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買い換え特例って何?マイホーム購入時に知っておきたい特例の条件

買い換え特例って何?マイホーム購入時に知っておきたい特例の条件

掲載日:2021.05.25

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マイホームを買い換える際、要件を満たせば、買い換え時の金銭的負担を軽減できる「買い換え特例」を適用することができます。ただ、「3000万円特別控除」などほかの特例も適用できることがあり、このような場合にはどちらかを選択しなければなりません。

この記事では、マイホームの買い換え特例を中心に、ほかの5つの特例との関係性や賃貸住宅などで活用できる事業用資産の買い換え特例についても紹介します。

マイホームの買い替え特例

買い換え特例とは?

すでに所有しているマイホームを売却して新たに取得することを買い換えといいます。買い換え特例は、この買い換え時の金銭的負担を軽減できる制度です。簡単な例で買い換え特例について解説します。

「マイホームの売却により得た代金」から「売却により発生した仲介手数料などの諸費用(譲渡費用)」や「取得費」を差し引いた金額を譲渡所得 といい、利益が出た場合は、その譲渡益が課税対象となります。

たとえば1,000万円で取得したマイホームを4,000万円で売却し、譲渡費用として300万円かかった場合は、

4,000万円 – ( 1,000万円 + 300万円 ) = 2,700万円

となり、特例を適用しなければ2,700万円が課税対象となります。このような場合、一定の要件を満たすことで活用できるのがマイホームの買い換え特例です。買い換え特例のポイントは次の2つです。

  • 税負担を将来に繰り延べることができる
  • 納税しなくてよいわけではない

具体的にどのような効果があるか紹介します。

たとえば新たなマイホームを4,000万円で購入し、将来5,000万円で売却した場合、買い換え特例を適用していると、新たなマイホームの譲渡所得1,000万円と上記の2,700万円を加えた3,700万円が、将来の売却時に譲渡益として課税の対象となります。このように2,700万円について非課税となるわけではなく、税負担を将来に繰り延べる効果があります。

では、買い換え特例の適用条件など具体的に見ていきましょう。

買い換え特例の適用条件

買い換え特例を適用するためには、「売る家」と「買う家」それぞれの条件を満たさなければなりません。まずはそれぞれの条件を確認します。

売る家の条件

売却するマイホームの要件として、特に居住期間10年以上などを満たす必要があるため、短期間で買い換えをする場合には特例を活用することはできません。おもな条件をまとめると次のとおりです。

  • 居住期間10年以上、かつ土地と建物の所有期間が売却年の1月1において10年超であること。
  • 親子や夫婦など特別の関係がある人(内縁関係や法人も含む)に対して売ったものでないこと。
  • 売却代金が1億円以下であること。
  • 現在住んでいないマイホームを売却する場合
    住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
  • 日本国内にあること。

出典:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」

買う家の条件

一方、新しく購入するマイホームの条件として、床面積・土地の面積のほか、期限も設けられているので注意が必要です。おもな条件をまとめると次のとおりです。

  • 買い換える建物の床面積が50㎡以上で、買い換える土地の面積が500㎡以下であること。
  • 売却年の前年から翌年までの3年の間に買い換えること。また買い換えたマイホームには、取得した時期により次の期限までに住むこと。
    ・売った年かその前年に取得したとき:売った年の翌年12月31日まで
    ・売った年の翌年に取得したとき:取得した年の翌年12月31日まで
  • 中古住宅に買い換える場合
    ・耐火建築物の中古住宅の場合:取得の日以前25年以内に建築されたものであること、または一定の耐震基準を満たすものであること。
    ・耐火建築物以外の中古住宅の場合:取得の日以前25年以内に建築されたものであること、または取得期限までに一定の耐震基準を満たすものであること。
  • 日本国内にあること。

出典:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」

「売る家の条件」「買う家の条件」を満たしていても、確定申告をしなければ特例を適用することはできません。また売った年、その前年及び前々年に「3,000万円の特別控除の特例」や「軽減税率の特例」、「譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例」の適用を受けていると、この「買い換え特例」を利用できません。次にこれらの特例について紹介します。

自宅を売却したときの特例は5タイプある

買い換えに限らず、マイホームを売却したときの特例は5タイプあり、適用条件を満たしていたとしても併用できるかどうかについても注意する必要があります。5つの特例について簡単に紹介します。

3,000万円特別控除

3,000万円特別控除は、売却して利益が出た場合でも、3,000万円を限度に控除できるため、税負担を軽減することができる特例です。特に買い換え特例のような所有期間の要件はないため、買い換え特例を適用できない場合でも活用できることがあります。

出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

10年超所有軽減税率の特例

軽減税率の特例は、売却年の1月1日で所有期間が10年を超えるマイホームを売却した場合、税率が軽減される特例です。3,000万円特別控除との併用が認められていますが、所有期間の要件がありますので、注意が必要です。

出典:国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」

特定居住用財産の買い換え特例

前述した「買い換え特例」です。売却するマイホームに居住期間10年以上、所有期間10年超の要件があります。3000万円特別控除や軽減税率の特例、次に紹介する譲渡損失の損益通算及び繰越控除を過去3年以内に利用していた場合は適用できません。

出典:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」

居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

マイホームを買い換える際、売却したマイホームに損失が生じた場合に活用できる特例です。そのため利益が出た場合に活用できる上記3つの特例とは異なります。この記事で詳細には触れませんが、損失が出る場合にはこの特例について調べるとよいでしょう。

出典:国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」

特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

こちらも損失が生じた場合に活用できる特例ですが、買い換えは条件となりません。損失が生じる場合には、「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」と「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」とで比較検討します。

出典:国税庁「No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」

3000万円の特別控除と10年超所有軽減税率の特例の併用は可能ですが、その他の併用はできません。その他、買い替えで新たに住宅ローンを組む場合、節税効果の大きい住宅ローン控除を利用したいところですが、この5つの中では「譲渡損失の損益通算及び繰越控除」でのみ併用が可能です。

また、特例の適用には原則として自身での確定申告が必要です。これは特例で税額が0になる場合も行わなければなりません。税額計算のための計算明細書や、契約書、領収書などの書類を用意しておきましょう。

買い換え特例と3,000万円控除の比較

マイホームを売却し利益が出た場合には、「買い換えの特例」と「3,000万円特別控除(+軽減税率の特例)」で比較検討することになるでしょう。ここでは3,000万円控除についても紹介し、どちらを選んだほうが得なのか、考えていきます。

3,000万円控除とは

3,000万円特別控除を適用できれば、たとえ利益が出たとしても、3,000万円までなら税負担はありません。さらに軽減税率の特例を適用できれば、税率は軽減されます。前述した1,000万円で取得したマイホームを4,000万円で売却し、譲渡費用として300万円かかった場合は、

4,000万円 – ( 1,000万円 + 300万円 ) – 2,700万円(※)= 0
※譲渡益は2,700万円なので、2,700万円までしか控除できない。

 

となり、税負担がなくなります。買い換え特例は、非課税となるわけではありませんので、利益が3,000万円を超えなければ3,000万円のほうが有利と言えます。

悩むのは利益が3,000万円を超えた場合でしょう。

どちらがお得なのか

譲渡益が3,000万円を超えた場合、「3,000万円特別控除」ではその年分の税負担が発生します。一方、「買い換え特例」は3,000万円特別控除を適用できず、税負担は将来に繰り延べされます。また買い換え時には、新たなマイホームの購入代金だけでなく、仲介手数料などの譲渡費用や引越費用などさまざまな費用負担も考える必要があります。

「買い換えの特例」と「3,000万円特別控除」を比較検討する場合、どちらがお得かは一概に言えません。ただ、買い換え時の費用負担や納税が可能であれば、譲渡益が3,000万円を超えたとしても「3,000万円特別控除」を使ったほうがトータルではお得です。状況に合わせて選択しましょう。

事業用不動産向けの「買い換え特例」もある

事業用資産を売却して一定期間内に特定地域内の不動産を取得し、一定の条件を満たせば、「事業用資産の買い換え特例」を適用することができます。この特例では、おおむね譲渡所得の2割が課税対象となり、残りの所得は繰り延べることができます。事業用資産の買い換え特例は、売却代金(譲渡価額)と購入代金(取得価額)の関係によって、収入金額や必要経費の計算方法が異なります。

 計算方法

  • 譲渡価額 ≦ 取得価額
    収入金額を「譲渡価額 × 課税割合」、必要経費を「( 譲渡資産の取得費 + 譲渡費用) × 課税割合」として譲渡所得を計算します。
    ※課税割合は原則20%
  • 譲渡価額 > 取得価額
    収入金額を「譲渡価額 - 取得価額 × (1 - 課税割合)」、必要経費を「(譲渡資産の取得費+譲渡費用)×(収入金額÷譲渡資産の譲渡価額)」として譲渡所得を計算します。
    ※課税割合は原則20%

「譲渡価額 ≦ 取得価額」の場合は、原則、譲渡益の80%を繰り延べできますが、「譲渡価額 > 取得価額」の場合は、買換資産の取得価額が少ないほど繰り延べ効果は薄くなります(課税される譲渡所得が大きくなります)。

適用条件

事業用資産の買い換え特例にはさまざまな適用条件があります。事業所のある地域によっては、所有期間の条件が追加される場合があります。また譲渡する資産と購入する資産とが一定の組み合わせにあてはまる必要があります。事業用資産の買い換え特例の詳細につきましてはお近くの税務署などでご確認ください。

ここでは「譲渡する資産」と「購入する資産」のおもな条件を紹介します。

譲渡する資産の条件

  • 事業用の譲渡資産であること
  • 譲渡資産の譲渡は、収用や贈与などによるものや代物弁済としての譲渡ではないこと

出典:国税庁「No.3405 事業用の資産を買い換えたときの特例」

購入する資産の条件

  • 事業用の買い換え資産であること
  • 買い換え資産が土地等の場合:取得する土地等の面積が、原則として譲渡した土地等の面積の5倍以内であること
  • 資産を譲渡した年か、その前年中、あるいは譲渡した年の翌年中に買い換え資産を取得すること
  • 買い換え資産を取得した日から1年以内に事業に使用すること
  • 買い換え資産の取得は、贈与や代物弁済などによるものではないこと

出典:国税庁「No.3405 事業用の資産を買い換えたときの特例」

この特例を受けようとする資産については、「長期譲渡所得の課税の特例」などほかの特例を重ねて適用することはできません。

店舗併用住居の場合、居住用の部分は3000万円の特別控除や居住用財産の買い替え特例、店舗用の部分には事業用資産の買い替え特例を適用することができます。いずれも一定条件を満たすことが必要です。

マイホームを買い換える場合には特例について確認しよう

マイホームを買い換える場合、譲渡益が発生すれば「買い換え特例」か「3,000万円特別控除」、譲渡損が発生すれば「譲渡損失の損益通算及び繰越控除」を活用できることがあります。いずれの特例も個々の状況に合わせて選択すれば、金銭的な負担を軽減することができます。マイホーム探しだけでなく、特例などの税制についても確認しておきましょう。

<関連記事>住宅購入をするタイミングっていつ?迷っている方のお悩みを解決!

マイホームの買い替えのご相談は不動産SHOPナカジツまで

マイホームの買い替えは資金の流れが複雑になり、注意点が多くなります。また、スムーズな売却のためには集客力のある不動産会社に依頼することが重要です。

物件探し、資金計画も不動産SHOPナカジツまで、お気軽にご相談ください。

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