつながる可能性があります。

5)決済・引渡し・登記移転

最後に、残代金の決済と土地の引渡し、所有権移転登記を行います。分筆済みの登記簿謄本をもとに登記を移転すれば、買主は新たに独立した土地を所有できるようになります。

売買仲介だけでなく、買取や個人間取引でもこの流れは共通です。

土地を半分売るときにかかる費用

土地を半分にして売却する場合、通常の不動産売却と同様に仲介手数料や登記費用がかかります。さらに、分筆や測量といった特有の費用も発生します。

実際に想定される主な費用を以下の表にまとめました。

土地を半分売るときにかかる費用
費用項目 内容 金額目安
仲介手数料 ・仲介会社に支払う成功報酬。
・売買価格 × 3% + 6万円(上限は宅建業法で規定)
例:売却額2,000万円の場合 → 2,000万円 × 3% + 6万円 = 約72万円 + 税
測量費用 ・土地家屋調査士による測量・境界確定
・隣地所有者の立ち会いも必要
50万〜100万円前後
分筆登記費用 ・分筆に伴う登記申請費用
・土地家屋調査士へ依頼
20万〜40万円前後
登記費用(司法書士) ・所有権移転登記などにかかる費用 10万〜20万円程度
印紙税 ・売買契約書に貼付する収入印紙代 数千円〜数万円(契約金額による)
譲渡所得税(該当する場合) ・売却益が出た場合に課税 利益額に応じて算出

分筆や測量は、土地を半分だけ売る場合に必ず必要となるため、通常の売却より費用負担は増える傾向にあります。特に測量は土地の広さや境界の状況によって金額に幅があるため、事前に見積もりを取っておくことが大切です。

また、個人間売買や買取の場合でも、登記や分筆に関する費用は基本的に売主負担となるケースが多いため、想定外の出費にならないよう準備しておきましょう。

土地を半分(一部)売ったときの税金について

土地を売却して利益が出た場合は、通常と同じく譲渡所得税が課税されます。半分だけ売った場合でも、利益が生じれば課税対象になる点は変わりません。

一方で、一定の条件を満たせば税負担を軽減できる特例が用意されています。ここでは基本的な考え方と主な特例を確認しましょう。

売って利益が出れば譲渡所得税が発生する

譲渡所得税は、売却価格から取得費(購入時の価格や建築費など)と譲渡費用(仲介手数料など)を差し引いた利益に課されます。

計算式は以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価格 −(取得費 + 譲渡費用)

この譲渡所得に所有期間に応じた税率(所有期間5年以下は短期譲渡で39.63%、5年超は長期譲渡で20.315%)を掛け合わせて税額を算出します。

条件を満たせば特例が使える

土地を半分売却する場合でも、条件を満たせば住宅用地や居住用財産に関する特例が使えることがあります。代表的なものを以下に整理しました。

土地を半分売却する場合に使える特例
特例名 内容 主な適用条件
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例 譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる ・自分が住んでいた住宅や敷地を売却すること
・住まなくなってから3年目の年末までに売却すること
マイホームを売ったときの軽減税率の特例 長期譲渡所得の税率を20.315% → 14.21%(所得税10%+復興特別所得税0.21%+住民税4%)に軽減 ・所有期間が10年以上あること
・居住用の家屋またはその敷地を売却すること
特定のマイホームを買い換えたときの特例 新居を購入した場合、譲渡益の課税を繰延べできる ・譲渡した年の前年から翌年までに新居を取得すること
・売却資産が居住用であり、譲渡価格が1億円以下であること

参照:
No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁
No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例|国税庁
No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例|国税庁

これらの特例は、売却部分が「自宅の敷地」と認められるかどうかによって適用の可否が変わります。相続で得た土地の一部や居住実態のない土地を分筆して売却する場合は対象外となることもあるため、事前に専門家へ確認しておくと安心です。

土地を半分売るときの注意点

土地を半分にして売却する場合、通常の土地売却にはない特有の注意点があります。

ここでは主なポイントを確認しておきましょう。

共有名義の場合は、共有者との交渉が必須

相続で取得した土地は、複数人の共有名義になっているケースが多く見られます。この場合、分筆登記や売買契約には共有者全員の同意が必要です。1人でも反対する人がいれば登記申請ができず、売却を進められません

特に相続人が多い場合や、遠方で連絡が取りづらい親族がいる場合は意見の調整に時間がかかることがあります。売却をスムーズに進めるためには、事前に共有者全員と協議し、合意形成を図っておくことが効果的です。

分筆後の売り方によっては宅建業法違反になる可能性がある

分筆して土地を一部売ること自体は問題ありません。通常の売却と同じく正規の手続きを踏めば合法です。

ただし、分筆を繰り返して小分けにした土地を複数の相手へ継続的に販売するような行為は注意が必要です。こうした場合は「業としての宅地取引」と見なされ、宅建業の免許を持たずに行えば宅建業法違反(無免許営業)にあたる可能性があります。

つまり、自分の土地を1度売却する範囲であれば問題はないが、営利目的で継続的に販売することは規制対象になるという点を理解しておきましょう。

分筆は建築条件をクリアしないといけない

分筆しても、その土地が建築条件を満たしていなければ、買主は住宅を建てられません。

代表的なのは接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接している必要がある条件)で、これを満たさないと「建築不可地」となってしまいます。

さらに自治体によっては最低敷地面積の規制もあるため、分筆後の土地が小さすぎて住宅用地として扱えないケースもあります。

建て替え時に土地を半分売る場合はタイミングに注意

自宅を建て替える資金を確保するために、土地の一部を売却することがあります。この場合、3,000万円の特別控除を受けられるかどうかは「建物をいつ取り壊すか」に左右されます。

国税庁は、マイホームを取り壊した後にその敷地を売った場合でも一定の要件を満たせば控除を使えると定めており、要件のひとつが「取り壊し後3年目の年末までに土地を売却すること」です。

つまり、土地を先に売ってから建物を壊す形では控除の対象にならないということです。売却と建て替えを同時に計画する場合は、必ず建物を先に取り壊してから売却手続きを進めるようにしないと、思わぬ税負担が発生するリスクがあります。

参照:No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁

土地を分割して売る代表的な状況

土地を半分にして売る場面は、人によってさまざまです。ここでは代表的なケースを挙げ、注意すべきポイントを整理します。

相続したとき

相続で土地を取得した際、広すぎて使い切れない場合や、共有名義のまま現金化したい場合に一部を売却することがあります。単独名義であれば分筆して必要な部分を売るだけですが、共有名義の場合は相続人全員の同意が必要です。

売却益をどう分けるかでも意見が割れやすいため、早めに話し合って方針を決めておくと後の負担を抑えられます。

自宅を建て替えるとき

建て替えの資金を得るために土地の一部を売却するケースもあります。この場合は、分筆後の土地が建築条件を満たしているかどうかがポイントです。接道義務や最低敷地面積をクリアしていないと買主が住宅を建てられず、売却自体が難しくなります。

また先述の通り、居住用財産の3,000万円特別控除を活用したい場合は、先に建物を取り壊してから土地を売る必要があります。

生活資金を捻出したいとき

老後の生活費や子どもの教育費など、まとまった資金が必要になったときにも土地の一部を売却することがあります。

ただし、この場合も分筆後の土地が建築可能な広さを確保していることが前提です。狭小すぎる区画にすると買い手が見つかりにくく、想定した価格での売却が難しくなります。

まとめ

土地を半分にして売るには、分筆登記や測量、税制の確認など通常の売却以上に複雑な手続きが必要です。相続や建て替えといった事情が絡むことも多く、共有者の同意を得られなかったり、建築条件を満たさずに売却が進まなかったりと、思わぬトラブルにつながるケースも少なくありません。

こうしたリスクを避けるためには、信頼できる不動産会社や土地家屋調査士などの専門家に相談しながら進めることが大切です。

不動産SHOPナカジツは、すべて直営店舗で運営しているため、地域特性を熟知したスタッフがきめ細かくサポートできる強みがあります

土地の売却は1度きりの大きな取引です。失敗やトラブルを避け、安心して進めるためにも、まずはお気軽にナカジツへご相談ください。

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