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共有名義の住宅における住宅ローンなどのメリット・デメリットとは

共有名義の住宅における住宅ローンなどのメリット・デメリットとは

掲載日:2020.11.18

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住宅を取得する際、夫婦や親子などの共有名義とすることができます。当初は単独名義で考えていたが、借入金額を増やすために共有名義を勧められた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

住宅の所有者が1名の場合、持分は100%です。住宅を夫婦で半分ずつ所有する場合、それぞれの持分は50%となり、この割合に合わせて住宅ローンの借入金額を設定します。

住宅を共有名義にすることで、住宅ローンや将来にどのような影響があるのでしょうか。この記事では、住宅の共有名義とは何か、そのメリットやデメリットとともに解説します。

共同名義の住宅の住宅ローンメリット・デメリット

共有名義の住宅とは

住宅を購入・建築する際、一般的に住宅の所有者や抵当権の有無など不動産の情報を法務局に記録します。これを登記と言いますが、複数名の所有者を登記することもできます。住宅の所有者を1名で登記する場合を単独名義、2名以上で登記する場合を共有名義と言います。

共有名義は、夫婦や親子で資金を出し合い、住宅を購入した場合などで行われます。単独名義とは異なり、1つの不動産に対して複数名が関わるため、単独名義とは異なるメリットやデメリットがあります。

なお、この記事では夫婦の共有名義を想定して解説します。

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住宅を共有名義にするメリットとデメリット

メリット

共有名義のメリットを理解し、メリットを活かせるといいでしょう。ここでは住宅を共有名義で取得する場合のメリットを3つ紹介します。

住宅ローンの借入額を増やせる

共有名義にするメリットの一つとして、住宅ローンの借入金額を増やせる点があります。たとえば夫婦で住宅を購入するケースを考えてみます。夫の年収300万円、妻の年収300万円の場合、夫の単独名義で住宅を購入しようとすると、年収300万円に応じた金額しか借りられません。

しかし、夫婦の共有名義で住宅を購入すれば、年収を合算した600万円に応じた金額を借り入れることができます。住宅ローンの審査でも年収600万円が基準となりますので、審査に通りやすくなります。

所得税・住民税の軽減額が増える

共有名義は、借入金額を増やすためではなく、住宅ローン控除を効果的に活用するために利用することもできます。単独名義と共有名義では、どの程度、所得税や住民税の軽減額が変わるか確認します。

たとえば、夫の年収400万円、妻の年収300万円の共働き世帯でシミュレーションします。借入金額3,000万円、金利1.49%(固定金利/2022年12月フラット35最頻金利)、返済期間35年のケースで考えてみます。

<単独名義と共有名義 住宅ローン控除額の違い>
  単独名義 共有名義(持分割合)
夫(80%) 妻(20%)
借入金額 3,000万円 2,400万円 600万円
初年度控除額 106,650円 106,650円 41,000円
控除額合計 約138.7万円 約138.7万円 約45.7万円

住宅ローン控除は、借入当初から13年間は年度末の住宅ローン残高の0.7%を控除できます。残高が3,000万円なら21万円控除できますが、所得税が21万円に満たなければ、所得税額が控除額の上限となります。引ききれない分は住民税からも控除されますが、支払っている税金以上に戻ってくることはありません。所得の少ない人ほど控除額の枠を使っていないため、共有名義で妻も控除を活用できれば、世帯として受けられる控除額合計は増えます。

上記のシミュレーションは、一定の条件のもとで算出していますので、あくまで参考程度です。実際に共有名義により、住宅ローン控除を最大限に活かせるかどうかは、ご家庭の条件で事前シミュレーションして、控除額を確認しましょう。

夫婦の共有名義で住宅を取得すれば、たとえば夫が亡くなり、相続が発生したときに、妻は夫の持分のみを相続することになります。夫が単独名義で所有していた場合と比べると、相続税評価額をおさえることができます。ただし、配偶者の税額軽減制度があるなど、夫婦間の相続については課税されないケースが多いため、節税のメリットを受けられる方は限られています。

共同名義の住宅の住宅ローン

デメリット

住宅を共有名義で取得する場合のデメリットを3つ紹介します。共有名義を希望する場合は、デメリットも理解しておき、対策できるものは事前に対策しておきます。

売却手続きが煩雑になる

将来、共有名義の住宅を売却するかもしれません。自分の持分だけを、共有者の同意なく売却することはできます。しかし、共有者は別の第三者と住宅を共有することになり、現実的ではありません。

共有名義の住宅を売却する場合、売却前にどちらか一方の単独名義とするか、共有名義のまま売却することになります。共有者全員の売却する意思が必要です。

共有名義のまま売却する場合、不動産売買契約書には、共有者全員の署名と捺印が必要となり、単独名義と比べると、手続きは煩雑です。売却に同意していなければ説得する必要があり、売却まで時間がかかるのもデメリットとなります。

共有名義者の収入が0になってもローンの支払いが続く

共有名義として住宅ローンを組む場合、夫婦それぞれが住宅ローンを支払います。夫婦が順調に働いていれば問題ありませんが、転職せざるをえなかったり、出産で退職したりした場合、収入が減少し、支払いが滞る可能性が出てきます。

収入がなくなれば、住宅ローン控除も受けられなくなります。そのため、住宅ローン控除の適用期間や住宅ローンの返済期間の資金計画を立て、収入が減少した場合の対応も考えておく必要があります。

離婚時にもめる可能性がある

夫婦が共有名義で住宅を取得しても、離婚をした場合、住宅の持分についてもめる可能性があります。一方が持分を売却して今後の生活費にしたい、もう一方は売却せず住み続けたいと考えた場合、住宅の扱いに問題が生じます。ただし、単独名義であればもめないということではありません。たとえば夫の単独名義の住宅であっても、婚姻期間中に築いた資産であれば、財産分与の対象となります。共有名義であれば、夫の独断で住宅を売却し、現金化するのを防ぎやすくなります。

離婚による住宅の扱いは、どちらか一方に、持分を贈与するか、共同名義のまま第三者に売却することのどちらかになるでしょう。持分についてだけでなく、住宅ローンの返済方法についても検討する必要があります。

なお、離婚による財産分与で贈与をする場合、原則、贈与税は非課税となります。

共有名義の住宅取得で住宅ローンで控除を受けるには

共有名義での住宅取得を考え、夫婦がそれぞれ住宅ローン控除を適用したい場合は、ペアローンで夫婦それぞれが住宅ローンを組むか、連帯債務で収入合算することになります。

ペアローンは、夫婦それぞれが住宅ローンを組むため、それぞれが住宅ローン控除を適用でき、団信への加入が可能です。しかし、住宅ローンにかかる諸費用もそれぞれ支払わなければなりません。

一方、連帯債務も、それぞれが住宅ローン控除を適用できますが、住宅ローンは1本ですので、団信に加入できるのはおもな債務者のみとなります。反面、住宅ローンにかかる諸費用も1本分のみとなります。

住宅ローン控除

住宅ローン控除は、借入当初から10年間は年度末の住宅ローン残高の1%を控除できる制度です。先ほどご紹介した住宅ローン控除のシミュレーションを参考に、控除を最大に活かせるか検討してみましょう。

さて、引き続いて夫婦それぞれ住宅ローン控除を受けることが可能な「ペアローン」と「連帯債務型住宅ローン」についてさらに解説します。

ペアローン

ペアローンは先ほども説明した通り、夫婦それぞれが同一物件に対して住宅ローン契約を行います。さらにお互いが連帯保証人になります。銀行によって変わりますが、債務者が同居していることが条件になる場合があります。

ペアローンが向いているケースとして、夫婦ともに安定して収入があること、出産・育児のライフイベント後も同じように収入を得られることが挙げられます。また、ペアローンは夫婦どちらも主債務者となるため、団体信用生命保険への加入が必要となります。

連帯債務型

連帯債務は、夫婦が共有名義で、夫婦ともに住宅ローン債務者となり返済する方法です。債務者が返済できないときに連帯保証人が返済する連帯保証とは異なり、夫婦ともに全額を返済する義務があります。夫婦それぞれが住宅ローンを組むペアローンと同様、共有名義となり、住宅ローン控除もそれぞれ適用できるのが特徴です。

共同名義の住宅の住宅ローン控除

共有名義とならない住宅ローンの組み方

住宅ローンを利用して住宅を取得する場合、名義による違いを理解しておく必要があります。単独名義、ペアローン、収入合算(連帯保証、連帯債務)などの住宅ローンの組み方によって、住宅ローン控除が適用できるか、団信に加入できるかが異なります。

なお、ペアローンと収入合算を取り扱っている金融機関は多いですが、収入合算は一般的に、連帯保証型か連帯債務型のどちらか一方のみしか取り扱っていません。

単独名義

単独名義は住宅を単独で取得しますので、登記の所有者や住宅ローンの債務者も単独です。単身者や専業主婦(夫)のいる世帯で夫(妻)のみの場合は、単独名義で住宅を取得することになるでしょう。

単独名義は、単独で十分な収入があることが前提となりますが、所有者が1名であるため、売却するときや相続が発生したときに、共有名義と比べると、権利関係は単純でトラブルになりにくい特徴があります。

連帯保証型

連帯保証では、住宅ローンのおもな債務者が返済できない場合に、連帯保証人が返済しなければなりません。住宅ローンは、一般的に連帯保証人が不要で、保証が必要な場合は保証会社がその役割を担っています。住宅ローンにおいて、連帯保証人が必要となるのは、「夫が単独名義で住宅ローンを組むが、妻と収入を合算したい」とき、「夫婦が共有名義で住宅を取得するため、お互いが連帯保証人になる(ペアローンの)」ときです。

前者は連帯保証型といい、住宅ローン控除を受けられるのは夫のみですが、ペアローンは夫婦それぞれが借り入れするため、住宅ローン控除もそれぞれ適用できます。

まとめ

住宅ローンを利用して、住宅を共有名義で取得する場合、住宅ローン控除額も踏まえて、より良い方法を取るといいでしょう。ペアローンでは、夫婦それぞれが諸費用を支払わなければなりませんが、控除額合計が諸費用以上に増えれば、メリットを受けられます。住宅ローン控除については、支払っている税金額が上限となる点に注意しましょう。

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