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更新日:2026.03.27

再建築不可物件の売却について解説。売れないときの対策は?

再建築不可物件の売却のアイキャッチ

この記事のポイント

  • 再建築不可物件は建て替えができないという制約から市場での需要が限られ、通常の不動産よりも売却が難しくなる傾向がある
  • 売却が難航する場合でも、売買仲介・買取・賃貸・無償譲渡など複数の選択肢があり、物件の状態や目的に応じて現実的な対策を講じることができる
  • 安易な安売りや業者選びの失敗を防ぐためには、実績のある専門業者に相談し、査定根拠や契約条件を慎重に比較することが重要

「再建築不可物件だけれど、少しでも高く売りたい」
「親から相続した物件が再建築不可と言われて、処分に困る……」

再建築不可物件は、文字通り「新しく建て直すことができない」制限付きの土地であるため、一般的な不動産と比べて売却が難しく、悩んでいる方も多いはずです。

この記事では、再建築不可物件ならではの売却の難しさと、それを乗り越えるための対策をわかりやすく解説します。これを読むことで、「放置するしかない」という消極的な状況から脱し、安心して次のステップに進めるようになるはずです。

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逆瀬川勇造さん

宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士

監修者 逆瀬川勇造さん

  • 所属:

    合同会社7pockets

地方銀行、住宅会社勤務を経て住宅や不動産を中心としたライターとして活動。現場で多くのお客様の対応で経験させていただいたことをもとに、専門知識に基づいた分かりやすい記事執筆に取り組んでいます。

再建築不可物件の売却でよくある後悔

再建築不可物件は、売却段階になって初めてその扱いづらさに気づくケースが多いため、後悔ポイントを知っておくことが大切です。

まずは、再建築不可物件の売却時によくある3つの後悔と、その背景を紹介します。

買い手が見つからず売却が長期化した

再建築不可物件は、新たに建物を建てることができないため、一般の買主には敬遠されがちです。その結果、売却活動を始めても問い合わせが少なく、何ヶ月も、時には何年も動かないというケースもあります。

特に「相場より少し高め」で出した場合は、ほとんど反応が得られず、最終的に大きく値下げせざるを得ないこともあります。売主が市場の反応を読み違え、適正価格を見極められないまま時間を失うことは、大きな後悔につながります。

安売りしてしまった

反対に、「売れないかもしれない」と不安になり早く手放そうとした結果、相場よりかなり安く売ってしまったという後悔もよくあります。特に、不動産会社に言われるがままに価格を決めてしまった場合や、買取業者の言い値で即決してしまった場合に多いです。

後から「もっと比較しておけばよかった」「査定の根拠をちゃんと聞いておけばよかった」と感じる人も少なくありません。手放すスピードと引き換えに金銭的損失を招く可能性があることを覚えておきましょう。

不動産会社選びを間違えた

再建築不可物件は、特殊な条件を伴うため、一部の不動産会社では正しく扱えないこともあります。その結果、極端に低い査定額を提示されたり、消極的な対応をされたりするケースがあります。

こうした事態の多くは、業者側が再建築不可物件の法令や市場性について十分な理解を持っていないことが原因です。

再建築不可物件を売りたいけど売れないときの対応

再建築不可物件であっても、「売れない=どうにもならない」というわけではありません。状況に応じた複数の対応策があり、目的に応じて使い分けることが重要です。

ここでは、以下の選択肢について考察していきます。

  • 売買仲介を依頼する
  • 買取を依頼する
  • 賃貸として運用する
  • どうしても売れない場合は無償譲渡

売買仲介を依頼する

まず試したいのが、再建築不可物件の売買に対応できる不動産会社に仲介を依頼する方法です。仲介の場合は市場に出して買主を探すため、うまくマッチすれば相場に近い価格で売却できる可能性があります。

ただし、広告戦略や売り出し方によって売却結果に差が出るため、不動産会社選びにおける比較検討は必須といえます。

買取を依頼する

時間をかけたくない場合や、条件付きの物件で売却が難航しそうなときは、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」も有効です。スピード重視の方や、確実に現金化したい方には特におすすめの方法です。

再建築不可物件の買取に対応している業者は限られますが、訳あり物件に強い専門業者を選べば、妥当な価格でスムーズに売却できるケースもあります。

賃貸として運用する

売却にこだわらず、賃貸に出して収益化するという方法もあります。たとえば、古家付きの物件でも「リフォームして貸す」「DIY物件として貸す」などの方法があり、立地次第ではニーズも期待できます。

月々の地代や固定資産税を補填できるだけでも所有コストを軽減できるため、すぐに売る必要がない場合や、物件が比較的人が集まりやすいエリアにある場合に向いています。

どうしても売れない場合は無償譲渡

売れない・貸せないという場合には、無償で譲渡という方法も検討できます。この場合は、利益は出ないものの、管理負担や固定資産税から解放されるメリットがあります。

実際に「管理しきれない」「遠方で処分ができない」といった理由で、無償で手放す人も増えてきています。自治体の空き家バンクや、不動産会社が運営する譲渡支援サービスなど、目的に応じた受け皿を探すことがポイントです。

再建築不可物件の物件査定について

ここでは、再建築不可物件の査定における考え方や計算方法、注意点について解説します。

一般的な不動産との査定方法の違い

通常の土地や建物の査定では、「再建築可能であること」が前提となっており、将来的に新しい建物が建てられるという期待値が価格に反映されます。

しかし再建築不可物件は、建築基準法による接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接する)を満たしていないといった要因により、新たな建物を建てられません。そのため、土地そのものの利用価値が制限され、市場での需要が著しく限定されます。

査定における計算式

一般的に査定時に用いられるのは、以下のような式です。

査定額 = 土地の標準価格 × 再建築不可による減価率

たとえば、同じエリアにある再建築可能な土地の坪単価が50万円で、再建築不可による減価率が30%と判断された場合、35万円 / 坪 が目安となります。

50万円 × 0.7 = 35万円

参照:特殊物件の売買業務の実務|神奈川県宅地建物取引業協会

減価率は一律ではなく、ここで紹介したものはあくまで一例です。実際には、接道状況や流通性、土地の形状、周囲の建物との関係性などをもとに不動産会社が個別に判断します。

再建築不可物件の査定における注意点

再建築不可であることだけを理由に、根拠なく相場の半額以下で提示してくる不動産会社も存在します。しかし、それが妥当かどうかは別の問題なので、慎重に判断すべきです。

また、建物がある場合はその状態や名義の確認、借地であれば借地権の内容、接道義務の一部緩和が可能かどうか(建築審査会の判断など)も査定に影響します。

金額に納得感を持つためには、複数社に査定を依頼し、「なぜその価格なのか」を説明してもらうとよいでしょう。

再建築不可物件の売却相場・買取相場

ここでは、相場感と価格に影響を与える要因、そして少しでも高く売るための工夫について解説します。

再建築不可物件の相場感

実際の査定結果は物件の個別条件や地域の市場動向によって異なります。そのため、実際に不動産会社などに相談をして金額を算出してもらうのが好ましいですが、参考として、以下に減価率の目安をまとめました。

減価率の目安
条件・状況 減価率(目安) 備考
一般的な再建築不可物件 30〜50%減 接道不良・建て替え不可の影響。建物が使えれば上限寄りになることも
状態や立地が悪い再建築不可物件 50〜70%減 交通不便・老朽化・市場性の乏しさが影響
袋地で建て替え不可の物件 約70%減 通行・建築ともに制限が強く、買い手も限られる
法定外道路(建築基準法43条2項2号)に面する物件 約50〜70%減 審査会の判断により建築可の可能性あり
市街化調整区域で農地転用不可の物件 約90%減 実質的に活用困難なため、ほぼ資産価値なし

※いずれの減価率も目安であり、個別の物件条件や地域の取引事例に応じて上下する可能性があります。

少しでも高く売るためのコツ

再建築不可物件を高く売るには、以下のようなコツがあります。

  • 複数の業者に査定を依頼する
  • 専門性のある業者を選ぶ
  • 買主の用途を意識した見せ方をする
  • 最低限の清掃・補修をして印象を良くする

まずは、最低でも2〜3社に査定を依頼し、提示価格の違いを比較しましょう。不動産会社によって評価に差が出やすいため、再建築不可物件の売却実績がある業者を選ぶことが重要です。

また、物件の使い道を整理しておくことも効果的です。たとえば、「倉庫や事務所として利用できる」「賃貸物件として運用可能」といった用途の具体例を提示することで、買い手に前向きな印象を与えられます。

建物が老朽化している場合でも、最低限の清掃や整理整頓をしておくだけで、内見時の印象が良くなり、心理的なハードルを下げることができます。

再建築不可物件の買取業者の選び方

再建築不可物件の売却では、「どこに買い取ってもらうか」が結果を大きく左右します。

ここでは業者選びの基本的なポイントを解説しますが、より詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

買取実績をチェックする

まず重視すべきなのは、その業者が再建築不可物件を過去にどれだけ扱ってきたかです。売却の難易度が高い物件だからこそ、似た物件の取扱実績があるかどうかで、査定の精度や売却後のトラブル対応力が変わってきます。

客観的な情報を得るために、公式サイトだけでなく、口コミをチェックすることもポイントです。

条件や手数料など買取価格以外にも目を向ける

「査定額」だけに目を奪われず、契約条件や手数料、引き渡しまでのスケジュール、アフターサポートなどにも注目しましょう。たとえば「残置物撤去を業者が負担してくれる」「契約不適合責任が免除される」など、再建築不可物件特有の事情に配慮した条件が整っているかがポイントです。

また、現金化までのスピードが早い業者を選ぶと、固定資産税や維持管理の負担を早期に解消できます。

【FAQ】再建築不可物件の売却に関するよくある質問

ここでは、売主の方からよく寄せられる質問に対して、実務的な視点からお答えします。

再建築不可物件では値下げ交渉が行われやすい?

はい、非常に行われやすいです。

再建築不可という特性上、買主からすると「将来的な再建築ができない」というリスクがあるため、その分価格交渉に力を入れるケースが多く見られます。特に「建物が老朽化している」「接道状況がさらに悪い」などの条件が加わると、値引き要請が前提となることもあります。

再建築不可物件を売りやすくする裏技はある?

裏技と呼べるほど極端な方法はありませんが、近いやり方はあります。

たとえば、以下のように用途の具体例を示すことで、買主のイメージを膨らませやすくなり、関心を引きやすくなります。

  • 「倉庫や事務所として使える」
  • 「賃貸用物件として運用可能」
  • 「隣地との合筆で再建築可になる可能性がある」

また、老朽化した物件でも、最低限の清掃や不要物の処分を行い、内見時に良い印象を与える工夫も効果的です。

まとめ

再建築不可物件は、通常の不動産とは異なる扱いが必要な「訳あり物件」です。建て替えができないという制約があるだけでなく、売却時にも価格の評価が難しく、対応できる不動産会社も限られています。しかし、正しい知識と適切な業者のサポートがあれば、納得のいく売却は十分に実現可能です。

特に重要なのは、「どう売るか」だけでなく、「誰に相談するか」です。専門知識を持つ業者に相談することで、売れないリスクや過度な値下げを避けることができます。

私たち不動産SHOPナカジツでは、さまざまな物件の取扱実績が多数あります。買取保証サービスもあるので、「売れなかったらどうしよう……」という方でも安心です

「この物件、どうするのが一番いい?」と迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。最適な活用・売却方法をご提案いたします。

逆瀬川勇造さん

逆瀬川勇造さん からのコメント

宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士

再建築不可物件の適正な価格を判断するのは難しいものです。本記事にある通り、強気な価格で売却を進めても実際に買主が現れなければ売れ残るだけですし、かといって売り急いだ価格で売却してしまうのももったいないケースがあります。再建築不可物件であっても建物の利用価値が高かったり、立地がよく事務所としての利用が見込めたり、将来的に隣地を購入して接道義務を満たせる可能性があったりといったケースでは高値での売却を期待できますが、不動産売買の経験の少ない方がこうしたことを判断することは簡単なことではありません。まずは、再建築不可物件を含めた取引実績が豊富な不動産会社や、担当者に売却を依頼することが大切だといえます。

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