この記事のポイント
- 相続土地国庫帰属制度を使えば、条件を満たした相続や遺贈による土地を国に引き取ってもらえるが、費用や審査があり、利用できる土地は限られている
- 境界が不明確な土地や建物付きの土地などは制度の対象外で、実際に国が引き取った割合は申請全体の半分程度にとどまっている
- 制度が使えなくても、相続放棄・自治体への寄付・売却・不動産会社による買取などほかの処分方法もある
「使い道のない田舎の土地を相続したけど、どうすればいいのか分からない」
「誰も使っていない土地なのに、固定資産税だけ毎年かかっているのが苦痛」
相続などで引き継いだ土地が不要な場合、「国に返すことはできないのか」と考える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、相続した不要な土地を一定の条件下で国に引き取ってもらえる相続土地国庫帰属制度について詳しく解説します。
土地の処分方法に悩んでいる方は、この記事を読むことで現実的な選択肢を見つけるきっかけになるはずです。
売却相場がわからず、悩んでいませんか?
あなたのお家、
想像以上の高値で売れるかも!
- 相談・査定だけでもOK!まずは相場価格をチェック
- 面倒な手続きは不要!プロが丁寧にサポートします
- 高額売却の実績多数!喜びと驚きの声が続いています
\たった00秒で入力完了/
今すぐ無料で査定額をチェック!※無理な営業は一切行っておりません。個人情報も安心です
記事の構成
いらない土地は条件次第で国に返せる
不要な土地でも、一定の条件を満たせば国に引き取ってもらうことが可能です。
2023年から始まった「相続土地国庫帰属制度」は、使い道がなく管理や税負担だけがのしかかる土地の処分先として注目されています。
ただし、どんな土地でも無条件で返せるわけではありません。申請できる人や土地には細かな条件があり、費用や手続きも必要です。
ここからは、この制度の内容や注意点を詳しく解説していきます。
相続土地国庫帰属制度とは
「不要な土地を処分したくても、売却先や譲渡先が見つからず、管理や税金だけが重荷になっている……」
このような悩みを抱える人に向けて、「相続土地国庫帰属制度」が始まりました。まずは、制度の概要からメリット・デメリットまで、全体像を整理していきます。
制度の概要
相続土地国庫帰属制度は、相続または遺贈によって取得した土地を、一定の条件のもとで国に引き渡せる制度です。
申請先は法務局で、手続きにはまず審査手数料がかかり、審査に通過した場合には別途負担金を納める必要があります。
なお、この制度はあくまで相続や遺贈をきっかけに取得した土地が対象であり、自分が生前に購入・保有していた土地は申請できません。
参照:相続した土地を手放したいときの「相続土地国庫帰属制度」|政府広報オンライン
制度のメリット
- 管理や税金の負担から解放される
- 使い道のない土地を将来世代に残さずに済む
- 相続トラブルの火種を減らせる
雑草の手入れや近隣トラブルの防止、固定資産税の支払いといった維持管理から解放されることで、心身の負担が軽くなります。
また、自分の代で整理しておくことで、子や孫が同じ悩みを抱えるのを避けることができます。
制度のデメリット
- 利用できる土地が限られている
- 審査手数料・負担金など費用がかかる
- 審査に数カ月かかるケースもある
境界が不明確な土地や、建物・残置物がある土地などは申請しても却下される可能性があります。
また、制度の利用には数万円~数十万円の費用が発生し、経済的な負担も無視できません。
加えて、審査には一定の時間がかかるため、すぐに土地を手放せるわけではありません。
相続土地国庫帰属制度の条件
相続土地国庫帰属制度を利用するには、「誰が」「どのような土地を」申請できるのか、細かく定められています。
制度を使う前提として、まずは申請者と対象土地に関する条件を正確に把握しておきましょう。
申請ができる人
申請できるのは、相続または遺贈によって土地を取得した人に限られます。以下のような立場の人が該当します。
- 相続人(法定相続・遺言を問わず)
- 相続人から包括遺贈を受けた人
- 遺言執行者や相続財産管理人(申請にあたって家庭裁判所の許可が必要)
一方で、生前贈与や売買で土地を取得した人、もともと自分で購入・所有していた人は制度の対象外です。
また、相続人が複数いる場合は、共有者全員が共同で申請する必要があります。

申請ができる土地
制度を利用できるのは、以下の条件に該当しない土地です。
つまり、これらのいずれかに当てはまる土地は、国への引き取り申請をすることができません。
- 建物がある土地
- 担保権や使用収益権が設定されている土地
- 通路・墓地など、他人の利用が予定されている土地
- 土壌汚染のおそれがある土地
- 境界が明確でない土地
- 崖などがあり、管理に過度の費用や労力を要する土地
- その他、通常の管理や処分に支障があると判断される土地
こうした制限が設けられているのは、国が引き取ったあとに重大なトラブルや費用負担が発生するのを防ぐためです。境界の不明確さや第三者利用の履歴などは、とくに見落とされがちなポイントです。
参照:相続土地国庫帰属制度において引き取ることができない土地の要件|法務省
制度を使えない人・ケース
制度を利用できないのは、申請者の資格がない場合だけではありません。
土地自体が条件を満たしていても、以下のような状況では申請が却下される、または受理されないことがあります。
- 所有者が自ら取得した土地である(生前購入など)
- 相続人の間で共有状態にあるが、一部の相続人しか同意していない
- 土地に未登記の建物や残置物がある
- 過去に通路・井戸・墓地などとして利用されていた履歴がある
- 境界や隣地とのトラブルが未解決である
また、申請前にこれらの要件をクリアしていても、法務局の審査で追加調査や書類の再提出を求められるケースもあります。
制度の利用には、法的な要件と実務的な準備の両方が求められるため、安易な申請は避け、事前に法務局へ相談することが重要です。
相続土地国庫帰属制度の利用にかかる費用
相続土地国庫帰属制度を利用するには、申請時と承認後の2つのタイミングで費用が発生します。
具体的には「審査手数料」と「負担金」が必要です。どちらも原則として申請者が負担する費用です。ここでは具体的な金額をお伝えします。
審査手数料
申請時には、土地1筆あたり14,000円の審査手数料を納付する必要があります。
この費用は申請時点で発生し、審査の結果が不承認だったとしても返金されません。複数の筆をまとめて申請する場合には、その筆数分だけ手数料が加算されます。
負担金
審査を通過し、国への引き取りが認められた場合には「負担金」を支払います。
負担金は土地の種類や立地に応じて異なり、原則20万円ですが、面積によって変動するケースもあります。
以下に、負担金の例を種類別にまとめました。
| 土地の種類 | 基本的な負担金 | 面積による加算の有無 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 宅地 | 20万円 | あり(※市街化区域など) | 都市計画法の用途地域等では面積に応じて加算 |
| 田・畑 | 20万円 | あり(※一部の農地) | 指定区域内の農地では面積に応じて算出 |
| 森林 | 面積に応じて算出 | あり | 下記の参照リンク内「算定式(3)」に基づき計算される |
| その他(雑種地・原野等) | 20万円 | なし | 原則として一律 |
面積による算出が必要な土地では、国が定める算定式に基づいて計算されます。正確な金額を知りたい場合は、申請前に法務局へ相談するのが確実です。
相続土地国庫帰属制度の手続きの流れ
制度を実際に利用するには、法務局への事前相談から始まり、審査を経て負担金の納付まで複数のステップが必要です。
ここでは、相続土地国庫帰属制度の基本的な手続きの流れと、それぞれの工程で押さえておきたいポイントを紹介します。
1)法務局へ相談
まずは、申請先となる土地所在地を管轄する法務局に事前相談を行います。
この段階で、土地の現況や法的な条件、必要な書類について説明を受けられます。とくに境界の明確さや第三者の利用状況など、制度の要件に抵触しないかを確認する重要なプロセスです。
可能であれば、土地の登記事項証明書や図面など、関連資料を持参するとスムーズです。
2)申請書類の作成・提出
次に、申請書および添付資料を作成し、法務局へ提出します。必要な書類には以下のようなものがあります。
- 相続を証明する書類(戸籍、遺言書など)
- 対象土地の位置・形状がわかる図面
- その他、法務局から求められた補足資料
書類不備があると審査が中断するため、丁寧な準備が求められます。なお、申請時には審査手数料(1筆あたり14,000円)の納付が必要です。
3)承認後、負担金の納付
書類審査に通過すると、法務局から「承認通知書」が届きます。
その後、国に土地を引き取ってもらうためには、通知に記載された負担金を納付します。
負担金の納付をもって、土地の所有権は国に移り、管理や税負担などの責任もすべて解消されます。
ただし、負担金の納付が遅れたり、指定期間内に完了しない場合は承認が取り消されることもあるため、スケジュール管理にも注意が必要です。
相続土地国庫帰属制度で国に返せない土地を手放す方法
制度の条件に合わず、国に返すことができない土地でも、処分をあきらめる必要はありません。
ここでは、相続土地国庫帰属制度以外で土地を手放すための選択肢を紹介します。
相続放棄する
そもそも相続を受けたくない場合は、相続開始(被相続人の死亡)を知った日から3カ月以内に家庭裁判所で相続放棄の手続きをすることが可能です。
相続放棄をすると、土地だけでなくプラスの財産も一切受け取らないという扱いになります。
放棄した人は最初から相続人でなかったものとみなされるため、次順位の相続人(配偶者や兄弟姉妹など)に所有権が移る仕組みです。
ただし、一度でも土地の固定資産税を支払ったり、草刈りなどの管理をしたりしてしまうと「相続を承認した」とみなされる可能性があるため、何もせずすぐに判断することが重要です。
自治体に寄付する
一部の自治体では、地域の活性化や公共用地の確保などを目的として、条件付きで土地の寄付を受け入れている場合があります。
とはいえ、行政側にも維持管理のコストがかかるため、受け入れられるケースはごく稀です。特に山林や私道、変形地などは断られることが一般的です。
また、寄付を受け入れると固定資産税が入らなくなるという自治体側のデメリットもあります。
そのため、寄付を希望しても受け入れを断られるケースが多く、その場合は所有者が引き続き土地を保有・管理し続けなければなりません。制度として確立された仕組みではない点に注意が必要です。
売買仲介で売却する
不動産会社の仲介を通じて、第三者に売却するのも一般的な方法です。
市街地や住宅地にある土地であれば、多少使い勝手が悪くても、価格を下げることで買い手が見つかる可能性があります。
ただし、境界が未確定な土地や、再建築不可の物件がある土地などは、売却までに時間がかかったり、解体・整備費用を求められることもあります。
不動産会社に買い取ってもらう
早期に手放したい場合や、売却活動に時間をかけたくない場合は、不動産会社による買取という選択肢もあります。
売買仲介と違って広告掲載や内覧が不要で、条件が合えば短期間で現金化できるのが大きなメリットです。
ただし、価格は仲介よりも低くなるのが一般的であるのに加え、買取業者でも買い取ってくれないケースは珍しくありません。
【FAQ】相続土地国庫帰属制度に関するよくある質問
ここでは、相続土地国庫帰属制度に関して特によくある4つの質問について解説します。
国庫に帰属して10年経ったら返還される?
負担金の算出根拠が「管理に要する10年分の標準的な費用」とされているため、「10年後に国から返されるのでは」と誤解されることがあります。
しかし、土地が国に帰属したあとは返還されることは一切ありません。国はその所有権を取得したうえで、処分や管理を行うため、申請者との関係は完全に終了します。
10年というのはあくまで費用算定の基準であり、所有権の有効期間ではありません。
実際に国に土地を返せた実績は?
制度が2023年4月に始まって以降、全国で一定数の申請が行われています。
法務省の発表(令和7年8月末時点の速報値)によると、これまでに 4,251件の申請があり、そのうち帰属が認められたのは1,935件にとどまっています。
つまり、実際に国が引き取った割合は全体の約45%にすぎません。
一方で、却下・不承認となった件数は計130件(却下63件・不承認67件)、さらに申請の途中で748件が取下げられており、申請すれば必ず受け入れてもらえるわけではないことが数字からも明らかです。
国庫に帰属した土地はどうなる?
土地の所有権が国に移ったあとは、法務局が保有管理し、必要に応じて処分や転用が検討されます。
ただし、すぐに公共事業などに活用されるとは限らず、しばらくの間保有されたままの状態になるケースもあります。
また、帰属後の利用目的や処分方法は公表されないため、元の所有者が知ることはできません。
申請は自分でできる?司法書士に相談するべき?
申請自体は個人でも行うことが可能ですが、提出書類が多く、土地の状態確認や添付図面の準備などに手間がかかります。
特に、境界確定が必要な土地や、相続関係が複雑な場合は、司法書士などの専門家に相談することでミスやトラブルを防げる場合があります。
費用はかかりますが、確実に手続きを進めたい場合は専門家のサポートを受けたほうが確実でしょう。
まとめ
使い道がなく、管理や税金だけが負担になっている土地を手放したいと考える人は少なくありません。
相続土地国庫帰属制度は、条件を満たす土地であれば国に引き取ってもらえる選択肢のひとつですが、実際には申請できないケースや、費用・手間の面でハードルを感じることも多いのが実情です。
制度を使えない場合でも、相続放棄や寄付、売却、買取といったさまざまな方法で土地を処分することは可能です。
とはいえ、どの方法が現実的かは土地の場所や状態によって大きく異なります。
私たち不動産SHOPナカジツでは、このように不動産に関するさまざまなお悩みを抱える方からのご相談を数多くいただいています。
仲介による売却はもちろん、当社による直接買取のご提案も行っており、それぞれのケースに合わせた最適な方法を一緒に考えることが可能です。
売るかどうか決まっていない段階でも構いません。専任の担当が1人ひとりのご事情に合わせて伴走いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。







































