
この記事のポイント
- マンションの価値は築年数とともに下がるが、耐震基準や修繕状況といった全体の条件が価格に大きく影響する。
- 築年数だけでなく、管理体制や大規模修繕の履歴が資産価値を左右する重要なポイントとなる。
- 築年数が経過しても、リノベーションや立地の魅力で価格を維持・向上させることができる可能性がある。
「マンションは築何年以内で売却するのが理想的なのだろう?」
「マンションを売るには築何年までが限界なのだろう?」
このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。マンションの売却を検討している方や、将来的な購入を考えている方にとって、築年数が資産価値に与える影響は気になるポイントです。
実際、マンションの売却価格は築年数によって大きく変動します。
そこで今回は、マンションの資産価値の値下がり率について詳しく解説します。築年数ごとの売却価格の変化を年代別に分析し、具体的な事例も交えながらわかりやすくお伝えします。
この記事を読むことで、所有するマンションを売却するタイミングや予想価格を把握でき、将来の計画をより具体的に立てるための参考になるはずです。
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記事の構成
マンション価値を左右する6つの項目
マンションの資産価値を評価するには次の6つの要素が重要です。
- 建物の築年数
- 立地条件
- 耐震性や設備の耐用年数
- 建物の管理状況
- マンションの規模や階数
- 間取りや専有面積
これらの要素について詳しく解説していきます。
建物の築年数
マンションの資産価値を評価する際は、「建物」と「土地」に分けて考える必要があります。
土地の評価は、後述する「立地条件」によって変わります。一方で建物は経年劣化するため、新築からの経過年数によって価値が下がっていきます。そのため、「築年数」はマンションを評価するうえで非常に重要なポイントとなります。
また、分譲マンションの構造はほとんどが「鉄筋コンクリート造(RC造)」または「鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)」であり、これらには物理的な耐用年数があります。一般的にRC造は60~100年程度の耐用年数があるとされており、築50年を超えたマンションでは建替えの必要性が出てくることもあります。
立地条件
マンションの評価を決めるうえで、「立地条件」は最大の要素といっても過言ではありません。立地条件が良いほど、資産価値が高くなる傾向があります。
具体的には、以下の条件が挙げられます。
- 公共交通や道路交通の利便性が高い
- 商業施設や娯楽施設へのアクセスが良好
- 医療機関や教育機関が近くにある
- 街並みがきれいで、豊かな自然環境が整っている
- 治安が良く、安心して生活できる
- 自然災害のリスクが低く、安全性が高い
これらの条件が揃っている立地ほど評価は高くなります。
耐震性や設備の耐用年数
建物の築年数に関連する重要なポイントとして、「耐震性」の問題があります。
マンションを含むすべての建物は、「建築基準法」に基づいて建築されなければなりません。この法律には「耐震基準」が定められており、建築した年代によって適用される基準が異なります。
大きな違いとして、1981年6月1日施行の「新耐震基準」と、それ以前の「旧耐震基準」が挙げられます。2025年1月時点で、築44年の建物が新旧基準の境目となり、築45年を超えるマンションは「旧耐震基準」の建物に該当します。このため、築45年を超える物件は耐震性の不足が懸念され、大きく評価が低下する可能性があります。
また、住宅設備についても耐用年数が評価に影響します。たとえば、給湯設備や暖冷房設備は約10~15年、キッチンの調理設備や換気設備も同程度の耐用年数とされています。耐用年数が近い設備は交換や修繕が必要になるため、こうした設備が多いマンションほど評価が低くなります。
建物の管理状況
分譲マンションは区分所有方式で運営されており、複数の区分所有者によって構成される「管理組合」が建物全体を管理しています。管理組合は、マンションの資産価値を維持するため、適切な運営を行う役割を担っています。
マンションの管理には、日常的な維持管理に必要な費用を賄う「管理費」と、長期計画に基づいて実施される大規模修繕工事の費用に充てる「修繕積立金」が必要です。これらの費用は、管理組合員である区分所有者が分担して支払います。
さらに、管理組合の意思決定機関である総会への出席や、理事会を構成するための理事の選任、定期的な理事会への参加など、区分所有者にはマンションという資産を適切に維持・管理する責務があります。
こうした責務をすべての区分所有者が理解し、協力して運営されているマンションでは管理状況が良好です。一方で、管理組合の理解が不十分で運営が不健全な場合、建物の管理状況が悪化し、その結果、資産としての評価が低くなることがあります。
マンションの規模や階数
マンションの資産価値と規模には、一定の関係があります。
まず、大規模修繕工事費については、戸数が多いほどスケールメリットが働き、1戸あたりの負担額が少なくなります。そのため、修繕積立金が比較的安く抑えられる傾向があります。同様に、管理費も戸数が多いほど1戸あたりの負担が軽減される場合が多いです。
また、マンションの階数も資産価値に影響します。高層階ほど見晴らしが良く、外気も清潔であるため人気があります。特に最上階は、上階からの騒音がないため快適な生活を送りやすく、資産評価が高くなるポイントです。
間取りや専有面積
間取りや専有面積も、マンションの評価において重要な要素です。
間取りは通常「〇LDK」で表されますが、一般的に売れやすいのは「3LDK」とされています。その理由は、購入層として「ファミリー層」を考えたとき、多くの場合で3LDKが求められるからです。また、3LDKはファミリー層以外にも需要があります。たとえば、子どものいない夫婦やカップル、リモートワークを行う単身者が3LDKを選ぶケースも少なくありません。
一方で、間取りが「2LDK」や「1LDK」の場合、購入対象が限定されるため、売却の難易度が上がる傾向があります。
もちろん間取りはリフォームで変更可能ですが、さまざまなコストがかかるため、マンションの評価に影響するポイントといえます。
また、専有面積も重要です。たとえば、専有面積が60㎡台の3LDKでは、居間や個室のスペースが狭くなりがちで、3LDKとしての魅力が薄れてしまいます。
そのため、間取りに相応しい専有面積があるかどうかも、評価を左右するポイントになるでしょう。
築年数におけるマンション価値の値下がり率
分譲マンションの資産評価は築年数により変化していきます。ほとんどの場合は築年数が古いほどマンション価格は低下します。
下の表とグラフは公益財団法人東日本不動産流通機構が公表した、2023年における中古マンションの成約物件のデータに基づき、築年帯ごとの価格指数と前期比下落率を計算したものです。
| 築年帯 | 成約価格(万円) | 価格指数 | 前期比下落率 |
|---|---|---|---|
| 築0~5年 | 7,077 | 100 | – |
| 築6~10年 | 6,655 | 94 | -6.00% |
| 築11~15年 | 5,932 | 83.8 | -10.90% |
| 築16~20年 | 5,509 | 77.8 | -7.20% |
| 築21~25年 | 4,887 | 69 | -11.30% |
| 築26~30年 | 3,344 | 47.2 | -31.60% |
| 築31~35年 | 2,303 | 32.5 | -31.10% |
| 築36~40年 | 2,672 | 37.7 | 15.90% |
| 築41年~ | 2,260 | 31.9 | -15.40% |
※価格指数は築0〜5年を基準値(100)とし、ほかの築年帯については「築年帯の価格 ÷ 築0〜5年の価格 × 100」で計算しています。
参照:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)|REINS TOWER
つづいて各築年帯別の特徴について順に解説します。なお、上の表では「築0~5年」で算出していますが、新築マンションは購入時に上乗せされる「新築プレミアム」による例外的な値下がりが生じるため、以下の解説では「築1~5年」と表記します。
築1~5年
築1~5年のマンションは、新築同様の状態ですが、一定程度の値下がりが見られます。値下がり率はエリアによって異なり、マンション価格が高いエリアでは低く、価格が低いエリアでは1割以上の値下がりになるケースもあります。
築6~10年
築6~10年のマンションは、築年数が新しめであるため、需要が一定程度あり価格が安定しています。
築11~15年
築11~15年のマンションは、内装や設備の劣化が始まるため、修繕やリフォームの必要性が価格に影響します。修繕が未実施の場合、価格下落が大きくなる傾向があります。
築16~20年
築16~20年のマンションでは、大規模修繕工事の有無が価格に大きく影響します。工事が完了しているマンションは下落率が抑えられる一方、未実施のマンションでは価格下落が大きくなることがあります。
築21~25年
築21~25年のマンションは、内装や設備の劣化が進み、リフォームや修繕が未実施の場合、価格が下がりやすい傾向があります。
築26~30年
築26~30年のマンションは、購入希望者がリフォーム費用を見込む必要があるため、前期比で大幅に値下がりする傾向があります。
築31~35年
築30年を経過すると、購入後のリフォームがほぼ必須となるため、価格水準は新築時価格の約1/3にまで下がることがあります。
築36~40年
築36~40年のマンションでは、リフォームやリノベーションによる価値向上が見られるものの、築年数により価格は低く抑えられる傾向があります。
築41年以上
築41年以上のマンションは、「旧耐震基準」の物件が多いため、リノベーションが行われていても耐震性の懸念から価格が低下しやすい傾向があります。
【築年数別】マンションの売却価格相場
中古マンションの平均価格と平米単価をまとめたのが下表です。
| 平均価格 | 平米単価 | |
|---|---|---|
| 築6~10 | 6,655 | 100.54 |
| 築11~15 | 5,932 | 86.99 |
| 築16~20 | 5,509 | 78.15 |
| 築21~25 | 4,887 | 69.23 |
| 築26~30 | 3,344 | 51.48 |
| 築31~35 | 2,303 | 39.94 |
| 築36~40 | 2,672 | 50.49 |
| 築41~ | 2,260 | 46.37 |
出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)|REINS TOWER
築6~10年
築6~10年のマンション平均価格は6,655万円です。
この築年帯は、内装や設備の劣化がほとんど目立たず、新しさを求める購入希望者にとって人気があります。特に、ファミリー層や若い夫婦からの需要が高く、駅近や利便性の高いエリアでは売りやすい傾向があります。
また、価格帯が新築より抑えられているため、資産価値が安定しており、投資目的でも注目される築年帯です。
築11~15年
築11~15年の平均価格は5,932万円です。
この築年帯では、購入希望者にとってメンテナンス状況がポイントになります。日常の管理が行き届き、大規模修繕や設備交換が適切に実施されているマンションは、実需の購入層からの需要が維持されやすいです。
一方で、管理状態が良くないマンションは売却が難しくなることもあります。
築16~20年
築16~20年のマンション平均価格は5,509万円で、購入者にとって手が届きやすい価格帯となっています。
この時期のマンションは、大規模修繕工事がほぼ完了しているケースが多く、共用部分の状態が良好な物件は売りやすいとされています。また、価格帯が手頃であるため、投資目的の購入者からも注目される築年帯です。
築21~25年
築21~25年の平均価格は4,887万円と、5,000万円を切る価格帯で需要が増える時期です。
この時期には、大規模修繕工事がほとんどのマンションで実施済みであり、管理状況が良いマンションは売却しやすい条件が整います。ただし、内装や設備のメンテナンスが行き届いていない場合は、売却が難しくなることがあります。
築26~30年
築26~30年のマンションは、新築価格の50%以下となり、購入希望者にとって価格面で魅力的な築年帯です。
このため、実需だけでなく投資目的の購入者からも需要があります。一方で、内装や設備が劣化している場合には成約価格が下がる可能性が高く、事前にリフォームを行うことで売りやすさが向上します。
築31~35年
築31~35年のマンションは、購入後のリフォームが必須な状態であることが多いため、実需の購入層にはあまり向いていません。しかし、リフォーム済みの物件であれば購入希望者が集まりやすく、売却が進むこともあります。
また、状態が悪い物件については、不動産会社による買取再販が主な選択肢となり、個人向けの売却は難しい傾向があります。
築36~40年
この築年帯では、リフォームやリノベーションが行われた物件が多く取引されており、成約価格が一つ前の築年帯より上昇しています。
ただし、一般の個人がそのままの状態で売却する場合は、購入希望者が集まりにくく、価格が大幅に低下する可能性があります。不動産会社への買取が現実的な売却手段となることも多いです。
築41~50年
築41年以上のマンションは、「旧耐震基準」の物件が含まれることもあり、購入希望者が限られるため、一般的な売却は難しくなります。成約データとして表れるマンションの多くは、リフォームやリノベーションが実施され、状態が改善された物件です。
また、住宅ローンの利用条件が厳しくなるため、現金購入が可能な投資家や不動産会社が主な購入層となることが多いです。
築年数を考慮したマンション売却のポイント
築年数によるマンションの特徴をお伝えしましたが、ここでは各築年帯別に売却にあたってのアピールポイントを解説します。
築15~20年は修繕計画と管理状況をアピール
築15~20年のマンションは、1回目の大規模修繕工事が完了していることが多く、次回の修繕計画が策定されている時期です。修繕積立金との整合性が取れている計画を提示できれば、購入者に安心感を与えられるでしょう。
また、管理費や修繕積立金の納入状況、管理組合の収支報告書など、健全な管理状況を示す資料も重要です。管理状況を適切にアピールするためには、管理組合の活動状況を把握することが大切です。
築21~25年は耐震基準とリフォーム提案をアピール
築21~25年のマンションは、特に2000年6月以降に建てられた「2000年基準」のマンションが多く含まれます。この基準では、構造的な性能が向上し、耐震等級2や3を持つ高い耐震性能のマンションが建設されています。耐震性の高さをアピールすることは、購入希望者にとって大きな安心材料になります。
加えて、内装や設備の交換時期が到来している場合には、具体的なリフォームの提案を行うことが効果的です。リフォームの見積もりやアイデアを提示することで、購入希望者の決断を後押しできます。
築26~30年はリノベーションの可能性をアピール
築26~30年のマンションは、部分的なリフォームではなく、間取り変更を含む全面的なリノベーションが検討されることが多い時期です。リノベーションの可能性を購入者に伝えることで、購入後の生活を具体的にイメージしてもらえます。
リノベーション費用が高額になるため、購入希望者が慎重に検討できるよう、商談期間を長めに設定することも効果的です。購入者が十分に検討できる環境を整えることで、売却成功の可能性が高まります。
築35年以上はヴィンテージ価値や立地の魅力をアピール
築35年以上のマンションを仲介で売却するには、高いハードルがあると考えられます。ただし、古くても「ヴィンテージ価値」のあるマンションや、立地条件が非常に良い物件は例外です。
たとえば、歴史的価値のある建築物や、都心部の一等地に位置するマンションは、将来的な資産価値の期待から需要が見込まれる場合があります。
ヴィンテージマンション特有の魅力や、立地の利便性を具体的にアピールすることで、購入希望者の興味を引きやすくなります。
【FAQ】マンションの価値と築年数に関するよくある質問
マンションを売るときの価格と築年数の関係について、よくある質問についてお答えします。
マンションは築何年まで売れる?
中古マンションは築何年まで売れるのか、素朴な疑問だと思います。すでに説明したように、築40年を超えても売却されている事例はあります。ただし、築35年を超えると仲介での売却は難しくなるケースが多く、不動産会社による買取を検討する必要が出てくるでしょう。
こうした場合、「買取保証制度」を提供している不動産会社に依頼するのも一つの選択肢です。この制度を利用すれば、一定期間内に売却が成立しなかった場合でも、事前に決めた価格で不動産会社が買取ってくれるため、売却の不安を軽減することができます。
マンションの築年数と固定資産税の関係は?
マンションの固定資産税は、建物と土地それぞれの課税標準額を計算し、それに税率を掛けることで算出されます。
建物部分の評価額は減価償却によって築年数が経過するほど下がるため、課税標準額も低下していきます。一方、土地部分の評価額は、公示価格の動きに連動するため、地価の変動によって上昇する場合もあれば、下がる場合もあります。
一般的に「固定資産税は築年数が古くなるほど低下する」と考えられがちですが、必ずしもそうとは限りません。たとえば、敷地が広い場合、土地の評価額が固定資産税全体の大きな比率を占めるため、地価が安定している地域では固定資産税があまり下がらないケースもあります。
中古マンションの築年数の限界は?
マンションの築年数の限界は、建物の物理的な耐用年数に大きく関係しています。一般的に、マンションで採用される鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の耐用年数は約60~100年とされています。一方、鉄骨造の分譲マンションはあまり多くありませんが、RC造に比べて耐用年数が短いとされています。
物理的な耐用年数を迎えると建替えが必要になりますが、これまでに建替えが行われた分譲マンションの築年数は、40~50年が最も多いというデータがあります。ただし、建替えには区分所有者の合意形成や資金調達など、解決すべき課題が多いため、築60年を超えても建替えが実現しないケースも少なくありません。
まとめ
マンションの築年数は、購入後に変えることができない固定の要素です。そのため、築年数が進むにつれてマンション価格が下落するのは避けられないといえるでしょう。
マンションを売却する際は、築年数が進むほど売却活動が難航するケースも多いので、適切なタイミングで売却を進めることが重要です。
不動産SHOPナカジツでは、売却が難しい不動産について買取保証を行っています。この制度を利用すれば、一定期間内に売却が成立しない場合でも、事前に設定した価格で買い取らせていただくため、築年数が進んだマンションでも安心して売却を進められる可能性が高まります。
査定や売却手続きは専門スタッフがサポートしているので、初めての売却でもスムーズです。
マンションの売却をご検討中の方は、不動産SHOPナカジツにぜひご相談ください。安心のサポートで、大切な資産の売却をお手伝いいたします。










































