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市街化調整区域で建築許可がほしい!おさえておきたいポイントとは

市街化調整区域で建築許可がほしい!おさえておきたいポイントとは

掲載日:2019.08.29

土地の利用は自治体の都市計画で定められており、建物の建築には制限があります。どこにでも自由に住宅などの建物を建てられるわけではないのです。

一戸建てや住宅用の土地を探ししていると、備考部分などに「市街化調整区域」と記載があることがあります。宅地や既に住宅が建てられている状態で販売されているため、気に留めない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、住み続けていった際に思いがけないデメリットとなることも。

不動産や建築は専門知識が多くわかりにくいことが多もの。ですが、マイホーム購入は人生に一度という大イベントです。人任せにせず、知識を身に付けてのぞみましょう。

違いか調整区域で建築許可が欲しい

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市街化調整区域とは?

文字通りの説明をすると、市街化を調整する区域のことを指します。
土地には自治体によって都市計画が決められた都市計画区域とそれ以外の区域に分かれます。今回ご紹介するのが都市計画区域の中に市街化を抑制する「市街化調整区域」。その他に市街化を促す「市街化区域」、どちらにも指定されていない「日線引き区域」というものもあるのですが、それはまた別のお話。

では、市街化調整区域は何の目的で、誰が規制をして市街化を調整しているのでしょうか。詳しくご紹介します。

<関連記事>市街化調整区域とは?市街化調整区域と既存宅地の制度について

市街化調整区域の目的は?

高度経済成長にともない、もとからあった市街地では人口が増え徐々に郊外が開発され人が住み始めるようになりました。そうして市街地が無秩序に拡大してしまったことがスプロール現象として社会問題となったのです。無秩序に街が広がってしまっては、計画的に公共施設や道路、上下水道、ガス、電気などといったインフラを整備していくことが難しくなってしまいます。

そこで1968年(昭和43年)の都市計画法において市街化を優先的に進める「市街化区域」と抑制する「市街化調整区域」が制定されました。市街化調整区域は無秩序な市街地の拡大が進まないよう市街化を制限し、計画的な市街化を行う目的で指定されているのです。

誰がきめているの?

市街化の促進、抑制については市町村の枠を超えた広域的な見地から将来を見据え決定するものです。そのため、市街化調整区域のような広域の都市計画は各都道府県知事が行い、都道府県を跨ぐ場合は国土交通大臣が決定します。

一方、用途地域や地区計画といった地域的な事項は市町村での決定となります。

<関連記事>用途地域とは?土地探しに役立つ用途地域の一覧とその応用

市街化調整区域の特徴

市街化調整区域の特徴をメリットと、デメリットという視点からみてみましょう。全体的にみて、メリットとしては費用が安く済むこと、デメリットは郊外であるためのインフラや立地の不便さが挙げられます。

メリット

まずはメリットです。金銭面のこともありますが、市街化調整区域は都市部から見れば郊外であり基本的に建物が少なく端的に言ってしまえば田舎です。将来開発が行われることもなく環境の変化が少ないでしょう。ライフスタイルに合っていれば将来にわたって長く快適に暮らすことができるのではないでしょうか。

価格が割安なことが多い

市街化調整区域は、郊外であること、建物の建築や建て替えが制限されることから土地の価格が安くなっています。都道府県知事の許可なく建造物を新築することができない土地であるため建築許可に必要な申請費用は掛かりますが、市街地に土地を購入するよりも割安になります。

固定資産税が安い、都市計画税がかからない

固定資産税は所有する資産、つまり不動産では土地と建物の評価額に対して課せられます。市街化調整区域の土地は一般的に市街地よりも安いため固定資産税も比較的安くなるといえます。また、市街化調整区域は都市計画税の負担もなく、維持費が抑えられるのもメリットとなるのではないでしょうか。

騒音が少ない

市街化調整区域は郊外であるため、周囲は田んぼや畑などのどかな環境の場合が多く、基本的に大きな商業施設やマンションなど建物ができることがありません。そのため比較的騒音が少なく、快適な環境といえます。

デメリット

気になるデメリットですが、郊外ならではの問題と、市街化が抑制されているということからくる問題があります。また、将来的に売却を考えた際にも市街化調整区域であるということはデメリットになってしまうかもしれません。それでは詳しく見ていきましょう。

インフラが整うのが遅れる可能性

自治体が推進する市街化の地域から外れてしまうため、道路の舗装や下水道など生活インフラが積極的に整備されることがありません。公道が通っていれば、上水道は整っている場合が多いですが、下水道は無いことが多く、自己負担で浄化槽を設置する、管理費の必要な集落排水を利用する必要があります。都市ガスが通っていなければプロパンガスを契約することとなり、ランニングコストも割高になってしまいます。

助成金がおりない可能性

自治体によって地域活性化のための定住を促進する、住環境の改善などの目的で助成金の制度があることがありますが、その際の条件として住宅登記が「市街化区域」であることが挙げられている場合があります。市街化調整区域では対象外となってしまうのです。

学校、病院、スーパーなどが遠い可能性

「市街化調整区域」は、平たく言ってしまえば農業や林業の用地が広がる人の住まない地域です。当然、市街地の学校、病院、スーパー、コンビニ、駅といった生活に必要な施設からも遠くなってしまう場合が多いです。

売却が難しい可能性も…

不動産の売買は個人間の契約です。売りたい不動産を購入したい人が現れればよいですが、そういった需要が無ければ売却することができず手放すこともできません。

不動産は資産でもあり、負債ともなりえます。購入時には将来売却するのかも含めて検討しましょう。

住宅

そもそも建てられる?市街化調整区域で家を建てる方法

市街化を抑制しているから「市街化調整区域」なのに、マイホームを建てられるのか?でも建物を建てられないような価値のない土地を売っているわけはないし…?あなたは疑問に思ったことでしょう。

この市街化調整区域という区域区分ができたのは1965年。それ以前から建っていた家は免除がされました。それ以降も事業目的などの許可や、市街化調整区域にマイホームを建てたい人に向けて県や自治体独自の救済措置が行われたのです。

条件をクリアしたら建てられる

市街化を抑制している「市街化調整区域」であっても、一定の条件を満たすことで住宅を建てることが可能です。その条件についても都市計画法で規定されています。

都市計画法34条に基づいた開発許可を得る

市街化調整区域で建物を建てるには都市計画法34条に定められた条件で都道府県知事などの許可を得なければなりません。まずは少し長いですが規定の内容を見てみましょう。その後に簡単にまとめたものを用意したので、そちらもご覧ください。

第三十四条

前条の規定にかかわらず、市街化調整区域に係る開発行為(主として第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為を除く。)については、当該申請に係る開発行為及びその申請の手続が同条に定める要件に該当するほか、当該申請に係る開発行為が次の各号のいずれかに該当すると認める場合でなければ、都道府県知事は、開発許可をしてはならない。



主として当該開発区域の周辺の地域において居住している者の利用に供する政令で定める公益上必要な建築物又はこれらの者の日常生活のため必要な物品の販売、加工若しくは修理その他の業務を営む店舗、事業場その他これらに類する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為



市街化調整区域内に存する鉱物資源、観光資源その他の資源の有効な利用上必要な建築物又は第一種特定工作物の建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為



温度、湿度、空気等について特別の条件を必要とする政令で定める事業の用に供する建築物又は第一種特定工作物で、当該特別の条件を必要とするため市街化区域内において建築し、又は建設することが困難なものの建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為



農業、林業若しくは漁業の用に供する建築物で第二十九条第一項第二号の政令で定める建築物以外のものの建築又は市街化調整区域内において生産される農産物、林産物若しくは水産物の処理、貯蔵若しくは加工に必要な建築物若しくは第一種特定工作物の建築若しくは建設の用に供する目的で行う開発行為



特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律(平成五年法律第七十二号)第九条第一項の規定による公告があつた所有権移転等促進計画の定めるところによつて設定され、又は移転された同法第二条第三項第三号の権利に係る土地において当該所有権移転等促進計画に定める利用目的(同項第二号に規定する農林業等活性化基盤施設である建築物の建築の用に供するためのものに限る。)に従つて行う開発行為



都道府県が国又は独立行政法人中小企業基盤整備機構と一体となつて助成する中小企業者の行う他の事業者との連携若しくは事業の共同化又は中小企業の集積の活性化に寄与する事業の用に供する建築物又は第一種特定工作物の建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為



市街化調整区域内において現に工業の用に供されている工場施設における事業と密接な関連を有する事業の用に供する建築物又は第一種特定工作物で、これらの事業活動の効率化を図るため市街化調整区域内において建築し、又は建設することが必要なものの建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為



政令で定める危険物の貯蔵又は処理に供する建築物又は第一種特定工作物で、市街化区域内において建築し、又は建設することが不適当なものとして政令で定めるものの建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為



前各号に規定する建築物又は第一種特定工作物のほか、市街化区域内において建築し、又は建設することが困難又は不適当なものとして政令で定める建築物又は第一種特定工作物の建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為



地区計画又は集落地区計画の区域(地区整備計画又は集落地区整備計画が定められている区域に限る。)内において、当該地区計画又は集落地区計画に定められた内容に適合する建築物又は第一種特定工作物の建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為


十一
市街化区域に隣接し、又は近接し、かつ、自然的社会的諸条件から市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域であつておおむね五十以上の建築物(市街化区域内に存するものを含む。)が連たんしている地域のうち、政令で定める基準に従い、都道府県(指定都市等又は事務処理市町村の区域内にあつては、当該指定都市等又は事務処理市町村。以下この号及び次号において同じ。)の条例で指定する土地の区域内において行う開発行為で、予定建築物等の用途が、開発区域及びその周辺の地域における環境の保全上支障があると認められる用途として都道府県の条例で定めるものに該当しないもの


十二
開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認められる開発行為として、政令で定める基準に従い、都道府県の条例で区域、目的又は予定建築物等の用途を限り定められたもの


十三
区域区分に関する都市計画が決定され、又は当該都市計画を変更して市街化調整区域が拡張された際、自己の居住若しくは業務の用に供する建築物を建築し、又は自己の業務の用に供する第一種特定工作物を建設する目的で土地又は土地の利用に関する所有権以外の権利を有していた者で、当該都市計画の決定又は変更の日から起算して六月以内に国土交通省令で定める事項を都道府県知事に届け出たものが、当該目的に従つて、当該土地に関する権利の行使として行う開発行為(政令で定める期間内に行うものに限る。)

 

十四
前各号に掲げるもののほか、都道府県知事が開発審査会の議を経て、開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがなく、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認める開発行為

引用元:電子政府の総合窓口(e-Gov)都市計画法

法律の表現は難しいですね。要件を簡単にまとめました。(だいぶ端折っています!)

  • 既存住民に有益な店舗の建築
  • 既存住民に有益な店舗の建築
  • 鉱物・観光資源の利用、農林水産物の処理などをする、活性化させる施設
  • 既存工場と関連する事業場、中小企業を新興する施設
  • 危険物の貯蔵・処理をする施設
  • 市街化区域に隣接・近接し、市街地の一部と認められる地域への建築
  • 市街化を促進せず、市街化区域内に建てることが難しいもの
  • 以上の項目の他、開発審査会の許可を得たもの など

許可の要件が整い市街化調整区域への建築がやむをえないと判断される場合に許可が認められます。各物件の立地要件や都市計画、自治体によっても用件が異なる場合があるのでしっかり確認してください。

愛知県開発審査会基準17号とは

市街化調整区域への建築許可が記されている都市計画法の法第34条14号の内容として「開発審査会の許可を得たもの」とあります。愛知県では愛知県開発審査会でも審議が行われます。市街化調整区域の売却物件の情報で見かける「17号許可が必要です」というものは「愛知県開発審査会基準17号 既存の宅地における開発行為又は建築行為等」を指しているのです。(愛知県の指定都市や事務処理市では取り扱いが異なることがあります)

申請には様々な書類や専門知識が必要となるため、手続きに慣れた不動産会社にお願いするとよいでしょう。

市街化調整区域で家を建てられる具体例

市街化調整区域に指定される以前から本家が現在まで継続して住んでいる人間であり、
世帯の構成員、構成員であったものが分家する場合で、市街化区域に建築可能な土地を保有していないことが証明できた場合に家を建てることが可能です。

例えば、市街化調整区域に代々住んでいるA山家の次男が分家し、敷地内に新築するとします。この場合、A山家の次男は市街化区域に建築可能な土地を保有していないことが条件のため、A山家に同居していたか、賃貸などで生活していたことになります。

既存宅地でも建て替えられないこともある!?

市街化調整区域に既にある中古の住宅、つまり既存宅地を購入し、建て替え、リノベーションを行う際にも注意が必要です。既に建物が建っているからといって、建て替えを行う場合に許可を受けなければならないのです。

既存宅地も許可が必要

市街化調整区域にある住宅を中古で購入し、建て替え、リノベーションを行う際にも注意が必要です。

  • 既存宅地でも都市計画法第34条の許可を受けなければならない
    既に住宅が建っている場合でも、都市計画法第34条の許可を得る必要があります。
    しかしながら、市街化調整区域に指定される日以前からある建築物の場合、今の条件を満たせば原則として建て替えが可能です。
  • 線引きの日以前に建築された建物であること(大部分が昭和43~46年の間に指定されました)
  • 建て替え後も同じ用途であること
  • 建て替え後も同じ敷地にあり、同じ規模であること
  • 増築にも制限がある

    増築にも同様に制限があります。
    あらかじめリフォーム業者などに相談しましょう。

更地の土地

市街化調整区域の土地って売却しにくいの?

デメリットでもご紹介した、売却ができるのかという問題です。市街化調整区域は懸念点もありますが、条件によって売却を行いやすい場合があります。

また、区域区分は概ね10年に一度見直されています。将来的に市街化地域に線引きが見直される場合もありますが、全国的に見て稀なケースなようです。やはり変更には地域に暮らす方から徴収する税金が変わることもあって難しいのかもしれませんね。

売却しやすい条件とは

売却しやすい条件とご紹介します。物件の条件と、買手側の需要がポイントです。市街化調整区域の土地を購入する際も、将来的な売却を考慮しましょう。

宅地である、農地でない

既に解説したように、宅地であれば住宅の建築、建て替えが可能な場合があり、住宅を建てたい人に向けての売却に有利となります。

農地の場合は農地転用が必要となり、農業委員会や県の許可を得なければなりません。

事業を行いたい人に売る

開発事業に該当する土地利用を行う人であれば建物を建築することも可能であり、売却の可能性があります。開発事業とは先に紹介した都市計画法34条にある開発許可の要件に該当するものです。

自治体や、市街調整区域に詳しい不動産屋に相談することが大事

住宅をはじめ建物の建築が難しい「市街化調整区域」。地方自治体によって許可基準が違うこともあります。地元の事情に詳しく、建築許可などの申請に実績のある不動産屋に相談することがスムーズな売却のポイントでしょう。

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