一戸建ての屋根の形と屋根材の種類や選び方

一戸建ての屋根の形と屋根材の種類や選び方

掲載日: 2020.06.30

一戸建ての屋根は住宅の印象を左右する重要な部分です。住宅のデザインに影響するので、形や素材による見た目や費用に注目してしまいがちですが、本来、風や雨・日差しから住宅を守る重要な役割を担います。屋根の形や材料によって、メンテナンスの手間も異なります。今回は、一戸建ての屋根の形状と屋根材の特徴、選び方をご紹介します。

一戸建て屋根イメージ

一戸建てを建設するとき、屋根が大事な理由

屋根は雨漏りや日差しから住宅を守るという大切な役割を持っています。屋根の形状や素材は、雨漏りのしにくさや熱の伝わりやすさに影響を及ぼします。

また、屋根に不具合が発生し、雨漏りが起こると住宅に使われている木材が湿った状態になります。シロアリは湿った木材を好みますので、これを直さずに放置してしまうことで、シロアリ被害が拡大させてしまいます。こうしたことから、雨漏りしにくい屋根の形や屋根材を選ぶことが重要だと言えます。

注文住宅で屋根についての検討が後回しになっていませんか?もしかしたら、内部の設計にこだわるあまり、雨や風に弱い屋根になっているかもしれません。是非、屋根の形状や素材について知って、より良いおうちをつくる参考にしてください。

ここでは機能面について解説しますが、屋根は見た目の印象も左右します。屋根を含め外観の決め方について知りたい方は、以下の記事で詳しく説明していますので是非チェックしてみてください。

 ・理想の外観はどれ?注文住宅のおしゃれな外観とその決め方とは

一戸建てに適している屋根の種類は?

日本の代表的な屋根の種類

日本の屋根には様々な形状のものが存在します。よく目にするシンプルな形状のものから、複雑な形のものまで様々な屋根があります。それぞれの屋根の形状にどのような特徴があるのか見ていきましょう。

切妻屋根

切妻屋根イラスト

切妻屋根は、とても一般的な屋根です。マンガやアニメで四角い建物と三角の屋根で住宅を描いたものがありますが、その「三角の屋根」が切妻屋根です。みなさんもすぐに思い浮かべることができるのではないでしょうか?

特徴は構造がとてもシンプルという点です。そのため、雨漏りが少なくメンテナンスも安価になる傾向があります。デメリットとしては、寄棟屋根に比べ軒がない側面に太陽光や雨水があたりやすいため外壁が劣化しやすい点です。また、多くの住宅で採用されている形状なので、屋根に個性を求める場合には物足りなさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。

寄棟屋根

寄棟屋根イラスト

寄棟屋根は、屋根の最上部から四方に屋根面が分かれています。切妻屋根と形が似ていますが、なまえの通り屋根を寄せることにより傾斜面がより短くなっています。4方向すべてに軒があるため、雨風や日差しから外壁を守りやすくなります。なので、外壁の劣化を抑制でき、住宅を長持ちさせることができるのがメリットと言えます。

しかし、切妻屋根に比べて継ぎ目が多くなります。そのため、建設費が切妻屋根よりも高くなる傾向があり、継ぎ目の部分で雨漏りが発生することも多いようです。また、太陽光パネルを設置しようと考えた場合は、面積が小さく4面中2面が三角形のため、設置できる太陽光パネルの数が制限されてしまうこともあります。

片流れ屋根

片流れ屋根イラスト

片流れ屋根は、片方にだけ傾斜面がある形式の屋根です。切妻屋根をちょうど半分にしたような形状になります。小さな敷地の建物にも使えること、すっきりとシンプルな見た目から、最近の新築物件によく見られるようになりました。シンプルな形状のため、新築時の工事費用は安く済む傾向があります。また、継ぎ目も少ないので雨漏りも少なく、メンテナンス性も高くなります。

デメリットとしては、屋根が一面しかないため雨が集中してしまいます。雨どいに雨水が流れ込みあふれるリスクがあるので定期的なチェックが必要です。また、壁面に雨水や日差しが当たりやすい点や特に軒ゼロの場合は、雨漏りに注意が必要になります。

方形屋根

方形屋根イラスト

方形は、『ほうぎょう』と読みます。形状は寄棟屋根に近く、傾斜面が屋根の頂点の1点に集まっていますので、建物はほぼ正方形となります。屋根の形状だけを見れば、エジプトのピラミッドの形をしています。屋根としての特徴、メリット・デメリットは、寄棟屋根と同様です。

4方向すべてに軒があるため、雨風や日差しから外壁を守りやすく、外壁の劣化を抑制できますが、継ぎ目の部分で雨漏りが発生することも多いようです。継ぎ目が多い分、建設費が切妻屋根よりも高くなる傾向があります。太陽光パネルを設置しようと考えた場合は、太陽光パネルの数が制限されてしまうこともあります。

屋根は外壁を守る役割も担っていますが、外壁の種類やメンテナンスについて知りたい方は、以下の記事で詳しく説明していますので是非チェックしてみてください。

 ・外壁サイディングとは?メリットやデメリット、メンテナンスの期間や費用は?

その他の特徴的な屋根

入母屋屋根

入母屋屋根は、「寄棟屋根」に「切妻屋根」を乗せたような形状をしています。昔ながらのイメージが強く、古くどっしりした印象となります。切妻屋根+寄棟屋根の構造なので造りは複雑になります。そのため、雨漏りのリスクも高くなります。基本的なメンテナンスは切妻屋根と寄棟屋根と同様ですが、構造が複雑なため場合によっては大規模な工事が必要になる可能性もあります。

越屋根

越屋根は、屋根の上に小さい部屋を乗せた形状です。この小さい部屋に窓を取り付け、光や新鮮な空気を十分に取り込めるようにしています。ただし、構造は複雑なので、新築工事やメンテナンスで手間がかかり費用も高くなります。屋根が複雑な分、雨漏りのリスクも大きくなります。

はかま腰屋根

はかま腰屋根は、切妻屋根の側面に少しだけ寄棟屋根の屋根面を設けた形状をしています。ちょうど袴をはいた姿に見えることから名前が付いたと言われています。「隅切り」「半切妻」「ドイツ屋根」などとも呼ばれています。

屋根の先の高さを抑えることができ、建築基準法で斜線規制がある場合によく利用されます。室内の高さを低くすることなく、道路斜線や日影規制など法的な制約をクリアするための形状です。

招き屋根

招き屋根は、片流れ屋根を段違いに重ねた形状をしています。かたほうの屋根上部に壁を作ることになるため、室内の高さを確保することができます。ロフトや天井裏のスペースを活用できる形です。北側の屋根面を狭くすれば、積雪量も減らせます。注意点としては、屋根と外壁との接合部分で雨漏りが発生する可能性があることです。施工業者に念押ししておきましょう。

陸屋根

陸屋根は、『ろくやね』や『りくやね』と読みます。学校の屋上のような水平な屋根です。見た目がすっきりしていて、近年少しずつ増加している形状です。雪がよく降る地域では、落雪事故を防止する目的で陸屋根を採用するケースもあります。

屋根に傾斜がなく水が流れないため水溜まりができ、雨漏りの可能性が高くなるという点はデメリットです。

使用されている屋根材の種類

屋根材は、金属系・スレート系・セメント系・粘土瓦系に大別されます。それぞれメンテナンス性や重さ、耐久性、価格が異なります。一般的に屋根の重量が軽い方が地震の揺れには強くなります。

金属系(トタン)

屋根材トタン

金属系の中で古くから使われているのがトタンです。トタンというと、古い建物に使われているイメージがあるかもしれません。トタンは安価なためコストは抑えることが可能です。また、継ぎ目が少ないため雨漏りはしにくい点もメリットと言えます。

しかし、錆びが出やすく耐久性が低い点はデメリットになります。また、断熱性・遮音性が低い点もデメリットになります。

金属系(ガルバリウム鋼板)

屋根材ガルバリウム鋼板

金属系の中で近年多く使用されているのがガルバリウム鋼板です。高い耐久性を持ち、デザイン性が高く人気が出ています。軽量であることから建物の耐震性向上に貢献します。

しかし、薄く軽量であるがゆえに、へこみやキズなどは付きやすい素材です。錆びにくい素材ですが、メンテナンスが全く不要というわけではありません。傷から錆びたり、塩害を受けることもあります。

ガルバリウム鋼板の弱点を補う素材として、ガルバリウム鋼板に石の粒を吹き付けた石粒付きガルバリウム鋼板という新素材があります。こちらは塗替えの必要がなく防音性や断熱性が改善されます。耐久性が高い素材で、石粒でコーティングされているので重量が多少重くなりますが、粘土瓦などに比べると軽量素材です。現在最も注目される屋根材となります。

スレート系

屋根材スレート

スレートは日本で最も使用されている屋根材と言われています。色やデザインが豊富で安価であるため、多くの住宅で利用されています。軽いというのが大きな特徴で、地震の揺れを軽減し建物が倒壊するリスクを抑えることが可能です。

しかし、薄く軽い分、強度が弱い点がデメリットです。10年~15年で再塗装が必要になります。他の屋根材よりもメンテナンスが必要になる点は注意が必要です。また、過去のスレート屋根材にはアスベストが含まれていました。健康被害を引き起こすことから、2004年以降アスベストは使用されなくなっています。

粘土瓦系

屋根材瓦

瓦の主流は粘土瓦で、日本瓦も西洋瓦も素材は同じ粘土です。釉薬瓦と無釉薬瓦という分け方もあり、釉薬をぬって艶を出すかどうかで見た目に違いがあります。粘土瓦は耐久性が非常に高く、塗装も必要ありません。日本瓦自体にはメンテナンスは不要です。

しかし、重量があるため屋根が重くなり、建物はそれを支える強度が必要になります。また、瓦のずれや割れ、漆喰の剥がれなどがある場合にはメンテナンスが必要となります。

セメント瓦

瓦の屋根といえば粘土を使った陶器のイメージが強いですが、セメントを主成分にしたセメント瓦という屋根材もあります。外見は日本瓦に似ているものが多いようです。

日本瓦の次に高額で、厚型のセメントなのである程度の強度はありますが、スレートと同じく割れやすいです。また、重量もあり地震対策としては不向きと言えます。

瓦屋根については以下の記事でさらに詳しく説明していますので是非チェックしてみてください。

 ・瓦屋根の種類、メリット・デメリットは?

おすすめの屋根

災害に強い組み合わせ

招き屋根×石粒付ガルバリウム鋼板

招き屋根は、非常に風に強い形状をしています。加えて石粒付きガルバリウム鋼板は雨音を抑える効果があります。また、軽量なので地震にも強くなります。ただし、屋根と外壁の継ぎ目部分は、雨漏りしやすいので注意が必要です。業者にしっかりと施工してもらえるように伝えると良さそうです。

雪に強い屋根、融雪システム

無落雪屋根

豪雪地域では、これまで雪が落ちやすい屋根が作られてきました。大きく勾配を取った切妻屋根でトタンを利用するなどです。しかし、固まった雪が大量に落ちたり、雪下ろしの重労働が大きな事故につながってしまったりとリスクもありました。

近年、鉄筋コンクリート造など、住宅の構造を強くして陸屋根にしたり、屋根をV字にしたりして雪を落とさないようにするケースが増えています。雪が自然に溶けるのを待つという新しい考えのもと誕生した屋根です。屋根に融雪システムを入れ雪を溶かす場合もあります。

屋根材としては、軽量で耐久性も高く錆びにも強い特徴を持つガルバリウム鋼板が適切だと考えられます。ただし、雪の重みによる建物へのダメージには注意が必要です。

暑さに強い屋根

大きな斜面の屋根

一方、夏に猛暑となる地域では、大きな勾配を持つ屋根にすることで、屋根と天井の間を大きく取ることができ、屋根からの熱が生活空間に伝わりにくくできます。屋根裏を上手く活用すると、換気口を設けやすくなり暑さをしのぎやすくなります。

まとめ

  • ●シンプルな形状の屋根の方が雨漏りしにくい傾向がある
  • ●各素材のデメリットを軽減した素材が開発され続けている
  • ●屋根選びはデザインだけでなく、メンテナンス性や価格など総合的に検討する必要がある

ご来店予約をいただくと、WEBサイトへの掲載ができない建物や土地もご案内できます。オンラインでの相談も受け付けていますので、是非ご予約ください。

ナカジツでは、注⽂住宅・分譲住宅・中古物件+リフォーム・中古マンション+リフォームなど、たくさんの選択肢をご⽤意し、お客様⼀⼈ひとりに最適なスタイルを形にするお⼿伝いをさせていただきます。

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