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更新日:2026.06.05

一般媒介契約とは?メリット・デメリット、専任媒介契約との違いを解説。

一般媒介契約のアイキャッチ

この記事のポイント

  • 一般媒介契約は複数の不動産会社へ同時に依頼できるため、囲い込みを防ぎながら幅広く買主を探せる
  • 一方で、不動産会社の優先順位が下がりやすく、売主自身が進捗管理や各社との調整を行う必要がある
  • 駅近など需要の高い物件には向いているが、早期売却したい場合や買い手が限られる物件では専任媒介のほうが有利

「一般媒介だと不動産会社が本気で動いてくれないって本当?」
「専任媒介と何が違うのか分からず、どちらを選べばいいか迷っている……」

不動産を売却する際は、不動産会社と「媒介契約」を結びます。その中でも一般媒介契約は、複数の不動産会社へ同時に依頼できる自由度の高さが特徴です。

一方で、売却活動の進め方や囲い込みリスク、情報共有の手間など、事前に知っておきたいポイントも少なくありません。

この記事では、一般媒介契約の仕組みやメリット・デメリット、専任媒介との違いを分かりやすく解説します。

契約後に「思っていたのと違った」と後悔しないためにも、自分に合った売却スタイルを見つけましょう。

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一般媒介契約とは

一般媒介契約は、不動産会社(宅地建物取引業者)に売却活動を依頼するための契約の1つです。

同じ「媒介契約」でも、依頼できる会社の数や不動産会社の義務が種類によって異なります。

一般媒介契約とは

媒介契約の種類と目的

媒介契約とは、不動産を売却したい人が、取引の仲介を不動産会社に依頼するために結ぶ契約です。

宅地建物取引業法第34条の2により、書面または電磁的方法での締結が義務づけられています。

種類は「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3つがあり、それぞれ依頼できる会社の数や不動産会社側の義務が変わります。

種類 複数社への依頼 自己発見取引 レインズへの登録 売主への活動報告
一般媒介 できる できる 義務なし 義務なし
専任媒介 できない できる 契約翌日から7営業日以内 2週間に1回以上
専属専任媒介 できない できない 契約翌日から5営業日以内 1週間に1回以上

レインズとは、不動産流通機構が運営する不動産情報ネットワークのことです。全国の不動産会社が物件情報を共有する仕組みで、登録されると買主を探せる会社の数が格段に増えます。

一般媒介契約の主な特徴

  • 複数の不動産会社に同時に売却を依頼できる
  • レインズへの登録義務がない
  • 不動産会社から売主への活動報告義務がない
  • 自分で買主を見つけて直接取引できる(自己発見取引)

最大の特徴は、依頼する会社数に制限がない点です。A社、B社、C社に同時に依頼し、それぞれが買主を探してくれます。

一方、不動産会社にレインズへの登録や定期報告は義務づけられていないため、各社の動きが把握しにくい側面もあります。

契約期間に関しては、法令上の上限はありませんが、実務では3カ月程度で設定されるケースが一般的です。

一般媒介契約の仲介手数料

売主が不動産会社に支払う仲介手数料の上限は、媒介契約の種類にかかわらず同じです。

国土交通省の告示により、売買価格が400万円を超える場合の上限額は「 売買価格 × 3% + 6万円(税別)」で計算できます。

参照:

たとえば売買価格が3,000万円なら、上限は96万円(税別)です。

一般媒介だから手数料が安くなる、専任媒介だから高くなるということはありません。上限額の範囲内で不動産会社との交渉によって決まります

【比較】一般媒介契約と専任媒介契約・専属専任媒介契約の違い

3種類の媒介契約は、複数社への依頼可否・レインズ登録・報告義務・自己発見取引・契約期間の5つの点で異なります。

まず下表で全体像をつかんでおきましょう。

項目 一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
複数社への依頼 不可 不可
レインズ登録義務 なし 契約から7営業日以内 契約から5営業日以内
業務報告義務 なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
自己発見取引 不可
契約期間の上限 法定上限なし 3カ月 3カ月

参照:

複数社への依頼の可否

一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時に売却活動を依頼できます。依頼できる会社数に上限はなく、3社でも5社でも並行して進められます。

一方、専任媒介・専属専任媒介はどちらも1社との専属契約なので、他社への依頼は契約違反です。

複数社に任せられることは一般媒介の大きな強みですが、各社にとって「他社が売るかもしれない」という状況になるため、積極的に広告費をかけにくい面もあります。

このあたりのメリット・デメリットは後の章でくわしく取り上げます。

レインズへの登録義務

レインズ(REINS)とは、国土交通大臣の指定を受けた不動産流通機構が運営する、不動産会社専用の物件情報共有システムです。一般の方はアクセスできませんが、全国の不動産会社がこのシステムを通じて物件情報を検索・共有しています。登録されると、日本全国の不動産会社があなたの物件を買主へ紹介できるようになるため、買主が見つかりやすくなります。

参照:

専任媒介は契約から7営業日以内、専属専任媒介は5営業日以内にレインズへの登録が義務づけられています

一般媒介には登録義務がなく、任意です。登録するかどうかは依頼する不動産会社との話し合いで決まります。

業務の報告義務

専任媒介では2週間に1回以上、専属専任媒介では1週間に1回以上、不動産会社が売主に対して活動状況を報告する義務があります。報告方法は書面またはメールなどの電磁的方法が認められています。

一般媒介にはこの報告義務がありません

複数社に依頼しているため売主自身が各社の動きを把握しやすい面もありますが、進捗をまとめて確認したい場合は、契約時に報告頻度を取り決めておく必要があります。

参照:

自己発見取引の可否

自己発見取引とは、売主が自分で買主を見つけて直接売買する取引のことです。

一般媒介と専任媒介では自己発見取引が認められており、売主が知人や親族に売る場合、不動産会社を介さずに契約できます。

専属専任媒介だけは自己発見取引が禁止されています。

自分で買主を見つけた場合でも、契約は必ず依頼した不動産会社を通さなければなりません。

契約期間

専任媒介・専属専任媒介の契約期間は最長3カ月と宅建業法で定められており、3カ月を超える期間を設定しても自動的に3カ月に短縮されます。

更新は可能ですが、依頼者(売主)からの申し出が必要です。

一般媒介には法律上の上限期間がありません。当事者が自由に期間を設定でき、期間を定めない契約も有効です。

ただし、標準媒介契約約款では3カ月程度を目安とするよう示されており、実務でも3カ月で設定するケースが多く見られます。

期間満了後の自動更新については、契約書に更新条項がなければ自動的には延長されないため、継続する場合は改めて契約を結び直すことになります。

一般媒介契約のメリットとデメリット

複数社に依頼できる自由度の高さは一般媒介契約ならではの特性ですが、その特性がそのままデメリットにも転じます。

両面を正確に把握したうえで選択しましょう。

メリット

最大の利点は、複数の不動産会社が競い合う環境を作れることです。

良い条件の物件であれば、どの会社も「自社で買主を見つけたい」と考えるため、各社が積極的に動いてくれる場面があります。

特に需要の高いエリアや人気物件では、この競争原理が売却スピードや条件の向上につながることがあります。

また「囲い込み」を防ぎやすい点も特長です。

囲い込みとは、一部の不動産会社が売主・買主の双方から仲介手数料を得ようとして、他社からの購入希望者の問い合わせを意図的に断つ行為です。

一般媒介契約では複数社が物件情報を持つため、特定の1社が情報を独占しにくい構造になっています。

一般媒介契約のメリット

デメリット

よほど好条件の物件でなければ、一般媒介物件の優先順位は下がりやすくなります。

不動産会社は専任媒介や専属専任媒介の物件を優先して案内する傾向があり、一般媒介の物件は後回しにされるケースも珍しくありません

囲い込みは防げる一方で、積極的な販売活動は期待しにくいというジレンマがあります。

また、進捗の把握も売主自身が担う必要があります。

専任媒介契約には不動産会社の定期報告義務がありますが、一般媒介契約にはその義務がありません。複数社それぞれに状況を問い合わせながら管理するのは、想定以上に負担になることがあります。

内覧の調整や条件交渉の窓口が複数になる点も、慣れていないと混乱しやすいポイントです。

一般媒介契約のデメリット

一般媒介で売れない3つのケース

複数社に依頼できる一般媒介は、使い方を誤ると売却活動が空回りしやすい契約形態でもあります。

どんな状況で行き詰まりやすいのか、具体的なケースを確認しておきましょう。

不動産会社が積極的に動かない

一般媒介では、複数の不動産会社が同じ物件を並行して扱います。

どの会社も「先に買い手を見つけた会社だけが仲介手数料を受け取れる」という構造のため、売れるかどうか分からない物件に広告費や人員を積極的に投下しにくいのです。

専属専任媒介であれば、依頼した会社が必ず手数料を受け取れるため、チラシ配布や内覧対応に力を入れやすくなります。

専任媒介は売主が自分で買い手を見つける「自己発見取引」が可能なぶん、必ずしも手数料の受領が保証されるわけではありませんが、それでも一般媒介よりは不動産会社にとって動くメリットがあります。

一般媒介の場合、担当者から見れば「頑張っても他社に持っていかれるかもしれない」という心理が働きやすく、優先順位が下がる傾向があります。

問い合わせへの反応が鈍かったり、内覧の提案が少なかったりする場合、この構造が背景にあることが多いです。

一般媒介と専任媒介のちがい

情報管理が分散する

一般媒介ではレインズ(不動産流通機構のネットワーク)への登録義務がありません。そのため、依頼した各社がバラバラに広告を出し、物件情報の内容や写真のクオリティがサイトごとに異なるケースが起こりがちです。

価格表記が統一されていなかったり、ある媒体には載っているのに別の媒体では掲載されていなかったりすると、買い手に「この物件は何か問題があるのでは」と警戒されることもあります。

情報の一元管理ができないことが、結果として物件の訴求力を下げてしまうのです。

売却戦略が統一されない

複数社に依頼している以上、価格設定や値引き交渉の方針を一社に任せることができません。

ある会社は「強気の価格で様子を見ましょう」と言い、別の会社は「早めに値下げした方が動きます」とアドバイスする、といったことが起こります。

売主がそれぞれの意見に振り回されると、価格改定のタイミングを逃したり、買い手との交渉で足並みがそろわなかったりします。

売却活動において方針がブレることは、成約までの期間を長引かせる直接的な要因になります。市況が動いている時期ほど、戦略のずれが響きやすくなるので注意が必要です。

一般媒介契約が向いている人、向いていない人

一般媒介契約が有利に機能するかどうかは、物件の特性と売主の状況によって大きく変わります。自分がどちらに当てはまるかを確認してから、契約形態を選ぶようにしましょう。

向いている人

  • 駅近・人気エリアなど、需要が高い物件を持っている
  • 複数社からの情報や提案を比較しながら売り方を判断したい
  • 各社への連絡・進捗確認をこまめに行う時間的余裕がある
  • 売却を急いでおらず、条件面で妥協したくない

需要の高い物件であれば、複数社が競い合って買い手を探してくれるため、一般媒介の競争原理が最も活きます。

反対に、自分で進捗を管理する手間を厭わない方にも向いています。

向いていない人

  • 郊外・築古など、そもそも買い手が限られる物件を持っている
  • 転勤や住み替えなど、期限までに売り切る必要がある
  • 複数社とのやり取りを一括して任せたい

買い手が少ない物件に一般媒介を使うと、各社の動きが鈍くなりやすく、結果として売却期間が長引くリスクがあります

また、売却に期限がある場合は、一社が責任を持って動いてくれる専任媒介のほうが戦略を立てやすいでしょう。

一般媒介契約の流れ

一般媒介契約は、契約書の取り交わし・締結・販売活動の依頼という3つのステップで進みます。

1)契約条件を確認し「一般媒介契約書」を取り交わす

一般媒介契約書は、国土交通省が定める「標準媒介契約約款」に基づいた書式を使うのが一般的です。

不動産会社から書面が提示されたら、署名・捺印の前に内容をひと通り確認しましょう。複数の会社に依頼する場合は、それぞれの会社と個別に書面を交わします。

また、一般媒介には「明示型」と「非明示型」の2種類があります。明示型は他にどの会社に依頼しているかを互いに開示するもの、非明示型は開示しないものです。

どちらを選ぶかも契約書に記載されるため、あらかじめ決めておくとよいでしょう。

参照:

2)契約内容に合意して締結

署名前に必ず確認したいのが、依頼業務の範囲・解除条件・費用負担の3項目です。

依頼業務の範囲とは、不動産会社が行う販売活動の内容(ポータルサイトへの掲載、チラシ配布など)のことです。

解除条件は、売主側から契約を途中で解除できる条件と、その際に費用が発生するかどうかを指します。

費用負担については、成功報酬である仲介手数料とは別に、広告費を実費請求するケースがあります

契約前に「別途費用はかかりますか?」と明確に確認しておくことをおすすめします。

なお、一般媒介契約の期間に法的な上限はありませんが、3カ月を目安に設定する会社が多く、期間満了後に更新するかどうかを改めて判断できます。

3)物件情報を共有して各社に販売活動を依頼

締結後は、間取り・設備状況・売出価格・内覧可能な日時といった物件情報を、依頼する各社に共有します。

複数社に依頼する場合は、同じ情報を漏れなく伝えることで、各社が足並みを揃えて販売活動をスタートできます。

販売活動が始まると、内覧の案内や購入希望者との条件交渉は各社が個別に進めます。

前述のとおり、一般媒介では不動産会社からの定期報告義務がないため、進捗を把握するには自分から各社に連絡を取る必要があります

一般媒介契約で不動産会社を選ぶポイント

複数社に依頼できる一般媒介契約は、会社の選び方次第で結果が大きく変わります。

やみくもに依頼先を増やすより、質の高い会社を見極めて絞り込むほうがうまくいきやすいです。

依頼社数

「複数社に依頼できる」のが一般媒介の特徴とはいえ、依頼先を増やしすぎると各社の優先度が下がることは前述のとおりです。

目安として、2〜3社に絞るのが現実的でしょう。

また、依頼先を決める前に、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で免許番号や行政処分歴を確認しておくと安心です。

免許の更新回数が多い会社ほど業歴が長く、安定した実績を持つ傾向があります。

参照:

地域実績

不動産の売却価格は、エリアの需給バランスや周辺の成約事例に左右されます。そのため、対象物件の地域で実際に売買を成立させてきた会社を選ぶことが重要です。

確認すべきは「そのエリアで何件売ったか」という具体的な実績です。

会社の規模が大きくても、地元の取引が少なければ内覧希望者の集客や価格交渉に弱い場合があります。

来店数や取引シェア率など、地域密着の指標を担当者に直接聞いてみるのもひとつの手です。

販売力

販売力を見極める際は、広告の露出先と反響数に注目してください。

主要な不動産ポータルサイトへの掲載はもちろん、自社サイトの集客力や、購入希望者への直接マッチング(買い替え客・投資家リストなど)を持っているかどうかがポイントです。

査定の段階で「どのような買主層を想定しているか」「どの媒体に出稿するか」を具体的に説明してもらえる会社は、販売戦略が明確です。

曖昧な返答しか得られない場合は、依頼先としての優先度を下げるのが無難でしょう。

【FAQ】一般媒介契約に関するよくある質問

読者からよく寄せられる疑問を3つまとめました。

賃貸物件における一般媒介契約とは?

一般媒介契約は売買だけでなく、賃貸仲介でも使われる契約形態です。

オーナーが複数の不動産会社に入居者募集を依頼できる点は売買と同じですが、賃貸の場合は宅地建物取引業法に定める標準媒介契約約款の適用対象が売買・交換に限られるため、契約内容は各社ごとに異なります。

参照:

賃貸では複数の不動産会社に同時依頼しても特に制限はなく、早期入居者確定を目的に幅広く募集をかけるオーナーも多いです。

ただし、売買と同様に各社の優先度は下がります。

マンションや土地など、不動産の種類によって結ぶ契約は変えるべき?

物件の種類よりも「需要の高さ」と「売却期限の有無」で判断するのがベターです。

駅近の人気エリアにあるマンションなど、買い手が付きやすい物件は一般媒介でも十分に競争が働きます。

一方、郊外の土地や築年数の古いマンションは、買い手の母数がもともと少ないため、一社が腰を据えて売り込む専任媒介のほうが動きやすいケースがあります。

また、3カ月以内に売りたいなど、期限が決まっている場合は物件を問わず専任媒介が向いています

「このマンションだから一般媒介」という単純な決め方ではなく、売却期間にどれくらい余裕があるか、物件の市場での人気度はどのくらいかを軸に考えてみてください。

専任媒介から一般媒介への切り替えの基準は?

専任媒介の有効期間は最長3カ月です。契約満了のタイミングが最も自然な切り替え時期で、期間中の途中解除は違約金が発生する場合があります

満了後に一般媒介へ切り替えを検討するなら、まず現在の担当会社に「この3カ月で内見数はどれくらいあったか」「価格や条件についてどんな反応が多かったか」を確認しましょう。

内見が月1件以下だった、あるいは具体的な指摘(価格が高い、設備が古いなど)がなかった場合は、担当会社の活動量不足の可能性もあります。

そのタイミングで複数社に査定を依頼し直し、新しい販売戦略を持つ会社を加えて一般媒介に切り替えるのは合理的な判断といえるでしょう。

まとめ

一般媒介契約は複数の不動産会社に同時依頼できる自由度の高い契約ですが、その分、依頼する会社選びと売却戦略の管理が売却結果を大きく左右します。

一般媒介か専任媒介かという選択に正解はありません。物件の需要・立地・売却スケジュールによって最適解は変わります。

迷ったときに頼りになるのは、地域の取引実績が豊富で、根拠のある査定額と具体的な販売戦略を示してくれる会社です。

「今の契約会社に任せて数カ月経つのに一向に動きがない」という方も、契約の見直しや切り替えは十分に検討できます。

焦る前に、まず現状の原因を整理することが先決です。

不動産SHOPナカジツでは一人ひとりの物件・状況に合わせた売却プランをご提案しています。「うちはどの契約が向いている?」という段階からでも構いません。お気軽にご相談ください。

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