中古住宅は立地の良さ、新築に比べ価格がお得なことに加え、近年は「自分の好みにリノベーションができる」という魅力から選ばれることが多くなっています。しかし、いざ中古住宅を購入しよう、と思い調べてみてもリノベーションのデザインについての内容が主な本やホームページが多く、新築住宅のように契約や購入などの流れについて触れたものは少ないようです。今回はそんな中古住宅の「購入後」について見ていきます。
不動産の売買では契約の後、残金決済と物件の引き渡し(「不動産登記手続き」も)が同日に行われます。さて、引き渡しを終えて物件があなたのものになったら、次は引っ越し?その他は何をすればよいのでしょう。中古住宅だから気をつけたい税金の知識、その他手続き、確認事項などをご紹介します。
【注意】住宅ローン控除は2022年に改正されました。この記事の内容は2022年以降の内容となっています。
整理しておきたい税金
税金や税金の控除など、知っておかなければならないお金のことについてご紹介します。住宅ローン控除の条件など、事前に確認しておいた方が良いものもあります。中古住宅購入を検討中の方も、ぜひご覧ください。
一番忘れたくない確定申告
マイホームはとても高額な買い物です。その税負担を軽減するため、住宅ローン控除などの制度が設けられています。住宅ローンでマイホームを購入した翌年に確定申告を行う必要があります。
住宅ローン控除が受けられる適用条件を簡単に説明します。まず住宅の要件について。中古住宅の購入であれば、注意したいのが床面積と築年数です。
- 自分が居住する住宅である
- 床面積が50㎡以上であり、その半分以上が住居
戸建てでは築20年、マンションは築25年以内、または一定の耐震基準を満たすこと
→2022年の税制改正で昭和57年(1982年)以降に建築された住宅(新耐震基準適合住宅)に緩和されました
その他にも所得が2,000万円以下であることや、入居した年の前後2年に住宅ローンの特別控除や買い替え特例を受けていない、住宅ローンの返済期間が10年以上であることなどの適用条件があります。
気になる「戻ってくる金額」についてです。中古住宅では入居した年から10年間、住宅ローンの年末の残高金額の0.7%が納めた所得税から戻ってきます。控除額の上限は年間14万円、長期優良住宅、低炭素住宅等であれば上限は21万円になります。(所得税を超えた額は住民税から。住民税の上限は13万6500円)
確定申告はマイホームを購入した翌年、会社員であれば最初の年だけ申告を行います。
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その他の税金手続き
一番戻ってくる金額が大きいものが住宅ローン控除ではありますが、そのほかにもぜひ活用したいお得な制度、知っておくべき住宅に関する税金についてご紹介します。
すまい給付金(2021年終了)
すまい給付金とは、消費増税に伴うマイホーム購入者に対しての負担軽減措置の一つです。その年の収入や都道府県民税の所得割額によって異なりますが、給付額は最低10万円から50万円です。収入の少ない人ほど多く給付される仕組みとなっており、入居後に申請を行います。住宅ローンとの併用が可能です。
中古住宅の場合、売主が宅地建物取引業者(不動産会社など)であること(個人間の中古住宅売買は消費税が発生せず対象外のため)が条件です。
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参考サイト:対象要件(中古住宅) 住宅ローンの利用がない場合(現金取得者)|すまい給付金
固定資産税
固定資産税とは、不動産を持っていると毎年市区町村(東京23区は都)に対して支払わなくてはならない税金です。1月1日時点での所有者に対して課税されますが、年の途中で売買をし所有者が変わる場合は、売主と買主間で一年間の所有期間で按分し固定資産税の精算をするのが一般的です。毎年5月頃に納税通知書が届き4回に分けて支払います(一括納付も可能です)。諸費用に含めて資金計画をたてましょう。
中古住宅の固定資産税について、詳しくは関連記事をご覧ください。
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不動産取得税、減税申請
不動産取得税とは土地や建物など不動産を取得した際に課せられる都道府県民税です。住宅と土地(さらに宅地であれば固定資産評価額を1/2する)は固定資産評価額に税率3%を掛け合わせたものが税額となります。不動産を取得してから数か月後に送られてくる「納税通知書」で金融機関で支払います。
一定の条件を満たした中古住宅であれば軽減措置を受けられます。不動産取得日から60日以内に都道府県税事務所に不動産取得税減額申請書、売買契約書などの書類を提出し申請します。
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不動産取得税はいつ請求がくる?
ここで紹介した以外に不動産取得に係る税金として、不動産の権利を明らかにする「登記」に際して必要となる登録免許税、契約書に課税される印紙税、建物にかかる消費税があります。
中古住宅購入後にやるべき手続きや確認事項
中古住宅の購入後(引き渡し後)にやるべき手続きをご紹介します。引き渡しに合わせて以前から手配しなくはならないものもあります。引っ越しをして通常の生活に戻るまでは大忙しでしょうから、どんな項目があるかしっかり確認しておきましょう!
引っ越し前にやること
現地確認では設備や物件状況の確認と境界確認を
物件の現地確認は引き渡し前に行いますが、最終確認として引き渡し後にも行わせてもらえる場合があります。現地確認では、物件が契約の条件通りであるか、売主、不動産会社の立ち合いのもと現地にて「付帯設備表」と「物件状況確認書」を見比べて、書面の通りとなっているか確認をします。付帯設備表には物件の設備の有・無、または撤去など引き渡し時状態が示されており、物件状況確認書には物件の瑕疵(何らかの欠陥、不具合)だけでなくリフォーム履歴などが記されます。設備が壊れていた場合に直してもらえるかなども確認しておきましょう。
また、一戸建てでは敷地の境界があいまいだったり、越境していたなどトラブルのもとになるケースもあります。現地にて立ち合いのもと確認をしましょう。
ホームインスペクション(建物状況調査)
売買契約前や、引き渡しの前に第三者によるホームインスペクションを行わなかった場合、引っ越し前のタイミングで行うことを検討してはいかがでしょうか。ホームインスペクションとは、住宅の専門家が構造の耐力性や劣化などの建物診断を行うことを言います。建物の診断結果を知ることで安心して新居に移ることができます。また、設備の劣化具合を知ることによって今後のメンテナンス計画が立てやすくなります。
もし瑕疵※(雨漏りやシロアリ被害など目に見えない部分の損傷)を発見した場合も勝手に補修工事を行うのではなく、売主に連絡し瑕疵の有無を確認してもらってからにし、売主が責任を負うべきか否かがはっきりできるようにしましょう。
※2020年4月の民法改正により「瑕疵」は従来の呼び方となり、売主は瑕疵の責任ではなく「引き渡す目的物が契約の内容に適合した品質である義務の債務不履行」の責任を負うこととなりました。(契約不適合責任)
しかし、宅建業者ではない個人が売主の場合は任意規定となるため、特約として「売主は一切責任を負わない」とすることも可能です。売買契約時に契約不適合責任の範囲や期間をしっかりと確認しておきましょう。
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火災保険加入
引き渡し前に必ず済ませておきたいのが火災保険への加入です。引き渡し後は住宅の責任が以前の売主から買主に切り替わり、もしもの災害があった際に大きな損害を受けることとなってしまします。
住宅ローンの利用条件にも含まれていますので、開始日が引き渡し日になっていることを確認し加入しておきましょう。
リフォーム・リノベーション
引き渡しを受け、家が自分のものになってからでなければリフォームやリノベーション工事は開始できません。工事が完了後、いよいよ新居に引っ越しです。
賃貸に住んでいる方は、工事期間中は住宅ローンの支払いと家賃が二重で掛かることになるため資金計画に注意が必要です。
不用品の処理
引っ越し前に済ませておかなければならないことの一つに不用品の処分があります。自治体や時期によって粗大ごみの回収に時間が掛かってしまったり、想定よりも手続きに手間取ってしまうこともあるため早めに対処しておきましょう。
自治体の不用品回収を待っていられない!という方は、不用品の買い取り業者を利用するという手もあります。出張買取なら発送の手間も不要です。
引っ越し業者への申し込み
見積もりサイトを利用すれば、一度に複数の引っ越し会社に対して見積もり依頼をすることが可能です。しかし、いろいろな業者から一度に営業電話、メールがくるため対応に追われてしまう可能性も。
引っ越しの日程を指定せず業者の予定に合わせれば割引してくれることもあるため、余裕をもってスケジュールを組むとよいでしょう。
電気ガス水道、インターネットの申し込み
ライフラインの名義変更は早めに済ませておきましょう。特に、ガスに関しては開栓の立ち合いが必要ですから、引っ越し前にガス会社に手続きを行っておきましょう。
また、インターネットの開線は工事が伴う場合には時間が掛かるため、早めに契約し施工日を予約しておきましょう。
引っ越し後にやること
登録住所の変更
身分証や、金融機関など、様々な登録の変更が必要です。事前にリストアップしておきましょう。特に、運転免許証をはじめとする身分証はそれをもとに変更の証明を行うこともあり、優先して変更するとスムーズです。
- 住民票変更のための転入・転出届、印鑑証明(市区町村の役所)
- 運転免許証(警察署など)
- 銀行・クレジットカード登録(各金融会社)
- 携帯電話登録(各携帯電話会社)
- 郵便物転送手続き
- 勤務先・学校への住所変更届け
- その他、様々なサービス登録
各設備の保障期間チェック
中古住宅を購入し、入居前にリフォームをした場合、キッチンやトイレ、給湯器や洗面台などの設備の使い方や保証期間を確認しておきましょう。わからない点は不動産会社の担当者やリフォーム業者に確認しておくと安心ですね。
劣化に対する対策
中古住宅は引き渡し後、リフォーム・リノベーションをしてから入居するケースも多いですが、その際気をつけたいのは屋根や壁材の耐久性です。雨漏り、水漏れは家が傷む大きな要因となります。デザインに目が行きがちになってしいますが、紫外線の劣化に強いものなど機能面も重視して選びましょう。
まとめ
中古住宅では税金の控除も新築住宅とは異なる点がいくつかあります。一つひとつ確認して、税控除などの申請は漏れなく活用したいですね。
また、引っ越しや各種手続きで大変な時期ですが、引き渡し前後のタイミングで中古住宅に特有の瑕疵の懸念を解消することで、安心して長く、マイホームで暮らすことができるのではないでしょうか。
中古住宅の物件探しから購入、リノベーション(デザイン・施工)には様々な知識が必要です。全てワンストップで行える、不動産SHOPナカジツに、どうぞご相談下さい。