新築住宅に比べ安価な中古物件を購入し、趣味やライフスタイルに合わせリフォームをすることが人気になっています。もちろん、住み慣れた家をライフステージに合わせてリフォームし快適に暮らし続けるのもよいでしょう。
しかしながら、物件探し、リフォームデザイン、施工業者をそれぞれ探すとなるとかなり大変です。(加えて資金計画も。しかも、それを同時並行で進めなくてはなりません!)
今回は、そもそもリフォームにはどんな種類があるか、ということから、一戸建てまるまるリフォームするにはどれくらいの予算がいるか、ローンの組み方などの資金計画、税金控除、リフォームを依頼する業者はどこが良いかなどなど、気になるポイントを簡単に解説します。
目次
一戸建ての全面リフォームをしたい!相場について知ろう!
一口にリフォームといっても、具体的な施工内容は目的によって様々です。まずは一戸建てのリフォームにはどんな種類があるか、そして相場についてもご紹介します。
建て替えとリフォームは何が違う?
新築で購入した家も、年月を経て劣化していきます。その際、検討に挙がるのが建て替えか、リフォームかという問題ではないでしょうか。2つの違いをご説明します。
建て替えとは
建て替えとは、家の基礎部分(地盤と家の躯体とを繋ぐ土台となる部分)を含む全てを解体し取り除き、一から再度建築することを指します。既存の住宅にとらわれず自由に設計が行える半面、解体費用や仮住まいの費用がかかります。築30年以降からが建て替えを検討する目安です。
リフォームとは
一方、リフォームとは家の基礎部分をそのまま使用し、部分的に改築や修繕を行うことを指します。既存の住宅を活用するため、間取りや設備の大幅交換には制約が出てくる場合があります。リフォームのなかでも、手すりの取り付けや、キッチンなどの水回りのみなど一部を改修するものから間取りを変更するような大規模な全面リフォームまであります。
リフォームの目的は2種類!マイナスから0か、プラスαの付加価値か。
リフォームには二つの側面があります。住居の状況や、リフォームの目的によって選択しましょう。
原状回復のためのリフォーム
まずは失ってしまった美観や機能を元通りにするケース。特に水回り、屋根、外装は経年劣化が著しく、10年から20年程度で現状回復のためのリフォームを行う箇所となります。対象箇所は一部から家の全面に及ぶ場合もありますが、壁面の解体は行わず、壁紙の張替え・塗り替え、キッチンや洗面所のサイズ変更も行わない「表面の改装」のみを行います。比較的価格の予測がたちやすいため、大手リフォーム会社からは定額パッケージ商品も出ています。
全面リフォームする場合
もう一つは、ライフスタイルや家族構成の変化に合わせて間取りや内装・外装など全面的に改修する全面リフォーム(フルリフォーム)です。特に建物の躯体だけを残しリフォームする場合を「スケルトンリフォーム」と呼びます。中古一戸建て、中古マンションを購入し、自分の好みに全面改修し居住するようなケースもあり、そういった付加価値のあるリフォームを「リノベーション」とも呼びます。
原状回復のためのリフォームの相場
部分的に行う場合が多い現状回復のためのリフォーム。それぞれの箇所によっておおよその相場が違います。もちろん、メーカーの既製品のシステムキッチンやユニットバスを使うか、自由設計にするかなどデザインや機能にこだわった場合、その分が費用に影響します。
キッチン:100万円~
システムキッチンの形やグレード、レイアウトの変更があるかないかによって価格が違ってきます。たとえば、シンク、レンジ、調理スペースが一直線に配置されたI型キッチンの取り換えでは100万円程度が目安となります。
その他、I型キッチンから対面式(ペニンシュラ型)システムキッチンや壁面に接することのない、アイランド型へ変更する場合は100~200万円が相場です。
風呂:50~250万円程度
ユニットバス(システムバス)か、在来浴室かによって費用が違います。 現在の日本の浴室で一般的なユニットバスはユニット(パーツ)を現場で組み合わせ作成します。そのため、オーダーメイドの在来浴室に比べ比較的安価です。ユニットバスの場合、広さやグレードにより変わりますが50~250万円が相場です。
洗面所:30~100万円
風呂と同じように出来合いのシステム洗面台か、自由設計の造作洗面台にするかで価格が異なります。システム洗面台の中でも選んだグレードによって値段に幅があります。
リフォーム費用は30~70万円がいちばん多い層になっています。
床張り:6畳10万円~
畳張りやカーペットなどからフローリングに張替える場合と、フローリングからフローリングに張り変える場合、使用する床材によっても価格が違ってきます。 おおよそですが、6畳では10~20万円程度が相場です。
また、フローリングの張替えを検討されていらっしゃる方には費用が抑えられる「重ね張り」という工法もあります。古いフローリングの上から新しいフローリングを張るため、工数がおさえられるのです。
一戸建ての全面リフォームの相場
一戸建ての全面リフォーム(フルリフォーム)の相場は800万円以上が相場となります。もちろん、これは目安のため、坪数や設備のグレード等でも価格は変わります。坪単価で考える場合は坪数が少ないと割高な数字になります。
また、居住中の住宅を全面リフォームする場合、リフォーム代金の他に仮の住宅の費用、引っ越し費用やトランクルームの手配などが別途必要となります。
新築同様のリノベーションをしたほうがいい場合
全面リフォームをし、新築同様の見た目にするリノベーションを検討したほうがよいのはどういった場合なのでしょうか。 その目安となるのが、築30年以上を経過しているかどうか。そして、もう一点が間取りの変更を考えている場合です。
築30年を超える住宅の全面リノベーション
システムキッチン、洗面台、ユニットバスなど、水回りの設備の耐久年数は10~20年。おおよそ15年ほどが取り換えの目安となっています。一度リフォームをしている場合も、壁紙やサッシも含めた全面リフォームを検討してもよい時期でしょう。
耐震補強を目的とした全面リノベーション
築30年を経過する1981年より以前に建てられた住宅は、新耐震基準(震度6~7程度に耐えうる強度がある)を満たしていないことがあります。特に木造の戸建住宅では経年による劣化で耐震性が低下している可能性もあるため、耐震診断と構造補強をともなった全面リフォームをおすすめします。
間取りの変更を伴うリフォーム
また、年齢の変化とともに、手すりを付ける、室内や玄関の段差を無くすといったバリアフリーリフォームを住宅全体に施す場合もあります。いずれの場合にも、自分のしたい生活を明確にすることが全面リフォーム成功のコツだと言えるでしょう。
内装のみと、内装+外装でも価格が異なる
内装のみをリフォームする場合と、外装もあわせてリフォームを行う場合とで価格が違ってきます。 リフォーム要望の優先順位と予算、家の状態に合わせて検討しましょう。
※施工当時の価格のため、現在の価格と異なる場合があります。
内装のみのリフォーム事例
外壁を残し内部を全て解体する、内面フルスケルトンリフォームの実例についてご説明します。 表面の改装のみのリフォームに比べ、間取りの変更のある場合は料金が高額になります。理由として、家の構造に影響が出ないよう必要な柱などを見極め、職人が手作業で解体を行う必要があるということがあります。 希望するリフォーム内容によって金額は様々ですから、実例をご紹介します。
▼内装フルリフォームで吹き抜けのリビングに
- 築年数:20年
- 工期:2カ月
- 価格:800万円
リビング真上の部屋を解体し、吹き抜けに。さらに、隣接する和室を解体し、キッチンの壁を取り払うことで広々とした解放感あふれる1LDKにリノベーション。残した梁(はり)にはハンモックを吊るすことができます。 2階のフローリングを上張りにすることで費用を抑えています。
リフォーム内容
間取り変更、フローリング上張り、水回り設備交換など
▼昔ながらの一戸建てが、まるで注文住宅に
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- 築年数:37年
- 工期:1カ月
- 価格:1200万円
和室と繋げ、間取り変更をしたことで広々としたLDKとなっています。また、飾り天井で一味代わったテイストに。リフォームで、注文住宅のような仕上がりとなっています。
リフォーム内容
設備交換、間取り変更、フローリング張替え、畳が丘、建具交換 等
内装+外装のリフォーム事例
内装に加え外装もフルスケルトン(構造躯体みのみ残し、解体すること)にし全面リフォームする場合にも残す躯体を損なわないよう職人の手作業で行うため、さらに費用がかさみます。加えて、外壁分の廃棄物の処理費用が必要になります。
また、外装の解体を行わず塗装や重ね張りのみを行う場合であっても、足場を組むためその分費用がかかるので、屋根と外壁のリフォームを考えている場合は、一度に済ませてしまったほうがよいでしょう。
▼和室とLDKをつなげ、ひろびろとした空間に
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- 工期:3カ月
- 価格:1940万円
壁面キッチンから、オープンキッチンに変更しています。また、浴室・洗面室といった水回りを2階から1階に移設する大規模なリフォームです。外壁の塗装も行いました。
リフォーム内容
間取り変更・設備全交換・フローリング貼り換え・クロス貼り換え・外壁塗装
工事期間ってどのくらい?リフォームのタイミングは?
どの程度のリフォーム内容だと、どのくらいの期間工事が行われるのか。新築からどの程度経過したら、どれくらいのリフォームが必要かも合わせてご紹介します。
今すぐリフォームをしない方でも、どれくらいの時期にリフォームをすべきかがわかれば、資金計画がたてやすいですよね。
原状回復のリフォームなら当日~1週間ほど
原状回復が目的の、間取りの変更を伴わないリフォームであれば当日中から1週間ほどが工期の目安です。 システムキッチンやシステム洗面台、ユニットバスやトイレの取り換え などがこれにあたります。
全面リフォームなら1か月~2か月半
全面リフォームの場合、解体・撤去から施工の範囲が大きくなるため期間が必要です。特に、設備の位置の移動があると時間が掛かるため1か月から3か月をみておきましょう。
デザインに関わる部分が大きいリフォームとなるため、仕上がりのイメージを明確にするため打ち合わせをしっかり行うことが大切です。
水回りは10年サイクルでリフォームしたい
先述の通り、水回りは毎日使う場所だけに特に劣化が早い部分です。 10~15年サイクルでリフォームを考えましょう。システムキッチンのビルドイン食洗器のメーカー設定の耐久年数は10年程度。使い勝手がよく、省エネ性能の上がった最新機器を取り入れる、という点でも買い替えを検討してもよいでしょう。
その他にも、外壁や壁紙、浴室のドア、小型給湯器など早めのメンテナンスが必要な部分をこまめに手入れすることで大切な住宅の寿命を延ばすことができます。
損しないためにも!補助金や、減税制度を知ろう!
住宅に手を掛けて、長く快適に暮らすためのリフォーム。
耐震性を上げる、バリアフリーにする、省エネ改修をするなどの住宅性能を向上するリフォームに対して減税や補助金制度が施行されています。制度を活用して、お得にリフォームを行いましょう。
補助金
リフォームの補助金制度は、各自治体によって施行されているため様々です。内容としては、太陽光発電システムの設置、断熱改修に関する工事、LED照明に替えるなど省エネに関するもの、耐震診断・耐震補強工事に関するものがあります。 5~20万円程度を上限に支給される制度が多いようです。期間で定員数が決まっているものもあるため、リフォームを検討する際は早めに調べておくようにしましょう。
また、自治体の制度以外にも国からの補助制度として上限額20万円の「介護保険における住宅改修費の支給」があります。
子育てエコホーム支援事業 (2024年)
新築住宅の建築・購入、リフォーム工事を行った世帯に対して補助金が支給される制度です。リフォームでは工事内容・世帯属性によって最大60万円が支払われます。申請は制度へ登録した施工業者(ナカジツも登録業者です!)が行います。予算上限に到達次第終了となりますから、制度利用をお考えであればどうぞお早めに。
減税制度
リフォームをした際に適応できる減税制度には「住宅ローン減税」、「リフォーム減税(既存住宅のリフォームに係る所得税の特例措置)」の2つの制度があります。これらは 原則として併用はできません。また、リフォーム減税のなかでも複数の種類がありますが、併用が出来ないものがあるので注意が必要です。
制度をよく調査した上で、お得に減税制度を利用したいですね。最大控除額が大きい住宅ローン減税を先ず検討してみましょう。
出展:『住宅リフォームの減税制度の手引き』一般社団法人住宅リフォーム推進協議会
住宅ローン減税(住宅ローン控除)
住宅を購入や新築、増改築などの特定のリフォームを行い10年以上の住宅ローンを組む場合に適用でき、所得税の一部が返ってくる制度です。戻ってくる金額が大きいため、大規模リフォームで高額のリフォーム費用がかかる場合にぜひ利用したい制度です。
昭和57年以降に建築された住宅(新耐震基準適合住宅)が対象、床面積や所得額などにも適用条件があるので注意しましょう。
中古住宅(リフォームの場合も)の場合10年、買取再販住宅は13年の間、年末のローン残高の0.7%が控除できます。控除される借り入れ限度額はZEH、長期優良住宅など認定住宅は3000万円、そのほかの中古住宅は2000万円が上限となります。
リフォーム減税(既存住宅のリフォームに係る所得税の特例措置)
先にご紹介した住宅ローン減税と違い、ローンを組んでいなくても利用でき、省エネ改修・長期優良住宅化など家の性能を高めるリフォームを対象とした減税制度です。控除金額は国土交通大臣が定めるそれぞれ対象のリフォームの標準的な費用に沿ったものに加え、同時に行うその他の工事費用も対象となっており、所得税から控除されます。
対象となるリフォーム内容については後述します。
固定資産税の軽減
一定の条件を満たすリフォームを行った場合、工事を行った翌年の固定資産税が軽減されます。リフォーム工事終了後3か月以内に市区町村への申告が必要です。
対象の改修 | 減額割合 | 減額対象範囲 |
耐震 | 2分の1 | 家屋面積120㎡相当分まで |
バリアフリー | 3分の1 | 家屋面積100㎡相当分まで |
省エネ | 家屋面積120㎡相当分まで | |
長期優良住宅化 | 3分の2 | 家屋面積120㎡相当分まで |
リフォーム減税(既存住宅のリフォームに係る所得税の特例措置)減税制度の対象となるリフォームと控除額
減税の対象となるリフォーム工事とその限度額が定められています。今回は対象となる工事内容と上限金額簡単にご紹介します。
最大控除額は「対象工事の金額」Aに加えAの限度額と「同時に行うリフォームの費用」Bから決定します。
【控除額の計算方法】
最大控除額=A+B
A:必須工事の控除限度額の10%
B:必須工事の控除限度額を超える部分と対象工事と同時に行うリフォーム費用を合わせた金額の5%
※Bの控除額はAと合わせて最大1,000万円
※Bの控除額はAの必須工事と同額まで
対象工事(必須工事) | 対象工事限度額 | 対象工事の最大控除額 | その他工事 | 最大控除額 (必須工事とその他工事合計) |
|
耐震 | 250万円 | 25万円 |
必須工事の対象工事限度額超過分及びその他のリフォーム 1,000万から必須工事の対象工事限度額を引いた額の5% |
62.5万円 | |
バリアフリー | 200万円 | 20万円 | 60万円 | ||
省エネ | 250万円 (+太陽光発電で350万円) |
25万円(35万円) | 62.5万円(67.5万円) | ||
三世代同居 | 250万円 | 25万円 | 62.5万円 | ||
長期優良住宅化 | 耐震+省エネ+耐久性 | 500万円 (+太陽光発電で600万円) |
50万円(60万円) | 75万円(80万円) | |
耐震or省エネ+耐久性 | 250万円 (+太陽光発電で350万円) |
25万円(35万円) | 62.5万円(67.5万円) | ||
子育て(2024年から拡充) | 250万円 | 25万円 | 62.5万円 |
耐震リフォーム減税
居住する住宅の耐震改修工事を行った際に使える制度です。
昭和56年5月31日以前に建築された住居を現行の耐震基準に適合させる工事を行った場合に工事額の10%を上限として最大25万円、全体では最大62.5万円が所得税額より控除できます。
バリアフリーリフォーム減税
居住する住宅にバリアフリーリフォームを行った際に最大20万円、全体では60万円が所得税額より控除されます。
省エネリフォーム減税
住宅の省エネ性能を上げるためのリフォームが対象です。上限は25万円、全体では最大62.5万円。太陽光発電設備を設置した場合はさらに増額となり上限35万円、全体で最大67.5万円となります。
窓・床・天井・壁の断熱、高効率の空調・給湯設備、太陽熱利用システム、太陽光発電設備工事が太陽です。
同居対応リフォーム減税
居住する住宅に同居用のリフォームを行った際に所得税額より最大25万円、全体で62.5万円が控除されます。具体的な内容としては、キッチン、浴室、トイレ、玄関の4つのうちいずれか一つの増設工事に該当することが条件となります。
長期優良住宅化リフォーム減税
住宅の耐久性を向上させるリフォームが対象です。
耐震または省エネリフォームと耐久性向上リフォームを行うことで最大25万円。耐震性、省エネ耐久性向上のリフォームを全て行うと最大50万円が所得税から控除されます。さらに太陽光発電を設置することで10万円が上乗せされます。
子育てに対応したリフォーム
2024年から新たに追加された項目です。子育て世帯・若夫婦世帯※が子育てに対応した住宅へのリフォームを行う場合、最大25万円、全体で62.5万円が所得税から控除されます。
※19歳未満の子を有する世帯、又は夫婦のいずれかが40歳未満の世帯
下記の工事が対象です。
- 住宅内における子どもの事故を防止するための工事
- 対面式キッチンへの交換工事
- 開口部の防犯性を高める工事
- 収納設備を増設する工事
- 開口部・界壁・床の防音性を高める工事
- 間取り変更工事
各減税とも細かい条件や、適応となるリフォーム後の居住開始日など決まりがあります。また減税の適応を受けるには翌年の確定申告が必要です。
制度を有効に活用するためにも、リフォームを検討する際はしっかりと調査をしたいですね。
一戸建てのリフォーム、ローンの組み方が知りたい
リフォーム内容、規模によって、もちろん費用も大きく違ってきます。それによって選択するローンの種類も変わってきますが、利用するローンや金利、支払い期間によって返済総額はどう変わってくるのでしょうか。ローンの種類によるメリット、デメリットを知って無駄な出費を無くしましょう。
リフォームローンと住宅ローンの違い
リフォームといっても、一戸建ての全面リフォームではおおよそ800万円を超える高額な費用が必要になります。自己資金で一括支払いができない際に利用することになる、リフォームローンと住宅ローン、どちらも住宅に関するローンですが、どういった違いがあるのでしょうか。
リフォームローンのメリット、デメリット
リフォームローンには「有担保型」と「無担保型」があります。住宅の修繕や増改築などのための工事の際に利用できるローンです。そのため、新築工事では利用ができません。
リフォームローンで一般的な「無担保型」では、無担保で比較的簡単な手続きで借り入れが可能な一方、借入上限額が数百万円程度と低く設定されており、返済までの期間が短く金利が高いことから耐震補強や間取り変更を伴う大規模リフォームには向きません。
「有担保型」では住宅ローンと同様に住宅を担保に設定するほぼ住宅ローンと変わらない仕組みです。住宅を担保とするため、住宅の状態によって借り入れ金額が変わります。
メリット〇 | 無担保(抵当権設定なし)で利用ができる |
デメリット× | 無担保では借入上限が低く、高金利かつ返済期間が短い |
住宅ローンのメリット、デメリット
既に住宅を所有しており、そのリフォームを行う場合、住宅ローンを借り換え、そこにリフォーム費用を組み込むことが可能です。
また、中古物件を購入しフルリノベーションを行う場合、物件の購入費用とリフォーム費用を合わせて住宅ローンの申請を行うことができます。
住宅ローンは他のローン商品に比べて金利が低いことがメリットです。上限は1億円が多く、返済期間は最長35年となっています。デメリットとしては、担保が必要なこと、審査が厳しい、審査に時間を要することが挙げられます。
メリット〇 | 借入限度額が大きい(物件状況による)、返済期間が長く低金利 |
デメリット× | 担保が必要、審査が厳しく時間がかかる |
リフォームは自己資金か、住宅ローンに上乗せして借り換えを
リフォームローンは無担保で借りられるメリットがありますが、住宅ローンに比べ金利が高く、返済期間も最長10~15年と短く設定されています。
一番理想的なのは自己資金で費用を賄うことですが、大規模リフォームのため資金が足りない場合は、住宅ローンにリフォーム費用を上乗せし、借り換えを行うのが賢い選択でしょう。
一戸建てのリフォームがしたいとき、業者はどう選んだらいい?
いざリフォームをしようと思ったとき、どこに依頼したらよいのでしょうか。どんなリフォーム内容がしたいのかと、その費用、業者に希望することは何かによって業者を選びましょう。
リフォーム会社の選び方
リフォーム会社の規模ごとにメリット、デメリットを挙げました。業者によって、得意不得意があります。Webサイトに事例集などがあれば、ぜひ参考にしましょう。
大手リフォーム店の特徴
会社の規模や実績を気にする方におすすめです。システム化されており、社内の統一基準があるなど安心感がありますが、逆に細かい指定が通りにくいなどデメリットもあります。
アクセスのよい場所にショールームを保有していることが多く、デザイン性の高いリノベーションを依頼する際に見学して提案を受けることができるため仕上がりのイメージがつきやすく、失敗するリスクを減らすことができます。
価格面では、大手業者は地元の下請け工務店に仕事を依頼する場合が多いため地元の工務店に直接依頼するよりも割高になります。
中堅リフォーム店の特徴
中堅リフォーム店では、大手のように広告費をかけた宣伝を行えないため、CMなどで目にする機会は減りますが、品質面では大手リフォーム業者のような社内基準を満たす店も多く、デザイン性の高い提案力も兼ね備えています。さらに大手リフォーム店と比較し安価な場合が多いです。
地元の工務店の特徴
大手のように工事や顧客管理においてシステム化がされていない場合が多く、Webサイトやショールームが充実していることも少ないため実績を知る機会が少なくなります。
会社の規模が小さく少人数のため、担当者を通さず職人と直接打ち合わせができる機会がある場合が多いです。そのため、技術的な知識を持った職人に細かい指示を伝えることができるということがメリットでしょう。しかし、デメリットとして職人さんの技量によって提案度や満足度にばらつきが大きいといえます。大手業者よりも安価に依頼できる場合が多いです。
全面リフォームの満足度を大きく左右するのはリフォームを行う業者の提案力でしょう。大手リフォーム店ではデザイン性、実績を兼ね備えていますが、価格面と細かい指示が現場の職人さんに伝わるかどうかといった懸念点があります。一方、地元の工務店ではデザイン性と技術力が心配…そんなときは、大手のような提案力を持ち、小回りの効く中堅リフォーム会社がおすすめです。
業者にお願いする前に考えておきたいこと・知っておきたいこと
いざリフォームをする前に知っておきたいことをまとめました。業者に電話をする前に、ぜひ御一読下さいね。
予算をきめておく
リフォームをするうえで大切なのは、予算を決めておくことです。 実際に業者と打ち合わせを始めると、素敵なデザイン、高機能な設備など、提案がたくさんあることでしょう。そこで大切なのは、決められた予算内で「絶対改修を行いたい箇所」を明確にし、何が理想の生活であるか優先順位をつけてリフォームプランを組み立てていくことなのです。
フルリフォームなら仮住まいのことも考えておく
居住中の住宅を大規模リフォームする際は、どうしても仮住まいを手配しなくてはいけません。 リフォーム費用に加え、仮住まいにかかる家賃、敷金、礼金、引っ越し代金を事前に把握しておくことが重要です。
また、もう一点重要なこととして、従来の住居の荷物も運び出さなくてはならないため、十分な広さの仮住まいを確保する必要があります。どうしても広さを確保できない場合はトランクルームなどを利用することも検討しましょう。 リフォームの予定工期が長引くことも考えて、1か月余裕をもって手配するとよいでしょう。
法律の規制について知っておく(建築基準法、消防法など)
キッチンの取り換え、クロスの張替えといった原状回復を目的としたリフォームでは該当することがありませんが、建物の面積を増やす増築をする、家の構造を変更するなどの際は建築基準法や消防法の届出が必要になります。再建築不可の物件は大規模なリフォームが難しい場合があります。また、住宅が防火地域や準防火地域にある場合は建築物の階数、面積によって耐火構造にする必要があります。
名古屋エリアで一戸建てのリフォームを検討中なら
一戸建ての大規模な全面リフォームには資金、デザインだけではなく、法律の知識が必要になる場合があります。また、物件を新たに購入しリノベーションを検討されている方にはリノベーションに適した中古物件を選ぶ知識も必要です。
そんなときは、物件探しからリノベーションのデザイン・施工までワンストップで対応できる不動産SHOPナカジツまでご相談ください。