隣地購入の流れやメリット・デメリットを解説

隣地購入の流れやメリット・デメリットを解説

掲載日: 2020.11.25

隣地を購入すると面積も増え、利用効率が上がる場合があります。ですが、そうした取引は頻繁に行われているわけではありません。メリットも多い反面、デメリットや障害も多いからです。ここでは、隣地購入の流れや隣地購入のメリット・デメリットについてお話しします。通常の売買と隣地購入のどこが違うのか勉強しましょう。

隣地購入の流れ

隣地購入も一般の売買も同じではないか、と考える人もいます。確かに隣地購入とはいえ、不動産売買に変わりはありません。ただ、隣地購入には特有の段取りや準備も必要です。増分価値の判定などがこれにあたります。通常の売買と少し異なる隣地購入の流れを確認しましょう。

公図・登記事項証明書で隣地の状況を確認

まずは隣地の状況を確認することが第一です。具体的には隣地の権利関係地番面積などを確認します。この確認に必要な資料は公図登記事項証明書です。一般にはなじみの薄いこのふたつの資料。公図と登記事項証明書がどんなもので、どのように使うかみていきましょう。

公図とは

公図とは法務局に備え付けられている図面のことです。不動産登記法という法律には登記所、つまり法務局に地図を備え付けるよう定められています。この地図はその条文から通称、14条地図と呼ばれるものです。この14条地図は実際にはまだ整備中ですべての土地にあるわけではありません。こうした事情から当面は地図に準ずる図面を備えることになっているのです。これを通称「公図」と呼びます。少々厄介なのは、14条地図も公図に含めてしまう場合があること。法務局で取得できる図面を公図と言う、との理解でも間違いではありません。

公図例

(出典:法務局)

この公図には、例えば1丁目1番の東側に2番の土地があり、1番の西側には5番がある、といった具合に土地の配置が記載されています。公図は土地の配置を示した数少ない資料なのです。この公図を使って隣地の地番を確認しましょう。もしかすると、隣地は複数の筆に分かれている場合もあります。使われていない水路や通路が横たわっているかもしれません。こうした情報を公図から読み取るのです。

登記事項証明書とは

登記事項証明書はかつて登記簿謄本と呼ばれていました。今でも不動産業界では登記簿謄本でも通用します。ここでは登記事項証明書という名称で統一します。登記事項証明書は、その土地の面積、所有者、抵当権などの所有権以外の権利が記載されている書面です。登記事項証明書は公図とともに不動産を調査する上での基本資料になります。この登記事項証明書、法務局に行けば誰でも取得可能です。登録すればwebからでも取得できます。登記事項証明書は、所有権や面積の履歴も含めた記載されている全部事項証明書、現在の状況のみが記載されている現在事項証明書、古い閉鎖された事項が記載されている閉鎖事項証明書などがあります。

(出典:法務局)

登記事項証明書で確認することは、まず所有者です。「隣の人の名前くらいはわかるよ」という方もいるでしょうが、住んでいる人と所有者が異なる場合もあります。単独所有でなく、共有だと売却に共有者の同意も必要です。所有権以外にも抵当権などがついていると、これを抹消する必要もでてきます。権利関係以外にも面積も要確認です。このように登記事項証明書では多くの情報がわかります。

土地の活用プランを立てる

隣地の確認が終わったら土地の活用プランを立てましょう。隣地を購入したのはいいが、想定したプランにならなかったということも考えられます。こうした失敗をしないためにも隣地に話を持っていく前にきちんとした土地の活用プランを練ることが必要です。プランができていれば、隣地の人にプランを見せて理解を得ることもできます。概略は自分で建てるにしても、実現できるかどうかは建築士土地家屋調査士のような専門家に確認しましょう。

隣地購入価格を決める

プランが決まったら、いくらまで出せるか資金計画を練りましょう。まずは周辺の相場から調査します。国税庁の相続税路線価や不動産情報サイトの売買情報を検索すれば、およその価格水準は把握可能です。地元に住んでいれば、どこがいくらくらいで売れたという情報も手に入りやすくなります。

周辺の相場を調べたら、増分価値を調査します。増分価値とは通常の不動産取引では出てこない考え方です。隣地を購入することによって土地の形がよくなったり、有効活用できる面積が増えたりして、土地の価格が上昇することがあります。単独では安かった土地も隣地を買い増しして合併することで価値が上がる場合があるのです。増分価値は隣地購入して合併した価格とそれぞれ単独で評価した場合の価格の合計との差で計算します。計算式にすると以下のとおりです。

増分価値=隣地購入し合併した後の価格-(自分の土地の価格+隣地の価格)

先ほど調べた土地価格の相場に、増分価値を合算して隣地購入価格の上限が決まります。

関連記事:安い土地には理由がある。土地購入前に知っておきたい土地と価格の関係

隣地購入の打診

隣地の調査を済ませ、分割計画や資金計画も策定したら、いよいよ隣地所有者に購入の打診です。ただ、関係が良好なお隣さんであっても、お金にまつわる話はしにくい場合もあります。自分で交渉するのもひとつの手段ですが、不動産業者などに依頼するのも一案です。こうした単純な仲介業務ではない業務を得意とする業者もいます。自分で対応が難しいようであれば、不動産のプロを使いましょう。

隣地購入のメリット

ここまで読んで「隣地購入は大変そうだ」と思った方もいることでしょう。一筋縄ではいかない隣地購入ですが、苦労して購入するだけのメリットはあるのです。面積が増えればその分大きな建物が建てられますし、条件のよい土地にもできます。こうした隣地購入のメリットについて考えていきましょう。

増築ができる

隣地を買い増しすることによって自分の土地の面積が増えます。特に都市部では法令制限ギリギリまで建っている場合もあるものです。隣地を購入することによって余裕が生まれ、増築もできるようになります。また、都市部ほど密集した地域でない場合には、購入した隣地を庭などにすることも可能です。隣地の買い増しは利用効率の上昇が期待できます。

条件の良い土地にできる

土地の形の悪い土地は使いづらいものです。旗竿地といって、通路状の細い部分で道路とつながっている土地もあります。旗竿地だとその価値はかなり下がってしまうものです。また、単一の街路にしか接していない土地でも、隣地が角地であれば合併することで土地全体が角地になります。隣地を買い増しして合併することによって価格が上昇し、資産価値を高められるのです。

隣地購入のデメリット

隣地購入はメリットばかりではありません。いくつかのデメリットもあります。まず隣地購入は通常の売買よりも割高な取引になりやすいのです。そもそも隣地所有者が土地を売る気がなければ売買が成立しません。交渉も時間がかかります。ここでは隣地購入のデメリットについても考えてみましょう。

購入価格が高くなりやすい

不動産業界では「隣地は2倍の価格でも買え」という言葉もあります。隣地を購入すると資産価値が向上する場合があることを知っているのです。このため、購入価格は割高になる傾向にあります。よほどのことがない限り、相場よりも安く買えることはありません。隣地を購入するために住宅ローンを組む人もいます。隣地購入は購入する面積が少なくても多額の資金がかかることもあるのです。

購入までに時間がかかる

そもそも隣地所有者が土地を売る気がなければ売買の話はそこで頓挫してしまいます。隣地の所有者が共有の場合は全員から承諾が必要です。その合意を取ることは所有者が単独の場合よりも手間がかかります。隣地購入でない通常の取引でも不動産の売買は時間がかかるもの。それが隣地購入で隣地所有者にも事情があるとなると、交渉には相当な時間がかかります。隣地売買の交渉は時間をかけて密に行なう必要があるのです。

まとめ

一度分割された不動産はなかなか元には戻りません。隣地購入はその数少ないチャンスです。ここまでご紹介したとおり多くのメリットがある一方で、手間と時間がかかります。隣地所有者との交渉も必要です。ただ、うまく交渉が進めば自分の土地の価値は上昇することもあります。タイミングと交渉次第ではそれが可能です。もし、購入するメリットの多い隣地があれば、長期的な視野の元で検討してみましょう。


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