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施主支給を考えているなら知っておきたいこと|メリット・デメリット、ポイントなど解説

施主支給を考えているなら知っておきたいこと|メリット・デメリット、ポイントなど解説

掲載日:2020.11.19

この記事は1年以上更新されていません。内容が古くなっている可能性がありますのでご注意下さい。

おうちを新築するときや、リフォームする際には、「以前から参考にしていたサイトと同じ設備が欲しい!」「カタログで見かけたこの建材を使いたい」と思ったことはありませんか?

担当してくれるハウスメーカーでは取り扱っていないなら、諦めるしかないのかも……とお考えの方、ちょっとお待ちください!

誰もが持っている『おうちへの熱いこだわり』を、どうしても叶えたい!という方にオススメな、『施主支給(せしゅしきゅう)』という制度をご紹介させていただきます。

施主支給とは

≪ 施主支給の概要 

設備・建材の発注業務を自分で行い、照明やタオル掛けなど、好きな設備や建材を自分で決めることができます。

安い代替品を見つけて購入したり、お気に入りのデザインのものを選べたりと、選択肢がかなり幅広くなりますが、本来施工会社が担当する部分を自分で務めるため、手間時間もかかります。

その分リスクも背負うことになりますので、下記に挙げるメリットやデメリットを考えながら、利用を検討していきましょう。

施主支給のメリット

好きな製品を選べる

 施工会社が薦める製品から選ぶのではなく、ネットなど、自分で見つけた自分好みの製品を選ぶことができる ≫

施工会社の取り扱い製品の範囲を飛び越えることができるため、海外製品を個人輸入したり、知人の製作物を取り入れたりすることが可能になります。

今はインターネットで様々な製品が検索でき、同じ商品でも取り扱うサイトごとに値段が異なり、商品を購入することで家電量販店と同様にポイントが貯まって、別の機会に値引きとして利用することができるサイトも存在しています。

家電量販店で実物を見て購入する場合でも、最新型よりもひとつ古い型式となった商品を安く購入できる場合もあり、施主支給の注目度がアップしています。

 今使っている思い出の製品を、新たな家でも使うことができる 

ずっと使用していて愛着があり、手放したくない……そういった思い入れのある製品も、 施工説明が可能であるならば、引き続き使用することができるのです。

お得に製品を購入できる

 安いお店やポイント還元のあるお店で購入することにより、施工会社で選ぶよりもお得に購入できる 

自分で購入するものを選ぶことができるため、アウトレット品中古品も選択肢に入れることができ、安いお店を探して購入が可能になります。

そして、DIYが可能であれば、その分工賃の節約にも繋がるのです。

施主支給のデメリット

トータルでは安くならない可能性がある

 製品が安くても、施工会社に取り付けをお願いした場合は施工費がかかる 

施工会社に取り付けを依頼した場合は、当然その分施工費が発生します。導入したい設備をどれだけ安く取り入れても、施工費だけで同等もしくはプラスになる場合があるので、手間をかけた割に、費用は安くならない場合があります。

 製品の受け取りのための人件費が発生する可能性がある ≫

製品発注後の荷物に関しては、本来は施主が受け取り、現場の所定の位置に運ぶのが基本です。

施工現場には「設備を受け取る仕事」をしている人はいないため、荷物の受け取りを依頼する場合その分の人件費が発生する場合があります。

受け取る際に仕事の手を止めて受け取らなくてはなりませんし、配送の日時が不明の場合は受け取れる人員が確保できないことも考えられます。

また、ドライバーが一人で運べないような大型で重い荷物は『車上渡し』となる場合も……。

車上渡しの場合、荷下ろしを含めた先の工程は荷受人がすべて行わなくてはならなくなるため、発注の際に配送システムはよく確認しておきましょう。

 施主支給の製品+施工費+製品の受取人への人件費のトータルを換算すると、施主支給は安くないことがある ≫

施工会社によっては施主支給自体を受け付けていない場合もあります。そして施主支給はできても、設備や建材、家電が限定されてしまう可能性も大いにあり得ます。

設備が限定され選択肢が狭くなったり、施工期日まで倉庫を借りたりすると、施工会社に依頼する場合と変わらない金額になる場合もあり、金銭面では思った以上に安くならないことも。

悩んだ場合は、一度ハウスメーカーの担当者に確認してみると良いでしょう。

工期が延びる可能性もある

 施主支給の製品が届かないことで工事が行えず、工期が延びることもある ≫

製品の納期はかなり重要なポイントとなります。設備が予定日に届かなければ予定していた工事や他の工事もストップしてしまいますし、予定日より前に届いてしまった場合は、作業の邪魔になり、置き場が無ければ、最悪屋外で雨ざらしになることも考えられます。

基本的に、施主支給する製品は工事の進行に大きく影響する箇所を避け、どうしても支給したい場合は、通常よりも段取りに余裕を持つことを意識しましょう。

≪  製品に不備があった際にも工期が延びる ≫

例えば、届いたタイルの何枚かに不備があり、必要な枚数が足りなかったり、フローリング材なら、反ったり湾曲したりしていて使えない、という問題が発生したとしましょう。

施主支給する場合、こうした問題が発生した際の手配や調整も、施主が行わなくてはなりません

施主支給する製品が輸入品の場合は、日本の規格に適合した製品であるかどうかチェックする必要があることや、もし再輸入となった場合にかなりの日数がかかる場合があることから、工期遅延のリスクが非常に高いため、注意しましょう。

 工期が延びることで入居時期がずれるだけでなく、施工費が増える可能性がある ≫

ひとつ工期が遅延すると、それに伴い施主支給をスムーズに行うために、配管・配線などの工事に間に合うように製品を決定し、実際の施工日に合わせた納品を行いましょう。

施主支給製品の管理は自分で行う必要がある

 製品の仕様・規格を把握したり、施工会社へ製品の説明をしなければならない  

施主支給品は、施主が製品のサイズはもちろん、どの部分にどんなサイズの配管が必要かといった詳細を把握することが必要で、施工会社に対し製品の説明と、図面の用意も行うことになります。

例えばコンセントの計画をするにしても、使用家電の電圧を間違えたために異なる形状の差込口を取り付けてしまい、電気工事がやり直しとなってしまう恐れも……。

実際に購入したり取り付けたりする前に、必要な情報を全て調べておく必要があるでしょう。

 製品の配送スケジュールや検品、リスクも施主自身が管理する必要がある 

製品の梱包を解いた時、傷がついていたり破損していた場合、責任の所在を追求することになります。

しかしながら、購入先の責任なのか、配送時に破損してしまったのか、それとも現場で移動させた際に付いたものなのか、どの段階で発生したのか特定しようとしても、個人での判別は難しい場合があります。こうしたトラブル時の対応施主が行うこととなるため、しっかりと管理体制を確認しておきましょう。

施主支給部分の保証は施工会社では受けられない

 施主支給部分は施工会社からの保証を受けられない 

施主支給で持ち込んだ製品がモデルチェンジ前の商品など、カタログ落ちしている商品に関しては、生産終了後の部品保管期間早く終了してしまうことになるので、修理したくても部品が手に入らないといった可能性も考えられます。

そして、施主支給で取り付けた設備について、施工会社からのサポートは受けることができません。住んでから施主支給品にトラブルがあったとしても、明確な施工不良以外は、すべて自己責任で対応することになります。

製品ごとに問い合わせ窓口が異なる場合は、お問い合わせまでに時間がかかり、対応が遅れてしまう恐れもあります。

 施主支給部分が原因で他の部分に損傷を与えた場合でも施工会社の保証の対象外 

例えば施主支給したキッチン内部の配管に不備があり、それが原因で漏水し床の張り替えとなった場合、工事費用は施主側負担となります。

商品が到着したら、可能な限り早めに施主が必ず直接確認を行いましょう。万が一不良品だった場合の返送手続きや、破損や不備による追加発注なども早急に対応する必要が出てきます。

施主支給をする際のポイント

まずは、施主支給を受けてもらえるか相談

 施主支給は施工側のリスクが高いこともあり、断られることがある 

施工会社側から考える施主支給のデメリットは、施主とのトラブル。せっかく施工を任せてくださったお客様との折り合いが悪くなってしまうことは、可能な限り回避したいことです。

そのため、施工会社によっては施主支給自体が断られてしまうケースも。

施主支給で設置した製品に問題が起きた場合の責任の所在や、メンテナンスのときの窓口などを事前に調べ、施工会社に明確に提示できるように準備しておくと良いかもしれません。

 施主支給を受けてもらえるもの(建材、設備、家電など)が限られている場合がある 

施主支給に前向きでない施工会社であっても、条件次第では施主支給を受けてくれることがあります。その際、専門業者による取り付け工事が必須となる、『システムキッチン』『ユニットバス』などの水まわりに関する設備は、配線や配管が複雑なだけでなく、何か問題があった時のリスクが大きいので、施工会社の経由を優先的に検討することをオススメします。

施主が専門業者であり、自社の製品を施主支給して使用したい!というような場合で無い限り、避けた方が無難であると言えるでしょう。

 まずは施主支給を受けてもらえるか施工会社に相談し、受けてもらえなさそうなら別の施工会社に相談する 

上記の例の他にも、高額な設備も施主支給を断られやすい要因となります。設備にこだわりがあり、どうしてもという場合は、別の施工会社に依頼したり、希望設備の購入から取り付けまでを行ってくれる業者を探すことも検討してみると良いでしょう。 

施主支給を受けてもらえる可能性が高い部分を確認

 取り付けが簡単な製品であれば施主支給を受けてもらえる可能性が高い ≫

施主支給について事前に相談した際に、「これなら他の工事の妨げにならない」「引き渡し後に施主自ら付けられる」と判断されたものであれば、施主支給に応じてもらえる可能性が高くなります。

 施主施行を受けてもらいやすい製品の紹介 

照明器具

設計段階で取り付けたい照明器具を相談すれば、比較的対応してもらいやすい。

※照明本体や取付器具の大きさ、形によっては、すでに配線後の場所では適切な位置にならない場合があるため、必ず設計段階で相談しておきましょう。

手洗い鉢

(洗面ボウル)

給排水管を繋ぐだけのため対応してもらいやすい。設計段階で相談しておくと良い。

※低価格で購入するポイントとして、まずは施工会社の提携先製品を確認し、ネット等と比較して選ぶと良いでしょう。場合によって、住宅会社の提携先で選んだ方が安くなることもあります。

タオル掛け

施主が自分で取り付けられると判断されやすい製品となります。

カーテン

カーテンレールを取り付ける場所には必ず下地が必要。また、カーテンボックス事前に設計しておかないと作ることができないので、いずれも設計段階で相談しておくのが良いと言えるでしょう。

エアコン

システムキッチンやユニットバスに比べて配管や配線が単純な設備です。不具合の原因を切り分けしやすく、エアコンを使用しない家庭でも、将来取り付けることを想定して下地や電源、配管穴などをつくっておくのが一般的となります。

※エアコンの場合は住宅会社を通すよりネットや量販店の方が安いことが多いので、物件の引き渡し後、家電量販店の設置サービスを利用してみてもよいかもしれません。

ポスト

建物とのバランスが取りやすく、比較的応じてもらいやすい製品となる。

担当設計士一緒に選ぶことで、建物との相性や施主のライフスタイルを考慮し、よい選択ができるはずです。

施工会社としっかり話し合う

 施主支給は、施工会社が本来行う作業を施主自身が行うこととなる 

本来であれば、メーカー等と直接やりとりを行い、取り寄せた図面を建物の図面に反映して、必要な部材(例えば製品側と建物側の排水口を繋ぐ配管など)を用意し、工事の段取りを決め……という、施工会社が行うはずの作業を、施主自らが担当します。施工会社と購入先との間に入って、念入りな打ち合わせおよび、その他多く発生する手間を施主自ら負担するからこそ、安く手に入れられるという施主支給のメリットが得られると言っても過言ではないかもしれません。

 施工会社と入念に話し合い、工期のズレや製品の不備などを最小限に留めるようにする 

施主支給を受けてもらえた場合、事前の入念なすり合わせが重要となります。特に支給品が輸入製品の場合は、施工会社や設計士と細かな打ち合わせはもちろん、事前の資料や図面の入手欠かせません

資料が揃わないまま先に施工を進めてしまうと、情報にズレが発生し工事がやり直しになる恐れがあるためです。

また、工事のスケジュールに影響しないよう、確定した納品日時をお伝えする必要があります。

タイルや壁のクロス、フローリングに関しては、数量を決定する前に一度施工会社に判断してもらうとよいでしょう。

支給品の一覧を作成して、ハウスメーカーの担当者に確認していただくとより安心ですね。

「安いから施主支給をする」というのは避けたほうがいい

 施主支給は安いが多くの手間がかかるため、安さ重視で施主支給を考えている場合は施工会社に相談したほうがいい 

施主が購入できるということは、施工会社でも購入が可能な製品ということも十分に考えられます。

製品情報を調べ、施工会社に購入を依頼できるのであれば、自分で購入するよりも費用はかかっても、自分の手間は省けます

そして、どうしてもインターネット上の写真で分からないのが、実際の品質や使い勝手。レビューを参考にするのも良いですが、総合的に考えるのであれば、プロ目線で見て頂いてから決めたほうが間違いや後悔が少なくなるかもしれません。

費用をできるだけ抑えたい方は、こちらもご覧下さい 。

 手間があってもこだわりたい部分があるなら施主支給がおすすめ 

施主支給は、施主側に十分な知識時間が必要ですが、こだわりの設備や建材などに手間暇を惜しまない方にはもってこいのシステム。

個人で購入しても施工会社が購入しても、金額がそれほど変わらない物は施主支給の効果が高いと考えられます。

ここまで読んでみて、施主支給にチャレンジしてみたい!という方は、可能であれば契約前、できるだけ早い段階でハウスメーカー側に相談してみましょう。

まとめ

施主支給についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

通常、施工会社は商品の手配と施工をセットで行う場合が多いこと、設備の内容により、設計段階での対策が必要になる場合もありえるため、早めにハウスメーカーに交渉することが重要となります。

そして、施主支給のために施主とメーカー間に入り、製品発注や取り付け工事を行ってくれるサービス も存在しているようです。

施主支給を上手く使うためには、施主支給の仕組みをしっかり理解し、自分に合った選択ができるよう準備しましょう。

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