「床が傷んできた」、「きしみやへこみが気になる」そんなふうに感じたら、床リフォームの時期です。これを機に、これまでとは違った床材にチャレンジして、お部屋の雰囲気を大きく変えてみてはいかがでしょうか。
ここでは床リフォームのヒントとなるよう、床素材の特徴や選び方などをご紹介いたします。
床をリフォームするタイミングは?
床の耐久年数は、床材や下地の状態によって変わります。
歩いてた時に床にへこみや沈み、きしみなどを感じた場合は床リフォームのタイミングです。また、目に見える傷や痛みが目立つようになった、と感じた時も床張り替えを検討する時期だといえます。
床材にこれらの症状が現れるのは、平均で10年前後です。
たとえば畳なら10~15年ほどで新調の時期がきます。フローリングであれば張り替えが必要となる時期はもう少し長く、約15~20年程度。一方でカーペットは5~7年前後と平均より寿命が短くなります。
このように床材の性質はもちろん、お手入れの仕方やお住まいの地域の気候などもリフォームのタイミングに作用します。
ご自宅の環境や床材の状況に合わせたリフォーム時期の見極めが肝心です。
床リフォーム2つの方法
床リフォームは張り替え工法と重ね貼り工法を用いるのが一般的です。
2つの工法の違いについて、見てみましょう。
張り替え工法
張り替え工法とは、既存の床材を剥がして新しく貼り直す方法です。床リフォームというと、こちらの方法を思い浮かべる方が多いかと思います。
張り替え工法メリット
張り替え工法は床材をすべて剥がすことにより、下地の状態も確認できるというメリットがあります。下地が経年劣化やシロアリによって傷んでいれば、いくら床を新しくしてもまたすぐにきしみや沈みを感じてしまうことも珍しくありません。張り替え工法で床材と同時に下地も確認することで、床材をより長持ちさせる効果が期待できます。
張り替え工法デメリット
デメリットとしては全面張り替えになるため工期が長くなることと、重ね貼り工法に比べて費用もかかります。
重ね貼り工法
重ね貼り工法とは、既存の床材の上に専用の接着剤やノリなどを用いて、新しい床材を貼り付ける方法です。
重ね貼り工法メリット
剥がし作業がなくなるため、その分工期も短くなり費用も安くなるのが大きなメリットです。床材を重ねることで、床そのものの強度も増します。
重ね貼り工法デメリット
重ね貼りでは下地材の確認ができません。
床のきしみや沈みは下地材に問題が隠れている場合が多くあります。きしみ・沈みが原因で床リフォームにいたったとしても、重ね貼りでは問題の根本が解決できないかもしれません。そのため重ね貼りは、「傷やはがれが目立つ」といった見た目に理由があるリフォームにおすすめする施工方法です。
さらに重ね貼り工法は既存の床材の上にあらたに床材を敷くため、これまでより床に厚みがプラスされます。ドアや引き出しの開閉がしにくくなった、といった弊害が生じる場合があるので注意が必要です。
床材の下地にも注意
床のリフォームは下地によってできる場合とできない場合があります。築年数も浅く下地が傷んでいなければ、重ね貼り工法も張り替え工法も問題ありませんが、下地が傷んでいれば一度既存の床材を剥がし、下地の修正をしたうえで新規張り替えが必要です。
床リフォームを検討した原因がきしみ・沈み・床なりなど床表面以外の問題な場合、下地の劣化も疑った方が良いでしょう。
床材の種類と特徴、適した居住空間
住宅で使う床材の種類は、下記が一般的です。
- フローリング
- クッションフロア
- 畳
- カーペット
- フロアタイル
- コルク
それぞれの特徴と価格の相場について、見てみましょう。
フローリング
フローリングは木材でできた板目の床です。フローリングと一口に言っても、複合フローリングと無垢フローリングがあります。
■複合フローリングとは
複合フローリングは加工された板に木目の化粧材シートを貼り付けたものです。化粧板シートには本物の木材を薄くスライスし粘着シートに貼り付けた「突き板」や、同じく粘着シートに木目や模様の写真をプリントアウトした「樹脂シート」など、複合フローリングでも品質に違いがあります。最近ではどちらも本物の無垢材フローリングと見分けがつかないほど高品質なものが、多く販売されているようです。お手入れも簡単で費用が抑えられるメリットがあります。
■無垢フローリングとは
一方で無垢フローリングは天然木の一枚板をそのまま加工し、床材として活用したものです。自然素材ならではの温もりや風合いがあり、経年劣化が味わいに変わる魅力を持っています。ただし綺麗な状態を保ちたい場合はメンテナンスに手がかかり、さらに価格が高いというデメリットもあります。
特徴、適した居住空間
フローリングはデザインが豊富でお部屋のどのような空間にも用いることができます。最近ではお年寄りのいるご家庭向けに滑りにくい加工が施されたもの、犬や猫などペットがいるご家庭には傷に強いタイプ、水回りや床暖房に適したものまで多くの機能性を持ったフローリングが発売されています。
料金目安
料金は、無垢フローリングと複合フローリング、さらに張り替えなのか重ね貼りなのかで変わってきます。
おおよそ、6畳の張り替えで10~20万円、重ね貼りなら 7~15万円を見ておくと良いでしょう。
クッションフロア
クッションフロアとは、表面(クリア層&プリント層)、緩衝材、裏地材(不織布)の3層からなるビニールシートです。
賃貸の床材で使われることも多く、安価で丈夫、デザインも豊富と取り入れやすいのが魅力です。
最近では店舗用クッションフロアを用いる住宅も増えています。店舗用は住宅用クッションフロアに比べ強度とデザインの高級感が増しますが、その分、価格も上がります。
特徴、適した居住空間
クッションフロアは水の耐久性に優れているため、トイレや洗面所といった水回りで多く用いられています。さらに名前通りのふかふかした柔らかな素材はクッション性も高く、転倒しても怪我の心配が少ないというメリットがあります。このことから、お子さんやご高齢のご家族がいるご家庭、犬や猫といったペットのいるご家庭でも、定番の床材です。
ただし見た目のチープ感や家具を置いた際には凹み跡が残ってしまうなど、見た目のデメリットが多い材料です。
料金目安
クッションフロアは床材の中でも価格が安く、1平方メートルあたり2,000~5,000円前後が一般的です。ただし、クッションフロアの交換には壁の下部に設置された「ソフト巾木」も同時交換する場合が多くあります。ソフト巾木交換費用は5,000円~8,000円程度ですので、こちらも予算として組み込んでおきましょう。
畳
和室でおなじみの畳ですが、最近では「和モダン」と呼ばれる畳と西洋風インテリアの組み合わせも人気です。
夏は涼しく冬は暖かく、湿度も調整することができるため、日本の気候にぴったりの床材だといえます。
本来の畳は表面のい草を編んだ「畳表」、クッション部にあたる「畳床」、側面を縁取る「畳縁」で構成されています。何層にも編まれた稲藁(いなわら)でできた畳床をい草でサンドイッチのように上下で挟み、畳縁で仕上げて作るのが本来の畳の製作工程です。しかし最近では、より軽量で安価でありながら機能性も向上させるため、ポリスチレンフォームやインシュレンボードといった材質を混ぜたものも多く出ています。
特徴、適した居住空間
畳は断熱性と保温性、さらにクッション性にも優れているため、座っても寝転んでも心地よい床材です。また、畳の原料であるい草の香りにはリラックス効果が期待できるため、客間や寝室に用いられる場合が多くあります。
引っかき傷や日焼けには弱いものの、畳を裏返せば新品同様の見た目になる手軽さも畳の魅力。
ただし天然素材なため、手入れが行き届いていないとダニやにおいが発生しやすいという面もあります。
料金目安
畳には「裏返し」「表替え」「新調」の3つのリフォーム方法があります。
■裏返しの料金目安
裏返しはその名の通り、畳を裏返して畳縁だけ新しい物に変えるリフォーム方法です。1畳あたり4,000円前後と、畳リフォームにおいてもっとも安価な手段です。
■表替えの料金目安
畳の裏側にも傷がある場合、表替えか新調を行います。
表替えは畳表と畳縁だけ新しいものし、中の畳床は再利用する工法で、価格は1畳あたり5,000円~2万円程度です。価格の幅が広いのは、畳のグレードによって金額が前後するためです。
表替えは畳床はそのまま再利用するため、踏みごこちや寝心地にはあまり変化がなく、見た目だけ新品同様になる工法です。
■新調の料金目安
一方で新調の場合、1畳あたり1万~3万5,000円は予算を見ておいた方が良いでしょう。こちらも畳のグレードにより価格が変化します。
畳を敷いてから10年以上経っている、畳がふわふわして触り心地、寝心地が悪いと感じたら新調の時期です。
カーペット
カーペットはデザインや形、大きさによって部屋の印象を大きく変える床材です。
「冬は良いけれど夏には不向き」、「手入れが大変」というイメージを持たれがちですが、最近では網目を硬く結うことで、夏場でも使用できるカーペットや洗濯機OKのカーペットなどが人気を集めています。
特徴、適した居住空間
カーペットは吸音性・保温性に優れています。部屋に敷けば階下や隣の部屋へ音が響くことも少なくなるため、子供部屋や温かさを保ちたい部屋におすすめです。ただし、ダニやカビの発生頻度も高い材質なため、丁寧なお手入れが必要です。カーペットを敷いた部屋はとくにお掃除をこまめにする、空気の入れ替えを頻繁に行うなど、対策をとりましょう。
料金目安
カーペットの費用は、1平方メートルあたり2,000~4,000円前後を見ておきましょう。ただしこれは住宅用カーペットの中でも比較的安価なものを選んだ場合です。カーペットは素材やデザインによって見た目の高級感が大きく変わるため、お部屋にチープ感を出したくない方は中級品以上を選んだ方が無難です。その場合、5,000~1万円は見ておいた方が良いでしょう。
フロアタイル
フロアタイルは塩ビ素材でできたタイルです。クッションフロアと同じように表面に模様をプリントアウトしてありますが、クッションフロアよりも硬く高級感があり、耐久性にも優れています。汚れたり傷がついたりした場合、その部分だけタイルを取り替えれば良いため、メンテナンスのしやすさもフロアタイルの魅力のひとつです。
店舗で用いられることが多いですが、見た目の高級感とそれに見合わないお手頃な価格から、最近では住宅での使用も増えてきました。
特徴、適した居住空間
フロアタイルは表面がとても硬く汚れにも強いため、土足使用ができます。住宅では玄関に設置することが多いですが、カフェ風やショップ風のインテリアを好むご家庭では、リビングやキッチンなど居室につかう場合も多くあります。
料金目安
フロアタイルもフローリング同様、重ね貼りと張り替えができます。金額は6畳の張り替えで5~7万円前後が多い印象です。
クッションフロアより見た目・機能性に優れておりフローリングよりも安いことから、床リフォームでフロアタイルを検討する方が増えています。
コルク
コルク床はコルク樫の樹皮を主原料としています。材質に空気が含まれているためクッション性が高く、吸音性・断熱性、保温保湿性に優れた、非常に使い勝手の良い床材です。
特徴、適した居住空間
コルクはワインの栓にも使われています。このことからわかるように、コルク床は耐水性と柔軟性を持ち合わせている床材です。さらにコルクには窒素を含んだ気泡が含まれているため、耐火性にも優れています。そのため、家のどのような箇所においても活用しやすく、リビングはもちろん、水場やペットのいる部屋、キッチンにも活用できるといえます。
万能だと思われるコルク床ですが、一般家庭ではフローリングやクッションフロアほど浸透しておらず、施工できる職人が少ないのが現状です。
そのため、コルク床リフォームを検討しても対応してくれる業者が少ない、見つかっても施工代が高いといったデメリットがあります。
また、コルクの弱点ともいえるのが耐久性の弱さです。コルクは傷に弱いうえに補修が難しいため、傷がついたら張り替えを行わなくてはいけません。
料金目安
コルクの料金目安は1畳あたり1万5,000~2万円程度が相場です。下地処理が非常に重要となる床材のため、下地の状態によってはさらに価格が上がる可能性もあります。
DIYでもできる床リフォーム
業者に依頼するのが一般的な床リフォームですが、じつは、DIYでも実現できます。
近年では初心者でも扱いやすいDIY向けフローリングが発売されており、カッターで簡単に切れ、既存床の上に置くだけでOKのものも多くあります。
手間はかかるものの施工費がゼロになるため、リフォーム費用を節約したい方は検討をしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
床のリフォームのタイミングは、既存の床と下地の状態で左右されます。また、ライフスタイルにによってどの床材がベストかは差があるものです。不動産SHOPナカジツではお客様の毎日が快適になるよう、見た目も機能性も重視し価格も抑えた床リフォームをご提案いたしております。ぜひ、床リフォームをご検討している方はお気軽にお問い合わせください。
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