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土地があればどこにでも家が建てられる、現状家が建っている土地ならなおさらだと考えてはいませんか?マイホーム、土地購入を検討しているのであれば、その知識の無さは危ないですよ!今回は「建ってるのに建てられない?再建築不可物件」についてと、そのメリット、デメリット、さらには対処法についてご紹介します。
相続した家が再建築不可だった、どうしたら有利に売却できるの?という方もぜひご覧ください。
目次
再建築不可とは?
再建築不可物件とは、現在建物が建っているが、取り壊し新たに建築することができない物件(土地)の状態を言います。それを規定しているのが建築基準法です。SUUMOやathomeなどのポータルサイト、不動産会社の物件掲載情報にも「再建築不可」などとして記載されます。
弊社サイトの物件から一例ご紹介します。
なぜ再建築不可となるのか、詳しくは後述しますが、この物件の場合は愛知県建築基準条例第6条・第7条が定める旗竿地の路地上部分の長さによってきめられた最低幅員を満たしていなかたようです。このように国で定められた建築基準法の他にも自治体ごとの条例がある場合があります。
なぜ再建築ができないのか
なぜ再建築ができないとされるのか、接道と道路という要素に分けてご説明します。
接道義務
建築基準法第43条にて前面道路に2m以上接していない敷地には、原則建物を建てられないことになっています。これを接道義務といいます。なぜ接道義務があるかというと、住宅で火災などがあった際に、緊急車両で近くまで乗り入れスムーズな消火活動や人命救助を行えるようにするためです。
もし、敷地の一部が2mの幅で道路に接していても、そこに至るどこか一部分でも幅が2m未満となっている場合、接道義務を果たしているとはいえません。
建築基準法上の道路とは
建築基準法第42条において、接道する道路は原則として公道などの幅員4m以上のものと規定しており、それを満たさないものは建築基準法での道路として認められません。しかし、幅員4m未満の道路でも、建築基準法の道路とみなされる場合もあり、これを「42条2項道路」や「みなし道路」と呼びます。これらは将来的に幅員を確保することを前提としているため、この道路に接道する土地では再建築時にはセットバック(後退)が必要となります。
※一部地域では幅員を6m以上と規定しています。
さらに、私道の場合は幅員が4m以上で特定行政庁によって指定を受けた位置指定道路(5号道路ともいう)であれば建築基準法上の道路とみなされます。
この接道義務の規定を含む建築基準法は1950年(昭和25年)に制定されたため、それ以前に分筆や建築がなされた建物には接道義務を満たさず、再建築不可とされるものがあります。特に都市部に多く見られます。
<関連記事>セットバックの基礎知識~メリット・デメリット、注意点は?~
その他、再建築不可となる条件
ここまで接道義務を満たさないことによる再建築不可についてご紹介しましたが、その他にも再建築不可となるケースがあります。高圧線下の敷地や市街化調整区域に関わるもの、建築基準法の改正によって既存の建物と同一のものが建てられない、このようなケースでも再建築が不可となる場合があります。市街化調整区域の詳細については関連記事からご覧ください。
<関連記事>市街化調整区域で建築許可がほしい!おさえておきたいポイントとは
再建築不可物件を購入するメリット・デメリット
さて、とてもやっかいそうな再建築不可物件ですが、どんなメリットがあるのでしょう。また、新たに建物が建てられないという、宅地として致命的なデメリットを克服する方法はあるのでしょうか…?
メリット
現在ある建物を取り壊してしまうと再び建物を建てることができない、つまり将来的には宅地としての利用価値がないと言ってよい土地です。そんな土地はやはり資産性が低いとされ周囲の価格と比べ低い価格で取引される傾向にあります。
再建築不可物件は法律の改正前に建てられたものであるため、多くが築年数の古いものです。木造の住居は建物の資産価値は20年程度でほぼ無くなってしまいます。そのためほとんど土地代だけの値段で購入ができてしまいます。つまり、もし近隣に同じ敷地面積の新築住宅があった場合、それに比べかなり安い金額で購入ができるでしょう。
また、建物が古いというのも考え方次第であって、古い建物が好きな方にはメリットとなりえるのではないでしょうか。建て替えはできませんが、購入費用が安く住めば、その分の費用をリフォームやリノベーションなど建物の快適性を上げることに投資できます。
さらに、固定資産税の評価額も低くなるため毎年納めなくてはならない固定資産税、さらに相続税などの負担も軽くなります。
デメリット
一番のデメリットは再建築ができないことです。古い建物のためメンテナンス費用が掛かる場合があります。柱や梁といった構造躯体の強度や耐震性も懸念点です。
その他のデメリットとしては、購入時に住宅ローンの借り入れができない場合があります。資産性の低い不動産では担保とならないためです。
再建築不可物件を購入するときのポイント
次はいよいよ、再建築不可物件を購入する際の注意点です。
専門家と一緒にチェックする
再建築不可物件は確認すべきポイントが多くあります。そのため、過去に再建築不可物件の取り扱いが多くあり、実績のある不動産会社、営業スタッフと一緒にチェックを行いましょう。
家の設備・立地の確認
再建築不可物件は築年数が古く、設備も古い場合があります。どの程度のリノベーションが必要かも含めチェックするようにしましょう。周囲に建物があり風当りや日当たりが悪いと湿気が溜まりやすくなったり、雨水の排水がきちんとしてないと家の構造部分や基礎に影響を与えます。カビくささがないかなど、各所の傷み具合のチェックも必要です。さらに、大きい道路から住宅までが長く細い通路になっている(旗竿地)場合は、リノベーションを行う際に資材搬入などの手間が増え費用が余計にかかる場合があるため注意しましょう。
<関連記事>中古住宅のインスペクション(ホームインスペクション)って何?義務化された内容とは
再建築不可物件の購入後の利用方法
建築不可物件を購入した後、どんな活用方法があるのでしょうか。
リフォームやリノベーションをする
リフォームやリノベーションをすることで、住宅寿命を延ばすことや、デザイン性、快適性を上げることが可能です。自ら居住する以外の利用法として、きれいにリフォームすることで人に貸し出すことも可能になります。都市部では築年数古くても立地など利便性を優先する傾向にあります。賃貸でよい層には再建築不可であっても問題がないのです。このように不動産投資の物件としても考えることもできます。
再建築可能な物件にする
現状は再建築ができなくとも、条件を揃えることで新しく建築が可能な土地にすることもできます。まずは建築基準法の接道義務の条件を満たすこと。そのためにはセットバックや、隣接している土地を一部購入するなどで適合できるケースがあります。その他、申請が通るのは難しいですが、敷地周辺に空き地などがあり条件が合えば43条2項(旧ただし書き)の申請をすることで解消される場合もあります。どちらも経験豊富な不動産会社に依頼し、手続きや隣地住民との交渉を行ってもらうのがよいでしょう。
手間は掛かりますが、このような対処を行うことで、再建築ができないというデメリットを持つ土地を再建築可能とし、資産価値を高めることが可能になります。
再建築不可物件についてはナカジツにご相談ください
再建築不可物件であっても、躯体だけを残したスケルトンリフォームで建物を生まれ変わらせることは可能です。しかしながら、マイホーム用の購入であっても、不動産はいずれ売却する可能性がある「資産」だという一面を忘れてはいけません。
再建築不可の古屋を相続してしまった、という場合にも上記の対処をすることでより資産性を高められることがお分かりいただけたのではないでしょうか。購入、売却いずれの場合にも、ご相談は不動産SHOPナカジツへぜひお寄せください。
ナカジツでは物件内覧時にリフォーム部門スタッフが同行して現況調査をしながらリフォームプランをご提案させていただきます。ワンストップのナカジツなら、不動産会社と設計事務所、リフォーム工務店のそれぞれを手配する手間が不要で、スムーズに物件の検討が行えます。
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