戸建て・中古マンション・土地の情報TOPナカジツの「住まいのお役立ち情報」物件タイプ高さが魅力な3階建て~建設にむけて知っておきたいポイント~

高さが魅力な3階建て~建設にむけて知っておきたいポイント~

高さが魅力な3階建て~建設にむけて知っておきたいポイント~

掲載日:2019.08.27

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一戸建てを建てるなら、限られた土地をできる限り有効活用して、少しでも広い家にしたいもの。
特に都市部では駐車場もしっかり確保した3階建ての住居が人気です。3階建てを建てる際、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか。法律など事前に知っておきたい知識をお教えします。

三階建て戸建住宅

3階建ては、2階建てより条件が多い!?

都市計画法によって、3階建てを建てられる地域や、高さ制限がある

建物の高さには「都市計画法」という法律が大きくかかわってきます。国や地方自治体によって、計画的な街づくりや安全の観点から建物の大きさや高さが制限されているため、どこでも、どんな建築物を作っていいわけではないのです。具体的には、どんな規制があるのでしょうか。

用途地域

地域を住居用、商業用、工業用などといった目的別で分け、目的に沿った土地利用のための建築物の制限が決められています。
用途地域には2019年7月の現時点で13の区分がありますが、住宅地として一番規制が厳しいのが高さ10メートルまでの建物しか認められない「第一種低層住居専用地域」です。店舗や宿泊施設など地域外の人間が大勢行き来するような建物は建設できないため、閑静な住宅街といった環境です。3階建て住居を建築することは可能ですが、高さが10メートル(または12メートル)まで、という制限があるため2階建てが一般的です。

住宅系の地域は低い建物で建物の間隔が広いが、商業系の地域は高い建物が多く間隔が狭い。

建ぺい率

敷地面積に対する建物の占める割合をいいます。建ぺい率も、建物と建物の隙間を適度に保つという点や火事の延焼を防止するなど、用途地域に合った土地利用となるよう制限がなされています。
一般的に住宅地のための用途地域では低い建ぺい率の制限となり、商業向けの地域では高めの建ぺい率の設定となります。高い建ぺい率を許可している地域ではその分、防火地域として建物自体に耐火性を求める指定がされています。

容積率

その土地に建築可能な建物の延べ床面積の割合を表しています。
住宅地に多い「建ぺい率50%、容積率100%」という数値の場合は100平方メートルの土地に50平方メートルの範囲で2階建てまでなら建てることができます。(50平方メートル×2階=100平方メートル)容積率が決まることで、おのずと建物の大きさの制限がなされるというわけです。

高度地区、斜線制限

北側隣地の建物の日当たりを確保するため、高さ制限を設けたり、建物自体の北に面する部分を斜めに削ったような形をとるような制限です。自治体によって指定が違います。

道路幅員制限

建物の敷地の面する道路(前面道路)の幅によって容積率の限度制限が変わります。住居系の地域で、前面道路が12m以下であれば「道路幅×0.4」と「用途地域等の種別ごとの容積率」のどちらか小さい方が限度となります。例えば幅員8mであれば、「8m×0.4×100%=320%」。この数値と都市計画で定められた容積率を比較するということです。
そのほか地域の建築協定で建物の階数や高さの制限が設けられている場合もあるので、事前に確認をし、新築、増築の場合は業者や工務店に相談しましょう。

斜線制限があるので、実際は商業系の場所に3階建てが建設されやすい

用途地域の制限では高さをクリアしている場合であっても、3階建てを阻む制限があります。それは「斜線制限」です。

斜線制限とは、隣地への日照や通風などを確保するための制限です。そのため良好な住環境を目的とする住宅系の地域に指定されており、商業系の場所には斜線制限が指定されていません。そのため商業地域に3階建て住宅が建てられることが多いのです。

構造計算書が必要

建物を建てる際には、国民の生命、健康および財産の保護を図るため「建築基準法」に準じることが定められており、適合しているかをチェックするために「建築確認申請」を役所建築主事(確認申請や完了検査の審査を行う公的な役職)もしくは指定確認検査機関に提出しています。3階建ての建物を新築・増築する際に「建築確認申請」の書類に添付しなければならない書類が構造計算書です。構造計算書をもとに建物の安全性が検討されます。

一定の大きさ以下の木造の平屋や2階建ては4号建築物と言われ、資格を持った建築士が規定に則した設計を行うという条件付きで構造計算書の提出を省略が可能となっています。これを4号特例といいます。3階建ては構造計算が必要なため、建物の安全性が数値化され確認されていると考えると安心ですね。

三階建て住宅のメリットデメリット

3階建てのメリット・デメリット

3階建ての良いところ、悪いところをご紹介。魅力の多い3階建てですが、意外と気づきにくいデメリット部分もありますので、ぜひご覧ください。

メリット

  • 眺めが良い
    3階建てからの眺めは一般的な2階建て住宅よりも3メートル視点が高くなり、もちろん違った眺望が得られることでしょう。周りに高い建物が無ければ、見晴らしのよい景色を毎日の生活で楽しむことができます。
  • スペースが増える(収納が増える)
    フロアを増やすことによって、スペースに余裕が生まれます。趣味のための部屋を設けたり、収納スペースを増やすのもよいでしょう。
  • 水害への備えにもなる
    近年、局所的大豪雨などで床上浸水の被害が多く報じられています。浸水が起こらない土地であればよいのですが、もしも災害が起こった際、3階建てであれば1階が浸水した場合でも2階を生活のメインスペースにすることで大きな被害を免れることができます。
  • 店舗+住居、賃貸住宅にもしやすい
    3階建てではスペースの切り分けをしやすいことから、1階を店舗、2、3階を居住スペースとして使用するケースも多くあります。1階分を他目的に使用しても、しっかりと住空間を確保できるのが3階建てのメリットです。また、自営の店舗として使用するのではなく賃貸として貸し出すケースもあります。
  • 構造計算書が必要なので、信頼性が高い
    3階建ての建物の建設には構造の安全性を確認するための「構造計算書」の提出が必要です。そのため、3階建ては信頼性が高いと言えます。
  • 家族のプライベートが保たれやすい
    階数を分けることで2世帯での暮らしを上手に生活空間を分けることができ、適度にプライベートを保つことができます。1階を親世帯、2階を子世帯で使用し、玄関からすぐに階段を設けることで1階の親世帯に迷惑をかけることなく出入りが可能です。

デメリット

  • 材料費がかかる
    単純に2階建てを3階建てにすると、その分単純に壁や床面、階段などが増えるわけで、自ずと材料費がかかってしまいます。また、水回りの配管といった見えない部分でも材料費がかかります。
  • 材料費がかかる建築費以外の費用がかさむ
    • 構造計算書の作成費
      3階建ての場合、建築基準法により「構造計算」を行い構造の安定を確認したものを提出することが義務づけられています。その構造計算書は「構造設計一級建築士」という全国に1万人に満たない有資格者によってのみ作成されます。建物の規模や構造にもよりますが30坪前後の一般的な住宅で20~50万円が相場となっています。
    • メンテナンス費用(材料費・足場・屋根)
      住宅を長く快適に使用するには定期的なメンテナンスが肝心です。その一つとして5~10年に1度のメンテナンスが必要とされている壁面・屋根の塗り直し、張替えが挙げられます。単純に2階建てよりも壁面が広いため材料費、工賃がかさみます。塗装の際は足場を組む必要があり、別途足場代がかかるリフォーム会社が多いため、長持ちする材料を選択するなどして、メンテナンス回数を減らすのが賢い選択かもしれません。
    • 地盤改良費用
      3階建て住宅は2階建て住宅よりも上物(建物)が重くなるため、2階建てを建てるときよりも頑丈な地盤にする必要があります。
      まずは地盤調査を行いますが、一般的に購入前の段階では調査をさせてもらえません。調査した地盤の状態によって「表層改良工法」「柱状改良工法」「鋼管杭工法」といった地盤改良を行います。100万円から200万円程の費用が必要です。
  • 耐震性への心配
    3階建ては、2階建てに比べ増えた1階分の重量を下の階が支えなくてはなりません。また、3階建ての住宅は平屋や2階建てよりも「揺れ」への影響を受けやすくなります。それは地震によるものだけでなく、家のそばをトラックや電車が通る、強風が吹くなどの影響もあります。
    そのため先にも書いた通り、揺れへの耐久性を具体的に数値化する「構造計算」が重要になってくるのです。逆に言えば、木造3階建てでは「構造計算書」を提出し耐震性に問題がないことを確認しなければ建築ができないため、2階建てよりもかえって安心とも言えるかもしれません。
  • 空調の問題(各階で室温に差が出る)
    温かい空気は上に集まります。そのため、3階に温かい空気がたまりやすく、1階が冷えやすいという温度差が生まれる傾向があります。対策としては、高気密・高断熱の家にすることです。そうして、全館空調という計画的な換気システムを取り入れることで1階から3階まで快適な温度を保つことができます。
  • 階段の上り下り
    3階建の場合、毎日階段の上り下りが必要になります。年を取ってからはさらに不安に感じるかもしれません。水回りや寝室、居間など生活の基盤となる部屋をワンフロアにまとめるといった対策が考えられます。また、ホームエレベーターを取り入れるといった方法もありますが、費用と設置スペースの問題があります。
  • エアコンの取り付け
    3階建てでは隣の家とも近く室外機を取り付けるベランダのようなスペースがない場合が多く、壁面に取り付ける、または3階から1階か2階まで長い配管を敷設しなければならないこともあります。そのため、2階建てに比べ設置に費用が掛かるケースが多くなります。
  • 家具・架電の運搬
    引っ越しや購入した際の搬入、搬出で余分に費用を請求されることもあります。

三階建て住宅の楽しみ方

3階建ての大人な楽しみ方

メリット、デメリットをご紹介したところで、少し切り口を変えた3階建ての楽しみ方をご紹介します。3階建ての、大人な楽しみ方って?

2階建てでは味わえない、3階建ての魅力

敷地面積の関係で3階建てを選ぶ方もいますが、3階建てには平屋や2階建てにない魅力があります。

眺望の良い屋上テラス

屋上テラスを設けることで、開放的な空間でプチキャンプ気分を楽しむことができます。また、近くで花火大会があれば自宅のテラスから悠々と花火を楽しむこともできますし、3階という高い位置からなら邪魔な建物も少なくなり、地面から眺めるよりも広い星空を楽しむことができます。

吹き抜け

2階から3階の間などに吹き抜けを設けることで下層階が暗くなることを防ぎ、風の通り抜けも確保できます。天窓から差しこむ光で、開放的な空間が演出されます。また、吹き抜けを設けることで、各フロアをゆるやかに結ぶ家族のつながりを感じさせる空間となります。

間取りを工夫した、オンリーワンの家

狭小地を有効活用するために選択されることが多い3階建て。階段の位置を工夫したり、隣地にビルや住宅があるなどの理由で採光も天窓をつくったり中庭(光庭)を設けたり。注文住宅の3階建ては工夫が詰め込まれたオンリーワンの家になるのも魅力の一つです。

名古屋エリアで3階建ての住宅を検討中なら

ナカジツ三階建て分譲住宅外観

アクセスの良い土地がいいけど、居住スペースもしっかり確保したい。そんな要望も3階建てなら叶うかもしれません。
制約の多い3階建て住宅ですが、それを補って余りある魅力があります。3階建て住宅なら、不動産SHOPナカジツへどうぞ、ご相談下さい。

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