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更新日:2026.02.26

不動産の個人間売買は現実的?売買サイトや手続きの流れを解説

不動産の個人間売買のやり方

この記事のポイント

  • 個人売買では、価格設定から契約書作成、引渡しまで全て自己責任で進めなければならない
  • 媒介契約を結ぶ必要がないため知人への直接アプローチなど、自分の判断で自由に売却活動ができる
  • 買主探しや資金のやり取りで信頼性の担保が難しく、支払遅延や音信不通などのリスクもある

「不動産会社を通さずに、直接、個人間で不動産を売りたいけど、本当にできるのか不安」
「使っていない土地を友人に売りたいが、必要な手続きは何がある?」
「田舎の土地をお隣に買い取ってもらいたいけど、どうすればいいのかわからない」

このようなお悩みを抱えている方は意外と多いものです。所有する不動産を知り合いなどに個人的に譲りたい場合はどうしたらよいでしょう?

不動産の売買というと不動産会社の仲介による売買が一般的ですが、個人間で売買する方法もあります。

しかし、不動産の個人間売買は非常にトラブルが多く、不便で難しいものです。特に不動産の取引について詳しくないふつうの方には、個人売買はおすすめできません。

ただ、どうしても個人売買にチャレンジしたいという方もいるでしょう。

そこで本記事では、不動産の個人間売買について、メリット・デメリットや注意点、具体的な手続きなどを紹介します。

この記事を読むことで、個人売買にはどのような特徴があるかを理解でき、自分はどのように売却を進めればよいか、判断できるようになるはずです。

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不動産屋を介さない、不動産の個人間売買とは

不動産の個人間売買とは、不動産会社を介さず個人間で直接取引をすることです。

ここでは、不動産の個人間売買についてメリットとデメリットを見ながらその特徴を理解していきましょう。

個人間売買のメリット

不動産を個人間で売買することで、コストややりとりの自由度の面で恩恵を受けられる場面もあります。

まずは、個人間売買ならではの代表的なメリットを紹介します。

仲介手数料がかからない

個人間売買の最大の魅力は、不動産会社への仲介手数料が不要になる点です。

不動産会社を介して売買する場合、売買成立時に「売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税」が仲介手数料の上限として発生します。

例えば金額にすると、以下のような負担になります。

売買価格 仲介手数料の上限(税込)
1,000万円 約39万6,000円
2,000万円 約72万6,000円
3,000万円 約105万9,600円

3,000万円の不動産を売買するだけでも、100万円を超える経費がかかるのは大きな負担です。しかし、個人間売買であればこうした仲介手数料を丸ごとカットできるため、大きなコスト削減につながります。

媒介契約が不要なので自由に売却活動ができる

不動産会社に売却を依頼する場合、「専属専任媒介契約」や「一般媒介契約」など、媒介契約の締結が必要です。

契約の種類によっては、ほかの不動産会社に依頼できなかったり、自ら買い手を見つけても仲介手数料を支払わなければならないケースもあります。
しかし、個人間売買では媒介契約が存在しないため、売主自身の判断で自由に売却活動を行うことができます

たとえば、複数の個人売買サイトに同時掲載したり、地元の知り合いに直接声をかけたり、柔軟に販路を選べる点は、特にコストを抑えて売却したい人にとってはプラスポイントといえるでしょう。

個人間売買のデメリット

一方で、個人間売買は「自由な分だけ責任も重くなる」といった一面があります。

ここでは、特に注意すべきデメリットを2点紹介します。

契約書の作成などの手間がかかる

不動産会社を介せば、物件の案内から交渉、契約書の作成、契約立ち合い、引渡しまで一通り対応してもらえますが、個人間売買ではそれらすべてを自分で行う必要があります。

なかでも大きな負担となりやすいのが、契約書の作成です。

不動産は高額な取引であるため、物件の状況や契約条件を明確にし、トラブルを避けるための契約書や重要事項説明書が必須となります。

一般の方がゼロからこれらを作成するには、相応の知識と労力が求められます

トラブルに発展しやすい

個人間売買では、売却後に思わぬトラブルが発生することも珍しくありません。

たとえば、引渡しから間もなく雨漏りが起きた場合、売主・買主のどちらに責任があるのか不明確だと、補修費用や損害賠償をめぐって揉めてしまう可能性があります。

通常、不動産会社を通す場合は契約書に「売主が引渡し後◯カ月以内は責任を負う」などと明記されますが、個人間でこのような取り決めをしていないと、言った言わないの水掛け論に発展しがちです。

最悪の場合、仲介手数料を浮かせた以上の損失を被ることもあります。

不動産の個人間売買の流れ・生じる手続き

不動産の個人間売買では、売主と買主が直接やりとりを行うため、一般的な不動産売買と比べて、売却の進め方に違いがあります。

ここでは、不動産の個人間売買のやり方がイメージできるよう、流れや手続きについて紹介します。

主な流れは以下のとおりです。

  • 相場を調べる
  • 売り出し価格を決める
  • (買主が知り合いでない場合は)買主を探す
  • 売買契約書を作成する
  • 住宅ローン審査(必要な場合)
  • 決済・引渡し・登記手続き

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1)相場を調べる

まずは売却予定の不動産がいくらで売れそうかを把握することから始めましょう。

個人間売買では不動産会社の査定が受けられないため、自分で近隣の類似物件を調べたり、過去の売買事例を参考にしながら相場を読み取る必要があります。

相場を大きく外れた価格では、売却が長引いたり、買い手が見つからなかったりするおそれもあります。無料で相場を確認できる不動産ポータルサイトや不動産情報ライブラリなどを活用するとよいでしょう。

2)売り出し価格を決める

相場をもとに、実際にいくらで売り出すかを決めます。

最初はやや高めの価格で様子を見るのも一つの手ですが、売れない期間が長くなると「売れ残り物件」と見なされることもあります。

個人間売買では価格設定のアドバイスをしてくれる人がいないため、2〜3カ月経っても動きがない場合は価格の見直しを検討するのが現実的です。

3)買主を探す

買主が知人や親族でない場合、自分で買い手を見つける必要があります。

個人売買サイト(例:ジモティー、家いちば、不動産直売所など)を活用したり、現地に看板を設置したりするなどして、自主的に広告・集客活動を行いましょう。

不動産会社を通さない場合、信頼性の伝え方や問い合わせ対応の丁寧さが成約に直結するため、対応の質にも注意が必要です。

4)売買契約書を作成する

買主が見つかったら、売買契約を締結します。

個人間売買では、契約書を自分たちで作成しなければならない点が大きな違いです。
物件情報、支払方法、引渡し日、契約不適合責任の有無などを明記したうえで、売主・買主双方が署名・押印します。

専門的な内容になるため、不安がある場合は司法書士や不動産会社に契約書の作成だけ依頼するのもひとつの方法です。

5)住宅ローン審査(必要な場合)

買主が住宅ローンを利用する場合、契約締結後に金融機関での審査手続きが必要です。

個人間売買では売主が売却のプロではないため、金融機関から取引内容の妥当性を厳しく確認されることがあります。
親族間や友人間での売買は、実質的な贈与と判断されるリスクもあるため、契約内容の整合性や価格の妥当性を説明できる準備が重要です。

6)決済・引渡し・登記手続き

住宅ローンの審査が通れば、いよいよ最終段階です。

  • 買主からの残代金の受け取り
  • 鍵の引渡し
  • 所有権移転登記の申請(通常は司法書士に依頼)

これらを同日にまとめて行うのが一般的です。個人間での決済はトラブルを防ぐためにも、司法書士の立ち会いを依頼すると安心です。

決済と登記が完了すれば、晴れて売買成立となります。

不動産の個人間売買で必要な書類

不動産の個人間売買では、不動産会社のサポートがないため、契約や登記に必要な書類を自分たちで用意する必要があります。

以下の表では、個人間売買に必要となる主な書類を、売主用/買主用に分けて一覧化しました。

不動産の個人間売買に必要な種類
書類名 用意する人 用途・補足
本人確認書類(運転免許証など) 売主・買主 登記・契約時に本人確認として必要
実印・印鑑証明書 売主・買主 売買契約や登記申請で使用
住民票 売主・買主 所有権移転登記に使用(買主が多く負担)
権利証(登記識別情報) 売主 所有権の証明として必要
建築確認済証・検査済証 売主 建物の法的な適合性を示す資料
固定資産税納税通知書 売主 税負担の分担・精算に必要な参考資料
間取り図・建築図面など 売主 物件情報を正確に伝えるために必要
土地測量図・境界確認書 売主 土地の面積や境界を明確に示す資料
管理規約・議事録・長期修繕計画書(※マンションの場合) 売主 共有部分の運営状況を確認するために必要
耐震診断報告書(実施している場合) 売主 建物の安全性に関わる重要な情報
アスベスト使用調査報告書(該当する場合) 売主 建材に関する安全性の提示義務
銀行口座の通帳 買主 残代金の支払い用・資金証明の提示にも使用されることがある
鍵(室内・ポスト・倉庫など) 売主 引渡し時に必要なすべての鍵を準備する

固定資産税の精算について

固定資産税は、その年の1月1日時点の所有者に対して課税される仕組みです。
たとえ4月や10月に物件を売却したとしても、課税対象は1月1日時点の所有者である売主になります。

ただし実務上は、たとえば「1月~3月分は売主」「4月~12月分は買主」といった形で売買時に按分(あんぶん)して精算することが一般的です。

この取り決めは法的な義務ではなく、あくまで売主・買主の間での交渉と合意に基づいて行うものなので、契約前にしっかり話し合っておくようにしましょう

不動産の個人間売買でかかる税金・かからない税金について

不動産の個人間売買でかかる税金とかからない税金について解説します。

なお、一般的な不動産売買でかかる税金については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

消費税は非課税

個人間売買においては、消費税は非課税となります。

また、対象不動産が土地の場合は、どのような取引であっても消費税は非課税です。

一方、建物については、売主が不動産会社であるようなケースでは消費税が課されます。

例えば、新築の建売住宅を購入したり、不動産会社が買い取った不動産を再販したりするようなケースが挙げられるでしょう。

しかし、個人間売買のように売主が個人の場合は、基本的には建物部分も消費税の課税対象にはなりません。

ただし、土地や建物にかかる消費税は非課税となりますが、司法書士に支払う司法書士報酬などには消費税がかかる点に注意が必要です。

消費税以外の税金は売買仲介の場合と同様に課税される

消費税以外の税金については、売買仲介と同様に課税されると考えてよいでしょう。

不動産の売買が成立した場合、消費税以外に以下のような税金が発生します。

  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 譲渡所得税

これらの税金は個人間売買であろうと、仲介による売却であろうと同様に課税されます。

譲渡所得税に関しては、売り手が、売却した年の翌年の所得税の確定申告(2月16日〜3月15日)で金額を申告して納税する必要があります。

仲介による売却であれば、不動産会社から流れなどを教えてもらうこともできますが、個人間売買では自分で覚えておく必要があります。

計算方法などについてアドバイスをもらいたい方は、必要に応じて税理士に相談するとよいでしょう。

不動産の個人間売買での必要経費

不動産の個人間売買では、税金以外にも以下のような必要経費がかかります。

  • 司法書士費用
  • 火災保険の保険料(買主)
  • 住宅ローン手数料(買主)
  • 引っ越し費用

それぞれ詳しく見ていきましょう。

司法書士費用

不動産の売買では、所有権の移転登記はもちろん、売主が売却する不動産を購入した際にローンを組んでいた場合には、抵当権抹消登記をする必要があります。

これらの登記は自分で手続きすることもできますが、専門的な内容となるため、司法書士に手続きの代行を依頼するのが一般的です。

登記手続きを司法書士に依頼した場合には、登録免許税に加えて司法書士に支払う報酬が必要経費として発生します。

なお、所有権移転登記は商慣習として買主が負担することが多くなっていますが、実際にどちらが負担するかは交渉次第です。

特に個人間売買の場合は、売主と買主でよく話し合って決めることが求められます。

火災保険の保険料(買主)

買主が物件購入後に火災保険に加入する場合、火災保険の保険料を支払う必要があります。

保険料は、対象の不動産の構造(木造やRC造など)でも金額が変わってくるため、早い段階で見積もりを取っておくようにしましょう。

住宅ローン手数料(買主)

買主が不動産購入にあたって住宅ローンを利用する場合、金融機関に対して住宅ローン手数料を支払う必要があります。

手数料の額は利用する住宅ローンによって変わってきますが、数十万円以上かかることもあるため、手持ちの金額を考慮し、早い段階からいくらかかるかを把握しておくことが重要です。

引越し費用

売主、買主ともに居住用不動産を売買した後は、引越しするのが一般的です。

引越し業者に支払う費用はもちろん、新居での生活に必要な家具や家電などをそろえるとなると、数十万〜数百万円の出費になることもあるでしょう。

こちらも、早い段階でどの程度の費用がかかるか、試算しておくことをおすすめします。

不動産の個人間売買における注意点・よくあるトラブル

個人間売買のトラブル

ここでは、不動産の個人間売買における注意点やよくあるトラブルをご紹介します。

事前にトラブル事例を把握しておくことで、いざというときに回避できますよ。

不動産を親族間で売買する際は住宅ローンが組みづらい

不動産を親族間で売買する場合、住宅ローンが組みづらい傾向にあります。

親族間の売買は、実質的な贈与と見られやすく、不動産の売買に正しく資金が使われているかを疑われるからです。

売買契約書を正しく作成するなどの工夫をすることで、融資審査を受け付けてくれる金融機関もあります。しかし、親族間の売買契約ではそもそも審査すらしてくれないケースもあります。

住宅ローンを組めないとなると自己資金で購入しなければなりません。

「言った」「言わない」のトラブルが発生しやすい

個人間売買は、知人同士の間で行うケースが多いものです。

実際、知っている相手ということもあり、契約を口約束で進めてしまう方も少なくありません。

しかし、契約内容の不明確さや物件の状態などがきっかけで問題が発生すると、それを解消するのに多大な労力と資金、また時間がかかるのはよくあることです。

口約束だと、どうしても「言った」「言わない」の問題に発展しやすいため、これを避けるには、事前に細かなところまで契約書に記載しておくことが求められます。

資金決済に関するトラブルが起きやすい

資金決済に関するトラブルもよく見られます。

個人間でのやりとりということから、売買代金の支払いが遅延したり、約束された金額が支払われなかったりするケースがあります。

個人間取引では、信頼関係に基づくことが多いため、具体的な資金の流れや決済方法について契約書に明記し、可能であれば専門家を介在させることでリスクを軽減することができます。

参考:中古住宅・土地の個人間売買サイト(プラットフォーム)3選

最後に、中古住宅や土地の個人間売買をする際に、物件の掲載や買い手探しに役立つプラットフォームを紹介します。

ここで紹介するのは以下の3つです。

  • ジモティー
  • 家いちば
  • 不動産直売所

それぞれ見ていきましょう。

ジモティー

「ジモティー」は地域を絞って、地元の商品を幅広く取引できるサイトです。

ジモティーでは実にさまざまな商品が掲載されていますが、土地や中古物件を掲載することも可能です。

無料で物件を掲載できるため、買い手探しの手始めとして、試しに掲載してみるのもよいでしょう。

家いちば

「家いちば」は売主が掲示板に物件情報を掲載し、物件に興味を持った方と直接交渉できるサイトです。

不動産に特化したサイトであり、さまざまな物件が登録されています。

なお、家いちばへの物件掲載は無料で行えますが、家いちばへの掲載がきっかけで売買が成立した場合は、家いちば手数料を支払う必要があります。

家いちばへ支払う手数料を以下の式で求められます。

家いちば手数料 = 媒介報酬分※1 + 基本料※2(税別)

※1 媒介報酬分とは通常支払う仲介手数料の半額を指します。
※2 基本料は売主と買主が支払う料金であり、いわばサービス利用料といえるでしょう。金額は一律9万円(税別)です。

参照:家いちばとは

不動産直売所

「不動産直売所」は個人間売買の物件掲載に特化したサービスです。掲載料、仲介手数料ともに無料で利用できます。

物件掲載後、問い合わせがあった際のやりとりなどは、すべて自分で行う必要がありますが、サイト側に支払う費用はありません。

少しでも費用を抑えて買い手を探したいという方におすすめできるサイトです。

参照:個人で不動産売買をお考えなら不動産直売所

まとめ

不動産の個人間売買について、メリット・デメリットや具体的な手続き方法から、よくあるトラブル、物件を掲載するのにおすすめのプラットフォームを紹介しました。

個人間売買の最大のメリットは仲介手数料が不要になる点ですが、不動産は高額なだけに、契約書や手続きに抜かりがあると、売買後にさまざまなトラブルが発生する可能性があります。

場合によっては、トラブルを解消するのに仲介手数料以上の費用がかかってしまうケースもあるでしょう。自分で勉強して、トラブルが起こらないよう準備できるという方以外は、個人間売買はおすすめできません。

本記事で紹介した各種手続きや必要書類、トラブルなどを面倒に感じるという方は、不動産会社への仲介を依頼することを検討しましょう

結果的に手数料を支払ったとしても、安心かつスムーズに売却を進められるので、仲介のほうがラクに、お得に売却できる可能性が高くなります。

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