
この記事のポイント
- 不動産買取は売却スピードが速いが、買取価格は市場価格の7割程度になることが一般的
- 再建築不可物件や立地・用途に問題がある物件は買取不可となるケースがある
- 複数の業者に見積もりを依頼するなどして、買取価格の妥当性を確認することが重要
「不動産買取はなぜ相場より安くなる?」
「買取のメリットはわかるけれど、落とし穴はない?」
不動産買取という選択肢を見聞きした方の中には、このような疑問を持つ方も多いことでしょう。
そこで今回は、不動産買取のデメリットや注意点に焦点を当てて詳しく解説します。
記事を読むことで、不動産を売却する際の選択肢を正しく理解し、自分に合った方法を選べるようになるはずです。
売却で後悔しないためのヒントを得られる内容ですので、ぜひ参考にしてください。
記事の構成
不動産「買取」と「売買仲介」の違い
不動産の主な売却方法には、「買取」と「売買仲介」の二つがあります。
「買取」は、不動産会社が直接物件を買い取る方法で、売却までの期間が短く周囲に知られずに手続きを進められるのが特徴です。
一方「売買仲介」は、不動産会社が買主を探し売主と買主を仲介する方法です。
市場価格での売却が期待できますが、売却完了までに時間がかかることがあります。
また、「買取保証付き仲介」という方法もあります。
これは、一定期間内に仲介での売却が成立しなかった場合に、不動産会社があらかじめ決めていた金額で物件を買い取る仕組みです。
売却方法を選ぶ際には、売却希望時期や価格、手間のかけ方など、自身の状況や希望に合わせて検討することが重要です。
不動産買取のデメリット
不動産買取には多くのメリットがある一方で、さまざまなデメリットも存在します。
- 売買仲介よりも売却価格が安くなる
- 買取できない物件もある
- 買取対応している不動産会社は多くない
- 価格交渉が難しい
- 買取業者により価格のばらつきがある
- 今の物件用途を変更される場合がある
- 不当な取引をする悪徳買取業者もある
それでは、それぞれについて詳しく解説します。
売買仲介よりも売却価格が安くなる
不動産買取では、売却価格が仲介を通じた場合よりも安くなることが一般的です。この価格差の背景には、不動産会社が負うリスクと、それに見合ったリターンの確保があります。
買取を行う不動産会社の多くは、物件を仕入れた後、リフォームや改修工事を施し、一般消費者に向けて再販売します。この過程で、物件が売れないリスクを負うことになります。また、仕入れ価格に加え、リフォーム費用や販売経費、固定資産税などの維持費用も発生します。こうしたコストとリスクを考慮すると、買取価格が低くなるのは自然な結果です。
そのため、買取価格は、売買仲介での売却価格のおよそ7割程度にとどまるケースが多いとされています。
買取できない物件もある
不動産買取では、すべての物件が対象となるわけではありません。
再建築不可物件や用途変更が難しい特殊な物件は、買取対象外となることが一般的です。
不動産会社が購入後の活用方法を想定できない場合や、法規制による制約が強い場合には、買取を断られることがあります。
たとえば、建築基準法に基づく接道義務を満たさない物件や、老朽化が進んだ空き家などが一例として挙げられます。
こうした物件は、専門業者や買取特化型の企業への相談が必要です。
買取対応している不動産会社は多くない
不動産買取を行う業者は、仲介を専門とする不動産会社に比べて少ないのが現状です。
買取事業を展開するには、物件を仕入れるための潤沢な資金力が必要です。
加えて、リフォーム工事の手配や再販時の販売力など、総合的な不動産ビジネスの経験とノウハウも求められます。
このため、買取事業に参入できる不動産会社は自ずと限られてきます。
不動産買取を検討する際は、複数の買取業者に相見積もりを依頼することが望ましいものの、地域によっては対応可能な業者が限られる可能性を考慮に入れる必要があります。
価格交渉が難しい
買取では、売買仲介と比較して価格交渉の幅が狭い場合があります。提示される価格は、物件の状態や立地条件、転売可能性などを総合的に考慮した結果であり、大幅な価格上昇を交渉で期待するのは難しいでしょう。
一方、売買仲介では複数の買い手が競争入札を行うケースがあるため、競争が価格を押し上げる可能性があります。
買取業者により価格のばらつきがある
買取業者ごとに査定基準や方針が異なるため、提示される価格にばらつきが生じることがあります。
この価格のばらつきは、各業者の査定基準や経営方針の違いに起因します。
具体的には、物件の価値評価方法、想定する改修費用、目標とする利益率、再販時の販売戦略など、さまざまな要因が買取価格の算出に影響を与えます。
今の物件用途を変更される場合がある
不動産買取後、買取業者は収益性を最大化するため、物件を異なる用途に転換することがあります。具体的には、現状の建物を取り壊して更地にしたり、大規模なリノベーションを行ったりする場合があります。
そのため、建物自体の価値が評価されず、買取価格が土地の価格を主体に算出されるケースも少なくありません。また、場合によっては建物の解体費用が買取価格から差し引かれることも考えられます。
もし提示された価格が期待より大幅に低い場合は、買取後の活用方法や業者の方針について事前に確認してみてもよいでしょう。
不当な取引をする悪徳買取業者もある
一部の悪徳業者が、相場を大幅に下回る価格を提示し、契約後に追加費用を請求するなどの不当な取引を行うことがあります。
特に、売却を急ぐ売主に対して、十分な説明をせずに契約を急がせる事例もあるようです。
悪徳業者とのトラブルを避けるためには、信頼性の高い業者を選び、契約内容を慎重に確認することが重要です。
【不動産種別別】不動産買取のデメリット
不動産の買取では、物件の種別ごとに特有のデメリット(ネガティブな要素)があります。
ここでは、種別ごとのデメリットを詳しく解説します。
一戸建て買取のデメリット
一戸建ての場合、建物の状態が評価に影響しやすいといえます。
特に築年数が古い物件では、建物そのものの価値がほとんど評価されず、土地の価値のみが買取価格に反映されるケースが多くなります。
また、建物が老朽化している場合、解体費用を差し引いた金額が提示される可能性も否定できません。
一戸建ての売却を検討する際は、建物の状態が買取価格に与える影響を理解することが重要です。
マンション買取のデメリット
マンションの買取では、修繕積立金の不足や耐震基準の問題が評価を厳しくする主な要因となります。
例えば、築年数が経過しているにもかかわらず修繕積立金が十分に確保されていない場合、大規模修繕が困難と判断されることがあります。また、旧耐震基準で建築されたマンションは、安全性に懸念があるため、評価が下がる傾向があります。
共用部分の管理状況も重要な判断材料です。エントランスや廊下、エレベーターの清掃が行き届いていない場合や、管理組合が十分に機能していない場合は、資産価値が下がる要因となります。
土地買取のデメリット
土地の買取価格は、接道状況や土地の形状、用途地域などの法的制限によって大きく左右されます。特に、不整形な土地や建築基準法の接道条件を満たさない土地は、再販時の活用が制限されるため、買取価格が大幅に低くなる傾向があります。
具体例として、旗竿地や間口が狭い土地、高低差のある土地は、建物を建てる際に制約が多いため、買取業者にとって魅力が低い物件と見なされやすいです。また、土壌汚染や地盤の問題がある場合には、調査費用や対策費用が発生するため、それらのコストが買取価格から差し引かれることになります。
実際にあった不動産買取のトラブル事例
不動産買取の取引では、スムーズに進むケースが多い一方で、トラブルに発展する事例もあります。
ここでは、不動産業界で長く働く筆者が見聞きした、具体的なトラブル事例を紹介します。似た状況に陥らないためにも、ぜひ参考にしてください。
悪徳業者による不当な価格提示の事例
ある売主が、老朽化した一戸建ての買取を依頼した際の事例です。
不動産会社Aは、最初の査定時に2,500万円の価格を提示しました。
しかし、契約直前になって「建物の状態に問題が見つかった」との理由で、1,800万円に減額を求めてきました。
売主は急いで売却を進めたかったためやむを得ずその価格を受け入れましたが、後に他社に相談したところ、減額の理由が根拠に乏しいものだったと判明しました。
このようなトラブルを避けるためには、やはり複数の業者に査定を依頼し、価格の妥当性を確認することが重要です。
また、減額の理由が曖昧な場合は詳しい説明を求めたり、契約を再検討したりする姿勢が必要となります。
契約内容を巡るトラブルの事例
マンションを買取業者Bに売却した売主が、契約後に残置物の処分費用を請求されるトラブルが発生しました。契約書には処分費用に関する明確な取り決めが記載されていなかったため、結果的に売主が数十万円を負担することになりました。
この事例の原因は、契約書を十分に確認しなかったことにあります。
このようなトラブルを避けるためには、契約書の内容を細部まで確認し、不明点があれば必ず質問することが大切です。
また、必要に応じて弁護士や不動産の専門家に相談し、契約内容のリスクを事前に把握することが推奨されます。
不動産買取を進める際の注意点
不動産買取は、迅速に売却を進められる利便性がある一方でトラブルを避けるために慎重な準備が求められます。
以下では、注意すべきポイントを詳しく解説します。
なお、不動産買取に関わる網羅的な注意点の解説は、以下の記事で行っています。
信頼できる買取業者を選ぶ
不動産買取を成功させるには、信頼性の高い業者を選ぶことが重要です。
評判の良い業者は透明性のある取引を行い、売主が不利にならないような対応をします。
そのためには、まず複数の業者を比較し、実績や口コミを調べるようにしましょう。
買取価格の妥当性を確認する
不動産買取の際は、提示された買取価格が適切かどうかを確認することも必要です。
業者によって査定基準が異なり、価格にばらつきが生じることが多くあります。
そのため、複数の業者に査定を依頼し、相場感をつかむことをおすすめします。
さらに、ポータルサイトや不動産情報ライブラリを活用して、類似物件の取引実績を調べることも有効です。
自分の物件と似た条件の取引事例を確認することで、提示された価格が市場相場に照らして適正であるかを判断できます。
買取契約の内容をしっかり確認する
買取は契約までの期間が短い一方、契約内容の確認が疎かになるとトラブルに発展するリスクがあります。
また、契約解除条件やペナルティ条項も見逃せないポイントです。
売主側の都合で契約を解除した場合に違約金が発生するケースもあるため、契約書の細部まで目を通し、不明点があればその場で質問することが必要です。
不動産買取のメリットも確認
これまで記事でデメリットを中心に解説してきましたが、買取にはメリットも多く存在します。
良い面と悪い面の両方を理解したうえで、自身の状況に合った選択をすることが重要です。
以下に買取の主なメリットを簡単にまとめます。
- 仲介手数料がかからない
- 短期間で手放すことができ、現金化しやすい
- 契約不適合責任が免除される
- 周囲に知られず売却できる
- 内覧やリフォームなどの対応が不要
これらのメリットについては、以下の記事でより詳細に解説しています。
買取と売買仲介のどっちがよいか悩んだときの判断ポイント
不動産を売却する方法を選ぶ際は、自身の目的や優先順位に応じた総合的な判断が求められます。
ここでは、その判断に役立つ具体的なポイントを紹介します。
売却スピードを重視する場合は買取
短期間で売却を完了させたい場合、買取を選ぶことをおすすめします。
不動産会社が直接購入するため購入希望者を探す必要がなく、契約から現金化までの期間が圧倒的に短縮されます。
相続した物件を早急に現金化したい場合や、転勤などで引っ越しを急いでいる場合には、買取は非常に有効な選択肢といえます。
物件の状態や立地が悪い場合は買取
物件の状態や立地が市場価値に影響を与える場合、買取を選ぶとスムーズに売却できる可能性があります。
売買仲介では、物件の状態や立地の悪さが影響し、売却期間の長期化や価格の大幅な値下げにつながる可能性があります。
たとえば、築年数が古く設備が陳腐化した物件や最寄り駅からの距離が遠い物件、接道条件が悪い物件などです。
物件の市場性に課題がある場合は、買取による売却を視野に入れることで売却機会の拡大が期待できます。
時間をかけても高く売りたい場合は売買仲介
売買仲介では、競争の原理が働くので、より高値での売却が期待できます。買取と比較して売却完了までに時間を要しますが、最終的な売却価格を優先する場合はこの方法が適しています。
立地条件が良好で需要が見込める物件や、良好なメンテナンス状態が保たれている物件は、売買仲介によって市場価格で売却したほうがメリットが大きいでしょう。
まとめ
不動産買取は売却スピードや手間を軽減できる一方で、価格面や業者選びに注意が必要になります。
不動産売却の方法や依頼先で迷った際は、信頼と実績のある不動産会社に相談するのが安心です。
不動産SHOPナカジツの「買取保証付き仲介」であれば、仲介で高値売却に挑戦しつつ期間内に売却が成立しない場合は買取が保証されるため、安心して売却活動を進められます。
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