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不動産のポータルサイトや新聞の折込チラシを見ていると、相場より明らかに安い土地が掲載されていることがあります。土地を探している人から見ると「これは掘り出し物かも」と考えるのも無理はありません。
しかし、これらの土地の多くには、安いなりの理由があるのです。人気のあるものは高く、人気のないものは安い。これが経済原則です。ここでは相場より安い土地が発生する要因やその活用法について考えていきます。安い土地でも考え方によって掘り出し物に化ける可能性を秘めているのです。
記事の構成
安い土地のデメリットは?
安い土地のデメリットは、それぞれの安さの理由となっている要因によります。
その内容は後で詳しく解説しますが、大まかに発生し得るデメリットをご紹介します。
希望通りの家を建てられない
法律の制限や土地の形などによって希望したデザインや大きさの建物を作れない可能性があります。
土地を利用するために余分に費用が掛かる
解体しなければならない古屋がある、大規模な土木工事が必要など、理由は様々ですが余計な費用が掛かる土地は割安で売られている場合があります。
安全性のリスクがある
近年たびたび発生しているゲリラ豪雨。浸水想定区域を気にして土地探しをしている方も多いことでしょう。それだけでなく、崖が近かったり、地盤が弱い土地であったり。地勢的な理由も反映されている場合があります。
擁壁の工事や地盤改良工事などの対策がありますが、かえって費用が掛かってしまう場合もあります。
相場より安い土地があるのは何故?
相場より安い土地が発生するのは、その土地のどこかに価格を下げざるをえない要因が存在するからです。それは形状の場合もあります。道路の関係や法令上の制限のためかもしれません。土地の価格を下げる要因についてお話ししていきます。
旗竿地
旗竿地とは、道路と通路上の部分でつながっている、L字型の敷地のことです。建築基準法という法律があり、これによると幅員4m以上の道路に2m以上接していないと建物を建築することができません。これを「接道義務」といいます。法律の要件を満たすため、幅2m以上の通路状の部分をつくり、道路に接しているのです。この形が上から見ると、旗をポールに掲げたような形に見えることから「旗竿地」という呼び名となっています。

旗竿地が安い土地となる理由
この旗竿地、土地の有効利用の面からいうと、効率がよくありません。ポールの部分にあたる路地状部分は狭く、この部分に建物を建築することが難しいからです。
路地状の部分は単なる通路にするか、駐車場にするくらいしかありません。また、旗竿地に住宅を建てると、どうしても道路から奥まった場所になり、南側に建物があると日当たりが悪くなってしまいます。周りが家に囲まれて圧迫がある場合も。こうした不利な面も多いことから、旗竿地は安い土地となっているのです。
旗竿地だけど安くならない場合も
ただし、旗竿地にも安くならない例外があります。例えば、メインの敷地部分も路地状部分の幅も十分に広い場合などです。路地状部分が自動車を駐車しても人が通れるくらいの幅があると使いやすくなります。メインの敷地部分が広ければ、隣地からの圧迫感も少なくなります。こうしたメリットがある場合には安くなるとは限りません。
道路負担がある
道路負担とは、敷地の一部を道路としなければならず、敷地すべてを思い通りに利用できない敷地をいいます。接している道路が狭い場合に発生するのが、この道路負担です。
接道の幅を確保するため境界よりも敷地の奥に下がって建築するセットバックといいます。また、分譲地では法律上の道路に接するため隣地で共同して土地を負担し共有の道路を作る場合もあります。詳しくは関連記事をご覧ください。
このように道路負担がある場合、その負担すべき道路部分は敷地として利用することができません。建築する際の面積に参入することもできないので、道路負担の無い道路に比べると魅力が下がというわけです。
土地の形が悪い
計画的に整備された戸建はどこも長方形の敷地が並んでいます。住宅の敷地は正方形や長方形のほうが使いやすいものです。
いびつな形では建物が建てづらいもの。安い土地は土地の形も悪いことが多いものです。間口が狭かったり、奥行きが長すぎたりする土地は使いづらくなります。三角形の土地や細長い土地も同様です。
不整形地が安い土地となる理由
形の悪い土地を不整形地といいますが、こうした不整形地は整形の土地よりも安くなる傾向にあります。その理由は建物の形や間取り、駐車場の配置をしにくくなるためです。
建物は基本的に四角形の集合体で構成されています。自動車も同じく四角形です。三角形の土地に四角形の建物を建てることを想像してみてください。使えないデッドスペースが増えることがわかります。建物の配置や形もいびつなものになるでしょう。このように、有効に使える部分が少なくなることから、安い土地となってしまいます。

都市部では安くならない場合も
こうした形の悪い土地は、安い土地として売却されることがほとんどです。ただ、その値引きの幅は全国一様ではありません。
郊外の住宅団地では、長方形の土地がほとんどなので形の悪い土地は敬遠されます。このため価格は大きく下落です。一方、都市部ではもともと形の悪い土地が多く、利便性が優先されることからあまり安くなりません。このように、場所によってもその評価は変わるのです。
傾斜地
傾斜地に家を建てる場合は、土地が平らになるように造成する必要があります。斜面を切り崩したり、土を盛ったり、擁壁工事をしたりとコストがかかるものです。
こうした傾斜地は人気がないため、造成工事費分を安くしないと売れにくくなります。傾斜や段差の方角も重要です。北向きのひな壇になっている土地も売れにくい安い土地となります。北向きのひな壇は、南側の土地が高いため日当たりが悪いのです。冬場は日が早く陰ってしまい、寒く感じます。洗濯物を外に干しても北向きの斜面やひな壇だと乾きにくくなるのです。
道路より低い土地
道路との関係でも土地の価格は左右されます。道路よりも高い位置にある敷地は方位によっては人気があるもの。人の視線も届きにくく、水も道路側へ流れていき水はけが良好です。
逆に道路よりも低い土地は人気がありません。道路に降った雨水が敷地に流れ込んできます。雨水だけでなく、道路を通る人の視線も気になるもののひとつです。道路を通る人が覗いているわけではありませんが、自分たちの生活を上から見られるのは意外とストレスが溜まります。
さらには駐車場も問題です。敷地に自動車を乗り入れるには駐車スペース以外に車路が必要となります。あるいは、道路と同じ高さまで駐車スペースをかさ上げすることが必要です。このように道路より低い土地はいくつかのデメリットが存在します。このため価格の安い土地となってしまうのです。
再建築不可物件
再建築ができない物件があることをご存じでしょうか。例えば違法に建築された建物が代表的です。昔はあまり厳格に法律が運用されていなかったこともあり、法律に反するような建物もあります。
接道義務違反
先ほど説明したように、建物は4m以上の道路に2m以上接面していなくてはいけません。これに反した土地に建物が建っていることもあるのです。この接道義務は1950年にできた建築基準法に定められており、それ以前に建てられた物件は該当していることがあります。
こうした接道を満たしていない土地では建物が建てられません。このため、建物が建築できる土地に比べて相当安くしないと売れないのです。
市街化調整区域の物件
この他には、市街化調整区域内の建物も要注意です。市街化調整区域とは、基本的に市街化させない区域のこと。市内でも家がまばらで農地が多い地域は市街化調整区域である可能性があります。市街化調整区域では、原則として開発許可という許可がないと建物を建築できないのです。この開発許可、同じ場所であっても許可される用途とされない用途があります。開発許可にそぐわない用途の建物は再建築できないのです。市街化調整区域は、市街地である市街化区域よりも安い土地が多い傾向にあります。それには建物が建てづらいという要因もあるのです。
相続などで期限内に売却しないといけない土地
土地に問題がなくても、所有者の都合で安くなっている土地もあります。代表的なものが相続で期限内に売却して現金化しないといけない土地、会社所有で決算期までに売却しないといけない土地です。こうした場合は売却して現金化する期限が決まっています。このため、相場より価格が安い土地として売りに出ている場合があるのです。
こうした売り急ぎ案件は、なかなか市場ではお目にかかれません。不動産業者同士で売買されたり、お得意さんに売られたりするからです。ですが、普段からアンテナを高くしていれば情報を得ることもできます。
安い土地を上手に活用するには
やはり、安い土地には安いなりの理由があることがわかりました。建物を建てるうえでの障害やデメリットが価格を押し下げているのです。
ですが、安い土地の中には工夫次第で上手に活用できる土地もあります。例えば、再建築不可物件はセットバックや隣接地を購入するなどして建設可能な土地にできるのです。土地の形状が悪い場合は設計者の腕の見せ所。建物配置や建物設計次第で形の悪さをカバーできます。旗竿地は発想の転換も必要です。周りが囲まれていることは、プライバシーを守りやすいメリットがあります。一見すると使いにくい土地でも、創意工夫で住みよい土地に変身させることも十分可能です。
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