この記事のポイント
- 市街化調整区域の土地は、建築規制や需要の少なさから売却が難しい
- 放置すると税負担や管理責任、空き家リスクが継続する
- 状況に応じて、仲介・買取・国庫帰属制度など最適な方法を選ぶのが重要
「相続した土地が市街化調整区域で、売り方すらわからない」
「問い合わせしても断られ続けて、もう諦めかけている」
市街化調整区域の土地を手放したいとき、まずは売れにくい理由を正しく理解するところから始めることが大切です。
この記事では、法規制やインフラ問題など売却を妨げる原因から、農地・古家つき・更地それぞれの現実的な手放し方まで具体的にまとめています。
なお後述するように、都市計画の線引き前から既存の宅地である場合や開発業者が許可を得ている場合などは住宅を建てられる場合もあり、相応の価格で売れる市街化調整区域の土地もあります。
市街化調整区域の土地を売却する場合は、信頼できる不動産会社や自治体にまずは相談することをおすすめします。
売却相場がわからず、悩んでいませんか?
あなたのお家、
想像以上の高値で売れるかも!
- 相談・査定だけでもOK!まずは相場価格をチェック
- 面倒な手続きは不要!プロが丁寧にサポートします
- 高額売却の実績多数!喜びと驚きの声が続いています
\たった00秒で入力完了/
今すぐ無料で査定額をチェック!※無理な営業は一切行っておりません。個人情報も安心です
記事の構成
市街化調整区域の土地が手放せない・売りにくい理由
市街化調整区域の土地は「売れない」とよく言われますが、まったく売買できないわけではありません。ただ、なぜ売れにくいのかを理解しないまま動くと、適切な手放し方を選べず時間だけが過ぎてしまいます。
まずその背景を押さえておきましょう。
建築・建て替えに関する法規制の厳しさ
都市計画法では、市街化調整区域を「市街化を抑制すべき区域」と位置づけています。
この区域内で建築物を新築したり、既存建物を増改築したりするには、都道府県知事の開発許可または建築許可が原則として必要です。

一般的な宅地のように「買ったらすぐ家を建てられる」という状況にはなりません。
許可を受けられる建築物は、農業・林業・漁業従事者の住宅や公益上必要な施設など、限られた用途に絞られています。
既存の建物を建て替えたい場合でも、規模や用途が変わるケースでは許可申請が必要になることがあります。購入後に自由に活用できないとわかれば、買い手が見送るのは当然のことです。
生活インフラ整備の遅れ
市街化調整区域は市街化を抑制する区域のため、自治体が上下水道・都市ガスなどのインフラを積極的に整備しないケースが多くあります。すでに建物が建っていてインフラが引き込まれている土地でも、古い設備がそのままだったり、近くまで配管が来ていなかったりすることがあります。
買い手が新たに住宅を建てようとすると、上下水道の引き込み工事費用を自己負担しなければならない場合があり、数十万〜百万円単位になることも珍しくありません。
土地の購入代金とは別に、こうした初期コストが読めない点が購入を躊躇させます。
住宅ローン審査の難しさ
金融機関が住宅ローンの審査で重視するのは、担保となる不動産をいざというときに売却できるかどうか、つまり「処分性(流動性)」です。
市街化調整区域の土地は建築制限があり買い手が限られるため、担保評価が低くなりやすい傾向があります。
担保評価が低いと、融資可能額が下がるか、そもそも融資を断られるケースがあります。現金で購入できる買い手を探すことになれば、対象となる層はさらに絞られ、売却までの期間が長引きます。
売れない理由は「土地の魅力が低い」だけでなく、「買い手が資金を調達しにくい」という構造的な問題でもあります。
【口コミ】市街化調整区域の土地を手放したい人の声
市街化調整区域の土地を抱える方からの、ネガティブな声を見てみましょう。
- 私の持ってる物件、固定資産税評価500万。不動産屋に相談したら市街化調整区域なので無料での引き取りも厳しいだろうなという返事。終わってる。私が死んだら相続放棄するようにと伝えてあるよ
- うちは大工の夫の作業場、オーナーが変わって土地ごと買ってくれ、と数年前から言われて困っています。市街化調整区域なので、農業資格をもっていない夫は名義変更ができません。数年前は600万円なら、とかわしてきましたが、最近になって500万円でもいい、かってくれ、買わないのなら10月から退去とむちゃくちゃな内容証明が届きました。しかたないので、もう弁護士代を払って、弁護士です。
- 市街化調整区域は今や犯罪の温床ですね。土地を売りたくてもまず売れないから不良外人に貸すという。
これらは特殊なケースではなく、相続が絡む土地相談の場では頻繁に出てくる状況です。
共通しているのは、時間がたつほど負担が重くなり、選択肢が狭まっていくという焦り。
農地や山林の場合、そもそも買い手候補になる層が限られているうえ、農地には農地法による転用制限もあるため、一般の不動産会社では動かしようがないことも多くあります。
市街化調整区域の土地を持つリスク
売れない・使わない土地でも、所有しているだけで費用と責任は発生し続けます。放置するほど負担が重くなる仕組みを、具体的に確認しておきましょう。
固定資産税・都市計画税が毎年取られる
土地を使っていなくても、固定資産税は毎年かかります。
市街化調整区域の農地や雑種地は評価額が低めに設定されることが多いものの、非課税にはなりません。管理コストを払いながら、税金だけが積み重なっていく状況は珍しくありません。
都市計画税は、原則として市街化区域内の土地・家屋にのみ課税されます。市街化調整区域は基本的に非課税ですが、条例によって課税区域に指定している自治体も存在するため、土地の所在地の市区町村に確認することをおすすめします。
管理責任とトラブルがある
土地や建物を所有する以上、第三者への被害については所有者が責任を負います。
民法第717条は、建物など土地の工作物の設置または保存に瑕疵があって他人に損害が生じた場合、所有者は免責なく賠償責任を負うと定めています。
雑草が隣地に侵入したり、老朽化した塀や建物が倒壊して通行人に被害を与えたりした場合、遠方に住む相続人でも責任を問われるリスクがあります。
出典:土地所有権の放棄|法務省
「特定空き家」指定による固定資産税の増額
古い建物が残っている場合、さらに深刻な問題があります。適切な管理がされていない空き家は、市区町村から「特定空き家」に指定される可能性があります。指定されると、それまで適用されていた固定資産税の住宅用地特例(課税標準を最大6分の1に軽減する制度)が解除されます。結果として、固定資産税が最大で6倍近くに跳ね上がるケースもあります。
「建物を残しておいた方が税金が安い」という理由で古家をそのままにしている所有者も多いですが、特定空き家に指定された時点でその前提は崩れます。老朽化が進む前に対処を検討することが重要です。
出典:固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置|国土交通省
市街化調整区域の家・土地を手放したいときの主な手段
市街化調整区域の不動産にも、物件の状態や目的に応じた処分方法がいくつか存在します。
ここで、主要な4つの選択肢を紹介します。

不動産会社の仲介による売却
もっとも一般的な方法が、不動産会社を通じた買主探しです。ただし、市街化調整区域の物件は建築制限があるため、通常の住宅と同じ感覚で進めると長期間売れ残るケースが多くあります。
重要なのは、対象エリアの市街化調整区域に精通した会社を選ぶことです。
都市計画法34条の許可要件や、自治体ごとの条例による開発許可の可能性を熟知した担当者であれば、農家・農業法人・資材置き場目的の買主など、一般的な検索では見つからない需要を掘り起こせます。
査定時に「どんな買主を想定しているか」を具体的に聞いてみると、会社の専門性がわかりますよ。
隣地所有者への売却の打診
意外と見落とされがちですが、隣に土地を持つ所有者は有力な買主候補です。農地であれば耕作面積を広げたい農家、住宅地であれば駐車場や庭として使いたい隣家など、需要は想像以上に身近なところにあります。
仲介手数料がかからないぶん価格交渉の余地も生まれやすく、お互いに納得感を得やすい取引になりやすいです。
直接交渉が難しい場合は、不動産会社に間に入ってもらう形でも構いません。まず登記簿で隣地所有者を確認することから始めてみましょう。
専門業者による直接買取
仲介では買主が見つからなかった場合の現実的な選択肢が、業者への直接売却(買取)です。
買取価格は市場価格より低くなる傾向がありますが、売却期間を短縮できる点と、管理負担や固定資産税をすぐに手放せる点は大きなメリットです。
市街化調整区域の物件を専門に扱う業者であれば、再建築不可や農地転用が難しい土地でも査定対象になります。複数社に査定を依뢰して比較することが、少しでも好条件で手放すコツです。
自治体への寄付・国庫帰属制度の利用
売却が難しい場合の最終手段として、自治体への寄付と相続土地国庫帰属制度があります。自治体への寄付は公益上の必要性を自治体が認めた場合のみ受理される仕組みで、管理の手間や将来的な紛争リスクがある土地は断られるケースも少なくありません。
一方、2023年4月に始まった相続土地国庫帰属制度は、相続で取得した土地を一定の要件を満たすことで国に引き取ってもらえる制度です。建物がなく、担保権や係争がない土地であることなど、承認要件はやや厳格ですが、売却も寄付もできない土地の受け皿として注目されています。申請先は土地所在地を管轄する法務局の不動産登記部門です。
市街化調整区域の農地を手放したいときの注意点
農地は一般の土地より法規制が一段厚く、手放すまでの道のりが長くなりがちです。
- 転用許可
- 建築許可
この2つの壁がある点を、まず押さえておきましょう。
農地転用許可の取りにくさ
農地を農地以外の用途に変えるには、農地転用許可が必要です。なかでも農業振興地域の農用地区域(いわゆる「青地」)に指定された土地は、原則として転用が認められません。
転用を進めるには、まず市町村に農振除外を申請し、都道府県知事の同意を得る手続きを踏む必要があります。この除外が認められる条件は厳しく、「農用地以外とすることが必要かつ適当で、農用地区域以外に代替すべき土地がない」と認められなければなりません。
出典:
農業振興地域制度及び農地転用許可制度|農林水産省
農業振興地域制度の概要|農林水産省
農振除外を突破できても、その後の農地転用許可では立地基準・一般基準の両方をクリアしなければなりません。市街化調整区域の農地は周辺環境が農業的土地利用として優れていると判断されやすく、許可が下りにくい構造になっています。
農地への建築許可条件の厳しさ
農地転用許可を取得しても、そこで終わりではありません。市街化調整区域内で建物を建てるには、都市計画法に基づく別の許可が必要です。
開発行為(土地の区画形質の変更)を伴う場合は同法34条の開発許可、建物を建てるだけの場合でも同法43条の建築許可の取得が求められます。
つまり農地を手放す・活用するには、農地転用許可(農地法)と建築・開発許可(都市計画法)という2本立ての手続きをそれぞれ別の窓口でクリアしなければならず、片方が通っても残る片方で止まるケースも少なくありません。
市街化調整区域の相続放棄について
「こんな土地、最初から相続しなければよかった」と思う方も少なくありません。
売却が難しい市街化調整区域の土地を前に、相続放棄を検討する方は多いですが、思わぬ落とし穴があります。
相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産もすべて受け取らないという手続きです。「土地だけを放棄する」ことはできません。預貯金や有価証券など、ほかの遺産もまとめて手放す必要があります。手続きは、相続の開始を知った日から3カ月以内に家庭裁判所へ申述しなければならず、期限を過ぎると原則として単純承認(すべて相続したとみなされる状態)になります。
出典:相続の放棄の申述|裁判所

また、相続放棄をしても土地の管理責任がすぐになくなるわけではありません。2023年4月の民法改正により、放棄した相続人は次の管理者が決まるまでの間、自己の財産と同一の注意で土地を保存する義務を負うと明確化されました。
放棄さえすれば手が切れるというわけではない点に注意が必要です。
出典:財産管理制度の見直し(相続の放棄をした者の義務)|法務省
売れない土地だけを国に引き取ってもらいたい場合は、前章で触れた相続土地国庫帰属制度の活用も選択肢のひとつです。ほかの遺産を残しながら不要な土地だけ手放せる点で、相続放棄より柔軟に対応できます。
市街化調整区域に強い専門不動産会社の選び方
一般的な不動産会社に相談しても「扱えません」と断られるケースは珍しくありません。
調整区域の取引には独自のルートと知識が必要で、会社選びが売却できるかどうかの分岐点になります。
調整区域の売買実績が豊富な専門会社
調整区域の物件は、買主の属性(地元農家か、開発業者か)によって売れるかどうかが大きく変わります。実績のある会社はこうした買主ネットワークをすでに持っているため、一般流通しにくい物件でも売却につなげやすいのです。
会社を選ぶときは「調整区域の年間取引件数」と「買取対応の有無」を直接確認してみましょう。
たとえば当社(不動産SHOPナカジツ)では、年間4,700件以上の仲介実績(2024年度)があり、調整区域・農地を含む特殊物件の査定も多数お受けしています。
不動産取引を委託する会社選びは慎重に選びたいところです。条件付き不動産なら尚更で、経験の裏付けがある会社を選んだほうが安心でしょう。
特定エリアに強い地域密着型の会社
調整区域の規制内容は自治体ごとに異なります。愛知県であれば農業振興地域の指定状況、神奈川県であれば神奈川県独自の開発許可基準など、エリア固有のルールに精通しているかどうかが実務上の差になりますどうかが実務上の差になります。
「市街化調整区域専門」を掲げていても、対応エリア外の物件には詳しくない会社もあります。相談前に「このエリアの調整区域で直近1年の成約事例はありますか」と一言聞くだけで、その会社の実力が見えてきます。
まとめ
市街化調整区域の土地は、放置するほど固定資産税・管理費・将来的な賠償リスクが積み重なります。「いつか何とかしよう」と先延ばしにするほど、子や孫への負担が大きくなるのも事実です。
記事全体を通じて見てきたとおり、売却・隣地への譲渡・買取・相続土地国庫帰属制度と、手放す手段は複数あります。ただ、どれが現実的かは土地の種類(農地か宅地か)・建物の有無・自治体の条例によって大きく変わります。
一般的な不動産会社では対応しきれないケースも多く、調整区域の取引実績が豊富な専門会社への相談が、最短ルートになることが少なくありません。
不動産SHOPナカジツは、年間39,000件以上の査定依頼をお受けし、一部エリアでは取引シェア率53%を誇ります。市街化調整区域の土地・農地・古家についても、豊富な取引実績をもとに現状に合った方法をご提案します。
「まず自分の土地がいくらになるか知りたい」という段階からでも、ぜひお気軽にご相談ください。












































