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更新日:2026.02.26

住宅ローンを払えなくなったら起こることとは?リアルな実態と対処法を解説

「住宅ローンを払えなくなったら起こることとその対策」のアイキャッチ

この記事のポイント

  • 住宅ローンを払えなくなる理由は、収入減少、支出増加、無理な返済計画
  • 住宅ローンを払えなくなると、最終的には競売により住宅を失うリスクがある
  • 無理のない返済計画を立てる、適切な保険に加入する、早期の金融機関への相談が重要

「住宅ローンが払えない……そんな事態に備えるためには?」
「もし突然収入が途絶えたら、住宅ローンの支払いはどうなるのだろう?」

勤務先の倒産や予期せぬ収入減により、住宅ローンの支払いが困難になるケースは誰にでも起こり得ることです。このような事態に直面したとき、何が起きるのか、どのように対処すれば良いのかを知っておくことは、生活を守るために欠かせません。

この記事では、住宅ローン支払い不能が引き起こす現実的なリスクや問題点について詳しく解説します。また、実際に経験した人々の後悔と、そこから学べることを紹介します。

これを読むことで、万一のトラブルにも冷静に対応できる知識が得られるでしょう。

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逆瀬川勇造さん

宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士

監修者 逆瀬川勇造さん

  • 所属:

    合同会社7pockets

地方銀行、住宅会社勤務を経て住宅や不動産を中心としたライターとして活動。現場で多くのお客様の対応で経験させていただいたことをもとに、専門知識に基づいた分かりやすい記事執筆に取り組んでいます。

【2025年情勢】住宅ローンが払えない人の割合と増加の背景

昨今の日本では、住宅ローンの支払いが困難になる人が増加傾向にあります。その背景には、収入の減少や物価上昇、ライフスタイルの変化など、さまざまな要因が関係しています。

この章では、住宅ローン返済に困る人が増加している現状を理解するために、関連するデータや社会情勢の例を挙げながら、その実態を紹介します。

住宅ローンが払えない人の割合に関連するデータ

住宅ローンの返済困難者が増加傾向にあり、その主な原因として収入減が挙げられます。

NHK出版が2,266人のサンプルに対してアンケート調査を行った結果によると、コロナ禍で世帯収入別の「収入が減った」と回答した割合は以下のとおりです。

アンケート調査結果
世帯年収 収入が減ったと回答した人の割合
300万円未満 36%
300〜600万円 29%
600〜900万円 26%
900万円以上 17%

参照:世帯年収の違いによるコロナ禍の影響とその背景にあるデジタル化の恩恵の濃淡|NHK

別のデータも紹介します。

独立行政法人住宅金融支援機構の「統合報告書2025」によると、2024年度までの新型コロナウイルス感染症に伴う返済方法変更の承認実績は、累計約20,000件に達しています。加えて、返済方法の変更内容としては「元金据置」や「返済期間の延長」が大部分を占めています。

これらのデータは、新型コロナウイルス感染症による経済的影響が、依然として多くの家庭に長期的な負担を与えていることを示唆しています。

また、近年では災害復興住宅融資の利用も増加傾向にあります。特に、気候変動に伴う自然災害の頻発化により、多くの被災者が「返済猶予」や「金利引き下げ」などの措置を受けていることが明らかになりました。このような背景から、住宅ローン返済が難しい状況に直面する世帯が増加していることは否定できません。

参照:統合報告書2025|独立行政法人住宅金融支援機構

住宅ローンが払えない人に多い理由と増加の背景

住宅ローンを払えない理由としては次の3つが挙げられます。

  • 収入の減少
  • 支出の増加
  • そもそも返済計画に無理がある

たとえば、給与が減少したり、勤務先の倒産によって失業したりすることで、次の仕事が見つかるまで返済原資を確保できなくなる可能性があります。

支出の増加については、離婚や別居による財産分与が必要となる場合や、子どもの養育費の支払いが生じるケースが含まれます。また、病気やケガによる医療費、家族の介護費用といった新たな支出が発生する場合もあります。

返済計画そのものに無理がある場合も考えられます。収入や支出の変化に関係なく、そもそも身の丈に合わない金額を借りたり、月々の返済金額を高額に設定してしまうと、支払いが困難になることがあります。

これらの背景には、長引く国内経済の低迷や、私たちの生活に大きな影響を与えたコロナ禍があります。加えて、ギャンブルや買い物依存といった浪費癖が原因となる場合も見受けられます。収入減少や支出増加の要因は多岐にわたるため、それぞれの事情を慎重に分析することが重要です。

住宅ローンが払えない場合に起こり得ることと対処法

住宅ローンを滞納してしまうと、最初は軽微な延滞で済んでいても、その状態が続けば状況は徐々に悪化し、最終的には家を失うリスクにも繋がります。

この章では、住宅ローンが支払えなくなった場合に実際に何が起こり得るのか具体的に解説します。

金融機関からの督促(連絡)

住宅ローンの返済が滞ると、まず金融機関から普通郵便で督促状が送られます。この段階では、比較的穏やかな口調で早急な支払いを求める内容となっている場合が一般的です。

しかし、督促状に応じず返済が進まない場合、次に内容証明郵便で「催告書」が送付されます。

催告書は、法的手続きの準備段階を示すもので、最終通告の性質を持っています。この段階で返済が行われない場合、契約条件が大きく変更されるリスクがあります。

催告書が届いた場合、放置せず、速やかに金融機関に連絡を取り、返済計画の見直しや条件変更について相談することが重要です。

また、支払期日を過ぎた時点で、延滞利息や手数料が発生します。延滞利息は遅延による損害補填として年率14%〜14.6%で計算されることが多く、遅れた日数や元金が多いほど増加します。

一部の金融機関では通知手数料や督促手数料も請求される場合があるため、契約書の確認が必要です。

期限の利益喪失通知が届く

住宅ローンの返済が2~3ヵ月程度以上滞ると、金融機関から「期限の利益喪失通知」が送られることがあります。この通知は、分割返済の権利を正式に失ったことを意味し、債務残高を一括で返済する義務が生じることを告げるものです。

期限の利益を喪失すると、分割返済の選択肢がなくなります。毎月の返済ができない状態であるのにも関わらず、残債を一括で返済できるケースはほとんどないでしょう。残債を返済できない場合、住宅の競売手続きが進む可能性があります。

競売に至る前に取れる対応策としては、金融機関との相談や、任意売却の検討があります。

競売によって家を失う

競売とは、債務者(金融機関や保証会社)が裁判所を通じて、住宅ローンの担保となっている不動産を強制的に売却する手続きです。競売で得られた売却金は、債務返済に充てられます。

競売で落札されると、その不動産は新しい所有者のものとなります。これにより、債務者はそのまま住み続けることができなくなります。退去しない場合は不法占拠とみなされ、最終的には強制執行によって退去させられることになります。

競売に至る前に、債務者との相談や任意売却の検討など早期の対応をしましょう。

給与や預金口座などの財産差押え

住宅ローンの返済が滞り、競売による売却金額でも債務が残る場合、債務者は追加的な回収手段として、給与や預金口座を差し押さえることがあります。

ただし、給与の差押えには法律で制限が設けられており、手取り金額の4分の1までしか差し押さえることはできません。これは債務者の生存権を守るための法的な配慮によるものです。また、預金口座の差押えも同様に、法的手続きに基づいて実施されます。

住宅ローンが払えない場合の債務整理(任意整理、個人再生、自己破産)について

住宅ローンの返済が難しい場合、債務整理を検討することがあります。債務整理には任意整理、個人再生、自己破産の3種類があり、それぞれ特徴があります。

任意整理は、金融機関などと直接交渉し、返済額や条件の見直しを図る手続きです。この方法では、住宅に住み続けることが可能な場合もあります。個人再生は、裁判所を通じて債務を大幅に減額しつつ、計画的に返済する方法で、住宅ローン特則を利用すれば自宅を手放さずに済む場合があります。

一方、自己破産は借金の返済義務を免除する手続きですが、自宅などの財産を失う可能性が高く、金融機関での信用も大きく損なわれます。自己破産後は、5〜7年程度、新たなローンを組むことが困難になるでしょう。

どの方法を選ぶ場合でも、信用情報に記録が残るため、一定期間は新規の融資が難しくなります。住宅を失わずに済む可能性がある任意整理や個人再生も視野に入れつつ、弁護士など専門家への相談を早めに行うことが大切です。

住宅ローンを払えなくなった人が後悔している主なポイント

住宅ローンを払えなくなった人は、どのような点で後悔しているのでしょうか。

無理な返済計画を立ててしまった(借りすぎた)

お金を借りすぎて、結果として無理な返済計画を立てると、家計が破綻する可能性があります。

本来、住宅購入時には販売価格の20%程度を頭金として支払うことが望ましいとされています。頭金を用意することで借入額が減り、毎月の返済額を無理のない範囲に抑えることができるからです。

しかし、自己資金がなくてもローンを組める「フルローン」や、住宅価格に加えて諸費用などと合わせてローンを借りる「オーバーローン」などを利用する場合、返済額が大きくなりやすいです。返済額が手取り収入の20〜25%を超える計画は、生活費を圧迫し、長期的な負担となりやすいのです。

また、変動金利でローンを組んだ場合、金利が上昇すると返済額が増える可能性があります。

無理のない返済計画を立てるためには、現時点の収入だけでなく将来の金利変動やライフイベントも見据えた慎重な資金計画が重要です。

早期に金融機関や専門家に相談しなかった

返済が難しい状況では、早期に融資元の金融機関や任意売却の相談ができる不動産専門家に相談することが重要です。金融機関は、返済額の調整や借り換えなど、負担を軽減する提案を行うことがあります。こうした対策は、債務者の早期行動によって実現しやすくなります。

金融機関としても、最終的に自己破産になってしまうより、早い段階で返済計画の見直しなど行うことによって損失を回避できる可能性があるからです。

また、不動産の専門家は、返済困難なケースに対応した豊富な経験を持ち、任意売却やその他の解決策を提示できます。

失敗事例では、相談を避けた結果、競売に進み、自宅を失うケースが見られます。返済が厳しいと感じたら、早めの行動が状況改善のために重要です。

保険など、万が一の備えを十分に用意していなかった

人生には予期せぬ出来事がつきものです。病気やけがで働けなくなる可能性は、誰にでも起こり得ます。そのため、人生最大の買い物である住宅購入には、事前の備えが欠かせません。

適切な保険に加入せずに住宅ローンを組むと、不測の事態に対応できなくなるリスクがあります。万が一に備え、保険の検討や家計全体の見直しを行うことが、安心して住宅ローンを利用するための重要なポイントです。

住宅ローンが払えなくなる前にできる3つの対策

以上のような事態を避けるため、早めの対策が重要です。具体的には以下の3つの対策が考えられます。

収入や支出を見直す

住宅ローンの支払いが厳しくなる原因は、収入に対する支払額の割合が増加することにあります。

まずは家計の見直しが必要です。日常の収支をチェックし、抑えられる支出があれば、その分を返済に回すことが重要といえます。

返済条件の変更交渉や借り換えを検討する

支払いが厳しくなってきた場合、できるだけ早い金融機関への相談が必要です。融資金の回収は金融機関にとっても優先事項なので、さまざまな提案をしてくれるでしょう。

主な対応策として以下が挙げられます。

  • 住宅ローンの借り換え
  • 返済額の減額
  • 月額払いとボーナス払いの返済額の内訳変更
  • その他の条件変更

任意売却する

どうしても返済が難しい場合は、任意売却という選択肢があります。これは債権者の合意のもと、金融機関と交渉しながら住宅を売却する方法です。

本来、不動産を売却するには、住宅ローンを完済して抵当権を抹消する必要があります。しかし、任意売却の場合、売却資金で住宅ローンを完済できない場合でも、債権者の了承を得て抵当権を解除し、売却を進めることが可能です。

任意売却には以下のメリットがあります。

  • 競売と比べてプライバシーが守られる
  • 市場価格での売却を目指せる
  • 別途売却費用が不要
  • 任意売却後に残債が残る場合の返済計画の交渉が可能
  • 契約日や引渡日の交渉が可能

【FAQ】住宅ローンの支払い困難な人のよくある質問

住宅ローンの支払いが困難になった場合の主な疑問について解説していきます。

フラット35の返済ができなくなったらどうなる?

まずは契約している金融機関への相談が必要です。フラット35では返済困難者向けの対応策が用意されており、返済方法の変更が可能となっています。ただし、変更には審査が必要です。

親が住宅ローンを返済できなくなったらどうなる?

親が住宅ローンを返済できなくなっても、子どもは連帯保証人になっていない限り、返済義務は発生しません。また親が死亡した場合でも、住宅ローン契約時に加入している団体信用生命保険により、保険金で残債が完済されます。

ただし、契約している住宅ローンが「親子リレーローン」の場合は、親の支払い不能時には子どもが返済を引き継ぐことになるため注意が必要です。

銀行に相談したら取り合ってくれる?

多くの金融機関では、返済困難者向けに返済条件の変更や一時的な猶予などの対応メニューを用意しています。

ただし、すべてのケースで対応してもらえるとは限りません。返済条件の見直し(リスケジュール)に応じるかどうかは、債務者の経済状況や返済意欲、金融機関の判断に依存します。特に、延滞が続いたり連絡を怠ったりすると、柔軟な対応が難しくなる場合もあります。

まとめ

住宅ローンの支払いが困難になった場合、早めに金融機関や専門家に相談することが不可欠です。最も避けるべきは、金融機関からの連絡を無視したり、対応を後回しにしたりすることです。

誠意ある対応を怠ると、金融機関は法的手続きに基づき強制的な債権回収に踏み切る可能性があります。その結果、住宅を失うだけでなく、個人の信用情報にも大きな影響を及ぼします。

こうした事態を回避するためには、早い段階で専門家に相談し、適切な対策を講じることが重要です。たとえば、任意売却や返済条件の見直しなど、状況に応じた解決策を検討することで、負担を軽減できる可能性があります。

困難な状況に直面した際は、とにかく早めに相談しましょう。

逆瀬川勇造さん

逆瀬川勇造さん からのコメント

宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士

住宅ローンは長期に渡る返済となることもあり、収入の減少などにより返済が厳しくなると、簡単に回復できないケースが多いです。「何とかなる」と楽観的に考えるのではなく、早い段階で手を打っていくことが大切だといえます。また、そもそも住宅ローンを借りる段階で、余裕を持った資金計画を立てることも重要なポイントです。借りるときの状況だけでなく、返済期間中に何かあっても大丈夫なように返済負担率を20%程度に抑えたり、手元にある程度のまとまった資金を残して置いたりといった対策をすることが大切です。借入時や返済が厳しくなったと感じたときには、不動産会社の担当者に相談するようにしましょう。

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