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リバースモーゲージとは?概要や特徴、注意点などを解説

リバースモーゲージとは?概要や特徴、注意点などを解説

掲載日:2020.08.27

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リバースモーゲージとは

老後生活などの資金調達方法として「リバースモーゲージ」が注目されています。リバースモーゲージとは一体どのような方法なのでしょうか。

リバースモーゲージとは何か、仕組みや住宅ローンとの違いリスクやデメリットなど、知っておきたい基礎知識について解説します。リースバックなど、他サービスとの比較検討にも役立ててください。

リバースモーゲージの仕組みとは

リバースモーゲージとは「自宅を担保にして住み続けながら資金を受け取り、契約者が亡くなると同時に自宅を売却して、借りたお金を返済する方法」です。日本語訳をすると「逆抵当」になります。

リバースモーゲージの仕組みを理解するために、簡単な例を見てみましょう。

老後の生活費を捻出するために、金融機関のリバースモーゲージに申し込んだとします。住んでいる自宅を担保に、月々の生活費にあてるお金を受け取りました。自宅はあくまで担保なので、住み続けることが可能です。月々10万円ずつ受け取り、受け取った額(融資総額)が500万円になったところで自宅に住んでいた契約者が亡くなりました。金融機関は担保にしていた自宅を売却し、融資したお金を回収しました。

これがリバースモーゲージの仕組みの例になります。

リバースモーゲージは「担保にした家を住み続けながら生活費などの融資を受けられる」というメリットがあります。お金の受け取り方も、一括で受け取る方法や年金のように分割して受け取る方法があるため、老後生活の資金調達方法としてよく使われているのです。

リバースモーゲージとリースバック・住宅ローンの違い

リバースモーゲージは「自宅などの不動産を担保にして資金調達する方法」なので、金融機関や不動産会社の他サービスと混同されがちです。

リバースモーゲージと他サービスでは内容が異なっており、使うべき場面も違っています。リバースモーゲージと混同されがちなリースバックや住宅ローンとは何が違うのでしょうか。

住宅ローンとは、住宅取得のためのローンサービスです。住宅ローンも住宅に担保を設定するという点で似ています。しかし、住宅ローンとリバースモーゲージでは目的や仕組みが違っているのです。

リバースモーゲージと住宅ローンの違い

住宅ローンは、銀行などの金融機関に住宅取得のために資金を一括で借り、住宅に担保を設定して、毎月少しずつ借りたいお金を返済します。リバースモーゲージは、住宅に担保を設定して、毎月少しずつあるいは一括でお金を受け取ります。返済は基本的に亡くなったときです。担保にした不動産の換金で融資した金融機関などが融資分を回収する仕組みになっています。このように、住宅ローンとリバースモーゲージでは仕組みが違っているのです。

仕組みの他にも、リバースモーゲージと住宅ローンでは資金調達の目的が違っています。住宅ローンは戸建住宅やマンションなど、住居を取得するための借り入れです。リバースモーゲージは生活費やリフォーム費用などの目的で使われています。

また、住宅ローンは基本的に金融機関のサービスですが、リバースモーゲージは自治体(都道府県社会福祉協議会)なども提供しているサービスです。

リバースモーゲージとリースバックの違い

リースバックとは、自宅を売却し、売却後も賃料を払って住み続ける不動産売却方法です。リバースモーゲージとは住み続けるという点で似ているため、よく混同されるサービスになります。

リースバックは不動産売却なので、自宅自体を買主に売ってしまいます。そして、自宅の売却金というまとまった資金を受け取ることになるのです。リバースモーゲージは担保を設定しての融資ですが、リースバックの場合は売却なので売却金です。お金を借りるわけではありません。

リースバックは人に売った家に賃料(リース料)を払って住み続けますが、リバースモーゲージの場合は売却しているわけではないため、賃料の支払いは不要です。

リバースモーゲージは、亡くなったときに自宅を売却などで換金し、サービスの提供側が融資分を回収します。対してリースバックは不動産売却時に特約を結ぶことで、売却した自宅の買戻しをすることも可能です。

リバースモーゲージは自治体や金融機関が主な提供先ですが、リースバックは不動産会社が主な提供先であるという違いもあります。

リバースモーゲージとリースバックは共に生活費などの資金調達目的で使われます。くわえて、リースバックは住宅ローンの返済問題を解決したいときにも使われる方法です。

老後資金を検討する老夫婦

リバースモーゲージの特長と注意点

リバースモーゲージには特長と注意点があります。より自分に合ったサービスを比較検討するためにも、リースバックのメリットやデメリット、リスクはしっかり理解しておきましょう。

リバースモーゲージの特長

リバースモーゲージには5つのメリットがあります。

  • 自宅に住み続けられる
  • 老後の生活費の調達に使える
  • 柔軟な目的で使える
  • 条件が比較的緩やかである
  • 本人生存中の返済義務がない

リバースモーゲージの最大のメリットは、自宅に住み続けながら生活費などを調達できる点です。

資金調達法の中には第三者に住宅を売却し、自分は賃貸などに引っ越しをする方法などもあります。しかし、すべての人がこの方法を使えるわけではありません。高齢者の場合、引っ越しや生活環境の変化が心や体の害になる可能性があります。リバースモーゲージは引っ越し不要で生活費の調達に使える点がメリットです。

くわえて、リバースモーゲージの中には資金の使途が比較的自由なものが多いというメリットがあります。老後生活費の捻出以外の目的以外では、バリアフリー住宅などへのリフォーム資金や旅行費用などとしても利用可能なケースがあります。

ローンやキャッシングなどで資金調達しようと思っても、高齢者の場合は年齢の条件に引っかかり、利用できないケースも少なくありません。リバースモーゲージは高齢者の生活費捻出のためによく使われる方法ですから、年齢などを含めた利用条件も比較的緩やかになっています。ローンやキャッシングの対象外になってしまう場合でも、リバースモーゲージなら利用できるというケースもあるのです。

リバースモーゲージによる融資は、基本的に本人が亡くなってから返済します。本人が生活している間は利息などを返済し、返済分の中でも大部分を占める元本部分は基本的に本人が亡くなってから返済することになるのです。担保不動産で返済しますので、仕事によって収入を得ることが難しい高齢者なども利用しやすい仕組みになっています。

リバースモーゲージの注意点

リバースモーゲージには7つのデメリットやリスクがあります。

  • 対象になる家が少ない
  • 利用希望者がすべて使えるわけではない
  • リバースモーゲージの審査がある
  • 相続人とのトラブルになることがある
  • 不動産価値下落のリスクがある
  • 長生きリスクがある
  • 金利変動リスクがある

リバースモーゲージは対象になる不動産が限られるというデメリットがあります。家を担保にして融資を受けようとしても「この家では担保として不十分です」「不動産が条件を満たしていません」と断られる可能性があるのです。対象になる不動産の少なさから、利用希望者がすべてリバースモーゲージという方法を使えるわけではないというデメリットにもつながっています。

リバースモーゲージには審査もあるのです。リバースモーゲージは家を担保にお金を渡し、最終的に不動産から融資分を回収するサービスになります。回収できなければ、サービスを提供する金融機関などは打撃を受けてしまうことでしょう。本当にその人にお金を貸して大丈夫か。担保としての家の価値は十分か。金融機関などが判断するための審査があり、審査パスしないと利用できません。

さらに、不動産価値が下落のリスクがあります。リバースモーゲージで自宅を担保にして融資を受けると、担保の価値の範囲内で融資が行われるのです。担保である自宅の価値が下がってしまうと、貸してもらえるお金が減ってしまいます。

たとえば、最初の担保の価値判断が2,000万円だったとします。翌年に評価を見直したら1,500万円でした。当初は2,000万円の価値に合わせて融資してもらえたはずなのに、価値の下落により1,500万円に合わせた融資になります。予想していたよりお金を借りられません。

また、すでに担保の価値を超えた融資が行われていれば、超過分の返済をしたり、家を失ったりするリスクがあります。不動産の担保価値は毎年見直しされるため、注意が必要です。

長生きによるリスクもあります。不動産価値は市況や情勢などによって上下することがあるのです。不動産価値が下がってしまうと、借りられる金額が少なくなるリスクがあるのです。

金融機関などはリバースモーゲージに期間を設けていることがあります。たとえば25年のリバースモーゲージを65歳で借りたとしたらどうでしょう。そして、100歳まで生きたとしたらどうでしょうか。リバースモーゲージが90歳で終わってしまい、返済のために自宅を失うリスクがあります。

リバースモーゲージは変動金利を使うことが多いため、金利変動リスクにも注意が必要です。リバースモーゲージの利用中に変動により金利が高くなってしまうと、リバースモーゲージの融資や返済にもマイナスの影響が出ます。金利が変動した分だけ借りられるお金が減る可能性があるのです。加えて、利息分を毎月返済するタイプのリバースモーゲージだと、返済が増えるというデメリットもあります。

リバースモーゲージの利用には相続人全員の承諾が必要です。これは、相続トラブルを防ぐための措置になります。しかし、相続人全員の承諾を求める段階で相続人とのトラブルになる可能性もあります。相続人同士がリバースモーゲージの利用をめぐって意見の不一致から揉めることもあるのです。

中古住宅

リバースモーゲージの利用がおすすめの人

サービスはそのサービスに適した人が使ってこそメリットがあります。リバースモーゲージも同じです。

リバースモーゲージの利用がおすすめなのは次のような人です。

  • 老後資金に不安がある
  • 家族からの老後資金の援助が難しい
  • 高齢になってから融資を検討した
  • 自宅を遺す必要がない
  • 老後は老人ホームなどで暮らすので自宅はいらない
  • 資金調達したいが自宅は失いたくない
  • リバースモーゲージを利用するときは、他のサービスともよく比較して決めることをおすすめします。

まとめ

リバースモーゲージとは、自宅を担保にすることで自宅に住みながら資金援助を受ける方法です。老後の資金調達方法としてよく使われる方法になります。

リバースモーゲージには住み続けながら資金調達できるというメリットがあります。リースバックにも、不動産売却により資金調達しつつ住み続けられるという似たメリットがあるのです。「住み続けたい」「資金調達したい」などのニーズがある場合は、リースバックとリバースモーゲージのどちらがより自分のニーズに合っているか、比較した上で検討することが後悔しないためのポイントです。

不動産会社などにも相談し、自分にとってメリットのある方法を探しましょう。

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