耐震等級3とはどれくらい?地震に強い家とは?

耐震等級3とはどれくらい?地震に強い家とは?

掲載日:2021.05.27

マイホームを建てるとき、ハウスメーカーのホームページやパンフレット等で「耐震等級3」というワードを目にすることがあるかと思います。地震への強さを示す指標ですが、一体どのくらいの規模の地震に耐えられるのか気になるところですよね。今回は耐震等級3の家はどれくらい安心できるのか、具体的な基準などを解説していきます。

耐震強度3とは

耐震等級3は最高級?耐震等級について

耐震等級とは「建物がどのくらいの地震に耐えられるか?」の目安になる指標です。まずは耐震等級の概要や基準について、詳しく見ていきましょう。

耐震等級とは

耐震等級は「住宅性能表示制度」のなかの一つの基準です。地震が起きたときの強さについて、等級1~3の数字で示しています。

家を建てるときや購入するとき、間取りや内装は目で見てわかりますが、「どのくらい地震や火災に強いんだろう?」「省エネやシックハウスにはどのくらい対策されている?」といった細かい性能の違いについては、外見ではなかなか判断できませんよね。

そこで2000年に住宅の品質を客観的に評価するしくみとしてつくられたのが、「住宅性能表示制度」です。第三者機関が設計や工事をチェックして、耐震等級や耐火等級などが「住宅性能評価書」に記載されます。簡単に言うと、住宅の通知表のようなものですね。

耐震性能は住まいの安全性に大きく影響しますが、ハウスメーカーによって工法や技術も違うので、なかなか公平に比較するのが難しいもの。耐震等級の認定を受ければ、誰にでもわかりやすく地震への強さを「見える化」することができます。また経済的なメリットとして、地震保険の割引や、住宅ローンの金利優遇などが受けられることもあります。

耐震等級の3段階

耐震等級は1~3の数字で表され、数が大きくなるほど耐震強度が高いことを示します。

耐震等級1から耐震等級3の比較

耐震等級1

耐震等級1は、現行の建築基準法で定められた最低限の耐震性を満たしていることを示します。つまり1981年6月1日以降に建築された建物については、評価書の有無に関わらず、耐震等級1レベルの耐震性を持っているということです。

具体的には、以下のような性能を持っています。

【損傷防止】数十年に一度程度発生する地震(震度5強程度)で、著しい損傷を生じない
【倒壊等防止】数百年に一度程度発生する地震(震度6強~7程度)で、倒壊・崩壊しない

震度6強~7といえば、最近でいうと東日本大震災や熊本地震などのレベル。このような大地震で建物が損傷したとしても、人命が損なわれるような壊れ方はしないよう設計されています。

耐震等級2

耐震等級2は、等級1の1.25倍の地震力に耐えられる強度です。つまり震度6強~7レベルの1.25倍の力に対して、倒壊・崩壊しないような強度が求められます。

災害時の避難場所として指定されている学校・病院などの建物では、耐震等級2以上が確保されるようになっています。長期優良住宅の認定にも、耐震等級2以上が必要です。

耐震等級3

最も高いレベルが耐震等級3で、等級1の1.5倍の地震力に耐えられる強度です。つまり震度6強~7レベルの1.5倍の力に対して、倒壊・崩壊しないような強度が求められます。

耐震等級3は、災害時の救護活動の拠点となる消防署・警察署などの建物の基準にもなっています。

耐震等級3なら安心?耐震基準について

ここまで見てきた通り、耐震等級1であっても建築基準法における最低限の耐震性能は担保されています。「建築基準法のルールが守られているなら耐震等級1でも大丈夫なのでは?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

耐震等級1、つまり新耐震基準は、「震度6強~7レベルの地震でも人命が守られるように」という観点から決められたルールです。「命を守る」とはどういうことかというと、「震度6強~7レベルで揺れても、倒壊せずに人のいる空間を確保できること」を意味しています。

ここで注意したいのが、新耐震基準は単発の揺れには有効でも、連続した揺れまでは考慮されていないということです。1度目の揺れで倒壊はしなくても、2度、3度と繰り返し大きく揺れたとき、大きな被害を受ける可能性が否定できません。

また倒壊しなかったとしても、家が傾いたり大きな損傷を受けたりすれば、そのまま住み続けるのは難しくなります。住む場所がなくなったり、高額な補修費用がかかったりと、精神的にも経済的にも多大な負担がかかりますよね。

「人命を守る」だけでなく「安心して住み続けられる」という観点から考えると、等級2や3といった高いレベルの耐震性能を目標にされることをおすすめします。

【関連記事】新耐震基準法とは?旧耐震基準との違いや確認方法などを解説

耐震強度3は震災後の生活も守る

耐震基準4つのポイント

耐震性能を測る基準としては、主に次の4つの項目が重要です。耐震等級1(建築基準法)では、建物の重さ・耐久壁の量やバランス・接合部の強さがチェックされ、等級2や3になると床の強さについても検討されます。

建物は軽いほうが耐震性に優れている

建物の地震への強さを考えるとき、まず大切になってくるのが「重さ」です。特に屋根が重いと重心が高くなるので、地震の揺れの影響が大きくなります。もし床面積や耐力壁の量が同じなら、重い瓦屋根より、軽いガルバリウム鋼板屋根の方が耐震性能は高くなるということです。

これは人間が頭上に軽い荷物を持って立つのと、重い荷物を持って立つのを想像してみるとわかりやすいかと思います。頭の上に重い荷物を掲げて立ったほうが、フラフラするのがイメージできますよね。

耐力壁が多いほうが良い

耐力壁とは建物を支える役割をもつ壁のこと。普通の壁とは違って、筋交いや構造用面材などを入れて強度を高めてあります。木造2階建て以下の住宅では、耐力壁の量によって耐震性能を判断されることがほとんどです。

下表は、木造住宅で各等級を目指すために必要となる耐震壁の量です。耐震等級が上がるほど、必要な壁量は多くなります。

  等級1 等級2 等級3
耐震性 1倍 1.25倍 1.5倍
必要壁量 軽い屋根 1倍 1.55倍 1.86倍
重い屋根 1倍 1.75倍 2.09倍

等級3は等級1の1.5倍の耐震性を持ちますが、壁量は単純に1.5倍にしておけば良いというものではありません。実際には1.5倍の耐震性を確保するには、軽い屋根の場合で1.86倍の耐力壁が必要となります。

建築基準法(耐震等級1)で求められている壁量は、最低限の基準です。予想外の大地震や、連続した揺れに備えるためにも、等級2や3のような余裕をもった壁量を確保することも検討されると良いでしょう。

耐力壁や耐震金物をバランスよく配置する

耐力壁の量が十分でも、一ヶ所に集中していたらどうなるでしょうか。耐力壁が極端に少ない部分が弱点となって、地震を受けたときにそこから崩壊する可能性が高まりますよね。そのため耐力壁は量だけでなく、偏りのないようにバランスよく配置することが大切です。

耐力壁のバランスを確認する方法としては、「四分割法」や「偏心率」があります。四分割法は阪神淡路大震災を受けて2000年に基準法に組み込まれた、簡易的な方法です。

壁量計算「四分割法」

上図のように建物の各階を縦横にそれぞれ4分割。各端から1/4にあたる部分の耐力壁の量を比べて、つり合いがとれているかどうか確認します。

もう一つ欠かせないのが、大きな力のかかる接合部を固定する耐震金物です。大地震で建物が激しく横に揺れると、耐力壁の両端の柱に強い力が加わります。このとき柱と土台がしっかりつながれていないと、柱が引き抜けて倒壊の原因になりかねません。

地震力から生まれる引き抜力

そこで2000年の法改正では、柱と土台を固定する「ホールダウン金物」を設置して、柱の引き抜きを防止することが義務付けられました。「N値計算」で柱にかかる引き抜き力を計算し、適切な金物の位置や数を割り出すという方法がとられています。

床の耐震性能についてもしっかり検討が必要

耐震等級2以上とする場合は、床の強さについても検討します。地震の揺れに耐えるうえで要となるのは耐力壁ですが、そこにつながっている床が脆弱だと、先に床が壊れてしまって地震力を耐力壁へうまく伝えることができません。

耐震等級2や3を取得される場合は、「床倍率」という方法で床の強さをチェックします。床組の工法や厚さなどから床の強さを計算して、耐震等級2、3でそれぞれ必要とされている強度を満たしているか確認するという方法です。

耐震等級3には認定が必要?

耐震等級の認定は、すべての建物が取得しなければならないものではありません。あくまでも任意なので、ご自身の希望によって必要かどうか判断しましょう。

耐震等級2・3には認定が必要

耐震等級1は建築基準法さえ満たして入れば良いので、改めて住宅性能表示制度による認定を受ける必要はありません。しかし等級2・3を取得したい場合は、正式な検査を受けて住宅性能評価書を交付してもらう必要があります。申請には設計図書などの書類が必要なので、もし耐震等級2以上を取得したいという場合は、あらかじめハウスメーカーや工務店に相談しましょう。

【関連記事】住宅性能評価とは?評価される10分野の性能項目を解説

耐震等級3相当とは

「耐震等級3相当」という文言を見ることもありますよね。これは耐震等級3相当の性能をもっているが、正式な認定は受けていないことを意味します。

正式な検査を行って耐震等級の認定を受けるには、およそ10~20万円の費用がかかります。そのため耐震等級3と同レベルの材料や工法を使いつつ、正式な認定は受けないという選択肢もあるのです。

「耐震等級3相当」の家は、第三者機関による検査は受けていないため、実際に等級3レベルの耐震性能があるのかはハッキリとしていません。どんな計算に基づいて「耐震等級3相当」を謳っているのか確認する必要があるでしょう。また地震保険料の割引などのメリットも受けられないので注意してくださいね。

耐震性の強い家を建てたいときはハウスメーカーに相談

耐震等級の正式な認定を受ける費用は、数十万円単位と決して安くはありません。そのため「正式な等級を取得してしっかり確認したい」という方もいれば、「耐震性能が同じなら正式な等級は要らない」と判断される方もいるでしょう。限られた予算のなかで、どこに費用をかけるべきか、施工業者としっかり話し合うことが大切です。

また耐震等級は高い方が安心ですが、そのぶん間取りに制約がでたり、費用がかさんだりすることも。どのくらいの耐震性能の家を建てるのか決めるのは、家を建てるご家族と施工業者です。「耐震等級3にしたい」などの希望があるときには、設計段階で施工業者に相談しましょう。

まとめ

法律上は耐震等級1、すなわち建築基準法を守れば良く、等級2や3はあくまでも任意となります。大きな地震の後も安心して住み続けられる家をつくりたいという方は、余裕をもった設計の等級2や3を検討してみてくださいね。

ただし耐震等級を上げれば上げるほど、コストがかかったり間取り上の制約がでたりする可能性があります。どこまでの性能を求めるのか、どこまでコストをかけられるのか、正式な等級は取得するのか等、ハウスメーカーや工務店とよく話し合って決めることが大切です。

■執筆:住宅ライター 村田日菜子さん

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