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防火地域とは?建築の制限やどんな家が建てられるかを解説 

防火地域とは?建築の制限やどんな家が建てられるかを解説 

掲載日:2021.12.23

「みてみて~!いま、物件検索で土地を探していたんだけど、備考欄に見たことない文字が書いてあったんだ~!」

「どれどれ……。もしかして、この『準防火地域』のことかな。」

「そう、それのことだよ~!なんだか強そうな響きでカッコイイよねぇ……!」

実は、準防火地域には他にも『防火地域』『22条区域』という仲間がいるんだよ。
火事が起こった時に、地域内のみんなが困らないように守る役割があるんだ。」

「わあ、そうなんだね……!ぼく、防火地域や準防火地域のこと、もっと知りたいなあ……!」

「よし、一緒に勉強していこうね。」

防火地域とは

防火地域とは、多くの建物や商業施設が軒を連ねる都市中心部や、高速道路や国道、県道などの幹線道路と呼ばれる道路沿いに指定されるエリアのことです。
都市中心部などの市街地や幹線道路沿いは人や車の流れが激しく、整備されていないと火災が発生した際被害が大きくなったり、緊急車両が足止めされてしまい対応が遅くなったりすることが予想されます。
万が一火災が発生した場合に、事前に対策をして少しでも被害を抑えるため、指定エリア内の建物を不燃材料で構築した耐火建築物で固め、火の燃え広がりを抑える事を目的として設定されています。
一定条件の建物を除き、防火地域内の建築物は耐火性能のある材質を使用して建築しなければなりません。

準防火地域との違いは

防火地域のことを詳しく学ぶ際に必ず出てくるもう一つの地域が準防火地域です。
準防火地域は、基本的に防火地域の周辺を囲むように設定されます。
火災の被害を最小限に留めるというゴールは防火地域と同様ですが、準防火地域に建てられた建築物は、倒壊や延焼を『抑え』て、燃え広がる速度を緩やかにすることが重要視されます。
防火地域の建築物は延焼や倒壊を防止する目的で建築されるため、準防火地域の方が規制や条件がいくらか緩和されていると想像できますね。

木造住宅が密集している地域は、安全性を確保するために準防火地域として設定されていることが多くあり、建て替えになると住宅の不燃化が必要になります。

その他の法令など

・建築基準法22条地域(法22条区域とも)

別名屋根不燃(屋根不燃化)区域とも呼ばれ、防火地域・準防火地域以外の山林を除いたほぼ全区域が指定されています。
建築基準法22条に基づき、火災が起きやすいとされる区域に建てられる建築物の『屋根』を不燃素材で製作しなければならないという制限があります。(後に詳しく説明いたします。)
また、火災を防ぐためには屋根だけでなく、外壁も不燃材料であることが必要不可欠。そのため、建築基準法22条地域内の建物は、建築基準法23条区域も重ねて指定することで、外壁の素材を制限しています。

・新たな防火規制区域(東京都のみ)

東京都内のみで設定されている区域で、新防火地域』『新防火区域とも呼ばれています。
東京都は都心部を中心に、新耐震基準を導入する前に建てられた木造住宅が多く密接しているため、火災発生時のダメージが大きいことが懸念されます。
防火地域・準防火地域だけではとても補完しきれないという現状を打破するため、特に危険性の高い地域に設定することで東京都独自に防災対策が行われています。

防火地域などの区域の建物制限

法令上制度の厳しさで各区域を並べると、『防火地域>新たな防火規制区域>準防火地域>法22条区域』の順になります。
しかし、戸建てを建てるということに焦点を当てると、駅や商業施設が建ち並ぶ防火地域は戸建て用の土地としては現実的でありません。
そのため、実質戸建てを建てる上で一番制限が厳しいエリアは準防火地域(東京都は新防火区域)と言えるでしょう。

・防火地域の建築制限

防火地域内は、基本的に木造建築物の建築は不可能です。
ただし、屋上に設置する予定の看板、広告や、高さが3メートルを超える工作物は、主要部分を不燃材料で作ったり覆ったりすることで使用できるようになります。

また、平屋(母屋)に付属した状態で、延べ面積が50㎡以下の小屋、勉強部屋、作業部屋などの付属建物(複数ある建物のうち、母屋ではない建物)は、外壁と軒裏の防火構造化と、開口部の防火設備設置、不燃材料を用いた屋根を使用することで建築が可能になります。

延べ面積(建物内全ての床部分を合計した面積)が100㎡を超える建物は耐火性能を備えた材料でつくる耐火建築物にしなければならず、
例え延べ面積が100㎡以下であっても、地下室を含んだ階数が3階建て以上なら同じく耐火構造とする必要があります。

同じく、延べ面積が100㎡以下で、地下室含む建物階数が2階以下だった場合は、原則耐火建築物もしくは、耐火建築物に準じた性能を持つ準耐火建築物として建築します。
門や塀に関しては、高さ2m以上で不燃材料製のもの・高さ2m以下のものならば耐火建築物・準耐火建築物にする必要はありません。
列挙した例に当てはまらない建物に関しては、準耐火建築物での建築が必要です。

・新たな防火規制区域の建築制限

東京都限定ではありますが、どのような建築制限があるのか見ていきましょう。
東京都建築安全条例第7条の3第1項に規定する区域では、原則として全ての建物を準耐火建築物にて建築するものとされています。
それに加えて、延べ面積が500㎡を超える建物や、地上部分の階数が4階以上になる建物は耐火建築物として建てる必要があります。
また、火災が起きた時に燃え広がる事が予想される部分の、特に開口部は防災窓を導入しなければなりません。

増改築する場合は、増改築する部分の床面積合計が50㎡未満であること、施工後の建物が2階以下であること、増改築された外壁や軒裏が防火構造であれば、この規定の制限を受けずに施行できます。

・準防火地域の建築制限

準防火地域では、地上部分の階数が4階以上、延べ面積が1500㎡を超える建築物は耐火建築物にて建築する必要があります。
地上3階建てで、延べ面積が1500㎡以下の建物や、地上2階以下の階数で延べ面積が500㎡を超え、1500㎡以下となる建物については、
耐火建築物・準耐火建築物にするか、同じもしくはそれ以上の防火性能を持つ(技術的基準適合建築物)ように建築しなければなりません。
屋根を不燃素材で製作したり、火が燃え広がっていきそうなドア、窓などの開口部に防火設備をつけたり、といった措置を行います。

既に建築が完了した木造建築物でも、火事の勢いに加担してしまうような軒裏や外壁であれば、増改築のときに防火構造へ対応させる必要が出てきます。
準防火地域は、防火地域よりも規制が緩和されているため、守らなければならない条件をしっかりとクリアすれば、木造での新築戸建てが可能になる地域です。
担当の建築業者に一度相談してみると良いでしょう。

・法22条区域では、屋根を燃えにくい不燃材料で葺くことが必要

法22条(建築基準法第22条)区域は、屋根不燃区域あるいは屋根不燃化区域とも呼ばれる区域のことです。防火地域や準防火地域以外の市街地で指定されます。
建物の屋根を瓦や鉄鋼、アルミニウムなどの不燃材料や、同じように燃えにくい素材とすることが義務付けられている地域です。
どうしてこんなに屋根にこだわるのかというと、炎は『燃え上がる』『立ち上る』と言われるように、上へ上へと広がる性質を持っています。
住宅の最上階に達したときに、屋根がその蓋のような役割となって火の粉を抑え、これ以上の延焼を防ぐ重要なポジション、いわば最後の砦となるのです。
一般的な住宅の屋根素材については殆どが防火認定を受けているのでひとまず安心ではありますが、しっかり火災対策をするためには外壁にも注目したいところです。

先ほども少しお話させて頂きましたが、法22条区域が指定されているエリアでは、重ねて建築基準法第23条が制定されています。
法22条では屋根の防火性能についてカバーしていましたが、法23条は外壁に注目した法令となり、素材が制限されるようになります。
隣地に燃え広がる恐れのある部分の外壁を、漆喰やモルタルなどの不燃材料でつくることで火災の被害を抑えることを目的とした内容となっており、法22条区域と併せて話されることが多い法令と言えるでしょう。

耐火建築物、準耐火建物とは

建築基準法で定められた、建物の主要構造部(柱、梁、床、屋根、壁、階段など)に耐火性能のある材質などが使用されている建物のこと。
ここまでの内容で頻繁に耐火建築物』『準耐火建築物と言う言葉が出てきますが、一体どんな建物なのでしょうか。
簡単にご案内するならば、建物の主要構造が建築基準法で定める耐火性能を備えた材料でつくられた建築物のことです。それぞれの特徴をまとめていきます。

▼耐火建築物

建物を構築している主要部分(壁や柱、床など)に耐火処理を施し、火災発生から消火されるまでの間、火の手が回る速度を抑え倒壊に耐えられるような性能を持つ建築物となります。
燃え広がる可能性が高いドアや窓などの開口部には延焼防止のため防火戸を取り付け、被害を可能な限り抑える仕組みとなっています。
コンクリートブロック造、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)、RC造(鉄筋コンクリート造)や耐火被覆済のS造(鉄骨造)が代表的な構造方法と言われています。

▼準耐火建築物

準耐火建築物は、文字通りの印象で、耐火建築物より少し制限が緩和されています。耐火建築物としての建築基準を満たさない建物のうち、柱や壁、梁などの主要構造部分に準耐火性能を持たせた建築物を言います。
準耐火性能は、建築基準法に基づき、火事になったときに主要構造部が45分間(建物により60分間)炎に耐えられることが求められます。
また、準耐火建築物には炎の燃え広がりを抑制する目的として設定されているため、建物の倒壊や燃え広がりを防止できる耐火建築物とは役割が異なります。

▼共通で求められる性能

耐火建築物、準耐火建築物どちらも、建築基準法に基づいて素材や構造が決められています。屋根はコンクリート、レンガ、鉄鋼などの不燃材料(もしくは準ずる不燃性がある素材)でつくること、燃え広がる可能性がある窓やドアなどに防火戸・防火設備を設置しなければならないということは覚えておきましょう。

防火地域を含め複数の地域にまたがっている場合は?

もし、家を建てたい土地が防火地域や準防火地域に加え、他の指定区域にもまたがっている、といった場合はどうすればいいのでしょうか。
そんな時は、一番厳しい区域のルールが適用』となります。各区域の面積や持分は影響を受けませんので注意が必要です。
もし同じような状況となってしまった場合、適用区域の条件を少しでも緩和したいのであれば、建物内に自立可能な防火壁の設置を検討しましょう。
今ではほとんど目にすることが無くなった防火壁ですが、複数の区域にまたがる建物内に設置すると、防火壁で区切られた反対側の区域まで火の手の回りを防ぎ、炎を食い止めることができるようになります。
そのため、防火壁の向こう側に関しては、複数の指定区域のうち規制緩和されている方が適用可能になるのです。
防火地域や準防火地域への建築はどうしてもコストがかさんでしまいます。建物の規模にも関わるので、出来るだけ費用面をおさえたい場合に選択肢の一つとして念頭に置いておきましょう。

防火地域などで3階建てを建てる際の注意点

これだけ防火地域・準防火地域の規制が厳しいと、家を建てるということに対して前向きに考えられなくなってしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで2019年6月から、一般的な住宅よりもコストが高くなってしまう分、防火地域などでは建蔽率(建ぺい率)が10%緩和されることになりました。
防火地域内の建物はあらかじめ火災に対応しているため、密集していても被害の拡大を抑えることができるからです。

建蔽率(建ぺい率)が緩和されると、敷地をめいっぱい使って住宅を建てられるので、居住面積をゆったりとることが可能に。
たかが10%と感じる方もいるかもしれませんが、住宅が密集している区域内では、土地自体が狭く小さいことも十分考えられます。
こうした狭小敷地(きょうしょうしきち)においての10%の差はかなり大きいものになると言えるでしょう。

そして、建築基準法改定前から建てられていた建物に対して、建て替えなどを促進する効果もあると言われています。
また、敷地内をめいっぱい使えるのはお隣さんも同じです。お互いのプライバシーを守りながら生活できる住宅となるよう、配慮した設計ができるとベターでしょう。

≪関連記事≫建蔽率(建ぺい率)と容積率って何?住宅建設前に知っておきたいこと

防火地域の調べ方は?

これから住みたい地域が見つかった場合、どのあたりが防火地域となるのか事前に知っておきたいときには、その自治体のホームページが参考になります。
気になる市町村の名称を入力したのち、防火地域と入力して検索すれば、都市計画図を手軽に閲覧できます。
建築業者に問い合わせをすると調べてもらえるケースもありますので、一度確認してみましょう。
役所に直接出向く場合は、都市計画課(役所ごとに名称が異なる場合があります)』を訪ねてみて下さい。
その際、耐火建築物を建てる場合に利用できる助成金制度がないか併せて確認しておくと、家づくりの資金面の参考になります。使える制度は積極的に活用していきましょう。

防火地域での物件探しで注意すべき点

防火地域内に新しく住宅を建てる場合に一番気にしなければならないのは、ダントツでコスト面です。
主要構造部となる鉄骨に断熱性の高いロックウールなどを巻き付けたり吹き付けたりして耐火被覆したものを使う必要があり、その分工費が発生します。
内装や外装にも防火材料の建材を使用しなければならないため、デザインの選択肢が限られてしまうことも考えられます。
内装・外装を色々こだわりたいと考えている方は、あらかじめ注意しておく必要があるでしょう。
こうした建材は国土交通省や建設省からの認定を受けているため、商品にはそれぞれ認定番号が存在します。不燃材は『NM』、準不燃材は『QM』、難燃材は『RM』から始まる認定番号が定められていますので、詳しくチェックしたい方は参考にしてみると良いでしょう。

中古住宅であっても、防火地域の場合、扉や外壁、窓などをリフォームする際に制約が出る。

建築当時は法的に問題がなかった建物でも、法改正後その土地に防火地域が設定された場合、建物自体は既存不適格建築物となります。(違法建築物にはなりません。)
中古住宅として購入した際ただちに適法するよう建て直さなければならないかというと、そうではありません。
築年数がかさみ、建物に大規模なリフォームを必要とする場合や、増築を行いたいときには現行の建築基準法が適用されることになります。
先ほどご紹介させて頂いた耐火建築物もしくは準耐火建築物に適合する建材を使用しなければならないため、コスト面は気にしておきたいポイントです。

また、準防火地域に建てた建築物は、建蔽率(建ぺい率)が緩和されるため、あらかじめギリギリに家を建てているケースが多く存在します。
敷地面積に対する床面積の割合(容積率)で建築可能な建物のサイズは決まっています。増築時にこの面積がオーバーしてしまい確認申請に通らないといった問題が起こるケースも考えられます。
後々カーポートなどの増築を検討している場合は、事前に建築業者へ相談しておきましょう。

まとめ           

冬場など、特に乾燥する季節に注意しなければならない火災に関係する、防火地域について見てきました。ポイントをまとめます。

  • 防火地域とは、火災の被害を最小限に抑え、住民の安全を守るために区分された地域
  • 防火地域内の建物は延焼防止に特化した耐火建築物への適合が必須!コスト面注意!
  • 防火地域内に新築する際、今後増築の予定がある場合は事前に建築業者へ相談を!
  • 自治体によって助成金制度を活用できる場合あり。ホームページで確認を。

外装や内装のデザインに関しては、現在までに少しずつ進化を遂げています。特に外観部分は、ネオマフォームなど大臣認定を取得した断熱材を使用し、準防火地域であっても木造風の外観を実現することが可能になりました。
規制が厳しい土地だからこそ、事前に調査して自己ベストな家が建てられるかどうか判断しましょう。

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