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土地を売却する際、「消費税はかかるのだろうか」という疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
土地所有者の間で誤解が広がりやすく、理解が曖昧な場合も少なくありません。
その結果、正しい情報がないまま売却を進めることで、予期せぬ税金が発生し、重要な税務手続きを見落としてしまう可能性があります。
本記事では、土地売却時における消費税の基本的なルールから、関連する付随費用に対する課税の仕組み、法人が売却を行う場合の特有の注意点まで幅広く解説します。
この記事を読めば、土地売却に際して必要な消費税の知識をしっかりと身につけ、より安心して売却手続きを進めることができるはずです。
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地方銀行、住宅会社勤務を経て住宅や不動産を中心としたライターとして活動。現場で多くのお客様の対応で経験させていただいたことをもとに、専門知識に基づいた分かりやすい記事執筆に取り組んでいます。
記事の構成
土地売却では消費税がかからない
土地の売却取引において、売却額に消費税はかかりません。
これは消費税法第6条の規定により、土地の譲渡が非課税取引として定められているためです。
このルールは土地の規模や売却金額にかかわらず適用されます。1,000万円の土地を売却する場合でも5,000万円の土地を売却する場合でも、売却金額に対して消費税が発生することはありません。
また、不動産取引において土地は非課税取引ですが、建物部分は非課税取引の対象外です。
このため、土地と建物は明確に区分して扱い、土地の部分は非課税取引、建物の部分は課税取引として計算する必要があります。
なぜ土地売却では消費税が非課税なのか
土地取引が消費税の非課税対象となる理由は、土地の価値が人為的に生み出されたものではないためです。
消費税は、事業者がモノやサービスに新たな価値を付け加えた際に、その価値に対して課せられる税金です。
そのため、土地は人為的な生産や加工によって付加価値が付け加えられる商品やサービスとは異なり、自然資源として扱われ、課税の対象外とする方針が採られています。
ここで重要なのは、土地取引が「非課税」であって「不課税」ではないという点です。「非課税」は消費税の課税対象であるものの特例で課税されない取引を指し、「不課税」はそもそも消費税の対象外の取引を指します。
非課税取引は消費税法で明確に規定された取引であり、申告義務の対象となります。
土地売却で消費税がかかる諸費用
土地売却時には、土地の売却代金以外にも以下のような費用が発生します。
- 仲介手数料
- 建物の解体費用
- 測量費用
- 登記に関する費用
- ローン事務手数料
- 専門家への報酬
これらの費用の多くは、専門家によるサービスの提供や役務の対価として消費税の課税対象となります。
以下で、具体的な費用とその消費税の取り扱いについて説明します。
仲介手数料
不動産仲介会社に支払う仲介手数料には消費税がかかります。
仲介手数料は宅地建物取引業法により上限が定められており、その金額に対して消費税が上乗せされます。
| 売買価格 | 仲介手数料の計算式 |
|---|---|
| 200万円以下 | 売買価格 × 5% + 消費税 |
| 200万円超〜400万円以下 | 売買価格 × 4% + 2万円 + 消費税 |
| 400万円超 | 売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税 |
たとえば、売却価格2,000万円の物件の場合、仲介手数料の上限は取引価格の3%+ 6万円となり、この金額に消費税が加算されます。
建物の解体費用
土地売却に際して建物を解体する場合、その解体工事の費用には消費税がかかります。
解体費用は建物の構造や規模、地域性によって大きく異なりますが、いずれの場合も工事費用に対して消費税が課税されます。
解体工事には、建物本体の撤去だけでなく、廃材処理や整地作業なども含まれ、これらすべての費用に消費税が発生します。
測量費用
土地を測量する際に発生する費用にも、消費税が含まれます。
専門資格をもつ測量士による技術的なサービスが提供されるため、その対価として課税されます。
境界確定のための近隣との立ち会いや、測量図面の作成など、測量に関連するすべての作業費用が課税対象となります。
登記に関する費用
登記にかかる費用のうち、司法書士に支払う報酬には消費税が適用されます。
登記に関する費用は、登録免許税と司法書士への報酬に大きく分けられます。
登録免許税は国税であり不課税ですが、司法書士への報酬は消費税の課税対象となります。
また、必要書類の収集や申請手続きにかかる実費についても消費税が発生します。
ローン事務手数料
消費税がかかるものとして、金融機関に支払うローン事務手数料があります。
ローン完済時の手続きや、新規ローンの借り換えに伴う事務手数料など、金融機関が提供するサービスには消費税が発生します。
ただし、利息や保証料などの金融取引の本質的な部分は非課税取引として扱われます。
専門家への報酬
土地売却時に依頼する税理士や不動産鑑定士など、司法書士以外の専門家への報酬にも、消費税がかかります。
税理士による確定申告の相談や書類作成、不動産鑑定士による土地評価など、専門家が提供するサービスには消費税が発生します。
土地売却での消費税に関する注意点
土地を売却する際には、消費税の取り扱いに注意が必要です。特に、建物が併存する場合や事業用途で使用していた場合には、正確な税務処理が求められます。以下では、重要なポイントを簡潔に解説します。
土地と建物の消費税区分
土地は非課税取引、建物は課税取引として扱われます。このため、土地と建物の価格を明確に区分することが重要です。
固定資産税評価額や不動産鑑定評価を参考にして区分し、売買契約書にも具体的に記載しましょう。
土地・建物一括売却時の消費税計算
土地と建物を一括で売却する際、建物価格の算定は建築時からの経過年数や改修履歴を考慮します。計算を誤ると税務処理が適切でなくなるため、不動産業者や税理士に相談し、正確な価格按分を行いましょう。
消費税の還付申告
事業用として使用していた建物を売却する場合、支払った消費税が還付される可能性があります。還付を受けるには帳簿の保存や申告手続きが必要です。
事前に税理士などの専門家に相談し、必要な書類を準備するとスムーズでしょう。
法人の土地売却における消費税の扱い
法人が土地を売却する場合も、売却額自体は非課税取引として扱われます。ただし、会計処理や課税売上割合の計算など、税務上の取り扱いにおいて個人売却とは異なる注意点があります。
法人と個人の違い
法人による土地売却は、事業活動の一環として扱われます。そのため、土地売却に関連する非課税売上は売上台帳に記帳され、課税売上割合の計算に影響を及ぼします。これにより、消費税の計算における仕入税額控除が制限される可能性があるため、正確な記録と慎重な税務処理が求められます。
また、法人は帳簿の保存義務があり、土地売却に関する取引記録を適切に保管する必要があります。土地売却が課税売上割合に及ぼす影響を考慮し、事前に税務戦略を検討することが重要です。
課税売上割合と仕入税額控除
土地売却収入は非課税売上として計上され、課税売上割合の計算に影響を与えます。課税売上割合が95%を下回る場合、仕入税額控除に制限が生じ、個別対応方式または一括比例配分方式を選択する必要があります。土地売却額が大きい場合、非課税売上高の増加により課税売上割合が大幅に低下する可能性があるため、事前の試算が不可欠です。
土地売却時の仕訳
土地売却時の仕訳では、非課税取引としての特性を正確に反映することが求められます。基本的な仕訳例は以下の通りです。
▼土地売却代金の受け取り
- 借方:現金(または預金)
- 貸方:土地勘定
▼売却益または売却損の計上
- 固定資産売却益 / 固定資産売却損
また、仲介手数料や登記費用などの諸費用については、「販売費および一般管理費」として処理し、消費税の区分記録も必要です。適切な仕訳を行うことで、税務処理や会計監査におけるトラブルを防ぐことができます。
参考)借地権の譲渡では消費税が課せられる
借地権の譲渡は土地そのものの売却とは異なり、消費税の課税対象です。これは、借地権が「土地を利用する権利」として法的に認められ、人為的な価値が付与されているためです。
たとえば、商業地域で営業する事業者が保有する借地権をほかの事業者に譲渡する場合、譲渡価額に対して消費税が課されます。借地権の価値は土地の立地や権利内容、残存期間などによって大きく変動します。
借地権の譲渡を行う際は、適切な価格設定や消費税の計算が不可欠です。不動産の専門家に相談し、正確な税務処理を行いましょう。また、譲渡に伴い消費税の納税義務が発生するため、資金計画に税額を含めておくことが重要です。
なお、借地権の設定時に支払う保証金や権利金については、別途税務上の取り扱いがあります。
【FAQ】土地売却にかかる消費税に関するよくある質問
土地売却の際には、消費税の扱いについて正確な知識が必要です。以下では、一般的な質問に対する回答を解説します。
土地の用途で消費税に違いはある?
土地の売却は用途にかかわらず、すべて非課税取引として扱われます。住宅用地、商業用地、工業用地のいずれであっても、売却時の消費税の取り扱いは同じです。
また、土地の用途変更や開発行為を行った場合でも、土地の売却自体は非課税の対象となります。ただし、開発や造成にかかった費用には消費税が課される可能性があるため、事前に確認しておくことが重要です。
駐車場用地の売却でも消費税はかからない?
駐車場用地そのもの(土地部分)の売却
駐車場用地を売却する場合、それが舗装済みであったり区画が設けられている状態であったとしても、「土地の譲渡」という本質が変わらない限り、消費税は非課税取引となります。
これは、土地自体の譲渡に消費税を課さないという基本ルールに基づいています。
施設部分の売却が伴う場合
駐車場の精算機、フェンス、ライン引きなどの設備が付随している場合、それらの設備部分については「建物や設備の譲渡」として扱われ、消費税が課税対象となります。この場合、売買契約書で土地と設備を明確に区分する必要があります。
更地にして売却する場合
土地を更地にして売却した場合も、その土地自体の譲渡については非課税です。
ただし、更地にするための解体費用や不動産仲介会社に支払う仲介手数料には、消費税が課税されます。
土地を購入する場合も消費税はかからない?
土地の購入時においても、土地の価格自体に消費税は発生しません。
これは売却時と同様に、消費税法上の非課税取引として扱われるためです。
土地の購入代金には消費税がかかりませんが、仲介手数料や登記費用などの付随費用には消費税が発生します。
また、土地と建物を同時に購入する場合は、建物部分には消費税が課税されます。
このため、土地と建物の価格を適切に区分し、建物部分にかかる消費税を正確に計算する必要があります。
まとめ
土地売却を検討する際は、売却額に消費税がかからないことを理解したうえで、付随する諸費用と消費税を含めた総額を把握することが重要です。
不明な点がある場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
また、土地を売る際は消費税の扱いを理解することも大切ですが、トラブルを未然に防ぎ、より高く売却するための手伝いをしてくれる不動産会社を選定することも重要です。
不動産SHOPナカジツは年間契約数5,000件以上(23年度実績)の仲介実績がある地場に根ざした不動産会社です。ご希望やお悩みにあわせてご提案をいたしますので、お気軽にご相談くださいね。






































逆瀬川勇造さん からのコメント
宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士
不動産取引は動くお金が大きいため、かかる消費税の額も大きくなります。本記事でご紹介した通り、土地取引は非課税ですが、建物部分は課税取引になる他、仲介手数料や司法書士報酬などは消費税がかかる点は押さえておく必要があるでしょう。その他、土地の上に建物が建っている場合、売却益に課される譲渡所得税を計算するため、土地と建物を分けて算出する必要があります。購入時の売買契約書が土地と建物を分けて記載されていればよいですが、中には一括で記載されているケースもあります。後者の場合、建物の価格をどの程度の比率で算出すればよいかといった問題も生じる点に注意が必要です。土地の売却における消費税の算出についてお困りの方は、信頼できる税理士や不動産会社の担当者に相談されるのがおすすめです。