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更新日:2025.05.05

土地売却にかかる費用は?手元に残る金額をシミュレーションで解説

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「土地を売却する時はどんな費用がかかるのだろう」
「手元に残る金額がわからなければ、土地の売却を決断できない」

これから土地を売る予定のある方の中には、このような悩みをお持ちの方もいるでしょう。

土地を売却する際には、さまざまな費用や税金が発生します。

具体的な金額感や、建物がある場合とない場合での違いなども事前にしっかり理解しておくことが大切です。

この記事では、土地の売却にかかる費用や税金、さらに手残りを多くするためのポイントについて詳しく解説します。

この記事を読むことで、土地売却ならではの費用や税負担をしっかり把握し、より有利な売却の判断ができるようになるはずです。

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逆瀬川勇造さん

宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士

監修者 逆瀬川勇造さん

  • 所属:

    合同会社7pockets

地方銀行、住宅会社勤務を経て住宅や不動産を中心としたライターとして活動。現場で多くのお客様の対応で経験させていただいたことをもとに、専門知識に基づいた分かりやすい記事執筆に取り組んでいます。

土地のみと建物ありでの費用の違い

土地のみと建物がある場合で、売却にかかる費用には違いがあります。

例えば、土地だけなら建物の解体費用が生じることはありませんが、建物がある場合、その建物が利活用できないほどに古ければ解体費用が加算されます。

また、土地のみの場合は、境界を確定するための測量費用が発生することが多くあります。建物がある場合でも測量が行われることはありますが、建物の位置が境界を明確に示している場合には、測量を省略できることも少なくありません。

そのほか、土地のみの売却は比較的短期間で完了することが多いのに対し、建物付きの物件では、物件の状態や買主のニーズに応じて売却期間が長引く傾向があります。そのため、宣伝や広告にかかる費用も変動しやすくなります。

土地売却にかかる費用一覧

土地を売却するにあたって発生する費用一覧になります。

なお、税金については次章で別途紹介します。

土地売却にかかる費用一覧
費用の名目 概要
仲介手数料 不動産会社に支払う、成功報酬型の費用
測量費用 土地の境界を明確にするために測量を行う費用
解体費用 古い建物がある場合、その解体にかかる費用
広告宣伝費 売却活動中に不動産を宣伝するための費用
通常は仲介会社が負担するが、追加費用が発生する場合もある
司法書士費用 登記手続きに関わる司法書士に支払う報酬

それぞれ特筆すべき点を解説します。

仲介手数料

仲介手数料は、不動産会社に土地売却の仲介を依頼し、成約した際に発生する費用です。

宅地建物取引業法で上限が定められており、売買価格が400万円以上の場合は「売却価格の3% + 6万円 + 消費税 」となります。

仲介手数料は、契約が成立した場合にのみ支払う成功報酬型です。このため、売買が成立しなかった場合は支払う必要がありません。

また、値引き交渉を行う余地は限られていますが、不動産会社によっては仲介手数料の割引がある場合もあります。

なお、不動産会社に直接土地を買い取ってもらう場合、仲介手数料は発生しません。

測量費用

測量には大きく分けて「現況測量」と「境界確定測量」の2種類があり、土地売却時には境界を明確にする「境界確定測量」が一般的に用いられます。

費用は土地の広さや形状によって異なりますが、一般的に数十万円程度かかることが多いです。測量が行われていない場合、境界トラブルや将来の売却において問題が発生する可能性があるため、注意が必要です。

解体費用

土地に古い建物がある場合、売却前に建物を解体することがあります。買い手が更地を希望する場合、解体を行わないと売却が難しくなる可能性が高いためです。

解体費用は建物の規模や使用されている素材によって異なり、数十万円から数百万円に及ぶこともあります。また、解体工事中にアスベストなどの有害物質が見つかると、追加の処理費用がかかる場合があるため、事前に建物の状態を確認しておくことが重要です。

広告宣伝費

広告宣伝費は、土地の売却を不動産会社に依頼する際に発生することがあります。なお、原則として不動産を売却するための広告宣伝費は仲介手数料に含まれているとされ、売主は広告宣伝費を負担する必要はありません。

しかし、売主側からの依頼で、特別に広告費用が発生するような場合には、不動産会社が別途広告費を請求してもよいこととされています。

特に、新聞やチラシなど特定の広告媒体を希望する場合や、インターネット広告の拡充を依頼する場合には、追加の費用が発生することがあります。広告費用の調整によって、効率的に買い手を見つけやすくなることもあります。

司法書士費用

土地売却に際して、登記手続きや所有権移転手続きを行うために司法書士の費用が発生します。

司法書士は、法律に基づいて正確な登記を行うために欠かせない専門家です。土地売却では、所有権の移転や抵当権の抹消手続きが必要になるため、その手続き代行を依頼します。

一般的な司法書士費用は数万円から十数万円ですが、複雑な案件では費用が高くなることもあります。

土地売却にかかる税金一覧

続いて土地売却にかかる税金を紹介します。

以下、税金の種類と概要を表にまとめました。

売却土地にかかる税金一覧
費用の名目 概要
譲渡所得税 土地を売却して利益が出た場合に課される税金
印紙税 売買契約書に貼付する印紙代
登録免許税 抵当権抹消や、土地や建物の権利移転時に課される税金
消費税 土地売却自体は非課税だが、事業用資産や建物の売却には消費税がかかる場合がある
固定資産税の精算 売主と買主の間で売却年度の固定資産税を日割りで精算

それぞれ、より詳細に解説します。

譲渡所得税

譲渡所得税は、不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対して課される税金です。

譲渡所得は以下の式で計算されます。

譲渡所得 = 譲渡価額 – ( 取得費 + 譲渡費用 ) 

譲渡所得に税率を乗じることで譲渡所得税の金額が決定します。

税率は土地の保有期間によって異なります。

所有期間によって異なる税率
区分 所得税 住民税 復興特別所得税 合計
長期譲渡所得(5年超) 15% 5% 0.315% 20.315%
短期譲渡所得(5年以下) 30% 9% 0.63% 39.63%

譲渡所得を抑える方法として特例を活用する方法があります。

特例として「3,000万円の特別控除」「買い換え特例」「特定居住用財産の譲渡特例」などが利用でき、これらを適用することで譲渡所得が大幅に減るか、税金がかからない場合もあります。支払いは売却した年の翌年に確定申告して納めます。

印紙税

印紙税は、売買契約書に貼付する印紙代です。

契約書に記載されている金額に応じて、印紙税額が異なります。(平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成されるものには、軽減税率が適用されます。)例えば、1,000万〜5,000万円の契約金額の場合、軽減税率が適用された印紙税は1万円となります。

この費用は契約書を作成する際に発生し、売主と買主の双方が支払います。印紙税を支払わないと契約書が無効となる可能性があるので、必ず忘れずに支払う必要があります。

登録免許税

登録免許税は、登記手続きを行う際に課せられる税金です。

土地を担保として抵当権が設定されている場合、売却前にその抹消手続きを行う必要があります。基本的に抵当権が残ったままでは土地を売却することができません。抵当権の抹消登記には、不動産1個につき1,000円の登録免許税がかかります。

また、新しい所有者への名義変更(所有権移転登記)時にも登録免許税が課せられます。通常は買主が負担しますが、場合によっては売主も一部負担することがあります。

税率は固定資産税評価額に対して、土地の場合1.5%(特例措置適用)です。支払いは、登記手続きを行う司法書士に依頼し、そのタイミングで支払います。

消費税

土地売却自体には消費税は課されませんが、解体費用や仲介手数料、司法書士費用などのサービスには消費税がかかります。

2025年現在の消費税は10%です。

例えば、仲介手数料が100万円の場合、消費税10万円が加算され、合計110万円の支払いが必要です。これらの消費税は、各サービス利用時にまとめて支払います。

固定資産税の精算

固定資産税の精算は、売却年度の固定資産税を売主と買主で日割りで精算するものです。

売却日以降の税金を買主が負担し、それ以前の税金を売主が負担します。精算は、売却時に行われ、引き渡し時に不動産会社を通じて行うことが一般的です。

この費用は、売却契約書に精算方法や負担額が明記されるので、事前に確認しておく必要があります。

シミュレーション1)通常の土地売却で手元に残る金額

ここでは、実際の数値を用いて土地を売却した際に手元に残る金額をシミュレーション形式で計算していきます。

まずシミュレーションで用いる条件を指定します。

  • 所有期間:15年(長期譲渡所得に該当)
  • 売却価額:3,000万円
  • 取得費:1,000万円
  • 抵当権の有無:あり(司法書士費用1.5万円)
  • 建物の有無:有(建物の解体費用300万円)

費用(取得費・譲渡費用)の計算

譲渡費用の一部として、仲介手数料は通常以下の計算式で求めます。

( 売却価額 × 3% + 6万円 ) + 消費税10%
= ( 3,000万円 × 3% + 6万円 ) × 1.10
= 105.6万円

印紙税は、売却価格が3,000万円となるので1万円、抵当権抹消の登録免許税は土地のみなので1,000円です。印紙税と登録免許税は税金ですが、譲渡費用に含むことができます。

その他の費用を加味すると、譲渡費用は次のようになります。

譲渡費用
= 仲介手数料 105.6万円 + 解体費用 300万円 + 司法書士費用 1.5万円 + 印紙税 1万円 + 登録免許税 0.1万円
= 408.2万円

取得費は、購入時の価額として1,000万円を計上します。

税金(譲渡所得税)の計算

続いて、税金の計算を行います。

譲渡所得の計算式は以下の通りです。

譲渡所得
= 3,000万円 − ( 1,000万円 + 408.2万円 )
= 1,591.8万円

続いて、譲渡所得税を算出します。通常であれば所有期間が10年を超えるため、長期譲渡所得として20.315%課税されます。ただし、今回は10年以上所有していた場合に適用できる「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」を利用することとします。

譲渡所得が6,000万円以下なので、税率は14.21%( 所得税10% + 住民税4% + 復興所得税0.21% ) です。

そのため、譲渡所得税は以下の通り計算できます。

譲渡所得税
= 1,591.8万円 × 14.21%
= 226万1,948円

手残り計算

最後に、手元に残る金額を計算します。

  • 収入(売却価額):3,000万円
  • 支出(費用):408万2,000円
  • 税金:226万1,948円

したがって、最終的な手残り金額は以下のように計算されます。

手残り金額
= 3,000万円 − 408万2,000円 − 226万1,948円
= 2,365万6,052円

シミュレーション2)相続した土地売却で手元に残る金額

続いて相続で取得した土地を売却することを想定したシミュレーションを行います。

相続土地の売却では、購入価額がわからないケースが多いため、実態に近い条件で進めます。

条件は以下のとおりです。

  • 所有期間:親から相続した土地で、親が所有していた期間が35年。相続後3年が経過
  • 売却価額:5,000万円
  • 譲渡費用:仲介手数料や測量費などを含め300万円
  • 取得費:親の購入当時の取得費が不明(通常この場合、概算取得費として「売却価額の5%」を用いる)
  • 抵当権の有無:なし
  • 特例:相続財産を譲渡した場合の取得費の特例を利用(相続後3年10カ月以内の売却で、相続税を取得費に加算できる)

参照:No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁

費用(取得費・譲渡費用)の計算

譲渡費用は、土地の売却にかかる仲介手数料や測量費などを合計した金額です。今回の例では、譲渡費用は300万円と設定しています。

続いて取得費ですが、相続土地の取得費としては、相続した場合、取得費が不明なケースがあります。

相続した物件であっても、契約時の売買契約書や領収書などがあれば取得費として計上できますが、どこにあるか分からないケースがあるのです。

売買契約書や領収書がないと取得費を計上することができません。こうしたケースでは「概算取得費」として売却価格の5%を取得費として計上できます。

取得費の計算式は以下の通りです。

取得費
= 売却価額 × 5%
= 5,000万円 × 5%
= 250万円

また、相続税の一部を取得費に加算できる「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」を利用します。

今回のケースでは、相続税として500万円を支払っていたと仮定し、これを取得費に加算します。

加算後の取得費
= 取得費 + 相続税加算額
= 250万円 + 500万円
= 750万円

税金(譲渡所得税)の計算

譲渡所得
= 5,000万円 – ( 750万円 + 300万円 )
= 3,950万円

譲渡所得税は、所有期間が5年を超える「長期譲渡所得」の税率が適用されます。税率は20.315%です。

譲渡所得税
= 3,950万円 × 20.315%
= 802万4,000円

手残り計算

売却価額から総費用と税金を差し引いた金額が手元に残る金額となります。

  • 収入(売却価額):5,000万円
  • 支出(費用):1,050万円
  • 税金:802万4,000円

手残り金額
= 5,000万円 − 1,050万円 − 802.4万円
= 3,147万6,000円

土地売却でかかる費用や税金を抑える方法

シミュレーションからわかるように、土地を売った後に手元に残る金額は、費用と税金により、大きく変わってきます。

ここでは、できるだけ手元に残る金額を増やせる方法を紹介します。

譲渡所得税を抑える特例の活用

譲渡所得税を抑えるために、活用できる特例をしっかり理解しておくことが重要です。

代表的な特例として、マイホームを売却した場合の3,000万円控除や、相続した土地の場合に取得費加算の特例があります。土地の売買の場合マイホームの条件に当てはまりにくいですが、住んでいた建物を取り壊してからの取引などであれば適用できることがあります。

測量費用を見直して抑える

土地の売却において境界線が不明確な場合、測量を行う必要がありますが、その際に費用がかかります。

測量の種類(簡易測量か境界確定測量か)によって費用が異なるため、隣地との境界がはっきりしている場合は簡易測量を選ぶことでコストを抑えることができます。

また、事前に複数の測量士に見積もりを依頼して比較検討するのも有効です。

税率が下がるタイミングで売却する

土地の売却における譲渡所得税の税率は、保有期間によって違います。

保有期間が5年以下の「短期譲渡所得」と、5年超の「長期譲渡所得」では、課せられる短期譲渡所得では39.63%、長期譲渡所得では20.315%と、長期保有の場合のほうが大幅に税率が低くなります。

したがって、保有期間が5年に満たない場合は、売却を少し先延ばしにすることで節税効果が期待できます。

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土地売却でかかる費用に関するよくある質問

土地売却でかかる費用に関して、よくある質問に回答します。

土地売却の費用は確定申告でどのように計上する?

土地売却の費用は、確定申告において「譲渡所得」の計算に使用されます。

注意点として、必要な領収書や書類をしっかり保管しておくことが大切です。

費用を証明できる書類がない場合は、譲渡費用として認められないことがあるため、支出に対してはしっかりと記録を残すことが重要です。また、売却の際に特例が適用できるかどうかも併せて確認するとよいでしょう。

土地売却でかかる諸費用の仕訳はどうなる?

ここまで紹介してきたのは個人向けの土地売却費用です。法人の場合は、通常の仕訳の範囲で費用を計上します。

仕訳については、仲介手数料は「支払手数料」等で、印紙税や登録免許税は「租税公課」で処理するのが一般的です。建物の解体費用は、撤去が目的なら「固定資産除却損」が用いられます。

土地売却における司法書士費用は誰が負担する?

所有権移転登記の手続きにかかる司法書士費用は、通常、買主が負担します。これは、買主側が土地の所有権を確実に自分の名義に変更するための手続きとなるためです。

一方、抵当権抹消の手続きにかかる司法書士費用は、売主が負担します。抵当権とは、土地や建物が担保に入っている場合に金融機関が設定する権利で、売却時にこれを解除する必要があります。その解除費用は、売主の責任であるため、売主負担となります。

まとめ

土地の売却には、多くの費用がかかるため、事前にしっかりと把握しておくことが重要です。

譲渡所得税や諸費用など、税金や手数料は無視できない出費ですが、これらをしっかり計算して、最適なタイミングや方法で売却を進めることで、手元に残る金額を最大化できます。

また、費用や税金を抑えるためのポイントもありますが、最も大切なのは、信頼できる不動産会社に依頼することです。経験豊富な不動産会社であれば、適切なアドバイスや対応をしてくれるため、費用面を気にするよりも安心して進められます。

費用削減だけを目指すのではなく、確実で納得のいく取引を実現するためにも、実績のある不動産会社に依頼することが大切です。

逆瀬川勇造さん

逆瀬川勇造さん からのコメント

宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士

土地売却時にはさまざまな費用が掛かりますが、特に大きな金額となりやすいのが仲介手数料と譲渡所得税です。このうち、仲介手数料については多くの不動産会社で上限額支払う必要があります。自分でも売却価格から簡単に算出できるため、あらかじめ想定しておくことが大切です。一方、譲渡所得税についてはやや複雑な計算をする必要があります。建物が建っている場合には減価償却を考慮する必要があるなど専門的な知識が必要となるため、不動産会社の担当者に相談するか、税理士に相談するようにしましょう。なお、費用を抑える方法として仲介手数料の値引きを考える方は多いですが、仲介手数料を値引きすることで不動産会社が積極的に売却活動してくれなくなるリスクがあります。仮に売却にかかる費用を安くできたとしても、肝心の売却価格が安くなってしまい、最終的に手元に残るお金が少なくなってしまうケースには十分注意しましょう。

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